見出し画像

国内留学した高校3年生の人

リブートした「うる星やつら」の初掲載は1978年の週刊少年サンデー。私qbcは1978年生まれなので50年近く前の作品になります。たぶん私がめちゃ読んだ作品で。
それが作り直されて、そのオープニングが自分の今好きなMAISONdesとか花譜ちゃんが関係しててちょっと恐ろしいなって思ってます。
うる星やつらのテレビアニメのヒットを支えた押井守だって好きだし。
そういえば無名人インタビューを読んでくれてる人で音楽系の人がいるんですけど、その人がイギリス留学でいろいろお世話になったっていうのが初代のED「ラムのラブソング」作った人だったとかで、なんか不思議に記憶がつながっていく。
てかそもそも筒井康隆の影響があるし。
「うる星やつら」はラブコメではあるんですが、そもそもがシットコム、シチュエーションコメディといわれる部類で、登場人物たちが異質な設定の中でくりひろげられる一幕の舞台という側面があって、それはこの無名人インタビューがどうしてもどうしても1記事1人っていう枠組みにしたいなってこととも関係があるのかもしれない。
なんてな。
昔話。
時を経ても出会いは巡るんだなって思いました。むしろ怖いわ。
今回のインタビュー参加者さんとは四半世紀都市の差があるんだもんな。
ということで今日の無名人インタビューもよろしくお楽しみくださいませ!!!(主催:qbc)


今回ご参加いただいたのは 名もなき留学生 さんです!


現在:ヒロインの行動力が本当にすごいなって思って、僕も広島行きてえって。

石井:今どんなことをされている方ですか?

留学生:僕は今、通信制の高校に通う高校3年生です。
昼間の普通の通信制で、自分の行きたい授業だけ行って、あとは家で。みたいな感じですね。

石井:行く授業と行かない授業って、どういう風に分かれてるんですか?

留学生:基本的にはスクーリング日数っていうのが決められていて、その日数を行かないといけなくて。例えば、日本史Bだったら4回来てくださいね、とか。そういう風に決められた日数に対して行ったりとか。
あとはその体育祭だったり文化祭だったりの行事のときとかに、学校に行って、みたいな感じ。毎日行くわけじゃないんで、みんながみんなバイトしたりだとか、いろんなことをして過ごしているような学校です。

石井:今、バイトしている人もいるっていうお話しだったんですけど、名もなき留学生さんご自身は、それ以外の空き時間だとか、学校以外の時間ってどんなことをしているんですか?

留学生:僕は結構漫画を読むことが好きなんで、漫画を読んだりとか、バイトとかもしたりとかして、漫画を買うためにお金を貯めてみたいな感じで、趣味のために使ってるって感じですかね。

石井:結構どっぷり好きなんですね?

留学生:給料のほとんどが飛んでいきますね。

石井:漫画ってそんなに使わない印象だったんですけど、そうなんですね。通信制の高校自体は、3年間ずっとですか?

留学生:けど、1年生のときは僕は名古屋に住んでいて、今は兵庫に住んでるんですけど、1回引越しをして。キャンパスを変えてみたいな。学校は一緒なんですけど、全国各地にキャンパスがあって、別のキャンパスに今通ってる感じですね。

石井:転校とはまた少し違う感じですか?

留学生:転キャンパスっていって、学校は一緒だけどキャンパスが、通う場所が違うみたいな。

石井:その学校に通おうと思われたのはどうしてなんですか?

留学生:自分としても全日制の学校に通いたいっていう気持ちはあったんですけど、体がちょっとそこまで強くないというか、冬になったら体調壊しがちで。中学校とかもほとんど行けてなくて出席日数が足りなくて。
そういったときに通信制っていう選択肢が入ってきて。今の通ってる通信制の多くの学校の中で決めたのは本当に、直感って言うか。うちの学校のテーマカラーっていうかメインのカラーがオレンジなんですけど、それに惹かれた、みたいな感じですかね。

石井:テーマカラーで学校を決めるってなかなかないですね。

留学生:いっぱいその資料を貰ってくる中で一番目についた色がオレンジだったので。そこで他の学校とはまた違った魅力を感じました。

石井:オレンジが好きなんですか?

留学生:いやあそこまでなんですけど。他の色が白とかばっかりだったのに対して、奇抜だなっていう印象だったので、楽しそうだなっていう感じでした。

石井:なるほど。実際それは通ってみてどうですか?

