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ジェンダーレスモデルの人

むかしむかし、ある村に美しい魂(たましい)という名の人が住んでいました。美しい魂は、生まれた時から周りの人々とは少し違う感覚を持っていました。
体の外側と、心の内側が異なることに悩んでいた美しい魂は、ある日、村を出て旅に出ることにしました。
旅の途中、美しい魂は不思議な老人に出会いました。老人は言いました。
「見た目は大切です。でも、もっと大切なのは、あなたの心が本当に望むものです」
その言葉に励まされた美しい魂は、自分の心に正直に生きることを決意しました。
村に戻った美しい魂は、周りの人々に自分の気持ちを打ち明けました。最初は戸惑う人もいましたが、美しい魂の誠実さと優しさに、次第に村人たちは理解を示すようになりました。
美しい魂は、自分らしく生きることで多くの人々の心を動かし、やがて村一番の美しいモデルとして知られるようになりました。その姿は、外見だけでなく、内面からも輝いていたのです。
そして「本当の美しさは、心から始まる」ということわざが、この村から広まっていったとさ。
めでたし、めでたし。

と思う2025年07月10日14時50分に書く無名人インタビュー1118回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】


今回ご参加いただいたのは しぃちゃん さんです!

年齢:30代前半
性別:男
職業:会社員
https://www.instagram.com/p/DLXPwPlyxV-/
https://www.threads.com/@shiechan4141



現在:何か自分の中に秀でるものを持ちたいなって思った時に、ただ写真撮ってかわいいなじゃなくて、動いている自分を見せたいなって思ったんですよ

qbc:
今何をしている人でしょうか?

しぃちゃん:
今は基本的に平日は会社員をやっていて本当にどこにでもいるような、二児のパパをやっております。で、お休みの日とか平日の夜とか仕事終わりの時間を使ってレッスンを受けて、土日に開催されるファッションショーに出演させてもらってるっていう状況になります。

qbc:
モデル活動はいつからされてるんですか?

しぃちゃん:
モデルは去年からですね。去年の春ごろから目指そうと一念発起して、だいたい半年ぐらい準備期間かけて、昨年10月に初めてステージに上がりました。で、そこから3回ぐらいですね、ステージを経験させてもらって、今は小休止しつつ、今度7月頭に大阪でまた一個ファッションショーがあるので、それに出演する状況です。

qbc:
モデルをされるきっかけっていうのは何だったんですかね?

しぃちゃん:
もともと中学校ぐらいの時に芸能界に憧れた時期がありまして。で、その時に一回芸能事務所がやってる養成所のオーディションを一回応募したことがあるんですよ。そしたら書類選考に受かって実際に面接受けませんか?っていう案内が郵便で来たんですよ。〇月×日ここでやります、どうぞ参加してくださいみたいな案内だったんですけど、それを見たときに怖じ気づいてしまって。恥ずかしがり屋というか今でもありますけど、人前に出るのが恥ずかしいみたいな気持ちがそこで出ちゃって、辞めようってなって。結局その案内を捨ててオーディションを受けずにそのまま来てしまって、大人になってからやっとけばよかったなっていう後悔があって、その後悔を晴らすためじゃないですけど、もう一回大人になった自分でチャレンジしてみようっていうので、やり始めたっていうのがきっかけです。

qbc:
何年ぐらい空いてたんですか?諦めた時から、やり始めるまでの期間は。

しぃちゃん:
それこそ16〜7年空いたんじゃないかな。中学生の時だったと思うので、実際その応募してやったのが14、5歳だとすると、今自分が33歳になるので。

qbc:
その間に再開するというか、そういうふうにチャレンジする機会は可能性としてあったと思うんですけど、なんで今のタイミングでっていうと?

