キャラクターに地域の息を吹き込む旅|遠征!文学フリマインタビュー
この記事は、文学フリマに参加する人たちのためのインタビュー。
今回参加いただいたのは かのこ さんです!
屋号:ぼんじり屋
作者名:かのこ
参加イベント:文学フリマ香川3
HPなど:
創作意欲を育む文学フリマ遠征
まりはな:では、まずはじめにお名前と普段出店されているブース名を教えてください。
かのこ:ブース名はぼんじり屋と言います。名前はかのこです。
まりはな:ありがとうございます。お住まいの都道府県はどちらですか?
かのこ:徳島県です。
まりはな:今回のこのインタビューで伝えたいことってありますか?
かのこ:地方の色んなところの文学フリマに出るのは楽しいぞっていうことを伝えたいですね。
まりはな:今まで文学フリマはどれくらい出店されたことがあるんですか?
かのこ:さっき数えたら7回ぐらいです。
まりはな:7回くらい。場所はどこですか?
かのこ:大体大阪と、時々京都で。数年前に香川で新しく文学フリマが開催されたので、香川にも出店しました。あと遠くに足を運んだのが、東京が1回ありますね。
まりはな:文学フリマに出店されてから何年目ですか?
かのこ:2年です。今年で3年ですね。
まりはな:すごい。それでこんなに回数が多いんですね。その文学フリマに出店しようと思ったきっかけは何ですか?
かのこ:もともと二次創作で小説を書いてまして。それが一次創作に切り替わってから、自分のサイトで小説を投稿してたんですけど、やっぱり二次創作してた時にイベントによく出てたので、一次創作のイベントとかないのかなって調べた時に文学フリマに出会って。大阪だったら近いし、行けるじゃんっていうことで、最初に出店したのが大阪ですね。
完全に無名で、特に宣伝も何もしてないのに、見ず知らずの人が本を手に取ってくれて、「見本誌見て面白そうだったので来ました」って言ってくれたのがもう本当に嬉しくて。それから文学フリマの沼にどっぷり浸かりましたね。
まりはな:最初大阪から始まって、京都とか東京にも行ってみたいって思ったのはなぜですか?
かのこ:大阪が行けたら、まあ京都も行けるんじゃない?って思って。京都は京都の街も好きなので、観光がてら行くだけ行ってみようかなと思って。京都も結構楽しくて。ただ、徳島からだと京都はちょっと遠いので、毎年行けるっていう感じではないんですけど、1年ごと、2年ごとぐらいで行ってますね。
まりはな:京都が遠いなって感じる中で、東京にも参加されたんですか?
かのこ:そうですね。東京のビッグサイトで初めて開催されるっていうのを知ったので。私もオタクなので、ビッグサイトのイベントに一度でいいから出てみたいなと思って。ちょうど弟が東京に行く用事があったんで、じゃあ私もついでに一緒に行こうかっていうことで。たまたま弟の用事と私の文学フリマ東京が被ったので。
遠征の実際
まりはな:遠征するときってだいたい何泊くらい、どれくらいの期間行くんですか?
かのこ:だいたい2泊3日ですね。前日に前乗りして、翌日にイベントを入れて、3日目で帰るっていう感じです。
まりはな:観光とかってされるんですか?
かのこ:観光は本当に場所によりけりなんですけど。大阪は一時期住んでたっていうこともあって、特に行きたいところもなく。行くとしたら、大阪にある某テーマパークで遊んだり。
京都は、先日京都に出店したんですけれど、その時はなかなか京都に行く機会もないんで、私の好きな俳優さんのご実家が京都でお酒を作ってるので、そこでお酒を買ってイベントに出て、翌日には京都をちょっとぷらっと観光して、という感じですね。
東京も、ちょくちょく一時期遊びに行ってた時期があったんで、特に何か行きたいというところもなく。池袋とか渋谷のアニメショップとかキャラクターショップに行って買い物するみたいな感じですね。
地域ごとの違いと魅力
まりはな:今まで遠征してきた文学フリマの中で、印象的なエピソードってありますか?
かのこ:直近、先月あった文学フリマ京都になるんですけど、その時に初めて自分で持って行った本が完売しまして。最後に手に取ってくれたのが、ちょうど文学フリマのスタッフの人で、それはちょっと嬉しかったですね。今までだいたい持っていっても余りが残ってしまうっていう感じだったんですけど、今回に関しては持っていたものが全部売れて、すごい達成感というか、嬉しかったですね。
まりはな:文学フリマ遠征の魅力ってどういうところにありますか?
