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「できません」って言えるようになってから人にも優しくなった68歳の人

私たちはどうして年上の人たちと話すことをしなくなってしまったのか。
どうして、私たちは、どうして自分より上の世代の話を聞くのを止めたのか。
私たちは私たちがどうして年齢が自分より上の人たちと話さなかったのか分からない。
私たちがどうして他人について詳しく知ることをあきらめたのか知らない。
私たちはどうして他人のことをもっと知ろうとしなかったのか。
どうして他人について深く考えないのか?
どうして、私たちは隣人を知ろうとしないのか。その意味がどうして分からないのか。
私たちは見知らぬ他人と話すことに、どうして価値を見出さないのか。
私たちはどうして、どうして自分のことばかり考えてしまうのか。
このままで、いいのか?
私たちは、自分のことを知るほうが、他人のことを知るよりも大事だと思っているのか。
知らないし、分からないし、だからといって、それをそのままにしていいという弁解になるというのか。なるわけなんてないだろう。
今日の無名人インタビューもどうぞお楽しみください! と、言っていいのかも、どうしてかも、分からないけれど!(主催:qbc)

今回ご参加いただいたのは 松本みえこ さんです!

石井:今回、どんなインタビューにしたいですか?

みえこ:私、今68なんですけども、今まで自分の人生を細かく振り返ったことがそんなになくて。正直言ってそんなに人生の前半、楽しいことちょこちょこあってもそんなに楽しくなかったなって思っていて。
そういう人生なんだけど、やっぱり1回何か振り返ってみてもいいのかなって思ったので。
それで以前にこのインタビューに応募した人がたまたま知り合いで、よかったよっていうのを聞いて。
自分で振り返るのはなかなか難しいけど、誰かに聞いてもらった方がなんか自分の違う部分というか、忘れてたこともこんなふうに思ってたんだってことに気がつけるかなって思って、応募してみました。

石井:ありがとうございます。

みえこ:振り返りと、年齢的に先が短いっていうことを自分でもすごく最近意識することがあったので、この先生きていくための必要なものっていうか、ヒントっていうか、読む人のためにそういうものになったらまたそれも嬉しいなってちょっと思ってます。

現在:誰かが座ったであろう椅子とかを、どんな人が座ったんだろうとか思いながら撮るのが好き

石井:今、何をされてる方ですか?

みえこ:専業主婦。そう自分で宣言してるけども、たいして主婦業はしてないなっていうか、家事とか結構手抜きなので。

石井:では基本的には家にいらっしゃるんですね。

みえこ:そうですね。ちょっと何かボランティア的なことはしてますけど、基本的には家にいます。

石井:それ以外の時間はどんなことをされてるんですか。

みえこ:体を動かすのも1人だとなかなか動かさないので、地域で週1回、もっと年上の元気なおばあちゃんたちと一緒に、リクリエーションダンスっていう、何でもあり、フォークダンスあり、盆踊りあり、フラダンスありっていうような、簡単に体を動かす会。
時間的には1時間半なんですけど、そういう体を動かす会に行ったりをやっています。

石井:それもずっと続けてらっしゃるんですか?

みえこ:そうですね。結構お休みしてるんですけど、4年か5年ぐらいかな。

石井:ありがとうございます。今一番楽しいことってなんですか。

みえこ:今一番楽しいこと。私は元々声が通らない声質だったので、その声をなんとかしたいなって思ったときに知り合った方に「あんたそれはボイストレーニングに行くといいわよ」って言われたんですよ。「ええ?」って(笑)。
でも私別に歌歌いたいわけじゃないしと思ってたら、とってもいい人がいるから紹介してあげるって言われて体験で行ってみたら、ボイストレーニングとはいうんだけど、ボイストレーニングっていうか、骨に声を響かせて、喋りましょうっていう教室だったんですね。
思ってたのと違うんですけどその先生がすごく面白い方で、考え方もとっても楽しい方で、何か月か、2回か月に1回ぐらいの予定が合うとそれを習ってて、それが今ちょっと楽しいかなって。

石井:多忙ですね。

みえこ:いや、大体は月1回とか週1回とか、そういう単位なので、多忙っていう程でも。それと、一応写真もやってます。

石井:写真は、ご趣味の写真ですか?

みえこ:そうですね、趣味の写真ですね。

石井:なるほど。どういったものを撮られるんですか?

