ごきげんよう、太田胃散
マンネリになりがちな日々の自炊問題。味にアクセントが欲しい所でもあるし、いわゆる「映え」な色味の料理を作ってみたいのだが、結局我が家のハイティーンブギな男子が好きなのは「肉にくしくて、茶色いもの」になる。
「変わった事せんでえい、普通でえいき!」
これで決まりさ!と近藤真彦の如く力強く次男が言い放つ。に確かに茶色いおかずは間違いなく美味いのだが作る方としては折角なら何か変化が欲しい。
そんなある日、カレーの隠し味に『太田胃散』がイケる!とネットで見かけた。
えええ?と驚いたが、漢方薬はそうか、生薬とかがスパイスと被る所もあるかと納得した。僕は個人的にガラムマサラを入れる時もあるのだが、それに類似する配合らしい。
ならばガラムマサラで良くないか?そもそもドラッグストアで最近は薬剤を買う際はレジで確認をされる。うっかり「カレーに入れます」と喋ればレジの店員に手元のベルを鳴されて、耳をつんざくような警告音が鳴り響く中、屈曲な男らに羽交い締めにされてバックヤードに連れて行かれる可能性があるかもだ。薬品は正しい用量用法を守って使わねばなぬのだから。
ちなみにミルクティーに太田胃散を入れてスパイスの効いたチャイ風にする事もできるそうだ。太田胃散万能だな。
太田胃散と言えばCMで使われている定番の曲は美しいショパンのピアノの調べであり、幼い頃から耳馴染みの良い曲なのだがこれに困惑させられた事がある。
敬愛する夏葉社の島田潤一郎さんのイチオシの映画のひとつが「櫻の園」だと知り観てみたのが去年の事。女子校出身の僕としてはあの雰囲気は懐かしい。つみきみほさんの登場時のあの目が覚める様なハッとする美しさは映画史屈指の名シーンひとつではなかろうか。
島田さんオススメだけあって、とても素晴らしい映画だった。だが…劇中でショパンが流れる度に「太田胃散…」「ありがとう…」「いい薬です…」と頭をよしなしごとが駆け抜けてちょっとだけ映画に集中できなかった。映画を観るまでにCMであの曲を聴かなければもっと入り込めたのだろうか。
結局、太田胃散でカレーに新たなアクセントも付ける勇気のない僕の作った夕飯は今日も茶色くていつもの味であった。
ちなみにもっと調べてみると太田胃散はあくまで胃腸薬でありスパイス代わりに使うことは専門家も推奨してないので気をつけて下さい。
あ、この予告編は太田胃散の曲じゃない(笑)