かのこ:やっぱりその土地によって、来られる出店者の人もそうなんですけど、一般の参加者、買いに来てくださる人の県民性というか、その人の雰囲気っていうのが全く違うのがすごく面白いですね。
まりはな:どういう時にそれを感じますか?
かのこ:大阪は、声をかけたら立ち止まってくれる率が高くて。京都は一見さんが、見本誌を見て「面白そうだったから来ました」ってたまたま立ち寄ってくれるような人が多くて。東京だと、何かその目的があって来るっていう人が多かったですね。
香川だと、やっぱり会場自体がちっちゃいということもあって、とりあえず一巡してから流れで来る。私、普段BL(ボーイズラブ)の小説を書いてるんですけど、香川だと男性のお客さんも来て購入してくれたり。初めて「この本、BLですけど大丈夫ですか?」って声をかけてしまって、「それでも大丈夫です。購入させてください」っていう人もいたり、「BLかぁ」っていう人も。香川はなかなか興味深い、面白い人が多かったっていうイメージがありますね。
まりはな:徳島にお住まいで、ご自身と近い部分とかってあったんですか?香川の人と。
かのこ:香川は、なんとなくのんびりしてるというか。私も徳島ということもあって、香川にもよく遊びに行くんですけれど、なんか仲間じゃないけど、身内感があって。フレンドリーというか、身内感があって、なんか初めて会う人だけど初めてじゃないみたいな、そんな気さくさがありましたね。
まりはな:それは他の地域の文学フリマではないものでしたか?
かのこ:そうですね。大阪とか京都、東京も会場が大きくて、過去に何回も何回もやっていたっていうこともあって、常連さんが多いイメージ。その文学フリマっていうものに慣れてる人が多い感じがしてたんですけど、香川はまだ今年で3回目。イベント開催が3回目なので、お互いこう探り合ってる、初めまして感があったので、リラックスして香川が一番楽しめたかなっていう感じがしますね。
まりはな:香川で開催されるようになったのが最近なんですね。
かのこ:去年、一昨年。確か大阪だったか京都だったかだと思うんですけど、「香川で開催されます」って言われた時はもう本当に嬉しくて。近い、すぐ行ける、車で行けるぞって。遠征費がかからないのはちょっと嬉しかったですね。
まりはな:香川だと日帰りになるんですか?
かのこ:そうですね。朝行ってもうその日に帰ってくるっていうことができるので、翌日仕事も行けるし。
文学フリマ遠征のメリット・デメリット
まりはな:文学フリマ遠征のメリットとデメリットについてお聞きしたいんですけど。
かのこ:メリットは、やっぱりその自分が書いたものを、みんないろんな人に見てもらえる機会があって。で、そのファンというかリピーターさんが増えるのがやっぱりいいですね。「友達が買って面白そうだったんで、私も買いに来ました」っていう人が以前いらっしゃって、そういう時はちょっと嬉しかったですし。自分の自己肯定感じゃないですけど、自己顕示欲ともいうとちょっと言葉があれですけど、なんかすごい満たされる感じがして、創作意欲が掻き立てられるのがいいメリットかなと思いますね。
逆にデメリットはやっぱり遠方だと、その遠征費がかかるし、ホテル代とか交通費もそうですけど、荷物をやっぱり送る必要もあるので、お金がちょっとかかるっていうのが、まあデメリットかなあと思いますね。それでもやっぱり楽しいから参加しちゃうんですけど。
まりはな:なんで楽しいと思うんですか?遠征を。
かのこ:もともと旅行自体が好きというか、私を知らない人がいるところに行くのがすごく好きで。放浪癖じゃないけど、大阪に以前住んでた時は、交通の便があるので、「歯医者さんに行った帰りに金沢まで行こう」みたいなことがあって。朝起きて「暇だな。どこ行こうかな。伊勢行こう」みたいな。ふらっと行けるっていう。その行った旅先で知らない人に出会えるっていうのが楽しかったので、イベントとかでも遠征してそのお客さん、隣りのスペースの人とお話しするっていうのがすごく楽しいので、やっぱりそれでも多少お金かかっても遠征はしたいなと思いますね。
まりはな:一番近い香川の文学フリマに出店するのと、他に遠征するのとの違いってどんなところにありますか?