みえこ:一応、師事してる先生のテーマが光と影っていうものなので、普通の風景写真も撮りますけど、心象写真が多いです。

石井:勉強不足で申し訳ないのですが、心象写真って何でしょうか?

みえこ:私はあんまり心象っていう感じじゃないんですけど、自分がいいなと思ったものを撮る。例えば地面にひょろっと生えてる草とか木の葉の影がゆらゆら揺れてるものとか。
あんまり綺麗にお花を撮ろうとか、綺麗な風景を撮ろうとか、、、そういうことではなく自分が何かを感じたものを撮る。
そういう写真なので、私はそこに何か人を感じられるといいなって。そこに生きた人っていうか、人のぬくもりが感じられたらいいなって思って撮ってるけど、果たしてそれが写真に出てるかどうかわかりません。

石井:最近、何か撮られたものとか。

みえこ:最近はとても暑くてなかなか撮りにいけなくって。家の屋上から見る空の雲とか夕焼けとか、あとはガラスの花瓶とか。そんな感じかな。あとは雨が降ったら、ガラスに叩きつける雨とか。
撮りたいテーマのものは二つぐらいあるんですけど、暑くて今撮りに行けてない。

石井:一つはさっきおっしゃった人が感じられるものですか?

みえこ:一つはそうですね。人を感じられるものというかそこに生きた人、そこにいた人。
道具だったらそれを使ってた人とか。
もう一つはお花が大好きなんですけど、特にバラが好きなので、色んなバラ、枯れ落ちるまでのバラが自分の中で一つのテーマになってます。
綺麗なバラも好きですけど、こう枯れて、、枯れても頑張っているじゃないけど、枯れてもバラはバラっていうか。そういう感じが一つのテーマで、一つまとめたいなとは思っている。そのバラに対しては一つ、写真集でもいいし、何かそういうものになったらいいなって思ってます。

石井:ありがとうございます。もう一つ、そこにいた人っていうところがテーマっておっしゃってたんですけど、それはそう思うに至った経緯があれば、伺いたいんですけれど。

みえこ:なんか人間っていいなと思って。あ、自分も含めて。どんな人でも絶対いいところがあって、いいところも嫌なところも含めて一つの人間で作られてると思ってるので。
まああんまり嫌な人には会いたくないですけど、こっちも気分悪くなるから。
だけどなんか、どんな人にでもその人間としての温かさがあるんだろうなって思っているからそこに人がいなくても、誰かが座ったであろう椅子とかを、どんな人が座ったんだろうとか思いながら撮るのが好き。

過去:相手を信じようとする。人の目を見ることで。

石井:みえこさんは、どんな子どもでしたか?

みえこ:3歳か4歳ぐらいまでは、本当に自分の感情も隠さずに泣いたり喚いたり、ニコニコしたりっていう普通の子供だったと思うけれども、その後物心というか、もうちょっと小学校に上がる前後ぐらいから、私は大家族の中の大人の中で育ってるので、すごくその察しのいい子になった。ずっと察しのいい子で、自分のことは自分でするし、ある意味いい子で主張もしないっていう子ども時代っていうかだからすごくなんか真面目でいい子っていうふうな外見をすごくしてましたね。
でもすごくいい子やるっていうのは、、人間として無理があって、そのバランスを取るために、、すごく突然その癇癪を起こすとか。小さいときは癇癪起こす。ちょっと大きくなったときには、1人で泣いてましたね。突然我慢できなくなったときに誰もいないところで泣いてました。
その当時はなんでこんなに泣けちゃうんだろうと思ってたけど、今もうそれでバランスを取ってましたね。自分の感情のバランス。泣くことがあったことでいい子を演じられていた。演じるというか、そのときは演じると思ってないんだけど、やっぱりその母がすごい苦労してるのが、家族の中で苦労してるのがわかってたので、迷惑というか母を困らせたくないっていうのがあって「いい子」をしてました。

石井:泣いてらしたときは何歳ぐらいだったんですか?