しぃちゃん:
一応、芸能界じゃないですけれど、一時女装とかそういうのにハマった時期もあって。

qbc:
いつ頃でしたか。

しぃちゃん:
それが高校生ぐらいの時ですね。

qbc:
はいはい。

しぃちゃん:
当時KERAっていうロリータファッション系の雑誌があって、それを見てめっちゃかわいい!ってすごく感動して。普通男の子だったら、見るだけで楽しむっていう考えに落ち着くと思うんですけど、自分の場合は『着たい!』っていうふうに思って、そこからファッションに対してすごく興味を持つようになった。で、自分で着るようになって、それこそ原宿とかそういうとこ遊びに行くようになって、そこからアニメにもハマっていってコスプレに変わったんですけど。ロリータファッション、コスプレとやって、ある瞬間からもういいかなって思って、自分の中のブームがひと通り過ぎ去って飽きちゃったんです。

qbc:
それはいつ頃やめたんですか?

しぃちゃん:
20歳頃ですね。20歳頃に辞めて、そこからはもともと仕事とかでもものづくりの仕事をやってたので、どちらかというと自分の手で何かを作るっていうので、そこからは造形っていうので、フィギュアとかそういった二次元のものを自分の手で作るみたいなことをだいたい7、8年ぐらいかな?30手前ぐらいまでやっていました。

で、30手前になって、当時の友達きっかけだったんですけど、昔話をした時に女装したことあるんだみたいな話から、女装もう一回やってみなよって言われてもう一回やり始めて、そこから、「かわいいじゃん、もっとやりなよ!」っていうふうに背中を押されて。もう一回女装から入り、そこから男性としての自分に、女性が普段着ているようなお洋服を合わせて、いわゆるジェンダーレスを楽しむみたいなことを世の中で言われる2、3年ぐらい前にやり始めてからファッションへの興味が再燃して。そこからインスタグラムとかで発信するような形でやってたんですけど、それやってるとやっぱりいろんな方から「かわいいね」とか「素敵だね」っていう、いろんな声をもらって、それがすごく嬉しかったんですよ。承認欲求みたいなところだと思うんですけど。ただ、仲間内というか、お友達から「かわいいね」って言われてることに満足している自分に、あるとき嫌気がさして。自分がやりたいことってこれじゃないよなっていうふうに内省して。いろいろ掘り下げていったときに、人に見せるのって、例えば芸能人の人でも役作りでダイエットしたりだとか、武将の役だったら剣術を学ばないといけないとか、すごく努力されてると思うんですけど。何かそういった秀でたものを自分も持ちたいなって思った時に、ただ写真撮ってかわいいなじゃなくて、動いている自分を見せたいなって思ったんですよ。動いている自分を見せるのには動画撮るっていうのも簡単なできる方法ではあるんですけれども、目の前で動いている自分を見てもらいたいなって思ったときに、ランウェイで歩いている姿を見せるのが一番最適なんじゃないかなって。それで自分の中でいろいろ案を出した中で、自分の最適解じゃないかなって思ったのがモデルで、じゃあやってみようっていうのでやり始めたのが流れになります。

qbc:
今は何のモデルをされてるんですか?

しぃちゃん:
モデルをやってお金をもらえてるわけじゃないので、あくまで自己表現にはなってしまっているんですけれども。目指したいところとしては、それこそ世界のファッションコレクションと言われるパリコレだったりとかに出演したいっていうので、まずは日本のいろんなところ、東京とか大阪、名古屋でいろんなステージに出て、まずは顔を覚えてもらう、名前を知ってもらう。そこから必要なステップを踏んで世界に出たいなっていう形で今活動していますね。

qbc:
女装があってコスプレがあって、今はどんな格好で活動していますか?

しぃちゃん:
今は自分の中に男女っていう境目をなくしたいなと思っていて。なので、ジェンダーレスモデルって自分で役柄をつけてやってるんですけど、それこそ時には男性らしいカッコいい姿になったり、時には女性っぽい可愛らしい姿だったり、二面性を持っている自分を表現するっていう形でやっています。

qbc:
どんな格好っていう説明は難しいですか?ジェンダーレスの格好についてどういうものなのかと思って。

しぃちゃん:
例えばメンズの格好だったら本当に上下スーツみたいなジャケットとパンツ姿みたいなのが定番かな。女性っぽいファッションでいくと、それこそワンピースだったりとか、ドレスっぽいものだったりとかですね。数年前にやったのは女子アナっていうテーマで、スカートにブラウス着てカーディガン羽織ってみたいな、OLさんのような雰囲気でした。そういった形でいろんなファッションに対応できるようにしています。

qbc:
どんな気分でやられてるんですか?

