好きなものを書いて、人とつながる——「うみねこ書房」ぽん子さんに聞く夫婦エッセイと書く習慣|文学フリマインタビュー
この記事は、文学フリマに参加する人たちのためのインタビュー。
今回参加いただいたのは ぽん子 さんです!
屋号:うみねこ書房
作者名:ぽん子
近刊本:夫婦エッセイ、読書エッセイ、嘘日記、音楽挫折エッセイ(合同誌)
参加イベント・ブース:文学フリマ東京41す-36
文学フリマwebカタログ:ttps://c.bunfree.net/c/tokyo41/4F/%E3%81%99/36
Webサイト:
どんな本を出されているんでしょうか?
まりはな:ブース名と作者名を教えてください。
ぽん子:うみねこ書房のぽん子と申します。
まりはな:どのイベントにどんな本を出しますか?
ぽん子:文学フリマ東京41にエッセイ集を4種類持って出展します。
まりはな:エッセイの4種類はどんな本なんですか?
ぽん子:一番新しいのが夫との生活を書いたエッセイ集です。他には読書エッセイと嘘日記、それと音楽に挫折しちゃった話を書いたものの4種類を持って行きます。
まりはな:中でも一番推してる自信作はどれになりますか?
ぽん子:強いて言うなら、やっぱり一番新しい夫婦エッセイかなという気がします。他のやつも気に入ってはいるんですけど。
まりはな:新しい旦那さんとの生活を書いたエッセイ、どんな内容になってるんですか?
ぽん子:普段の夫との暮らしのことや、二人の馴れ初めの話、結婚式での話などを書いています。
まりはな:書いてる時の感情ってどういう気持ちで書いてますか?
ぽん子:こんなことがあったなって懐かしくなったり、楽しかったなって気持ちになったりすることが多い気がします。
まりはな:どんな感じでこの本を作ろうと思って書き始めたんですか?
ぽん子:noteというSNSにいろんな話を書いてたんです。夫の話だけじゃなくて、日記だったりエッセイみたいなことだったり。そこに書いてた中から、夫婦の話を抜粋して一冊にまとめました。
以前、夫と、将来どちらかがいなくなった後の話をしたことがあって。夫が「ひとり残されたら寂しい」と言っていたのが、心に残っていたんです。それで、そんな日が来たときに寂しくないように、二人の楽しかったことを残しておこうと思って、夫婦エッセイを作りました。
まりはな:普段noteに投稿されているものを書こうと思ったきっかけってどんなものでしたか?
ぽん子:もともと書くのは好きだったんですけど、私、三日坊主でなんでもすぐやめちゃうタイプだったんです。そういう自分がちょっと嫌だなって思ってた時に、いしかわゆきさんという方の「書く習慣」という本を見つけて。一番最後に30日間毎日続けて書くというプログラムがありまして、それを一回一ヶ月頑張ってやってみようって始めたのが最初です。30日続けたので、多分リズムができたんだと思います。そこから毎日じゃないけど、定期的にいろんなことを書くようになりました。
まりはな:30日間続けてる時はどんな気持ちでしたか?
ぽん子:絶対最後までやるぞとは思ってたような気がします。毎日お題が一個あって、それに沿って書く感じだったんですけど、テーマに沿ったことが浮かばない時はどうしようとは思って。辞めちゃったら絶対また続かなかったってなっちゃうから、それだけは絶対に嫌だったんです。書かなきゃってなってたかもしれないけど、今日書くのやめちゃってダメになっちゃったっていう方が嫌だなっていう気持ちがありました。
まりはな:30日間終えて、今日までずっといろんな事を書かれて来られたと思いますけど、気持ちの変化とかってありましたか?
ぽん子:思っていることを外に出すっていうか、そういうのが少しずつ抵抗がなくなってきたかなっていうのはあるかなとは思います。
まりはな:ぽん子さんにとって書くってどういうことですか?
ぽん子:人とつながったり、自分の思いを表現するためのものな気がします。おしゃべりするのがあんまり得意じゃないけど、書くことだったら結構スラスラ書ける。喋っていると考えるのに時間がかかっちゃって言葉が出てこないこともあるんですけど、やっぱり書く方がスムーズというか。
自分の書いたことに、全然会ったことない人とかがすごくそれ分かるよって言ってくれたり、面白いねとか言ってくれて、それがすごく嬉しいんです。嬉しかったこととか、自分にとってはマイナスの経験だったりしても、昔あの時にちょっと辛かったんだよねみたいなことを書いて、そういうことは私もあったよみたいに誰かが言ってくれたら、辛かったことも、無駄じゃなかったんだなって思えたりするっていうのはありますね。
まりはな:他にはどんな本を出されるんですか?