みえこ:それはもうずっと。絶対に人前では泣かないけど、特に母のお手伝いをいっぱいして、うち田舎だったので、行事ごとにすごい人数の親戚が来るんですよ。
そうするとそれを母1人が1人で切り回すから、必然的に私は女の子なので手伝う。小学生ぐらいとなると手伝えるので、手伝うと結構目いっぱいになっちゃうんですよ、自分自身の感情的に。
そのときに必ず、どこか人のいないところで思い切り泣くとすっきりして、また次に行けるみたいな。

石井:いい子っていうのは、そういうお手伝いだったりを、もう文句も言わずにっていう。

みえこ:そうそう、文句も言わずに、言われる前に行動するみたいな。
母がとっても手早くっていろんなことができる人だったんですよ。なのでそれに追いつくように何かを手伝わなくちゃいけないから、結構頑張ってましたね。

石井:お母さんの影響がかなり。

みえこ:言われたわけじゃないけれども、手伝ってあげなきゃって思ってましたね。

石井:それ以外のご家族って何人ぐらいだったんでしょう? 大家族っておっしゃったんですけど。

みえこ:おじいさんおばあさん父母兄、それに母と私なのでそんな大家族じゃないんですけど、父が長男だったので親戚がしょっちゅう来るわけなんです。父の兄弟とか。そういう人が来たらいつでもおもてなしみたいなことが多かったので、だから母はいつもだからそういうの臨機応変っていうか、ぱっぱっとそれが嫌な顔せずやる人。
でも子どもにとっては見るとすごく何か理不尽な感じがして「なんで母だけいつもこうやってやんなきゃいけないの」って、おばあさんは全くやらない人だったので。
そこが子ども心にすごく理不尽に感じていたので、だからこそ手伝いたかった。

石井:いい子になるバランスを取るために泣いてしまうっていうのは、いつ頃まで続いたんですか?

みえこ:それは相当大人になってからですね。

石井:社会人になったあと?

みえこ:社会人になってからは一人暮らししてたので、自分1人、別に何の飾ることも必要ないから、そんなことなかったですね。
だって自分1人だから自由で、職場でちゃんとしてれば別にどうでもいいわけじゃないですか。お家がすごく散らかってようが。

石井:お家を出られたことが大きかったんですね。

みえこ:そうですね。

石井:お家を出られたのは、就職か何かがきっかけですか?

みえこ:家を出たのは兄が結婚して同居することになって。
それでやっぱり私がいることで、義理の姉がやりにくいかなって思ったんですね。
家のやり方は全部私が知ってるから、母が私を頼ったり私の方が言いやすかったりすると、多分姉はやっぱり全然知らない。20何年違う生活をして突然田舎にお嫁に来たら、戸惑うことが多いだろうと思って。
1年ぐらいは、まだ私学生だったから、1年2年ぐらいは一緒に同居してましたけど、就職とともに家を出ようと思った。

石井:直接的なきっかけはお兄さんの結婚?

みえこ:そうですね。

石井:ちなみに一番最初の仕事っていうのは、どんなことをされたんですか?

みえこ:えっとね、保育士。

石井:子供と関わるのは、ずっと前からやってらっしゃることなんですね。

みえこ:でもね、そんな子供好きじゃなかった(笑)

石井:保育士になられた理由を伺ってもいいですか?

みえこ:理由? あの、資格が欲しかったっていう。
全然本当にね、保母さんになろうっていう理想があったんじゃなくって、たまたま家の近くに短大ができたんですよ。幼児教育の短大ができて、たまたま家の前のあのおじさんが学長だったんですよ。とりあえず高校卒業して、でもまだすぐ働きたくないから、とりあえず2年行ったら資格取れるから資格取れたらいいかなって思って、とりあえず資格取って。
保育士さんになろうってすごい熱い思いとか全くなくって。兄が結婚して家を出ようと思ったときに、どこでどうしようと思って、それもたまたまで募集がいっぱい来てたんですよ、東京から。それもそんな東京に行こうって強い思いはなかったけど、たまたまその就職試験というか面接に行ったら「いつから来ますか」とかって言われちゃって。面接に行った段階で、なんかいつからきますかっていう感じでもうあとに引けなくなっちゃって。それで東京に出てきちゃったんです。

石井:なるほど。それも偶然。

みえこ:本当に偶然。そんなに保母さんになるつもりはなかったけどなっちゃったみたいな。

石井:保育士さんのお仕事だったり生活ってどうでしたか?