しぃちゃん:
どんな気分、、、よく妻からも言われるんですけど、メイクするとスイッチが入るんですよ。普段は今お話しさせていただいているような素の自分がいて、メイクをすると、例えばメンズっぽいメイクなのか女性っぽいメイクなのかっていうので、自分の中の心のスイッチがこう、男スイッチ女スイッチみたいなのでカチッカチって入れ替えで入るんですよ。そうすると、女性っぽい感じになると、わかりやすい例えで言うとちょっとオカマっぽくなるって言ったらいいのかな?喋り方が柔らかくなったりとかしますね。あとは身振り手振りとか。あとはその格好で街中歩くときも、どちらかというとずかずか歩くっていうよりはゆったり歩くかなっていう感じです。すごくそういったところにも出ますね。

qbc:
どっちの状態が好きなんですか、自分としては。

しぃちゃん:
自分の殻を破ってるというか、世の中の常識から外れてる感じがあるっていうのでは、女性らしい格好だったりとかしてる方がすごく誰とも似つかわないというか、自分だけのこの姿で居られることが「最高!」みたいな感じになっています。

qbc:
その感覚って、高校生の時から持ってるんですか?

しぃちゃん:
そうですね。高校生の時にロリータファッションにハマった時から、普通の男の子はこんな服着ないけど、鏡の前で着てる姿の自分を見て感動するし。何だろうな、男の子に生まれたはずなのに、今目の前の鏡に映ってる自分が女の子みたいなのが、すごく衝撃というか、男だから男らしくいなきゃいけないんだっていう常識をぶっ壊せた感じがすごく気持ちよかったですね。

qbc:
その芸能界や、人前に出たいっていうところと女装っていうのは、シンプルに関係ない話だったと思うんですけど、そこはどうなったんですかね?

しぃちゃん:
あー、そうですね、、なんだろうな。

qbc:
両方合わさったのが、今の状況ってことなんですか?

しぃちゃん:
そうですね。多分最初は目立ちたいというか、人前に立ちたいっていうのがあったけど。でも今の自分じゃ無理だって言って諦めて。で、そこから男の子から外れるような形で自分を表現することにハマっていって。それが年月をかけて人に見せることによって「かわいい」って言ってもらえるっていうことに気づいて、自己満足の表現だけど可愛いとか素敵だねっていうふうに認められるっていうのが嬉しいっていうか。もともと自分がやりたかったことがこのやり方でもできるんだっていうのが分かって、あ、じゃあこれをもっと極めたいなっていう感じですね。

qbc:
今、フル女装じゃないのは何なんですか?

しぃちゃん:
フル女装じゃないのは、何て言うんだろう。男に生まれた自分を否定したくなかったっていうのが一つあって。女性になりたいっていう気持ちは今でもあるんですけれど、なりたい理由っていうのが、自分でお腹を痛めて子供を産みたいっていう気持ちなんですよ。でも、現代の医療だと手術して性転換したとしても、完璧な女性にはなれないっていうのがあって。だから、結局性転換したとしても、女性に似た何か違うものになると思うんですよ。胸があって、お股があって、っていうふうに見た目は女性なんですけれど、体の機能としては完全な女性にはなれない。「女性らしい何か」みたいなのになっちゃうんですよ。それになりたいわけじゃないなっていうふうに思って。だったら生まれた性、男の子として生まれた自分っていうのも、肯定してあげたいなって思って。男として生まれたところを認めつつ、でも女性として可愛い服着たりとかしたいっていう気持ちは男の子であっても叶えられることであるので、今の状態でも自分ができる最善策を、やってみようよっていうのが今の状態ですね。

qbc:
いつ頃からそのアイデアに到達したんですか。

しぃちゃん:
30手前は女装しながら女性になりたい気持ちが強かったんですけど、30超えてからなんで、本当ここ2、3年ぐらい。何がしたいんだろうなっていうのをひと通り頭の中で考えて抜いて、やりたいことはこれだけど、でも女性になろうとしてもできないよねとか、さっきお話ししたことを自分の頭の中でやっていった結果、じゃあ今の状態に落ち着こうっていうふうになりましたね。本当に2年ぐらいかけて考え抜いてって感じですね。

qbc:
そうなった理由とかきっかけってあるんですかね?