留学生:普通の高校と違ってみんな髪染めてる子だったりとか、ピアス開けてる子とか、芸能活動してる子とか、多種多様な人がいっぱいってなんかとても楽しい学校ですね。

石井:名もなき留学生さんご自身は、多種多様な部類には入ってない?

留学生:髪も染めようとは思わなかったし、ピアスも開けようと思わなかったんで、その学校の中ではある意味特殊な存在だったのかもしれないですね。

石井:一番強烈だなって思う人とかってどんな人ですか?

留学生:1回授業中に、その子アイドルをやってたんですけど、授業中に親から電話がかかってきて、これから東京で仕事なんで帰りますって言って帰った子とかいましたね。

石井:通信制に行く理由っていうのは多分それぞれだと思うんですけど、お仕事とかもあるんですね。

留学生:同じクラス内でも、同じアイドルグループの子たちが通ってたりとかはして。芸能活動に対して協力的な学校なんだなっていう印象がありますね。

石井:通信制に通っていて、嫌だなと思うこととかってあるんですか?

留学生:自分からアクションを起こさないといけないっていうのがあると思って。僕自身、そこまでグイグイ行くような強気な性格じゃないので。友達作りっていうのは苦労します。

石井:それは最初の、入学したての頃?

留学生:本当にちょうどコロナ禍で、学校の始めも2ヶ月遅れた状態で、弁当のときとかも喋ってはいけないとか。そういったところで、まわりもみんな髪染めて、ピアス開けて、どうしようみたいな感じありました。

石井:すごい空間ですね。確かに会う時間がやっぱり限られてるってなると、すごく難しそれはそのあと、どういうふうに状況が変わったんですか?

留学生:一番最初に出来た友達のきっかけが、学校のトイレで。トイレに穴が開いてたんですよね、誰かが蹴っ飛ばして。やばくね? こわくね? っていうのでちょっと仲良くなりました。

石井:ちょっと荒れてる学校の象徴みたいな。そういうのはないのかなと、今お話聞いてて勝手に思ってたんですけど。

留学生:けどそういうのは僕が見たのはそれが最初で最後だったし、全体的に髪染めてて、世間一般的にはやんちゃっていうイメージもあるかもしれないですけど、みんな結構優しい感じの子なんで。暴力事件だったりとかっていうのはないですね。

石井:学校以外のお話に戻るんですけど、今一番充実してるなとか、楽しいなとか、そういう瞬間ってありますか?

留学生:それも本当に、漫画を読んでる瞬間とかになっちゃうんですけど。自分が変われたひとつの大きなきっかけっていうのが漫画だと思っていて。そういったなかで僕自身も将来、漫画に携わりたいっていう気持ちもありますし。読んでて楽しいっていうので、漫画を読んでる瞬間っていうのが、時間を忘れて、嫌なことも忘れてみたいな。

石井:どんな系統の漫画が好きなんですか?

留学生:基本は何でも読むんですけど。コメディだったりとかラブコメディだったりとかそういった部類は結構好きです。

石井:ラブコメディってどんな作家さんなんですか?

留学生:多分、普通の一般男性だと思いますね、描く人。

石井:いわゆる少女コミックスとかに載ってるような感じの?

留学生:はい。僕はマガジンの漫画を好きでよく読むんですけど、こういう欲望を持った男性作家が書いてんだなっていう感じの内容です。

石井:そういう視点で見るんですね。それはずっと好きなんですか?

留学生:漫画を読み始めたきっかけっていうか、僕の一番最初にはまった漫画がラブコメの漫画で、それを描いてる作家さんがラブコメしか描いてないんで。そういった感じで好きになりました。

石井:それはいつ頃ですか?

留学生:中学3年生の春頃ですね。もう3年以上前。

石井:ずっと本当にその作家さん経由で。なるほど。その作家さんが好きなんですか?

留学生:その作家が好きで、そこからいろいろ似たジャンルだったりとかで、幅を広げてったっていう感じですかね。

石井:他のジャンルではなくて、そのジャンルが好きな理由って、さっき没頭するっていうところをおっしゃったと思うんですけど、何か他にもあるんでしょうか?

