野菜の人
むかしむかし、ある村に野菜を愛する若者が住んでいました。彼は毎日、丹精込めて野菜を育て、村人たちに美味しい野菜を届けていました。
ある日、村に旅の商人がやってきて、都会の珍しい料理や贅沢な食材を紹介しました。村人たちは次第に野菜を食べなくなり、商人から高価な食材を買うようになりました。
若者は悲しみましたが、諦めることなく野菜作りを続けました。そして、野菜たちと語りかけるように育てていると、野菜たちは一段と美しく、みずみずしく育つようになりました。
やがて村人たちは体調を崩すようになりました。そんなとき、若者が育てた野菜のスープを飲んだ村人が、みるみる元気を取り戻したのです。
村人たちは気づきました。「私たちの体と心を支えてくれていたのは、若者の愛情たっぷりの野菜だったんだ」と。
それからというもの、村人たちは若者の育てる野菜を大切にいただくようになり、村は再び健康と笑顔で溢れるようになりました。
その後、この村は「野菜の恵みの里」として知られ、若者の教えは代々受け継がれていったとさ。
めでたし、めでたし。
と思う2025年07月18日00時36分に書く無名人インタビュー1129回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】
今回ご参加いただいたのは 野菜の人 さんです!
年齢:20代前半
性別:女
職業:ひみつ
現在:自分の生きてきた人生が、自分のやりたい農業にどう反映されるのかっていうのを考えるのもすごい面白いなって。
qbc:
今何をしている人でしょうか。
野菜の人:
大学をこの3月に卒業して、仕事はしていないです。JICA海外協力隊として7月末からコスタリカに行く予定で、今は準備をしている状態です。
qbc:
今どんな気持ちなんですか?
野菜の人:
今どんな気持ち?そうですね……先週まで協力隊になるための訓練を受けていて、今終わった直後なんですけど、訓練が終わってしまった寂しさと、海外という新しい環境に行くことに対するワクワクと不安の気持ちです。
qbc:
訓練はいつから、どんなことを行っていたんですか?
野菜の人:
訓練は4月の末からやってて、メインは語学の習得でした。日本と比べると海外は危険なコトも多いので安全対策とか健康管理についての講座があったりっていうような訓練です。
qbc:
コスタリカは派遣期間はどれぐらい行かれるんですかね?
野菜の人:
コスタリカには2年間行きます。
qbc:
その訓練の間に変わったことってあります?
野菜の人:
今ちょうど振り返りをしていて。訓練の時に思ったのは、自分の意見をすごい言えるようになったと思います。同じ訓練生には自分の意見をしっかり言える人が多くて、自分の意見をもっている人も多いから、その人たちに影響されて自分の意見をすごい言えるようになったような感じがしてました。
qbc:
そのはっきり物事を言うようになった場面って、どんなことでしたか?
野菜の人:
訓練期間中に漫才をすることになって、その漫才のネタを考えるときに、
「いや、このボケは面白くない」「あんまりしっくりこない」とか、
相方のアイデアに対しても、自分の意見に対しても客観的に意見を言えてたっていうところとか。グループで何かを考えていて選択を迫られたとき、それは違うと思うっていうのを言えるようになってたのかなって。
qbc:
言った結果、何が得られるんですか?それで、変わったことありますか?
野菜の人:
あー、それこそこれまでは自分では違うって思ってるけど、でも自分の意見言えないからモヤモヤしたままことが流れることが多かった。自分の意見をはっきり言うと自分の中でこれ言い過ぎたかなって思う部分はあるけど、でも自分の意見を言えるってすごいなって感心しました。
qbc:
それは良いこと、悪いことで言うと?
野菜の人:
良いことな気はします。基本全部受け入れちゃうので、人の意見を。たまにはそういうことがあってもいいのかなって。
qbc:
ちなみに漫才は何でやったんですか?
野菜の人:
漫才は訓練所って特殊な環境で、語学の勉強とかもあるんですけど、自分の得意なこととかを生かして自主講座っていうのができたりするんですね。私の場合だと野菜栽培っていう職種で派遣されるので、同じ職種の方と野菜に関する講座をしたりしました。
訓練所って名前の通りすごい刑務所じゃないけど、閉じ込められた環境って感じがするじゃないですか。テレビもないし、エンタメ的な要素がほぼないんですね。だから訓練所に面白いものを生み出したいなあと思って、最初の自己紹介のときに漫才やりたいですって言ったら、それに乗ってくれた人が何人かいて、チームお笑いで漫才のステージを作ったっていうような経緯になります。
qbc:
そもそもコスタリカへのJICAのボランティア隊員っていうのは、何をする人なんですかね?