かのこ:香川はやっぱり近い分、身内感があって、知らない人だけど、友達に会いに行くみたいな感じがするので、リラックスしてできるっていうのと、その香川以外だと、親戚に会いに行くような感じ。ちょっとした緊張感を持って行けるので、その緩急が香川と他の地区であるかなと思いますね。
そうすることで、その自分の中の創作の意欲。「今回は新作は出せないけど、でもそれで創作意欲を高めて別のイベントで新作を出そう」みたいな、いい起爆剤になってますね。
文学フリマと旅行と創作
まりはな:旅行は普段される方ですか?
かのこ:もともと徳島で、関西に一時期住んでまた徳島に戻ってきたんですけど。徳島だとちょっと旅行もしづらい。旅行ってなると、やっぱりそのイベントのついで、推し活のついでに行くみたいな感じなので、そんなに自主的に旅行を目的に旅行行くっていうことは今あまりないですね。
まりはな:文学フリマ遠征と同じような感じで2泊3日くらいでするみたいな?
かのこ:そうそう、そうですね。舞台を見に行ったりすると、その時間によって1泊2日だったりすることもあるんですけど。旅行目的だと1泊2日ぐらいですかね。人が絡んでくると2泊3日になる感じですね。
まりはな:文学フリマ遠征をするときのルーティンみたいなものってありますか?
かのこ:その遠征先について、ホテルに荷物を預けて、前日で何か買い揃えないといけないものがあったら買い揃える。それかカラオケ行く。大阪とかだともう「行き慣れてる」みたいな、遊びすぎて特に行くところがないみたいな感じで、チェックインまで時間あるしカラオケ行くかみたいな感じで。
で、翌日にイベント参加して、3日目はちょっと早めにホテルを出て、テーマパークで遊んだりお買い物したり、前日の余韻が残ってたらネットカフェに行って創作するみたいな。新作のネタを探すような目的でぶらぶら歩いたりするっていうのが多いですね。だいたいこういう流れですね、2泊3日だと。
まりはな:新作ネタを探すのもその遠征中にされるんですか?
かのこ:そうですね。「うちの子達だったらどんなふうに買い物するだろう。どういう感じでテーマパークを回るかな」みたいな妄想をしながら楽しんでますね。
まりはな:実際にかのこさんが行った場所が次の作品の舞台になるみたいなこともあるんですか?
かのこ:そうですね。次出そうとしてる新刊の中に、うちのメインで書いてる二人がテーマパークで遊ぶっていうネタがあるんですけれど、それのモデルが思いっきり大阪の某テーマパークで。それをかなり大幅に、それとわからないようにはしてるんですけど。「ここで遊んで、私がこのアトラクション乗ってすごく楽しかったから、じゃあこの子たちにも乗せてみよう」みたいな。
「この子はどういう反応するかな」とか、「この子は可愛いものが好きだから、きっとこのキャラクターとグリーティングしたら絶対喜ぶだろうな」みたいな。そういうのでテーマパークとして楽しみつつ、頭の中にはうちの子達も同居させて自分と一緒に遊んでるみたいな。ネタを探してるみたいな感じですね。
まりはな:じゃあ遠征があるから新しい作品が生まれるみたいな。
かのこ:そうですね。
これからの展望
まりはな:これから行きたい文学フリマの遠征地ってありますか?
かのこ:北海道とか、広島とか福岡ですね。
まりはな:それはどうしてですか?
かのこ:北海道は単にその北海道という土地がすごく好きで。俳優の大泉洋さんのファンなので。彼が北海道の出身で、私も過去に一度北海道で遊びに行ってすごい楽しかったので。うちの子達の中にもその大泉洋さんをモデルにした子がいるんですけど、その子たちが北海道にゆかりがあるので。でもまだ彼らをちゃんと創作品の中で呼吸をさせるために、北海道というところをリアルで肌で感じたいっていうこともありますね。
広島は今まで行ったことがないので、比較的四国からだと頑張ればいけなくもないかなという感じですし。福岡は親戚が福岡にいるので、一番行きやすい。何かあった時にちょっと会場まで乗せてってくれるみたいな利便性があって。北海道と広島と福岡はいつか行ってみたいですね。
まりはな:北海道のキャラクターの方々を呼吸させるっていうのがすごい気になったんですけど。実際にかのこさんが行かないで、その舞台に登場させることはしないんですか?