留学生:一番は何か、現実に近いようで近くないっていうものが大きいなって思っていて。日本を代表するようなワンピースとかだったり、ちょっとあれって絶対に言っていいか、起こり得ないじゃないですか。今のこの世の中において。
けどラブコメディとかっていうのは実際の現実の場所をモデルに描いた、その場所であったりとか学校だったりっていうのがあるし、出てくるのも普通の少年少女なんで、そういった辺りで他の漫画よりも没入感があるっていう感じはあります。

石井:その没入感って、言い換えるとどんな気持ちっていうか、読んでるときってどんな気持ちになるんですか?

留学生:主人公の視点で読むことが多いなって思うんです。漫画とはいえ、ページをめくるまで次の展開はわからないので。自分もこれから先どうなるんだろう、とか。男の子だったり、女の子だったりとかが、ドギマギしている感じっていうのを自分も追体験している感じになります。

石井:なるほど。それ自体に対して評価するっていうよりは、それを追体験するっていうところが?

留学生:結局読み終わった後に、自分が追体験したときの感じで面白い、面白くないっていうあたりが決まってくるのかなっていう印象があります。

石井:今まで一番面白かったのってどんな漫画ですか?

留学生:難しいですね。
『君のいる町』っていう漫画なんですけど。これは本当に僕の人生を大きく変えてくれた漫画で。そのときの、今思うとそこまでなのかなっていう印象も多分あるはあるんですけど、自分の人生を大きく変えてくれたっていうところだったりとか、っていう部分で印象に残ってて一番好きな漫画ではあります。

石井:どう人生が変わったのか伺ってもいいですか?

留学生:第1話目で、ヒロインが主人公のいる広島の家に東京から引っ越して。主人公の家にまず一緒に住むことになるんですけど。そのヒロインの東京から広島に行くっていう行動力が本当にすごいなって思って、僕も広島行きてえって。そのとき僕中学3年生だったんで、広島・高校で検索したんですよ、転校で検索して。そうなったときに、地域みらい留学っていうのが出てきて、山形に1年間行ったっていう経緯があります。

石井:留学の経緯は、漫画から?

留学生:だから本当に読んでなかったら多分、今こうしてインタビューも受けてなかっただろうし、みたいな感じですね。

石井:なるほど。でも確かにすごいです。東京から広島まで行って。あとは普通のラブコメディですか?

留学生:けど結構なんかドロドロな感じで。爽快感っていうよりかは読んでてボリュームのある感じなので。

石井:そこまで感化されたのって、どうしてなんですか?

留学生:多分、その当時の僕はこれといった趣味もなければ、夢だったり目標とかもなかったんですけど。なにかひとつの物事に対してこうも熱中できる、みたいな感じが多分僕には刺さったのかなっていうのはありますね。

石井:それって恋愛ですよね?

留学生:だから僕はただ単に、なにも夢も目標もない中でやってる中で、そういう物語のフィクションの話でありますけど、似たような年齢の子たちがこうも真剣に、自分の打ち込めるものを見つけているっていうのはすごいなって思った印象はあります。

石井:じゃあ自分と重なったのが大きかった?

留学生:そうですね、ある意味自分の対極にいるような人たちだと思ってるんで。そういった部分で憧れっていう言い方もあれですけど、こういう熱中できるものが欲しいっていうのもあったのかもしれないですね。

過去:自分にもうちょっと繋がりがあったら変わったのかなって

石井:名もなき留学生さんは、どんな子供でしたか?

留学生:自分で言うのもあれなんですけど、スポーツができて勉強もできてみたいな。

石井:それは小学生ぐらいの頃?

留学生:小学生の頃が今までの人生で一番充実してたっていう感じですね。

石井:それがいつ頃まで続いたんですか?

留学生:小学校の4年制の中頃までは順風満帆でしたよ。

石井:結構なんでしょう。微妙っていうとあれですけど、中学校入学してからとかではないんですね。それは、例えばクラス替えとかですか?

留学生:いや、ひとえに人間関係と言えば早いんでしょうけども。当時の女子の怖さっていうのを思い知って。

石井:同性ではなく?

留学生:そうですね、異性の怖さっていうのを知って、ちょっと自分としてもふさぎ込みがちになって。ちょっと学校からも足が遠のいて。そのときは不登校とまではいかなかったんですけど。2週間ぐらいかな、学校休んで。その後は何に対してももうやる気も出ずにっていう感じですか。

石井:お話されたくなかったら全然大丈夫なんですけど、どんなことがあったか伺ってもいいですか?