しぃちゃん:
一番は男で生まれたから、男性としての役目も果たしたいなって思ったんですよ。そう思った時に、男性としてできる役目って何だろうなって思った時に、シンプルに女性を守ることだよね、パートナーがいてみたいな。だったらちゃんとパートナーを設けて、結婚して男性として自分の子供を儲けるっていう、今までの男性が経験してきたライフイベントを踏んでっていうのも大事なことだよなぁって。で、30歳ぐらいから婚活じゃないですけど、いい人いないかなって探し始めて、巡りめぐって今の妻と出会って。で、妻の方がメイクしたりおしゃれしたりする自分をすごく肯定してくれて。
男性ではありつつも、メイクとかおしゃれするときはどちらかというと女友達同士みたいな感じで楽しめたりとか、お買い物もおしゃれな雑貨屋さんとか一緒に行くっていうのがすごく楽しめるのが嬉しくて。それでお互いの価値観もすごくあったんで、そのまんま結婚もできて。妻には連れ子もいたんですけど、たまたま結婚しようかなって思ったタイミングで下の娘も授かって。出産を経て今一年ぐらいか。なので、ひと通り結婚して子供の誕生から子育てっていうのも、男親として子どもを守るためには何をしなきゃいけないのかっていうのも日々考えながら、その中でも自分の夢を追いかけることもすごく自分が何のために生きてるかっていうのも考える時間だったりとか、追いかけている姿を子供に見せることで、子どもたちにも夢を追いかけたりとか自分の目標を叶えることに勇気づけられるんじゃないかなっていうのもあって。だから本当に積極的にそういう練習している姿だったりとか、本番は家族みんなで一緒に見に行ったりとかしてもらってますね。

qbc:
セックスの方はバイセクシャルなんですか、どちらなんですか。

しぃちゃん:
経験的にはバイセクシャルですけど、今のところは妻としかしてないので。

qbc:
あー、なるほど。装いの方だけというような感じ?

しぃちゃん:
そうですね。今は装いの方だけですね。ファッションの方だけ。

qbc:
その良さって何なんですかね?

しぃちゃん:
男性ってちなみに夏になったらどんな服装になります?

qbc:
Tシャツに短パンとかっていう?

しぃちゃん:
そうです。Tシャツ短パンでそのTシャツと短パンがローテーションで入れ替わるだけじゃないですか。極端な言い方をしちゃうんですけど。そうなっちゃうと色味とかカーゴパンツだとかデニムっぽいのとかっていう多少の見た目の変更はあれど、一辺倒かなっていう。ワンパターンになっちゃうなっていうつまんなさを感じるんですよ、男性のファッションって。で、女性だとそれこそすごくざっくりした言い方になっちゃうと、それこそボトムスでもショートパンツもあれば、ミニスカートみたいなのもあったりとか。本当にパーツごとにいろんなものがあって、それこそシャツもあれば、キャミソールっぽい肩出しとかすごくセクシーなものもあったりとか。いろんなものをカスタマイズできるっていう面白さが男性より幅広いし、男性が着ても全然問題ない。今時っぽい言い方になると、中性っぽいような形でミニスカート風のパンツとかもあったりするんで、そういうのを着ると結構可愛らしいというか、そういったところも表現できるところがあって、本当にこうレディースのファッションっていうのはすごく面白いなって思ってますね。

qbc:
性格はどんな人だとなんて言われたりします。

しぃちゃん:
性格は普段は結構温厚というか、ゆったりこんな感じでしゃべったりするし、比較的優しいとか言ってもらえるかなって思います。

qbc:
自分ではどう思いますかね?