かのこ:もしさせるとしたら、グーグルマップでちゃんと調べて、どういう土地なのか。一度、そのキャラクターで東京から大阪まで自転車で旅をさせるっていうような小説を書いたことがあるんですけど、その時はちゃんとグーグルマップで、東京駅スタート、大阪駅到着でちゃんとそのグーグルマップのストリートビューで道を見て。「箱根峠はこんな感じだ。時間何時間して、この距離だったらだいたい何日ぐらい?じゃあこれぐらい、多めに見て4日ぐらいでスケジュール組むだろうな」みたいなことを入念にちゃんと調べないと想像の中で書くのはやっぱちょっと難しいですね。
まりはな:それはどうしてですか?
かのこ:これは多分、私だけなのか他の人もそうなのかちょっと分からないんですけど。私の中で書いてる登場人物達っていうのはちゃんと生きているというか、作品を書いてても脳内でちゃんと彼らが喋ってくれているのを私が文字起こししている。彼らが動いているのを私が文字で表現しているので。だから、彼らが体験していることを私も体験しないと、何かリアリティを持たせたいっていうのが一番近いのかな。
だから、そのルートを調べたりっていうのもそうですけど、実際現地に行って「この町の空気はこんな感じ。温度はこんな感じ。天気はこんな感じ」っていうのをちゃんと落とし込んでいると、ちゃんと作品として成立するみたいな感じですかね。
文学フリマ遠征はおすすめ?
まりはな:文学フリマの遠征はズバリおすすめですか?
かのこ:おすすめです。するべきだと思います。
まりはな:それはどうしてですか?
かのこ:やっぱり人によって行きやすい行きにくい場所っていうのもあるかと思うんですけど、色んなところに行くことによって、何かその空気感が全然まるっきり、どこ一つとして同じ空気感のところがないので。
大阪と京都、同じ関西だけど、やっぱり全然。京都は声をかけて呼び止めて、立ち止まってくれるっていうことはないけど、興味を持って、その一見さんが見本誌を見て興味を持ってくれるっていう人が多かったですし。香川と東京だと規模はそもそも違うけど、東京は目的があって来てくれる。何かスペシャリストじゃないですけど、こだわりの強い人が多いって感じますし。香川は逆に珍しいから、いろんな人が立ち止まってくれる、見てくれる率が高いので。
やっぱりその場所によっていろんな経験をすると、「自分はここの土地が合ってるな」「合ってないな」っていうのは分かるかなと思いますね。
まりはな:その中で今まで遠征されてきた中で一番空気感が合ってると思った会場はどこですか?
かのこ:やっぱり大阪かな。初めて出たのが大阪で、すごい楽しかった。本を手に取ってもらえたっていう成功体験があったっていうのもあるんですけれど。大阪が割と自分の性格的に、こっちがグイグイ行っても向こうはそこまで嫌がらない。向こうも来てくれるっていう感じがするので。「見てみて」って、すると「見てみて」として答えてくれるのが大阪だったので、が一番肌に合ってるかなって感じますね。
まりはな:最後に、宣伝や文学フリマ遠征について伝えたいことがあれ場お願いします。
かのこ:文学フリマ香川にまた出店して、新刊を頑張って出そうと思うので、良ければ来ていただければと思います。伝えたいことは、文学フリマはいいぞ、ですかね。
インタビューを終えて
文学フリマで遠征している人インタビュー第2回目はかのこさんでした!
みんなにもぜひ遠征してほしい!という言葉通り、文学フリマ遠征って楽しい!という思いを感じるインタビューでした。
中でも印象的だったのは、文学フリマ遠征が作品創作に影響しているというお話。文学フリマ後には、キャラクターがどんな風に立ち振る舞うのか考えながら旅行を楽しみ、その想像を元に作品を執筆しているとのこと。文学フリマ遠征が、作品の世界を広げているんだな〜!と感じました。これからの文学フリマ遠征についても、キャラクターを呼吸させるために行ってみたい会場があるのだとお話しされていたことが興味深かったです。
インタビューをしていて、文学フリマは作品を販売して終わりではなく、刺激を受け、新たな作品創作に繋がる場なのだと感じます。作品創作→文学フリマ出店(遠征)→刺激→作品創作という循環が生まれているような。 販売する場が次の創作の1つの過程であることは、なんだか不思議なようで、でも自然なことのような気もして面白いです。そして、遠征はさらなる刺激を生む!世界を広げる!
もっともっと、文学フリマ遠征で世界が広がった方のお話をお聞きしたいです!みなさまのご応募をお待ちしております!!
インタビュー担当:まりはな
制作:栗林康弘・qbc(無名人インタビュー主催・作家)
過去の文学フリマインタビューはこちらから!

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