野菜の人:
私は野菜の栽培の指導をする予定です。基本、JICA海外協力隊っていうのはいろんな職種があって、小学校の先生として派遣される人もいれば、野球とかを指導するみたいなスポーツ関係の人もいたりします。私はその中で野菜の栽培指導をするっていう立場で行きます。
qbc:
海外協力隊はなぜ行くんですか?
野菜の人:
きっかけは2年前にスリランカっていう、インドの下にある国に行ってボランティアに参加したことです。おもしろそうだなと思って参加したんですけど、スリランカで舗装されてない道を作るボランティアを2週間ぐらいやって。
今まで日本のことしか考えてなかったけど、スリランカに行ってみると生活も全然違うし、スリランカって三食毎食カレーで、その食文化の違いにも結構驚いて、もうちょっと世界を見てみたいなって。それで、スリランカの野菜を見た時に、日本の野菜ってめちゃめちゃ綺麗な状態で売られてるのに対して、スリランカの野菜って形とか全部バラバラで日本と全然違うなっていうところに衝撃を受けて。形が揃えればいいってわけではないんですけど、食の違いや野菜の違いを目の当たりにしたとき、海外の野菜栽培に自分が何か関わることはできないのかなって思って、、、。じゃあ海外でボランティアしてみようというような経緯に至ります。
qbc:
多くの人という言い方になりますけど、そこまでいかない人もいるじゃないですか。わざわざJICAまで行かないっていう人が多いと思うんですけど、なんで海外協力隊まで行くんですかね?例えば、行く人を応援するっていうのも良かったわけじゃないですか?
野菜の人:
ああー。でもやっぱ現場に行ってみたい。農業ってやっぱ現場の仕事というか、現場で起きていることが結構多いので、現場を見てみたいっていうのと。あと任期が2年間って決まってて、2年間全うすれば次のステージに行ける、行かなければならないっていう終わりがあるっていうのは大きかったかもしれないです。
qbc:
農業自体はどこで学んできたんですか?
野菜の人:
農業は大学と、あとちょくちょく全国各地の農家さんに行かせてもらって、いろんな農業のやり方もあるんだなみたいなのを見たっていうぐらいです。
qbc:
そもそも農業に興味を持ったのって何なんですか?
野菜の人:
農業に興味を持ったのは中学生ぐらいの時です。中学生の時までサッカーをやってて、私はずっとサッカー選手になりたいって思いながらサッカーをやってました。中学2年生の時に全国レベルの選手との差を知ったときに、私にはなれないって思ってしまって。ここで初めて夢を諦めたんです。
でも夢がないと、目標がないと頑張れないので、何か目標を立てようと思って。いろんな仕事のことを考えてた時に、野菜とか植物と触れる仕事したいなっていうのと、OLみたいにずっとパソコンに向かってる仕事よりかも体を動かせる仕事がいいなと思って、その時に農業系の仕事をやりたいって思ったのがきっかけで。それ以来、農業以外にやりたいことが見つからず、ずっと農業やりたいって言ってきたっていう感じです。
qbc:
他に興味のあることって出なかったんですかね?
野菜の人:
そうですね。私はずっと農業よりおもしろいものはないって思って、ここ最近まで信じてきたんですけど、訓練所にいるときにいろんなおもしろいことを、それこそ漫才に挑戦して、バク転を教えてもらって、いろんなバックグランドのある方のお話を聞くと、農業以外にもおもしろいことめっちゃあるなっていうのに気づかされました。
qbc:
ちなみに農業の魅力って何なんですかね?
野菜の人:
農業の魅力はたくさんあるんですけど、私が思うのは、農業をやる人によって農業のやり方とか農業との関わり方が違うところだと思います。これは農業をやるっていうところに焦点を当てた場合の魅力なんですけど、その人が生きてきた人生とかが農業に反映されてて、それを知るのが私はめっちゃおもしろいって思うし、自分の場合は自分の生きてきた人生が、自分のやりたい農業にどう反映されるのかっていうのを考えるのもすごい興味深いなって思ってます。
qbc:
農業に反映されるって、具体的にどう農業に人生が反映されているのですか?
