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51歳からの挑戦、全国を巡る――探偵小説からエッセイまで多彩な創作活動『守屋SHIGE美』さんに聞く|文学フリマインタビュー

この記事は、文学フリマに参加する人たちのためのインタビュー。

今回参加いただいたのは 守屋SHIGE美 さんです!

屋号:守屋SHIGE美
作者名:守屋SHIGE美
近刊本:『探偵は甘すぎる』シリーズ
参加イベント:未定
HPなど:


どんな本を出されているんでしょうか?

まりはな:ブース名と作者名を教えてください。

守屋SHIGE美:ブース名と作者名は一緒で、守屋SHIGE美名義で出してます。

まりはな:どのイベントにどんな本を出していますか?

守屋SHIGE美:福岡在住なので、22年から毎年文学フリマ福岡に出てるんですけれども、一応、全国を回るっていうのを目標にしてまして。来年、岩手に出たらとりあえず全国制覇は終わる感じです。

まりはな:どんな本を出していますか?

守屋SHIGE美:最初は恋愛小説を書いてました。それから色んなことがやりたくなって、お友達を集めてアンソロジーを作ったり。アンソロジーも最初恋愛もので出してたんですけど、友達に占い師の方とかも結構多くて、タロットカードの物語を一人一個ずつ書いていこうみたいな感じで作ったりしてたんです。

それから、いろんなことがやりたくなって、ボーイズラブを書いたり、女性同士の恋愛を書いたり、性別とかも関係なく恋愛ものを書いてて。色々移り変わって、最近はnoteとか参加してるとうまい人がたくさんいるんで、エッセイとかも書いてみたくなって、友達と書いて二人で出しました。

私、今51歳なんですけど、40歳過ぎてから小説を書き始めました。小説を書く前は、バンドを組んでいたのでもともと作詩とか短歌とかを作ってたんです。ある程度小説とかを本にできて、ちょっと自信がついてきたんで、短歌の本も一冊だけ作ったんですけれど。最近出したのは友達と探偵小説を書いてて、それが今一番力を入れてるものですね。あとはゆるく会社の社員食堂のメニューや写真をまとめた日記本を作ってます。

まりはな:今回、次の岩手に持っていくのは探偵小説っていうことですか?

守屋SHIGE美:そうですね。イベントには出してるやつを全種類持っていってまして。十種類以上、常に並べてる感じです。あんまりたくさん(種類を)並べるのはよくないって皆さんおっしゃるんですけれど、私はとにかく並べて、喋りで売ってる感じです。

まりはな:一番アピールしたい作品って、今まで書かれてきた中でどの作品ですか?

守屋SHIGE美:毎回一番最近のがいい気がしてます。最新はお友達と二人で書いてる探偵の話ですね。文学フリマで声かけをするんですけど、「おじさん二人が甘いもの食べながら事件を解決する話」って言ってるんです。大体笑われるんですけど、立ち止まってもらえますね。

まりはな:それはどんなきっかけで書こうと思ったんですか?

守屋SHIGE美:去年、文学フリマ札幌に出店したんですよ。その申し込みをした直後にフェイスブックで公開したら、札幌に住んでいるお友達(すごく文章を書くのが上手な方)が会いましょうみたいに言ってくれて。その人がミステリーが好きで、食べ歩きが好きな方――スイーツとかもよく食べ歩きされててレポとか書かれてる方なんです。

で、本格的なミステリーとかファンタジーは私が苦手なんですけど、探偵ものだったら何とか書けそうだなみたいな話になって。二人で作品作りませんか? という話になったんです。札幌、文学フリマ札幌に行くきっかけに本を出しましょうという話になって。

それをきっかけにネタ出しをしたんですが、私の母の弟が大阪に住んでて、叔父がすごく甘いものが大好きなんですけど、見た目がイカついんですよ。同じような感じのごついお友達と二人で「梅田の地下街ででっかいパフェ食べるのが好き」みたいな話をしてたんで、その雰囲気を小説に書きたいなと思って、相方さんに話してみました。その結果「面白そう」って事になって、探偵と助手っていうバディで甘いものを食べて事件を解決するっていう話を書こうという話になりました。

同じ主人公で続き物の短編小説を二人で順番に書いているので、一冊の本に二人の作家が入ってるみたいな感じです。だからこういう話を書こうと思いますけど、解釈はあってますか? みたいな話を二人でまめにして打ち合わせしながら書きました。

まりはな:食い違うこととかもあるんですか?