しぃちゃん:
自分だと結構細かいことを気にするのが嫌なので、これって大丈夫かな?とか、いろいろ周りから気を使ってもらっても「あー、いいよ気にしなくていいよ」とか。結構大雑把というか大らかというか、そんな細かいことを気にしないっていう感じです。

qbc:
他に趣味とかおありですかね?

しぃちゃん:
趣味はもともと仕事で車の仕事やってたので車触ったりとか、あとは結構一人暮らしも長かったりしたので、料理も土日は積極的に家族に振る舞うようにしていますね。あとは、ゆったりできる時間があったら、自分でコーヒーを淹れて飲むっていうのが好きですね。

qbc:
好きな食べ物は何ですか?

しぃちゃん:
好きな食べ物はラーメンとお寿司です。

qbc:
何ラーメンなんですか?

しぃちゃん:
何ラーメン、、学生時代からよく食べてた二郎系ラーメンが好きですね。


過去:似合ってるか似合ってないかで言うと似合ってはいなかったですけど、それを着れた自分に感動してました。

qbc:
子供の頃はどんなお子さんでしたかね。

しぃちゃん:
子供の頃は、保育園ぐらいの頃はどちらかっていうと、男の子と外遊びするっていうよりは、女の子とおままごとしたりとか、ブロック遊びとか結構インドアだったな子かなと。結構記憶に残っているのが年下の男の子がいて、その子が結構オラオラ系というかザ・男の子みたいな子だったんですけれども。その子にそういったインドアな遊びをやってる時に男なんだからそんなので遊ぶなよみたいな感じでおもちゃを取り上げられたのかなんかで、やめてよやめてよ、みたいな一悶着をしている時にグーパンチを食らったのかな、確か。その時になんで男ってこう張り合ったりとか、こういう攻撃性があるというか、こういうのがあるんだろうみたいなので、すごく嫌な気分になったのをすごく覚えてますね。女の子と遊んでたら絶対そんなことない。男の子と遊ぶとそうなるから嫌だみたいな。

qbc:
小学生の時はどんな感じ?

しぃちゃん:
小学生の時は確かに女子と喋る場面も多かったかなと思うけど、わりかし普通の男の子演じてた気がします。あんまりこう目立ちたくないというか、はみ出たくないみたいなところがあって。

qbc:
女性っていう気持ちっていつ頃から生まれたというのか。

しぃちゃん:
どうだろう。本当に男の子であらなきゃいけないなっていうのに違和感を感じ始めたのは、本当に4、5歳ぐらいからかなっていうのがあって。それに気づいた理由は2個下の妹がいたんですけれど。同じ保育園通っていたんで、結構親とか保育園の先生からお兄ちゃんらしく振る舞いなさいみたいなことを、何も悪気なく出たと思うんですけど、それにすごく、「ん?」みたいな。年上だからなら分かるんですけど、お兄ちゃんだから、男の子だから守ってあげなさいみたいなのを自分から思う分にはいいんですけど、他者から男だから女を守りなさいって言われるのがすごく違和感を感じるんです。価値観の押し付けじゃない?みたいなふうに、その時はそんな論理的に考えてなかったですけど、パッと「あれ?変な気持ち」っていう直感的に感じたことはありましたね。

qbc:
ファッション雑誌に興味を持ったのは何歳の頃でしたっけ?

しぃちゃん:
確か高校一年生の二年生ぐらいの頃。それもきっかけがあって、下妻物語って覚えていらっしゃいます?深キョンがロリータ服を着て土屋アンナさんが不良の格好してっていう作品なんですけど。

qbc:
はいはい。ファッション関係のインタビューは必ず出てきますね。

しぃちゃん:
深キョンのファンションを見たときに、「なんだこれは!?」って思って。そっから書店に走ってそういう雑誌ないかなって見つけたのがKERAだったっていう。

qbc:
実際にやるまではどんな感じなんですか?