野菜の人:
お世話になっている方を例にあげさせてもらうと、若いときに結構やんちゃな時期があったらしいんですね、その方は。で、やんちゃだった時を振り返ると、自分が一人になって孤立してたことが多かったと。その方は、誰一人取り残さない世界を実現したい、その取り残さないための手段として農業を使っていて。農業っていう器にいろんな人たちを集めることで、取り残さない未来を作るみたいな。あくまで私の解釈な部分もありますが。分かりますかね?
qbc:
いや、もちろん細かい部分まで理解できたとは思わないですけど、だいたいそういう人たちばっかりとかですか?農業やってる人っていうのはそういうふうな思想を反映していることが多いってことですかね。
野菜の人:
少なからず反映されていると私は思ってます。おじいちゃんおばあちゃんとかだったらわかんないですけど。50代、60代ぐらいまでの人だったら、何らかのその人の経験が農業に反映されているようには感じます。
qbc:
いやあんまりこっちからのカードって出さないんですけど。最近ちょこちょこ農業の人をインタビューすると、フリーランス農家の人とか、能登で農家やってる人、その人はもともとホテルやってた人だったんだけど、確かに人生が反映されるって考えたことなかったので、そうだったなと思って。沖縄で芋作ってる人とかもそうでしたね。
野菜の人:
はい。
qbc:
あと単純に農業の良さとかに関して思うことってあります?
野菜の人:
私が思うのは、自分のペースでできることっていうのと、めっちゃいろんなことが複雑に絡み合ってる難しさが良いです。野菜を育てるところで言うと、野菜の種類、玉ねぎ人参みたいな種類のところもそうだし、トマトで言うと、ミニトマトを育てるか、大きなトマトを育てるかによっても全然変わってくるし。いろんな要素が絡み合ってるところがすごい複雑でおもしろいなって思います。その一つ一つの要素に背景があるというか、そこもおもしろいところです。
qbc:
周りの同世代で、農業いいよねって言ってる人たちいるんですか?
野菜の人:
意外といました。意外といます。
qbc:
それはどんな形での携わり方なんですか?
野菜の人:
大学の友達とかで言うと、種とか苗を育てる会社に就職してる人もいれば、農業機械の会社に就職してる人とか。あと食品関係に就職してる人。直接的ではないけど、何らかの形で農業に関わってる人が多いのかなって思います。
qbc:
全然農業関係に携わってないんだけど、農業に興味があるみたいな人っています?
野菜の人:
ああー。
qbc:
若い世代、同世代で。
野菜の人:
そうですね。農業への興味の持ち具合の度合いはわかんないんですけど。でも、年を取ったら、おじいちゃんになったら農業やりたいんだよねみたいな人はいるにはいますね。
qbc:
普通に趣味ってなんですかね?
野菜の人:
趣味は、体を動かすことってよく言ってて、トレランってわかります?トレイルランニングって言って、山の中を走るマラソンみたいなのがあるんですけど。
qbc:
完全に山なんだ。丘とかそういうんじゃなくて。
野菜の人:
山ですね。
qbc:
はいはい。
野菜の人:
その大会に出ることが一時期の楽しみで、それに向けた体作りが趣味かもしれないです。
qbc:
何だか大人みたいなのっていうか、そういう目的がはっきりとした何々のための体づくりっていうのは、普通の発想なんですか?
野菜の人:
えー、多分普通。普通だと思いますね。
qbc:
へえ。それは何がいいんですかね?
野菜の人:
走ってる時は本当にきついんですけど。ゴールした後の開放感がすごいんですよ。だからその開放感を得るために時間と自分を犠牲にして走ってるっていうのがいいです。
qbc:
性格については人からなんて言われますか?
野菜の人:
性格はおとなしいね、静かだねって言われます。おとなしめの性格で、変わってるっていうような雰囲気っていうような感じも言われるけど、でもそんな変わってないと自分は思ってます。
qbc:
いや、サッカーやったりトレイルランニングとか、農業とか、自分の選んだものを進んでるようなところでは静かな感じじゃなかったんですけど、話聞いてて。
野菜の人:
ああーそうですね。喋ってるだけだとこんな感じなんですけど、日常生活、学校の中とか訓練所の中とかだったら割とひっそりしているので。騒ぐっていうか、今23なんですけど、23歳の割には生き生きしてないっていう感じだと思います。
qbc:
それは周り評価?自分評価?
野菜の人:
周り評価です。
qbc:
自分自身ではどんな人物だと思ってますか、性格的な意味で。
野菜の人:
気分屋さん、すごく気持ちに左右されるので、やりたいって思ったことはめっちゃ力を入れれるけど、自分の熱が燃えないと全くやる気にならないかな。確かに同年代と比べたら静かかなとは思いますけど、そもそもはしゃぎ方がわかんなくて、オーバーリアクションとかできないので、それが故に静かな風に見えているのかなって思います。
qbc:
距離の近い人から言われる一面ってあります?その家族とかパートナーとか親友とか、近い人。
野菜の人:
でも、そんなに性格の話をしないので。壁がなくなればよく喋るようになると思います。
qbc:
あー。
野菜の人:
距離感の詰め方がわかんなくて。時間が経てば仲良くなれるんですけど、会って1週間ぐらいで仲良くなるっていうのが苦手なのかなって思います。
qbc:
自分は何々が好きですっていうと、何が好きな人になるんですか?
