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ビットコイントレジャリー企業を考察|下落局面で見え始めた「本物」と「希薄化企業」の差

【免責事項】
この記事は、特定の銘柄の売買をすすめるものではなく、公開情報をもとにした個人の考察です。
ビットコイントレジャリー企業について、mNAVや1株あたりBTC、資本政策、希薄化リスクといった観点から整理しています。
記事内では複数の企業に触れていますが、特定企業を否定したり、誹謗中傷したりする意図はありません。
あくまで、投資家として「どのような資本政策が株主価値につながりやすいのか」を考えるための内容です。
株価やビットコイン価格、BTC保有枚数、mNAVなどは日々変動します。
投資判断は、必ず各社の最新IRや開示資料を確認したうえで、ご自身の責任でお願いいたします。


こんにちは。いつもありがとうございます!
大学生Xです。今回は、ビットコイントレジャリー企業の戦略について、深く深く考えてみました。
今だからこそ見える、トレジャリー企業の戦略の違い、興味深いものがありました。



少し前まで、日本株市場ではビットコイントレジャリー企業に大きな熱狂が生まれていました。

メタプラネットを筆頭に、リミックスポイント、ANAP、エスクリプトエナジー、コンヴァノなど、ビットコインを保有・追加取得する企業に資金が集まり、各社の株価には大きな期待が織り込まれていました。

「次のメタプラはどこだ?」
「日本企業のビットコイン保有ランキングで何位か?」
「何BTC持っているのか」

そういった視点で、多くの銘柄が注目されました。

しかし、現在は状況が変わりつつあります。

ビットコイン価格の下落により、トレジャリー企業のmNAVは低下し、多くの企業が厳しい局面に立たされています。
かつては「ビットコインを買う」と発表するだけで期待されましたが、今はそれだけでは評価されにくくなっている。

むしろ現在のような下落局面では、各社の本当の実力が見えやすい。

BTCを増やしているように見えても、その裏で大量の新株発行が行われていれば、既存株主の1株あたりBTCは増えていない可能性がある。
一方で、新株発行を抑えながら、自己資金や事業収益、社債などを活用してBTCを積み増せる企業は、株主価値を守りながら成長できる可能性がある。

つまり、今見えてきているのは、単なるBTC保有企業の差ではないのです。

「本当に株主価値を高めるトレジャリー企業」と、
「BTCを理由に希薄化を続ける企業」の差。

今回のnoteでは、リミックスポイントを中心に、メタプラネット、ANAP、エスクリプトエナジーなどの現在の動きを比較しながら、日本のビットコイントレジャリー企業の現在地を考察していきます。


ビットコイン保有枚数だけをみてはいけない

ビットコイントレジャリー企業を見る時、多くの人はまずBTC保有枚数を見ます。
もちろん、ビットコインの保有枚数は重要です。
しかし、株主目線ではそれだけでは不十分。

たとえば、ある企業がBTCを1,000枚から2,000枚に増やしたとします。
一見すると、非常に良いニュースに見えます。
しかし、そのために株式数が2倍、3倍に増えていたらどうでしょうか。
会社全体のBTCは増えていても、既存株主が持つ1株あたりBTCは増えていない、あるいは減っている可能性がある

つまり、重要なのは、
BTC保有枚数が増えたか
ではなく、
1株あたりのBTCが増えたか

なのです。

ここを見誤ると、「BTCを買っている会社だからすごい」という表面的な評価になってしまう。

mNAVが高い時と低い時で、正しい戦略は変わる

ビットコイントレジャリー企業の基本戦略は、非常にシンプルなものです。

mNAVが高い(プレミアム)時:新株発行(ワラント)によりBTCを買う
mNAVが低い(ディスカウント)時:新株発行を抑え、社債・自己資金・事業収益などでBTCを買う