しぃちゃん:
雑誌買って、どこに何が売ってるかって詳しく載ってるじゃないですか。なので、もうそれを見て、あとはその頃だとネットもあったんで、実家のパソコン使ってカチャカチャ調べて。いきなりお店で買うのは恥ずかしいからと思ってお安めに買えるネットショップサイトがあったんで、そこで買いましたね。

qbc:
サイズはうまくいけたんですか?

しぃちゃん:
サイズはSサイズから3XLサイズぐらいまであって、小柄な子からふくよかな子まで着れるファッションブランドですよ、みたいな書き方されてたんで、これだったら男の自分でも着れそうかなっていうので調べましたね。

qbc:
好きなブランドはその当時何だったんですか?

しぃちゃん:
好きなブランドはPUTUMAYOだったりとか。

qbc:
テイストでも、黒かったり白かったりとか、ゴスロリもあったりというので言うと、どんな感じだったんですか?

しぃちゃん:
PUTUMAYOってやつはゴスロリ系って言うのかな、暗めな感じ。まぁそっちも好きでしたし、対局で可愛らしいブランドBABY THE STARSって言う、本当に絵本から出てきたようなロリィタも好きでした。

qbc:
初めてその袖を通した時ってどういう状況だったんですか?

しぃちゃん:
実家にダンボールで届いて。自分の部屋は二階だったんですけど。もう届いたダンボールを持ってダーッと勢いよく階段を登って自分の部屋をガチャっと閉めて。で、箱開けるじゃないですか。ビニールに包まれた服が入ってて、うわぁって感動しながら袋破いて。めっちゃかわいいって。最初はこう自分の体に当てて大丈夫だよね、着れそうだよねっていう確認をした後、袖を通したって感じです。

qbc:
どんな気持ちになりましたか?

しぃちゃん:
世の中にこんなかわいい服あるんだなっていう。

qbc:
似合ってたというか、それは自分とのギャップっていうのはあんま感じなかった?やっぱり男子高校生じゃないですか。

しぃちゃん:
似合ってるか似合ってないかで言うと似合ってはいなかったですけど、それを着れた自分に感動してました。

qbc:
あー、なるほど。

しぃちゃん:
着ようって思って買って、袖を通すっていう勇気を出した自分に感動してました。

qbc:
その次のアクションは、どうなりましたか。

しぃちゃん:
その次のアクションは、ウィッグを買って、あとは百均のメイク用品を買って。

qbc:
本体をいじりだすんですね。

しぃちゃん:
はい。ただ着るだけじゃ面白くないかなって言って。誰もが通る初めてのメイクとかっていうので、自分でできる限りのトータルコーディネートみたいな感じでやりましたね。やっぱり自分一人だと限界なのは当然だったんで、当時あった雑誌『KERA』の誌面で文通友達募集してますみたいなのをやってたんですよ。それでどういう感じで選んだか忘れたんですけど、その文通友達に応募してみようって言って応募してみて。そしたら本当に一人の方から文通をしてもらえて。そこからやり取りし始めて、その方とたまたま家も近かったっていうのもあって。

qbc:
女性の方ですか。

しぃちゃん:
女性でした。

qbc:
同い年?

しぃちゃん:
いや、どれぐらいだろう?5、6歳上でしたね。当時20歳前後ぐらいでした。

qbc:
向こうは女装っていうのはわかってて、コミュニケーションとってたんですか。。

しぃちゃん:
あ、そうです。そうです。その辺も全部手紙で伝えた上で、それでも面白いから会ってみたいっていうので、会ってもらえるっていうふうになって。その方と会って、いろいろもうその方は結構ちゃんとロリィタに詳しくて、メイクとかどういう小物をつけたりがいいのとか、その方にいろいろ教えてもらったっていう感じですね。

qbc:
なるほどね。それはその手紙でのコミュニケーションはいつまで続くんですか?

しぃちゃん:
どれくらいだろう?一年ぐらいだったかなと思います。

qbc:
あ、なるほどね。その後の進路はどうなるんですか?