守屋SHIGE美:食い違いはないですね。今のところ。とりあえず先に話して、これはこうだと思います、みたいな話をしてから書くんで余計に食い違いは少ない、というか無いという感じです。ただ、もう一人の方がちょっと腐女子寄りに転びそうになるんで、それを私がちょっと食い止めてる感じです。でも、どっちでもいいんですけどね。自由なんで(笑)一応ブロマンスって言ってますけれど。

まりはな:ブロマンス?

守屋SHIGE美:小説のカテゴリーで言うと、男子同士のバディものとかで、恋愛とかそういうのじゃないけど、精神的なつながりで繋がってる二人組のことを「ブロマンス」と言うようです。結構カテゴリーとかでもあるらしいんですけれど。私も詳しくはないんで、そのようなものだろうという解釈で二人で書いてるっていう。ざっくり言うと「強い友情で結ばれた二人の物語」みたいな感じです。

まりはな:次に書くことについてお聞きしたいんですけど、守屋さんにとって書くってどういうことですか?

守屋SHIGE美:私は常に何かしら作ったりとか書いたりとかしないと生きていけないというか、調子が悪くなっちゃうので。何かブログを書いたりとか、note書いたりとか、フェイスブックに投稿したりとかを一日やっぱり一回はしてるんです。もう当たり前にやってることで。

まりはな:調子悪くなるっていうのは、なんでですか?

守屋SHIGE美:なんでしょうね。体調まで悪くなるんですよ。不思議なことに。何かしら書いてますね。

まりはな:それを話すじゃなくて書くなんですか?

守屋SHIGE美:そうですね。話すと消えちゃうんですよ。書くと残るんですよね。話すと忘れるんですよ、話した瞬間からもう。残しておかないと、学校の授業とか上司の話とかでも書いとかないと消えちゃうんで。

まりはな:聞きながらわーって書いてる。それは読み返したりもするんですか?

守屋SHIGE美:読み返す時もありますし、読み返さない時もありますけど、自分に残すというかフィックスさせるために書いてる感じですね。

まりはな:書いてるときはどういう気持ちになりますか?

守屋SHIGE美:無になるというか、バーって。何かが書かせてるというか、書かされてるって感じですね。多分頭脳というものではなく、何かしらが。でも最初にひねり出すというか、最初の一文字が出てくるまでにちょっと時間がかかって、そっからすごいダーってなるタイプですね。

まりはな:それは小説を書くときも書かされてる感覚なんですか?

守屋SHIGE美:そうですね。結末が最初から分かってる物語じゃないので、気がついたら辻褄が合ってる感じ。ちゃんとプロットを練って書いてもうまくいかないんですよね。なんで収まったんだろう?って思うんです、自分で。無意識で辻褄を探すんですよ、あとから。ああ、ここか!みたいな感じで見つけて。

これまではどんな活動をされていたのですか?

まりはな:最初に書かれてたのが詩ですか?

守屋SHIGE美:もともと詩を作ったり、バンドをやってたんで作詞したりしてました。小説はちょっと自分にはとてもとても(難しい)みたいな感じで。

まりはな:小説、恋愛小説を書くきっかけは何だったんですか?

守屋SHIGE美:フェイスブックのお友達が「小説みたいな出来事が現実に起こった」って言って投稿してたんですね。真夜中にタクシーで事故に遭った時に若い男の子――イケメンが助けてくれたみたいな事があって。それを恋愛小説にしたら面白いんじゃないかみたいな話になって、私が即興で書いたっていうのが初めてなんです。

まりはな:それで、書いた時はどんな気持ちだったんですか?

守屋SHIGE美:書いた時は面白いかなと思って書いてみて、実際に出したら結構受けが良かったんです。友達を実名で主人公にした小説っていうのを何本か書きました。

まりはな:それも事実を基にしたものなんですか?