これが本来あるべきトレジャリー企業の戦略。

mNAVが高い時は、新株発行による資金調達が有効になりやすい

なぜなら、株式市場がその企業を保有BTC価値以上に高く評価しているから。
この局面で新株を発行し、その資金でBTCを購入できれば、1株あたりBTCを増やせる可能性がある。
一方で、mNAVが低い時の新株発行は危険。

mNAVが1倍を下回る局面での新株発行

保有BTC価値より安い評価で株を出すことになる。
これは既存株主にとって、1株あたりBTCの希薄化につながりやすい。(=株主価値を著しく毀損させることになる)

前回のプレミアム局面では、多くの企業が「BTC企業」として評価された

前回、ビットコイントレジャリー企業に大きなmNAVプレミアムが付与されていた局面では、各社が強気の資本政策を進めました。

特にメタプラネットは、その代表例。
メタプラネットは過去に大規模な新株予約権や公募増資、社債などを組み合わせながらBTCを積み上げてきました。国内ランキングでは、現在も40,177BTCを保有し、日本企業では圧倒的な1位となっています。
一方で、ANAPやエスクリプトエナジーなども、ビットコイントレジャリー企業として市場から注目を集めました。
しかし、現在のようにBTC価格が下落し、mNAVが低下する局面では、単に「BTCを買います」と言うだけでは不十分です。
今問われているのは、
そのBTC購入は、既存株主の1株あたりBTCを本当に増やしているのか
という点になります。

現在の局面で見える差

2026年5月1日時点の、国内上場企業のBTC保有ランキングは、メタプラネットが40,177BTC、ネクソンが1,717BTC、リミックスポイントが1,491BTC、ANAPホールディングスが1,432BTC。
この中で、注目すべきはmNAVの差。
JinaCoinによると、メタプラネットのmNAVは0.86倍、ANAPは0.35倍、リミックスポイントは1.79倍となってます。
ここに、企業ごとの市場評価の違いが出ている。
メタプラネットやANAPは、保有BTC価値に対して時価総額が下回る状態になっている。
一方で、リミックスポイントはBTC保有価値に対してプレミアムを維持している。
これは単純に「リミックスポイントの方が良い」という話ではないのです。
少なくとも市場は、リミックスポイントに対して、BTC保有だけではない価値を一定程度評価していると考えられます。

リミックスポイントの強さは「希薄化なしの追加購入」

リミックスポイントは、2026年4月27日に総額5億円の暗号資産追加購入を決議し、4月28日に2.5億円分のビットコイン、20.2951005BTCを追加購入しました。これにより、BTC保有枚数は1,491.31334195BTC。
ここで重要なのは、単にBTCを買ったことではなく、直近の追加購入が新株発行を伴うものではないという点。

現在のような下落局面では、新株発行によるBTC購入は慎重に見る必要があります。
なぜなら、株価が下がっている時に株式を発行すると、既存株主の持分が大きく薄まる可能性がある。
その点、リミックスポイントは、少なくとも直近のBTC追加購入において、株式の希薄化ではなく、既存の資金余力を活用してBTCを積み増している。
これは株主目線ではすごく大きい。
BTC保有枚数を増やすことだけを目的にするのではなく、1株あたりBTCを守りながら積み増すという意味で、現在の局面に合った動きなのです。

リミックスポイントは「BTCだけの会社」ではない

リミックスポイントの面白さは、BTC保有だけではありません。
エネルギー事業や蓄電池関連事業を持ち、さらにデジタルアセットマネジメント事業にも取り組んでいます。
また、リミックスポイントは保有する暗号資産について、レンディングサービス等を活用した運用により収益機会の拡大を図る方針も示している。
つまり、リミックスポイントは単にBTCを買って放置する会社ではなく、
電力・蓄電池事業
暗号資産保有
暗号資産運用
株主還元余地
という複数の要素を持っています。
この点が、単純なBTC保有企業とは異なる部分。
もちろん、リミックスポイントにも課題はある。
BTC価格の変動による評価損益の影響は大きいし、今後の資本政策や事業進捗次第で評価は変わる。