留学生:当時付き合ってた女性が、ふたりしか知り得ないことをクラス中が知ってたんですよね。怖って思って。当時やんちゃだったんで、僕としても。やべえ、先生にバレたら殺される、ちょっとなんでみんな知ってんのみたいな怖さがありまして。

石井:先生にばれたら大変なことだったんですね。

留学生:今考えれば全然なんですけど。子供の、小学生の頃って先生に怒られるのがめっちゃ嫌だし、そのときの学年主任が学校で一番怖い先生だった。ばれたらやばいって思って。

石井:それで、中学生の頃は?

留学生:中学生の頃は、ある意味自分の人生が大きく変わったなって思っていて。起立性調節障害だったりとか過敏性大腸炎とかっていう病気で、学校に、だんだん足が遠のいていって、不登校になったっていう感じですね。中学校1年生の秋口ぐらいからです。

石井:じゃあ中学校は、最初からあまり行かないような状態だったんですね。

留学生:前期は行ってたんですけど、冬になると、お腹がひどい腹痛に見舞われて。それからもう毎年冬は本当に駄目で、外出はもうほとんどできない感じです。

石井:今もそれは変わらずなんですね?

留学生:本当に腹が痛くて冬は外に出れないっていう感じで。

石井:その症状が出たのが中学生のとき?

留学生:そうですね。

石井:それって、病気になったときってどういう心情でした?

留学生:精神的には、ひとえにつらかったと言えばつらかったのか。学校に行かなくていいっていう開放感があったのか。っていうなんとも、表し難いような心情ではありましたね。

石井:学校に行かなくていいのが嬉しかったですか?

留学生:子供ながらなんであれなんですけど、宿題も嫌だしっていうのだったりとかっていうので、宿題をしなくていいっていう開放感と同時に、こういった部分でのちにいろんな行事もあるわけだし、自分自身小学校とかもそこまでいい思い出なかったんで。中学校こそはって思ってた自分がいたんで。やっぱりそういったところで、対極しあうふたり、ふたりっていうかまあ、自分がいまして。

石井:じゃあ頑張りたい気持ちと、純粋に学校に行かないのが嬉しい気持ちと。それは中学校3年間で変化しましたか?

留学生:あんまり。心境的には、うーんっていう感じで。中学校は正直諦めていて、高校どうしようかなっていうところに目がいっていたっていう部分もありますね。

石井:だからこその思い切った進路選択があったんですかね。中学校の思い出とかっていうのは他にありますか?

留学生:自分の住んでた市で、不登校の子たちを集めたフリースクールみたいなのを市がやっていて、そこに通っていたんですけど。
そこではみんなで和気あいあいと仲良くして、結構そこでは楽しかったですね。学校とはまた違った、同級生との関わり合いとか、年上もいるし、年下もいるし、そういった部分で解放されたっていうっていうのは自分にとって、一番楽しい場所だったっていう印象はありますね。

石井:その後の留学っていうのは、いつごろになるんでしょうか。

留学生:高校2年生の1年間だけ留学するプログラムっていう「地域みらい留学365」っていうプログラムがあって。そのプログラムで1年間山形に行ったっていう感じです。

石井:留学することは入学する前から決めていた?

留学生:いや。高校3年間留学するプログラムもあって、本当はそっちに行きたかったんですけど、体調面だったりで、無理だっていうところで断念して。
失意の中、高校1年生になった年に、来年から高校1年間だけ留学するプログラムが始まりまして、自分の中にその報告が入って、自分が一度捨てた、諦めたものだからこそ挑戦したいっていう気持ちで1年間、留学しようかなっていうのを決めました。

石井:捨てたものっていうのはどんなことを指してるんですか?

留学生:自分が行きたかった、高校3年間の留学っていうものじゃなくて通信制の高校にしたっていう自分の選択に対して、当時もまだ後悔っていうのがちょっとあった状態ではあったので、やっぱりそういった中で、1年間留学できるチャンスが舞い込んできたっていう嬉しさです。

石井:なるほど。留学って言うとやっぱり、国外に行くことを想像すると思うんですけど。そうではなくて、国内にしたのは、コロナの感染状況を見てですか?