守屋SHIGE美:まったく事実を元にしてないんですよ。もう完全な妄想で。そうなったら面白いだろうなぐらいで書いてる。

まりはな:それをいろんな人に見てもらって。

守屋SHIGE美:ブログやってたんでブログで小説載せてたら、色んな人が結構読んでくれて。

まりはな:そこからフィクションに変わっていったんですか?

守屋SHIGE美:そうです。友達の名前で出したものを本にするわけにはいかないんで。

まりはな:フィクションの小説を書き始めようと思ったのはどんなきっかけがあるんですか?

守屋SHIGE美:連続というか、最初に友達を主人公にした話から、フィクションの人物がやっぱり絡んでくるんですよね。妄想なんで。その妄想のサブ主人公みたいな人達を主役にした話を、登場人物がちょっとずつ変わって出てくるみたいな話を書いて。

最終的に会社の隣りの席の人が夢に出てきて、恋愛関係になるみたいな小説を書いたんですよ。それが最初に本にした話になります。

まりはな:フィクションとして書き始めたときの気持ちはどんな気持ちですか?

守屋SHIGE美:どれぐらいの人が読んでくれるのかな?とか、そもそも誰が読みたいと思ってくれるのかな? みたいなちょっと不安な感じでした。

まりはな:実際どんな反応がありましたか?

守屋SHIGE美:えらい好評で。最初は特に主人公に名前とかを付けてなかったんですよ。だから私と隣りの席の先輩が田中さんていう人の話を書いて。田中さんも別に田中さんて人がいたわけじゃないんですけど、たまたま田中さん(仮)っていう名前で、主人公の恋愛相手として出したみたいな感じ。一本書いたあとは続きが読みたいと言われてドンドン書いてたっていう。

まりはな:反応が良くて、今までずっと続けてるって感じなんですか?

守屋SHIGE美:そうですね。反応頂けて、読みたいって言われて。本にしたら、お友達がいっぱい読みたいって言って買ってくれて。割と順調だったかもしれないですね、最初から。

まりはな:最初文学フリマに出ようと思ったきっかけはなんですか?

守屋SHIGE美:本を作るのに憧れてて。今はすごく簡単に印刷所さんにお願いして、一冊とかからでも簡単に本作れるんですけど、私が最初にそういうのを、例えばコミケとかそういうのを知った時って、昔は本当に大ロットで百冊以上とかじゃないと作れなかったりとか、すごく金額が高かったりとか、百冊本を作るのに何十万とかかかったりとかするような世界だったんですよね。敷居が高かったんです。

時代が変わってすごく憧れが強かったんですけど、大人になってやっぱり自分にある程度好きにお金が使えるようになったりとか、小ロットで印刷物を頼むのにすごく敷居が下がったというのもあって。ウェブで書いてたものを一回自分で本にしてみたいなっていう。本を作ってみたくて、本を作るだけだったら寂しいからやっぱりそういうイベントみたいなのに出てみたいと思って。探した時に見つけたのが、文学フリマだったんです。

ただ運悪く私が見つけたのが2020年だったんで、ちょうどいろんなイベントが潰れた時期で。初めて申し込んだ文学フリマの福岡が中止になっちゃって。

まりはな:それで後、出店できて。どうでしたか?出店してみて、実際。

守屋SHIGE美:2020年の文学フリマが中止になって、実際出られたのが22年の10月の福岡だったんですけど、それまでに私が婦人科検診に引っかかって。乳がんと子宮頸がんとどっちも引っかかって、そっから精密検査になり、最終的に結局ごく初期の子宮頸がんだったんですよ。子宮とか卵巣を取る手術をしたりとかしてたんで、21年がそこでまるまる潰れちゃった。

なので、もう最初に出られた時はとにかくイベントに出られた、やっと出られるという感じで。ちょうど21年にした手術の話とかも書いて出したら?って言われたんで、それも出して。初めての文学フリマの新刊っていう形になって。だから喜びもひとしおという感じでしたね。

イベントへの意気込みをお願いします!

まりはな:なんで全国制覇しようと思ったんですか?