ぽん子:読書エッセイと嘘日記、それと音楽挫折の本です。嘘日記は、私、世にも奇妙な物語がすごく好きなので、日常にちょっとありそうでなさそうなっていうような、嘘だけど本当みたいな事を書いた日記です。
読書エッセイは、本を読むのが好きなので、読書感想のようなものをずっとnoteに書いてて。本を読んで思い出した自分の記憶とか思い出だったり、趣味で一箱古本市に出てるので、その時の思い出話だったりとかっていうのを一冊にまとめたものです。
音楽挫折の本は、みんなで集まって書いた合同誌でして。3年ぐらい前に、SNSで「音楽に挫折した人がいたら、みんなで集まって一冊本を作りませんか?」っていうつぶやきが来たんです。バンドを組む代わりに編集部を作って、CDの代わりに一冊本を作りましょうっていう。私、ベースを弾きたかったんですけど、結局何にも弾けないまま辞めちゃったのがずっと心残りだったから、じゃあ思い切って一緒にやらせてくださいって言ってみようって思って。私も入れて4名で集まって一冊本を作ったんです。CDみたいな形をしてるんですけど、歌詞カードの部分がZINEになっています。
中身は、4人それぞれが挫折体験を綴ったエッセイと、ルポ2編です。挫折っていうと、マイナスなイメージがありますが、転んでしまったから書けることもあるんじゃないかな、と思って、書きました。音楽に限らず、同じような経験をした方に、届いてくれたら嬉しいです。
これまではどんな活動をされていたのですか?
まりはな:今までも文学フリマには出展されたことがありますか?
ぽん子:今回が4回目になります。
まりはな:毎回新刊を持って増やしていく感じなんですか?
ぽん子:そうですね。そうでした。
まりはな:最初文学フリマに出ようと思ったきっかけって何ですか?
ぽん子:一回自分の本を作ってみたいなっていう気持ちがずっとあったんですけど、やっぱり締め切りがないと絶対延び延びになっちゃうから。お客さんとして行ったことはなかったけど、どうやらそういうイベントがあるらしいっていうことだけは知ってたので、じゃあもう出るって決めちゃえばもうそこまでにやるしかないから。締め切りを作るため、本をどうしても一冊作ってみたかったから、よし出るぞと決めた感じです。
まりはな:実際完成させて出店してみてどうでしたか?
ぽん子:緊張したけど楽しかったです。本が完成したっていうのも嬉しかったし、実際、買ってくれる人がいたっていうのも、すごく嬉しかったですね。
まりはな:今回で4回目ということで、この続けている理由は何ですか?
ぽん子:作ってみたいっていう本が色々あるので、それもあるし。いつもはSNSでやり取りしてるだけの人でも、やっぱり現場で直接ご本人さんに会ってお話できるっていうのも楽しくて。それで出店しています。
まりはな:SNSでの繋がりと、文学フリマで直接会って話す事の違いってどういうところにありますか?
ぽん子:違いっていうのはあんまり考えたことはなかったんですけど、でもやっぱり、画面上のやり取りじゃなくて、会えて嬉しいなっていう感じが一番近いかもしれないですね。画面上じゃなくて実際に会えて、そんなに長い時間はおしゃべりできなかったとしても、来てくれたんだっていうのと、会えてすごく嬉しいなっていうか、その感じが近いかもしれないです。
まりはな:ぽん子さんにとって、文学フリマの魅力ってどこにあると思いますか?
ぽん子:直接来てくれた方とか、いつもやり取りしてる方と会えるっていうのもあるし、イベント自体もいろんなジャンルの本とかがあって、お祭りみたいで楽しいなっていうのもあります。あと、作ってる時は自分一人でずっと作ってるけど、あの場所にみんなそれぞれ作った本を持ってきてる方がいると、本作ってる仲間がこんなにいっぱいいるんだなっていうのが分かるのもすごくいいなって思います。
イベントへの意気込みをお願いします!
まりはな:これからも書くことは続けていきますか?
ぽん子:そうですね、続けていきたいなとは思ってます。
まりはな:文学フリマへの意気込みをお聞かせください。
ぽん子:好きなものの話を書いた本を持っていくので、立ち寄ってくださったら嬉しいです。
インタビューを終えて
ご自身の作品を大切に思われていることが伝わる、ぽん子さんのインタビュー。
書いているときはひとりだけど、文学フリマには書き終えた仲間がたくさんいる、というお話しが印象的でした。出店者の方にとって文学フリマは、締切であり追われる存在でもあると思うのですが、完成した先には仲間と出会える場所となる。ジャンルもテイストも違うそれぞれの出店者の方々はバラバラな存在に見えていましたが、実は同じ目標を達成した仲間同士なのだと知りました。広ーい会場にいるたくさんの様々な人が仲間だと思える場所。ひとりだけど、ひとりじゃない。書くことで、心強い居場所で同じ目標を達成した仲間とつながれる。
ぽん子さんにとって書くことは、人とつながるためのものとお話しいただきましたが、「書くことで人とつながる」という言葉は、文学フリマを表す言葉でもあるなぁと思いました。
素敵な考え方を教えてもらって、文学フリマいいなぁ…!と改めて強く思うようになりました。出店する予定などないのに、人見知りだからどうしよう…などと必要以上の想像をしてためらっていたのですが、みんな仲間だと聞いてとてもしっくりきました。同じ締切を乗り越えた人たちの絆は強い!文学フリマ東京41まであと少し。出店者のみなさまと作品との出会いを楽しみにしています!
【インタビュー・あとがき:まりはな】
制作:栗林康弘・qbc(無名人インタビュー主催・作家)
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