留学生:いや、全然ですね。僕は本当に、国外に留学するつもりっていうのは全くなくて。
一番はその、漫画に憧れてたっていうのが多分あると思っていて。国内の移動で他の学校に行って。言葉も通じるし。国外留学とはまた違ったものがあると思っていて。留学先も田舎だったので、そういった中で、のどかだったり星が綺麗だったりっていうのがまた、海外留学では味わえないような感じだったのかなって思いますね。

石井:そのプログラムを初めて知ったときはどんな気持ちでした?

留学生:本当に嬉しかったですね。来年から始まるっていうことで。僕が3年間留学諦めた頃には知らなかったし。本当に寝耳に水で、自分にとっては嬉しかったですね。

石井:ご両親にも賛成はしてもらえた?

留学生:ある程度はしてもらいましたね。

石井:実際に行ってみて、何か違いはありましたか?

留学生:前に住んでたところでの人間関係の希薄さっていうのを身を持って感じたっていう部分があって。自分の行ったところが田舎だったからこそ、本当に知り合いの方が多くできて。
町も7,000人ぐらいの小さな町なんですけど、ある人の名前を出したら、ああ知ってる知ってるって言って、横の繋がりが本当に広くて。町とかでも挨拶してくれるし、住んでいて気持ちのいい住みやすい町でした。

石井:それは期待していた通りですか?

留学生:ある意味、予想外でしたね。

石井:予想外?

留学生:はい。そこまで人との繋がりがあるのがあるんだっていうところで、いい意味での予想外で、とても楽しかったですね。

石井:元々期待してたものってどんなことだったんですか?

留学生:自分が期待してたものっていうのはあんまり正直なくって、あくまで、行くこと自体が一つの夢であったっていうところが大きかったので。
一足町に足を踏み入れたときで満足したみたいな感じではありました。

石井:行った後に起こることはあんまり期待してはなかったけど、期待以上だった。

留学生:行ったあと、なんて言うんですかね、難しいんですけど。ある意味、こういったものを自分は求めていたのかなっていう部分ではありましたね。

石井:こういったものっていうのは繋がり。

留学生:自分にもうちょっと繋がりがあったら変わったのかなって思いました。

石井:ありがとうございます。留学って、具体的に毎日どんなことをするんでしょうか?

留学生:基本的には、町の過疎化の進んでいる町なんですけど、全校生徒が本当に少なくて。僕たち留学生含めて65人の高校だったんですけど。そういった人数の少ない学校で一緒に授業を受けて、休日は自分たちのしたいことをしたりとか、町の大人の人たちがいろんなところに連れてって経験したりとか、本当に自分の過ごしたいように過ごせる感じでした。

石井:場所が変わるけど、何かものすごく特別なことをするっていうことではない?

留学生:住む場所が変わっただけで、自分の生活は変わらない感じではあります。

石井:それがじゃあ、もう1年くらい前なんですかね?

留学生:留学終わって半年が経ちますね。

石井:留学に行く前と今って、何か変わったなと思うことありますか?

留学生:自分を見つめる時間が増えたなって思っていて。寮の中には他にも2人はいたんですけど。
家と違って親もいないし、田舎なんでそんな外で場所を潰せるようなゲームセンターだったりとかもないし。そういった中でやっぱり自分に使う時間っていうのは本当に増えたなって思ってて。そこでいろんなことをしていくうちに、自分のやりたいことはこういうことなのかなっていう路線を直す良いきっかけになったのかなって思いますね。

石井:行く前はあんまりそういう時間はなかった?

留学生:そうですね。本当に、ガヤガヤしてたんで。毎日やることがあったっていうか。
そういったところとはまた違ってのどかなところだったんで。宿題も学校で出ないんで、追われることもなく、本当に伸び伸びと自分のしたいことができたかなっていう。

石井:留学の中で一番印象的だったことってどんなことですか?

留学生:一番最初に歓迎会っていうのを開いてもらったんですけど。その歓迎会のバーベキューで、熊肉とか猪肉が出てきて、そういった部分ですごいなっていう印象で。そこで本当に度肝を抜かれました。

未来:死ぬまでにはWikipediaに載れるような感じの、何か一芸を得られたらなと思いますけど

石井:これからやってみたいことを、伺ってもいいでしょうか?

留学生:やっぱり漫画が好きなんで、出版関係の会社に入れればいいなっていうのは、自分の中ではひとつ目標っていうのがあります。

石井:出版関係の会社に入って、どんなことをしてみたいなっていうのもあるんですか?