守屋SHIGE美:好奇心ですかね。例えば福岡と広島ではお客さんが違ったりとか、会場の雰囲気が違ったりとか。大阪とかも東京とかも行ってみて、ほんとにどこに出るかで全然違うなと思って面白いなと思って、やっぱり全部出たくなって。

全部出たいとなると、全部出る前に全国回った人のレポート本みたいなやつを読みたいっていう気になったんですよ。それを書きたいっていう気持ちにもなって。書くためにやっぱり出なきゃいけないんで。

まりはな:じゃあ制覇の先にレポート本を作りたいっていうのがあるんですね。

守屋SHIGE美:そうですね。全国回ったら旅行記を兼ねたレポート本を作りたいっていうのがあります。

まりはな:文学フリマの魅力ってどういうところにありますか?

守屋SHIGE美:自分が書いたものを「欲しい」と思ってきてくれる人と巡りあえる場所だし。書き続けていて、自分の評価っていうのがやっぱりネットだけだと分かんない感じのものが、生の交流でお互いに伝えられるというか、来てくれる人も伝えられるし、私も参加してる他の参加者さんの本を読んで伝えるっていうことができるんで。やる気にもなるし、精神的にすごくいいなと思って。メンタル的な居場所だなと思いますね。

まりはな:これからはどうされますか?岩手があって。

守屋SHIGE美:毎年何箇所は少なくとも回りたいなと思ってますし。文学フリマって、出てすごく楽しいんですよ。何回出ても楽しいんですけど、だんだん人の書いてるものとか作ってるものが、他の参加者とか、店に来る側の一般参加って呼ばれるお客さん、出店する側じゃなくて、この人達は毎年出てるんだよ、みたいなのがじわじわと広がってきて。

少しずつ活動をしていくうちに、自分の知名度っていうのがどんどん積み上げていかれるもので。それを22年から出てこないだ福岡で11回目を迎えたんですけれど、数多く出てると得られるものっていうのがすごくあるなっていう感じてるので、これからも積み上げていきたいなというふうに思ってます。細々とでもいいので。

まりはな:最後に文学フリマへの意気込みをお願いします。

守屋SHIGE美:今年のイベントはこの間の文学フリマ福岡11で終わってしまったんですけど、イベントに出るたびに「他の文学フリマにも来てくださいね!」みたいなことをよその出店者さんとかお客様からも言ってもらえたりとかして、やりがいがあるので、これからもちょっとずつ、やっぱり自分のやれることでチャレンジしていきたいなというふうに思ってます。

文学フリマとかに出て行くうちにだんだん、自分の中ですごくどんどん納得いくものが作れたりとか、逆にまだまだだなって思う部分もあって、すごく勉強になるなっていうふうに思います。この年齢でも、60歳ぐらいでも初めて出されたとかいう方もいらっしゃって、すごく出会いとかが毎回あって面白いなと。若い方もいれば、マダムとかもおじい様とかもいて、年齢層がすごく広いのを感じてます。みんな文章を書けばいいのにって思いますね。

インタビューを終えて

来年開催予定の文学フリマ岩手出展で、文学フリマ全国制覇!という守屋さん。
何回も出ていると、前にも出てた人だ!と知られていく。積み重ねていくことで得られるものがある。というお話しが印象的でした。直接会うことで知ってもらい、数を重ねることで認識してもらう。文学フリマならではの「生の交流」の魅力を感じました。このネット社会、「書いて発表すること」は自分ひとりで完結できてしまうけど、それが交流に繋がる文学フリマは、面白い場所だなと思います。文学フリマ初心者からしたら、出店者は大変そう…と思うのですが、守屋さんが精神的にすごくいいとお話しくださった通り、書いて、発表する場としてすごく健康的なイベントなのかもしれません。自分の行動に対する反応があるって、大事だし嬉しいから。 
書かないと体調が悪くなるというお話しにはびっくりしました。自分自身、書くことが好きな方だと思っていたのですが、書くことには、好き嫌いの先に「なくてはならない」があると知りました。書くことについて聞くのって面白い。
今後、文学フリマ全国制覇後には、全国を回ったレポート本を作りたい、とお話しされていました。自分が読みたいと思うものを作る。素敵でかっこいい。

インタビュー担当:まりはな

制作:栗林康弘・qbc(無名人インタビュー主催・作家)

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