みえこ:今思えば、すごくやっぱり頭でっかち?
子どもがいないから学校で習った通りの理想、子どもはこういうふうに育った方がいいっていうような。例えば「朝ご飯ちゃんと食べさせてください」とか。
自分が子どもが生まれたときは、もう幼稚園に行くのに何でもとりあえず口に何か入れさせたくて、お腹すかないで行けばいいって思ってた。グズグズしてる子供に何か好きな菓子パンとか食べさせちゃってたのに、保母やってるときは、お母さんにちゃんと栄養を考えてくださいとか、すごい無理言ってたなと思って。すごく理想的なことをお母さんたちに何か要求してたなって。働くお母さんだから朝忙しいわけじゃないですか、それなのにずいぶんなんかひどいこと言ってたなって思いましたね、自分の子どもを産んでから。

石井:なるほど。何でしょう、楽しかったとか明るい感じよりは、反省だったりっていう気持ちの方が先に?

みえこ:楽しかったことは楽しかった。保育園なので、幼稚園とは違って教育っていうこともあるけれども、生活習慣のこととかが多かったので、そういう意味では楽しかった。

石井:それはその自由さっていうような意味で?

みえこ:そう、一応カリキュラムっていうのはありますけど、いかに子どもたちが楽しく1日を過ごすかっていうのを、今思えば目指してたなって。

石井:なるほど、ありがとうございます。それ以前でも以降でも結構なんですけど、人生の中で転機だったなって思われるようなことってありますか?

みえこ:一番初めの転機は、15歳のとき。それまで私は人の目を見て話せてなかったんですよ。人の目を見るのが怖かった。それが15歳の時にある人に「お前は人の目を見ないで話すっていうか、だから信じられない」って言われて、すごいびっくりして。
そっか、人と話すときって人の目を見るんだっていうことを、初めて直接言われて、それから、すごく人の目を見れるようになった。

石井:それって、どんなことが変わったんですか?

みえこ:伝わる?
多分ね相手を信じようとする。人の目を見ることで。
若いときには誤解も生んだけど、人の目を見て話すっていうことで。
特に男性の方は誤解をうんでしまうことがあったけど、こっちはそのつもりないのに(笑)。

石井:そうですね(笑)。それが転機だった?

みえこ:それから、人の目を見て話すことっていうか、すごく人と話しやすくなった。ちゃんと話を聞いてもらおうっていうか、自分のことを話せるようになったっていうか、100パーセントではないですけど。

石井:自分のことを話すっていうのは、難しいことだったんですね?

みえこ:そうですね。怖かった、すごく、それまでは。だから自分の気持ちをはっきり話せなかった。

石井:さっき一番最初の転機とおっしゃったと思うんですけど、もしかしてまだ転機ってあるんでしょうか?

みえこ:うん、ありますもう1個。

石井:ぜひお伺いしたいです。

みえこ:結婚してから二人目の子供を流産したとき、たまたま近所のおばちゃんに「今の環境じゃ産めない、もう1人欲しいけど産めないんだよね」って愚痴を言ったときに、たまたまその人がそんなに深い意味ではなくて「決めるのは自分でしょ」って言われたのね。
そのときに、結構人のせいにしてたんだなって。自分ができないことを人のせいにしていた。
誰かのがこうだから、誰かに言われたから私はできないとか、環境がこうだからできないとか。
そのおばあちゃんはそんな深い意味はなく言ったんだけど、それが「自分で決めるんだ。確かにいろんな一人暮らしとかそういうことも自分で決めてきたのに、ちょっと人のせいにしてたな」って、それでどきっとしたんですよね。

石井:その後って、何か変えられたんですか?

みえこ:んー、そんなに変えられなかった。決めても、それをこうしたいってなかなか言えなかったんだけど、人のせいにしないんだやらないのは、自分がはっきりちゃんと人に宣言しすることができてないからやんないだけであって、自分のせいでやらないんだよねって、できないんだよねっていうのは自覚しました。だから人のせいにはしなくなった。

石井:具体的な場面ってありますか?

みえこ:例えば、何か自分が勉強したいことを家族に言えなくって、本当はこういうことを勉強したいんだけど、フワッとちょっと何か講演会に行ってくるねみたいな。どういうふうに思われるんだろうっていうか、ちゃんと説得できないだろうって勝手に自分が決めて、話さなかったりとか。

石井:それはその後は、伝えられてたんですか?

みえこ:伝えられてないね、なかなかね。

石井:難しい?

みえこ:難しいっていうか、勝手に自分で決めている。伝わらないんだろう、これは言っても伝わるだろうみたいな。

石井:転機っていうのは、節々での誰かの言葉なんですね?