留学生:編集者になって漫画家と二人三脚で物語を紡いでいけたらなっていう感じの夢はありますね。

石井:それはやっぱり、自分がそういう漫画に影響を与えられたから?

留学生:こんなに人の人生を変えられるコンテンツがあるんだっていうことに、自分は本当に感銘を受けて。魅力だけど自分もそういったところに関わりたいなっていう目標ができました。

石井:そういうふうに影響力を持ってるコンテンツの特徴みたいなものって、何だと思いますか?

留学生:難しいですね。自分との境遇の、近さだったりとかっていうのが多分、あるのかなって感じますね。典型的っていうか結構多い感じのパターンだと、おばあちゃんを助けてくれたからお医者さんになる、看護師になる、だったりとか。
自分が受けたことに対して恩返しをしたい、みたいな感じでするっていうのは結構あると思っていて。そのコンテンツが僕に対しての漫画だったなと思います。

石井:それは名もなき留学生さんに、漫画の中の境遇が近かったからっていうところではなくて、名もなき留学生さんが漫画で受けた影響、再現したいのは自分が影響を受けたからっていう?

留学生:やっぱりその部分が大きいですね。

石井:ありがとうございます。中身としてはどんなものを作ってみたいとかっていうのはあるんですか?

留学生:いや、こういったものを作りたいとかっていうのはあんまりなくって。作者さんが描きたいものに対して面白くするっていうのが、仕事だなっていうのは個人的に捉えているので。それが結果的に誰かの人生を変えることになったり、影響を与えるっていうことに繋がっていくのかなっていう感じには思います。

石井:編集の仕事に興味を持ったのはいつからですか? 割と最近?

留学生:それこそ本当に留学してたときに、することがなくて漫画をいっぱい読み始めて、そのなかで昔の自分の気持ちだったりが再燃して、初心に帰って、自分もこういった仕事に就きたいなっていうのは思いました。

石井:漫画を描こうとは思わないんですか?

留学生:本当、絵が下手なんで。もうちょっとうまかったらな、と思う自分もあるんですけど。僕は0を1にする力はないなって思うんですね。誰かが持ってきてくれた1を、一緒に2だったりとか3だったりとか、大きな数字に変えていきたいなっていうのもあります。

石井:そこは好きなんですか? 誰か持ってきたのを、っていう。

留学生:結構大人の方と話すの、僕は好きで。自分の知らないことをいっぱい知ってるし、話していて楽しいので。そういった誰かと切磋琢磨っていうか二人三脚で話して、どんどん。壁打ちしてって増やしていくっていうのは結構好きですね。

石井:なるほど。こういう人と話してると楽しい、みたいなものってあるんですか?

留学生:頭が良い方と話すのは非常に楽しいって思いますね。いろんな知識を持っている。勉強ができる人よりも、IQが高い人っていうんすかね、一般的に。そういう方と話している方が楽しいだったりとか得るものも大きいというのがありますんで。
ひとつの物事に対していろんな視点から見てるなっていうのが感じられる。

石井:なるほど。そうなりたいなって思ってらっしゃるのかなと思ったんですけど。それは合ってますか?

留学生:いろんな知識があることっていうのは本当に素晴らしいことだなと思うので。どんどん蓄えていって、みたいな感じでありますけど。

石井:ありがとうございます。私が今決め打ちで喋っちゃったんですけど、どんなふうになりたいとかっていうのはあるんですか?

留学生:どんなふうに、か。難しいですけどね。普通の人でいいなっていうのは思いますね。自分にはそんな特別なものは何もないと思ってるし。才能があるわけでもないし。普通の人っていうのが多分一番、世の中に多いのっていうのは、ある意味いろんな特技を持った方っていうのは世の中にいっぱいいると思っていて。野球が上手いから野球選手になるとか、アイディアを考えるのが上手いから開発者になるっていう方はいっぱいいると思うけど。普通の人間っていうのは少ないと思うので、そういった意味では普通でいいかなっていうのは思います。自分自身普通とは違った学生生活をしてきていると思っているので、同じ土台に上がりたい憧れなんかもあるのかも知れないですね。

石井:普通っていうのは平均点を指してますか?何もできないっていうことではなくて、平均点?