しぃちゃん:
高校の後はそのまま就職をしたんですけれども、高校三年生の時にちょうどハマってるアニメがあったんで、そのハマってるアニメのキャラクターになりたいっていうので、コスプレに移行してったっていう流れですね。

qbc:
じゃあ、ロリィタからコスプレへ移行したんですね。コスプレは何をされてたんですか?

しぃちゃん:
コスプレは男の子をやってたんですけど。いや、どちらかというと女性に人気のある、中性的なキャラクターっていう感じだったんで。

qbc:
キャラクター名は?

しぃちゃん:
機動戦士ガンダム00っていう作品の主人公の刹那っていうキャラクター。その子のコスプレをやってました。

qbc:
ジークアクス見て何か反応したりするんですか。

しぃちゃん:
あー(笑)

qbc:
タイトルとかよく考えたらそうだよね。あそこでガンダム路線に変わっちゃったから。

しぃちゃん:
そうですね。ビジュアル系というか。

qbc:
自分の人生の転換点ってどこにあったと思います?

しぃちゃん:
人生の転換点、、そうですね。今の状態の本当に起点になったのは「下妻物語」であって、それをきっかけにロリィタファッションで女装を始めたっていうのが一番最初のきっかけかなって思います。そこから男の子だから男の格好しなきゃいけないとかっていう無意識的に服屋さん行ったら必ずメンズコーナーに体が動いちゃうみたいな、意識はしてないけど体が勝手にそっちに行くよね、女性のコーナーわざわざ行かないよね、っていう感覚を自分の中でぶっ壊せたかなっていう。

qbc:
映画から入ったんですか、小説から?

しぃちゃん:
映画からですね。

qbc:
小説は読んだ?

しぃちゃん:
小説は読んでないですね。


未来:リアリストになっちゃう所とかあると思うんですけれど、そういう時こそ子供心を思い出してほしい

qbc:
5年、10年、30年の未来、自分が死んでしまうというところもイメージしていただいて、どんな未来を今イメージされてますかね?

しぃちゃん:
5年後については、さっき言った世界の舞台に立てるモデルになりたいなっていうのがあって。それこそ、いわゆるパリコレだったりミラコレっていうようなところ。あとはすごくディオールが大好きで、ディオールの着用モデルっていうのをやりたいなっていう気持ちでいます。で、10年後とかになってくると、子供も上の子はもう大人になってるんで、そうなったときに海外を飛び回りたいなっていうふうに考えています。

qbc:
飛び回るっていうのは?

しぃちゃん:
それこそ世界のいろんなところでお仕事できるようなことができたらいいなって思ってます。
上の娘はダンスが好きなのでダンサーを目指して頑張ってるんですけど、そういった形で自分もモデルなのか、もっと他のことをもしかしたらやってるかもしれないですけど、そういった形で、海を越えて言葉の壁を越えて何か表現できるものができたらいいなって考えています。
30年後とか、死に際を考えたときは、本当にもう楽しむだけ楽しんでぽっくり逝きたいなっていうのが理想ですね。本当にやりたいことをやり尽くしたいなっていうのと、死ぬときはできるだけ、お葬式ってしんみりした気持ちになっちゃうかなと思うんですけど、どちらかっていうと「一緒にいて楽しかったね!」みたいな感じで思い出をニコニコ語り合いながら別れを惜しんでくれるお葬式にしたいなって。そういう空気感を作れるように、いろんな人に対して、何かを届けられたらなって思ってます。

qbc:
もしもの未来の質問っていうのをしていて、もしも女性に生まれてたらどうします?

しぃちゃん:
女性に生まれてたら多分、すっごい楽しんでると思います。女の武器を使ってすごい男性を転がしたりとかしてそうです(笑)

qbc:
明確に女に生まれたかったってことですかね

しぃちゃん:
そうですね。女性に生まれたかったなって。女性という存在に対してすごく憧れというか、憧れを超えて尊敬みたいなところがありますね。

qbc:
今の状況になってみて、良かった悪かったって言うとどっちなんですか?