みえこ:それはすごく感じてます。文章の中にでも、気になる文字とかあって。何かを解決する時って、自分の中よりも周りから何かこう、ヒントをもらえる。
なので、周りっていうか人に助けられていると思っています。すごく。

未来:「できません」って言えるようになってから人にも優しくなりました

石井:何かこれからやってみたいなと思われてることとかって、ありますか?

みえこ:そこが自分の中で、わからない。

石井:わからない?

みえこ:わからない。ずっと何かにならなくてはいけないって思ってたんだけど、そうじゃないのかなって最近ちょっと思い。このダラダラしたというか、手抜きの主婦をやりつつ、このままこのままの延長なのかな、それが私が望んでた人生なのかな、何者かになるんじゃなくて。
って思っているんだけど、時々隣の芝生が青く見えて(笑)なんかこう、同じぐらいの私より多少下の年齢の人が生き生きと生きてる姿を見ると、すごく羨ましくなる。

石井:さっきお話冒頭で伺ったときは、ご趣味がたくさんあって、やりたいこともたくさん持ってらっしゃる印象だったんですけど、それは生き生きとっていうところには当てはまらない。

みえこ:私は人から見たら多趣味、いろんなことに首を突っ込むっていうふうに多分見えると思うんですけど、一つのことを突き詰めてやるってことが苦手なんですね。自分がちょっと体験して満足すると、それでOKなんですね。
なのでその、本当に例えば、絵を書くことが大好きで寝食を忘れてまで絵を描きたいっていうような、一つのことを突き詰めてやるエネルギーよりもたくさんのいろんな体験をしたい。そういう気持ちで、色んなことをそれなりに数多く、やってきている。
なので、多分これからもそういう何かやってみたいっていうことをやってくのかなって、ついちょっと前まで思ってたんですけど、最近その体力がなくなっちゃって。ちょっと、動けないというか。

石井:何かまた新しいこととかって考えてらっしゃったりするんですか?

みえこ:今は新しいことは、ちょっとまだ思い付かないっていうか、自分がやってみたいっていう思いが今はなく。それに近い感覚は、今持っているスキルのものを求められたときに提供する、ていうことかな。

石井:似た質問になるんですけど、やりたいではなく、どうありたいみたいなものはありますか?

みえこ:どうありたいかっていうのは、人と楽しさを分かち合いたい。やっぱり一緒に何か楽しくやることって、自分にとっては大事なことなんだなと思います。

石井:それは色々な場所に通われてる場で体感されることですか?

みえこ:それもある。その中にもあるけれども、いろいろやってきたものの中に、パステル画っていうのが一つあって。私は絵がとても苦手なんですけど、でも何かこう表現、絵を書いてみたいって思いがすごくあって。パステル画は絵が苦手でも書けますっていうもの。
それでそのインストラクターの資格を持ってるんですけど、そういう風に絵が苦手でも楽しめますっていうものを他の人に提供した時に、すごく喜んでもらえて、それはとても楽しいと。
なので、やっぱりう一緒に喜べるものって、私にとっては何か大事なものの一つかなって。

石井:なるほど。それを聞くと、さっきおっしゃった一つのものを突き詰めるとはまた違った、ちょっと方向性が違う印象もあります。

みえこ:うん。突き詰めてないから。

石井:そうですね。突き詰めることが魅力的だっておっしゃってたと思うんですけど。

みえこ:それは、一緒に楽しむツールとしているものであって突き詰めてないので。

石井:なるほど。

みえこ:突き詰めてたら、もっと何かすごいもの、作品を作ってると思います。

石井:でもそうではなくて、楽しむっていう。

みえこ:そうですね、楽しむためのツールなので、それがその場を提供するための一つのツール。

石井:なるほど。ありがとうございます。こうありたいっていうところは、一緒に楽しめるっていうところを大事にしたいと。

みえこ:そうですね。

石井:ありがとうございます。インタビューの中で一つ、もしもの質問っていうのをするようにしてるんですけど、一番最初の転機だっておっしゃっていた言葉がなかったら、どういう人生になってたと思いますか。

みえこ:多分、、ずっと、自分を出せなかった。出したいのに出せなかった。私は結構自分の考えに固執してるので、自分の考えを絶対だと思うのが根底にあるんだけど、それを出せなくってきっと何か、嫌な人間になってたと思う。人をいじめてる人間?