留学生:そうですね、器用貧乏みたいな感じの。

石井:器用貧乏。

留学生:だと思いますね。自分自身、両利きではあるんですけど、字はそこまで上手くないし。両手とも。何のスポーツやっても中の中ぐらいになって。そういった部分で、ひとつの能力に特化してなくてもいいかなっていうのはありますね。

石井:なるほど。特に何かに特化するわけではないっていうところを保てた?

留学生:何にもを得ようとしない中で多分ついてくるのって絶対にあると思っているので。そういったなかで、死ぬまでにはWikipediaに載れるような感じの、何か一芸を得られたらなと思いますけど。

石井:普通ではない普通の人ですね。Wikipediaに載る。

留学生:けど、たまにいるじゃないですか。この人誰って言うけど、一部の人には有名だけど、世間一般的には知られてない方って結構いると思うんですよね。一位の方に注目されがちだけど、全日本で二位だったりとか。そういった方もいっぱいいると思うんで、Wikipediaにのるのもハードルそこまで高くないかなって思いながら頑張ってのりたいなって感じですね。

石井:何かに突出しようって頑張るわけではないけど、目の前のこと、今持ってることをやった結果、そういうところにたどり着けるならそれはそれでっていう感じなんでしょうか。

留学生:ありがたいですね、そんな言葉にしていただいて。自分の言葉にできないことを。

石井:もしWikipediaにのれるとしたら、どんな風に載せられたいですか?

留学生:本当にちょこっとでいいですよね。何かのメンバーみたいな感じでちょこっとのれればいいかなと思います。だから、南極観測隊第何代メンバーみたいな感じで、ちょい役でもいいんで。

石井:主役でなくてもいい?

留学生:全然、主役にはなり得ないと思うし。うちの先祖はみんな失敗してきてるんで、僕も成功しないかなって感じ。

石井:ちょっとおっしゃってることと別かもしれないんですけど。何かもし突出したものが自分に与えられるってなったら、どんな能力が欲しいですか?

留学生:いろんな言語が喋れるようになりたいです。

石井:漫画じゃないんですね。

留学生:確かに自分でも思いましたね。

石井:なんで言語なんですか?

留学生:さっき言った通り人と話すの好きだし、田舎に行って、人との関わりが本当に重要だなって感じて。そのなかで、英語だったり中国語だったりフランス語っていう、いろんな言語を喋れば世界中の70億人の人と会話できるじゃないですか、端的にいえば。そういった部分でいろんな人と話せるのは楽しそうだなって思いますね。

石井:言語系の勉強って好きですか?

留学生:いや、嫌いですね。テストの点も一番英語が低くて。なんですけど、夢は喋れるようになりたい、みたいな。ある意味矛盾してますけど。

石井:楽しみだったり、これからやってみたいことって何かありますか?

留学生:将来的には、僕の参加した地域みらい留学っていうプログラムを、みんなが知りうるプログラムにしたいなって思うのが、僕のちょっとした夢ですね。

石井:それは何でしょう?参加することでしか得られないものっていうところがあるからですか?

留学生:うん。やっぱり今の世の中って、多様性のある世の中ってよく言われますけど。今僕の住んでいる兵庫県は、今高校が学区制だったりとか、行きたい公立高校に通えない子とかも多分いると思うし。っていう中でやっぱり高校は自分の行きたいところに行くっていう選択肢っていうのが、これから重要になってくると思っていて。そのプログラムは、北は北海道、南は沖縄まで、いろんな学校が参加してるので。やっぱり自分の行きたいところで勉強するって、将来の僕の描く未来に近しいものがあるのかなっていう感じで。みんなが知っていただければなっていうところありますね。

石井:名もなき留学生さんのなかでの多様性ってどんなものですか?

留学生:十人十色っていう言葉が近いのかもしれないですけど、みんながみんな違った色だったり、その色も1人が何種類も持ってて全然いいと思うけど。十人十一色、みたいな感じでひとりが一色多く持っててもいい、みたいなの全然思うし。

石井:多様性がない場所って、どういう場所なんでしょう。

留学生:多様性が一番ない場所っていうのが僕は学校だと思っているんです。なぜその多様性が認められないのかって、やっぱり集団生活っていうのが一番あてはまると思うんですけど。ブラック校則とかも今問題になってますけど、世間一般の高校って髪も染めれない、ピアスもあけれない、制服で登校しなきゃいけないとか、いろんな規則が縛られて。そういった中で一番多様性がないって思うのが僕は高校だと思うんですけど。だからこそ、自分の行きたい高校選ぶ権利はあると思うんで。それが県外だったとしても遠かったとしても行ける、っていうのは、非常に大きなものがあるのかなと思います。

石井:多様性っていうのが自分の色を、多くても少なくても持っている状態だっていうふうにするのであれば、留学っていうのは自分の色を表現するための手段なのか、そもそも色を見つける手段なのかというところだと、どっちの感覚に近いですか?