それでも、現在の局面で新株発行を伴わずにBTCを追加取得している点は、かなり評価できます。

ANAPやエスクリプトエナジーに感じる懸念

すべてのビットコイントレジャリー企業が、メタプラネットやリミックスポイントのような基本的な戦略をとっているとは言えません。
ANAPやエスクリプトエナジーには慎重に見たい部分があります。
ANAPは国内4位の1,432BTCを保有。
この会社は現在のような下落局面おいて、大きな希薄化を伴うBTC購入のための新株予約権の発行を行っています。
しかし、mNAVは0.35倍と、保有BTC価値に対して大きくディスカウント。
この状態で大きな潜在株式や新株予約権が存在する場合、投資家はどうしても警戒する。
なぜなら、低mNAV局面での新株発行は、1株あたりBTCの希薄化につながりやすいから。

エスクリプトエナジーについても、株主割当による第10回新株予約権の無償発行が臨時株主総会で承認されている。
株主割当という点では、第三者割当より公平性はある。
しかし、それでも市場価格が行使価額を下回るような局面では、行使が進まず、資金調達が想定通り進まない可能性がある。
つまり、下限行使価格や行使価額があるから安心、という単純な話ではないと思います。
むしろ、
株価が行使価額より上なら希薄化が進む
株価が行使価額より下なら資金調達が進まない
それでも潜在株式の重さは残る
という難しい状況になりやすい。
ここが、ビットコイントレジャリー企業の一番のリスクだと感じています。

トレジャリー企業の二極化が進んでいる

ここまで見てくると、現在の局面でビットコイントレジャリー企業は明確に分かれ始めていると思う。
一つは、1株あたりのBTCを増やすことを意識している企業。
もう一つは、BTC保有枚数だけを増やそうとして、株主価値を薄めてしまう企業
前者は、mNAVが高い時には株式発行を活用し、mNAVが低い時には社債・自己資金・事業収益などを使ってBTCを買う。
後者は、mNAVが低い時でも新株発行を続け、結果として既存株主の1株あたりBTCを毀損する可能性がある。

この差は、BTC価格が上がっている時には見えにくい。

しかし、BTC価格が下落し、mNAVが低下している現在のような局面では、その差がはっきり見えきています。

リミックスポイントの現在地

リミックスポイントは、メタプラネットのような圧倒的なBTC保有枚数を持っているわけではありません。

しかし、国内3位のBTC保有企業であり、直近でも新株発行を伴わずにBTCを積み増している。

また、BTC保有に加えて、エネルギー事業、蓄電池関連事業、暗号資産運用という複数の材料を持っています。

この点で、リミックスポイントは単なるBTCトレジャリー企業ではなく、BTCと実業を組み合わせた企業として評価できる可能性がある。

もちろん、今後も見るべき点は多くあります。

▫️追加購入は自己資金で続けられるのか
▫️新株発行を伴わない方針を維持できるのか
▫️配当や自社株買いなどの株主還元はあるのか
▫️蓄電池・電力事業の収益化は進むのか
▫️BTCレンディングの収益はどの程度出るのか
▫️1株あたりBTCは増え続けるのか
▫️ビットコイン上昇時の感応度

ここに注目していきます。

まとめ

ビットコイントレジャリー企業を見るうえで、最も大切なのはBTC保有枚数ではないと思います。
重要なのは、1株あたりBTCが増えているか。

そして現在のようなBTC下落局面では、各社の資本政策の質がはっきり表れる。

メタプラネットは、mNAV条項や社債を活用しながら、高度な資本政策を行っている。

リミックスポイントは、直近で新株発行を伴わずにBTCを追加購入しており、株主目線では評価できる動き。

一方で、ANAPやエスクリプトエナジーのように、低mNAVや株価下落局面でも大きな潜在株式を抱える企業には注意が必要。

今後のビットコイントレジャリー企業は、単にBTCを買えば評価される時代ではなくなると思う。
市場が見るべきなのは、

BTC保有枚数ではなく、
BTC per shareであり、
完全希薄化後BTC per shareであり、
mNAVに応じた資本政策の規律。

その意味で、現在の下落局面は、ビットコイントレジャリー企業にとって試練であると同時に、
本当のトレジャリー企業が分かれてくる局面だと考えます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

                  大学生X

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