石井:自分の主張、あるいはそれを外に出してる方がいいっていうところ。

みえこ:そうですね、それがなかったら、そうとう嫌味な人間になってる気がします。

石井:やっぱりそう聞くと大きいですね。

みえこ:そう、目線を上げるって、すごく大事なことだなと思う。

石井:ありがとうございます。そうですね、あと、何か言い残したことなどありますか。

みえこ:ずっと、人生の半分ぐらいは、生きてることがつまらなかった。つまらなくて、何で生きてるんだろうって思って、人間は死ぬために生きてるんだって思ってました。死ぬまで絶対生き続けなくちゃいけない。だから自分で死ぬことはできないし。生まれたからには死ぬまでは何があっても生きなきゃいけない、楽しくなくても生きなきゃいけないって思ってました、人生の前半は。
後半はもう楽しく生きようと思いました。後半でもないですね。なんか50歳になったときに、やっぱりここまで生きてきて残りが50歳だから、その短い前半50年過ぎちゃった後に、もうこれからは楽しく生きなくちゃいけないんだなって、突然思ったんですよね。

石井:それは、さっき言ってくださった転機とはまた別に?

みえこ:その転機とはまた別に。

石井:全く違いますか?

みえこ:少し楽になった感じかな。頑張らなくてもいいやって思ったんで。でも頑張り癖がついてるから頑張っちゃうんですけど。

石井:頑張り癖って言うのは、ご自身では嫌いですか?

みえこ:嫌いというか、頑張るのが苦手なんですよね、本当は。本当は頑張りたくない。ズルズルしてる方が好き、ダラダラしてる方が好きだから。自分に甘いので。
でも頑張り癖がついてるから頑張っちゃうっていうか、私がやんなきゃみたいな。

石井:それが少し軽くなって気が楽になった。

みえこ:うん、私が頑張らなくてもいいんだっていうのが、ちょっとずつちょっとずつ言えるようになってきたっていうか。昔は「できません」っていうのは言えなかったので、お願いねって言われたら頑張りますみたいな。で、何とか頑張っちゃうみたいな。
だんだんその「できません」っていうのが言えるようになってから、ちょっと楽になった。人にも優しくなった。「できません」って言えるようになってから人にも優しくなりました。

石井:それはどうしてなんですか?

みえこ:私がこんなに頑張れるんだからみんなも頑張れるでしょって。だから頑張れない人を許せなかった。けど、あ、人って頑張れない部分もあるんだなって、自分も頑張れないじゃないって、頑張らなくてもいいんじゃないっていうのは、自分が体感できて。
やっと、その、頑張れない人を許せるようになった。それまでは許せなかった、頑張れば誰でもできると思ってたから。

石井:それまでっていうのは50歳まで?

みえこ:そうそう。なんで頑張らないのって思っていたけど、考えたらね、人間っていろんな人がいて、能力だっていろんな能力っていうか、得手不得手っていうのがあるのに、そんな私自身もそうなのに、そこを目をつぶってか見ないふりをしていてのが、同じように頑張らない人っていうか、頑張ってもできない人もいるわけじゃないですか。そこを認められなかった。だからすごい嫌な奴よね、ある意味(笑)

石井:今は、認めるというか、そういうコミュニケーションをされることが多いですか。

みえこ:そうね。そんなの当たり前じゃない?って。

石井:ありがとうございます。

みえこ:ありがとうございます。色々聞いていただいて。

石井:とんでもないです。それが趣旨ですし、すごく面白く聞かせていただいて、ありがとうございました。

あとがき

「『できません』って言えるようになってから人にも優しくなりました」という言葉が、個人的にすごく響いたんです。

自分にもできないことがあって、人にもできないことがある。「そんなの当たり前じゃない?って」
そうやって少しずつ少しずつ見えるものを増やして受け入れて、自分のあり方として紡いでいくことが、成長なのかもしれないなと思わされました。

それからインタビューをしていて思うのですが、人の趣味のお話を聞くのっていいものですね。
自分の知らない世界の楽しみ方が、まだこんなにあったんだと聞くたびに気付かされます。

これからもたくさん、そんなお話を聞いてみたいです。

インタビューご応募お待ちしています。

インタビュー担当:石井

編集協力:ことり☆

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