留学生:色を濃くするっていう印象になってくるんですかね。人間って、少なからず自分のポリシーだったりを持ってると思うんですよね。そういった、自分にはこれが必要だ、これがしたいっていうものに対して、その色を深くできるのは留学だと思っているし。結果的に、その色がなんか違ったものになったとしたら、その色を変えることもできると思うんですね。自分の夢はこうだと思ってたけどやっぱり違うな、だったりとか、こっちもやりたいけどこっちもやりたいなっていう、色を増やすっていう場所にもなりうると思うし。けど一番は自分の色を深くできる場所だっていうのは思いますね。

石井:それは選べるっていうところ?

留学生:やっぱり自分で選んだ場所に対する思い入れっていうのがより一層深くなると。自分が選んだ場所だからこそ成長できるっていうのもあると思うし。ここあんまり行きたくなかったけど、しょうがないからこの学校にしようって選んで行くよりも、本当に行きたかったから県外に来たんだっていう人の方が、色も当然濃くなると思ってるので。そういったのが、留学のメリットだなっていうのは思いました。

石井:なるほど。ありがとうございます。振り返って名もなき留学生さん自身の持ってた色っていうか、ポリシーみたいなものってどんなものだったんですか?

留学生:僕はやっぱり漫画が好きっていう部分の色が結果深くなって、編集に関わりたいっていう形として表現できたのかなって思いますね。

石井:留学がなかったらそうはなってなかった?

留学生:漫画がなかったら留学がなかったし、留学がなかったら漫画もなかったみたいな。本当に、自分にとってはとても大きいものだったなっていう印象ですね。

石井:言い残したことはありますか?

留学生:今年は留学は、ギリギリ今厳しいかなって思うんですけど、やっぱり来年、再来年だったりとか、自分の後輩だったりとか、自分が親戚だったりとかに、こういった留学っていうプログラムがあるっていうことをどんどんどんどん広めていって。ゆくゆくは本当に、県外の学校にも気安く行けるような環境になればなって思います。

石井:ありがとうございます。これ純粋に好奇心なんですけど、大人が参加したらどうなると思いますか?

留学生:僕は正直、いろんなプログラムの多様性が今、あると思っていて。高校生に大人が混ざるっていうのでまたその子供たちも得られるものもあるし大人たちも得られるものっていうのがあると思うんですけど。こういったプログラムには僕は、高校生だったりとかっていうのが参加するのが一番ベストかなって思っていて。大人だったら、それ以外の選択肢がもっとあると思うんですよ。お金もあるし、行動力もあるから。あくまで、自分たちのやりたいことがちょっと制限されてる高校生が行くからこそ、やりたいことも見つかるのかなと思います。

あとがき

中学生の時は、ある部活をしたいがために市内の進学校に行ってほしい母と担任の希望を無視して、家から電車で30分の高校を選んで
高校生の時は、母と大喧嘩した末に簡単に家に帰れない距離の大学を選んで
就職も、一度決めた会社を内定式後に辞退して今の会社を選んで

私ってなんて天邪鬼なんだろうとずっと思っていたけれど
「自分で選ぶからこそ、自分の色を濃くすることができる」という表現を聞いて、そうじゃなかったのかもしれないなと腑に落ちたものがありました。

それぞれの選択を経て、我の強さと捻くれ度は確実に増しているけれど
何も後悔していないし、今の自分が結構好きです。

そういうことなのかもしれませんね。

彼はどんな大人になるんでしょう。
どんな項目でWikipediaに載るんでしょう。楽しみ。

インタビュー担当:石井

編集協力:あおい

#無名人インタビュー #インタビュー #自己紹介 #留学 #国内留学

マガジンで過去インタビューも読めますよ!

インタビュー参加募集!


いいなと思ったら応援しよう!

無名人インタビュー いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!

この記事が参加している募集