しぃちゃん:
そうですね。良かったです。

qbc:
何かどれぐらい良かったのかというか、単純に美味しいものを食べれて良かったっていうような良かったのか、それとも違うルートが見つかったみたいな。どんな良かったですか?

しぃちゃん:
なんていうんだろう、今までの親世代とかはもう男に生まれたら男らしく生きる。で、結婚したら子供を儲けて、次マイホームだよねとかいって、ある程度人生のレールがあったと思うんですよ。今でもその名残は残ってますし、そういった人生を歩まれてる方も全然いると思いますけど。自分が大人になって感じたのは、結構自分でこうしたいって思ったら、自分だけのルートを作れるなみたいな。自分だけの人生っていう形でこれいいよね、あれいいよねって選び取って。それこそお家だったら賃貸派なのか、マイホーム派なのかっていうのでいろんな価値観があると思うんですけど、自分だったらマイホームはそんなにいらないというか。ずっと同じ場所に住むっていうのはすごく窮屈に感じてたので。いろんなところに住みたいってなったら、賃貸の方がいいよねとか。そういった自分の中で価値観をちゃんと測りながら、AとBの選択肢があったら取捨選択しながら自分だけのライフプランを組めるっていうのが、今の世の中が時代的に良しとなっているところもあって一個の価値観に凝り固まらずに済んで、すごく気持ちよく生きさせてもらってるなって感じです。

qbc:
そういう考え方的なところっていうのは、影響はどっから受けてるとかってありますかね?

しぃちゃん:
親ですね。

qbc:
親なんだ。

しぃちゃん:
親を見て、どちらかというと反面教師にしているところがあって。例えば子育てだったら、両親共働きで家にいないことは当たり前だったんですね。家で寂しく子供だけで飯食うなんてざらにあって、それがすごく嫌だったんですよ。嫌だったんで、自分が今親になってますけどできるだけ早く仕事を蹴りつけて、家に帰って家族でご飯を食べたりとか。で、うちの親父は料理なんか作ってくれなかったんで、じゃあ自分が父親になったら手料理作って振る舞ってあげようとか。そういった親がやってくれなかったことを、自分は親になったらやろうっていう形で、自分の中のこれ嫌だったなっていう経験を、自分の子供たちにはやらないようにしようって学びにしてきたことが、今に活きてるっていう感じですね。

qbc:
一個最初にもらってたリクエストの、「夢はいつからでも再開できる」というところについて何か思うことはありますかね?

しぃちゃん:
どちらかっていうと、結婚したりとか子供を設けたりしたら、親にならなきゃとか大人にならなきゃっていう気持ちがすごく意識的にできてくると思うんですけれど。かといって大人でも喧嘩とかするじゃないですか、しょうもないことで。そう、だから別に無理して大人ぶらなくていいし、なんなら子供の頃に夢見たことを大人になって今やろうとしても無理だよっていうふうに、リアリストになっちゃう所とかあると思うんですけれど、そういう時こそ子供心を思い出してほしいなっていう。だから、さっき親にされた時の思いを、じゃあ自分が親になったら子供たちにはそんな思いさせないっていう形で、子供の頃に経験した記憶だったりとか感覚っていうのを大切にしてほしいと思います。結構子供の頃って純粋じゃないですか。あれ嫌だったなとか、あれ良かったなっていうのは自分の心ですごく感じ取れると思うんですけど。夢も「やってみたい!」っていうすごいシンプルな理由で思い描いたと思うんで。なので、そういった形で、変に自分を縛らずに子供心を思い出して何事もやると結構うまくいくんじゃないかなっていう、自分の経験的にもそう感じた部分が多かったんで。

qbc:
ありがとうございます。最後の質問です。最後に言い残したことがあれば、遺言でも読者向けメッセージでも独り言でも大丈夫ですが、お伺いできますでしょうか。

しぃちゃん:
言い残したこと、、、ぜひとも子供になりましょう!


あとがき

きれい。

インタビュー・あとがき:qbc

【編集:komima】


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