野菜の人:
食べ物とかですかね。
qbc:
食べ物はなんですか?
野菜の人:
食べ物は野菜が好きです。
qbc:
何が好きなんですか?
野菜の人:
野菜、トウモロコシが好きです。トウモロコシとトマトが好きです。
qbc:
トウモロコシも夏野菜?
野菜の人:
はい。トウモロコシは夏野菜です。
qbc:
その調理方法は?
野菜の人:
処理方法は茹でるのがいいです。焼きトウモロコシって食べにくいじゃないですか。だから茹でてるのが一番好きです。
qbc:
トマトは無限に調理方法がある野菜ですけど。
野菜の人:
そうですね。無限にありますね。
qbc:
どうやって食べるのがいいですか?
野菜の人:
やっぱ一番はそのまま食べるのが美味しいんですけど、大学の時にトマトの研究をやってて。もうびっくりするぐらいトマトを持って帰って消費しなきゃいけなくて、その時にトマトジュースを自分で作ってて。その時のトマトジュースはめちゃめちゃ美味しかったです。
qbc:
ふーん。どうやって作るんですか?
野菜の人:
結構手間なんですけど。トマトの皮を全部むいで、あとは煮込んで煮詰めて水分を飛ばしつつ、酸味飛ばしつつ。最後に種とかを取り除くために漉して、飲みやすい形状にする感じです。
qbc:
えーと、調味料は?
野菜の人:
調味料は入れないです。
qbc:
へえ。じゃあ濃縮トマトってことですよね。
野菜の人:
そうですね。
qbc:
なんか他の人よりも健康なんですか?
野菜の人:
いや、健康じゃないと思います。太ってはないんですけど、でも揚げ物とか好きなんで、ドーナツとか甘いものも好きで。それの帳尻合わせのために走ってるっていうのもあります。
過去:サッカー選手になりたいって思いながらサッカーやってたんですけど、中学二年生ぐらいの時にもう全国レベルの選手との差を知ったときに、私にはなれないって思って。
qbc:
子供の頃、ちっちゃい頃はどんな子どもでしたかね?
野菜の人:
小学生の頃はずっと男の子としか遊んでなくて。サッカーやってたのもあって、ずっと男子とつるんでて、女子との関わり方が全然わからなかったっていうのが小学校時代です。遊びもサッカーとか秘密基地を作ったり公園で鬼ごっこしたりみたいなのをずっとやってました。
qbc:
好きだった遊びって何ですかね?ちっちゃい頃の。
野菜の人:
楽しかったのは秘密基地を作るのが好きでした。
qbc:
そうすると外遊びとかですか、全般的に。
野菜の人:
そうですね。外遊びですね。
qbc:
小学校はどんな感じだったんですか。
野菜の人:
小学校の頃は、サッカーの練習が週に3回あって、公文も行ってたので、遊ぶ時間が全然なくて、唯一の遊ぶ日にみんなでサッカーをやってたみたいな感じです。
qbc:
中学校はどんな感じ?
野菜の人:
中学校は女子のクラブチームでサッカーをやってました。なので、逆に中学校になって女子としかつるまなくなって。サッカーの思い出はあるんですけど、中学校の思い出が全然なくて。部活に入ってなかったので。
授業が終わったらすぐ家に帰るような感じで、卒業してから同じ中学校の友達で気軽に声をかけれる友達はいないですし、どんな中学生活を送ってたかって言われると本当に記憶がないですね。サッカーやってた時の記憶しかなくて。
qbc:
農業と出会ったのは中学生の時?
野菜の人:
農業と出会ったのは中学生です。それこそ登下校の間に畑とか田んぼがあって。帰りは基本一人で帰ってたので、帰り道ずっと畑とか見てたらいいなぁと思って、農業やりたいなーって思ったっていうような感じです。
qbc:
高校時代は?
野菜の人:
高校時代は結構普通の高校生活を送ってました。科学部っていう研究を行う系の部活に入って。2年間はずっと部活で研究をやってて、ワイワイ仲良く過ごしてました。高3の時にちょうどコロナの時期になって。なので、高3の時の運動会とか文化祭とかはなくて、そこも記憶が薄い部分です。
qbc:
農業に関する活動というかしてたことっていうのは?
野菜の人:
全然ないんですよ。高校の時は、それこそ農業系のボランティアに行きたいんだよねって母親に相談したら、とりあえず今勉強しといた方がいいんじゃないって言われて。その時に私自身がそんなに意志がなかったのもあって、そっかと思ってすぐ諦めちゃってました。
今、思えば、その時にいろんなことに挑戦しておけば勉強一本にならずに適度に息抜きしながら勉強できたのかなって思う反面、大学に入って一人暮らしするようになって、誰にも何も言われなくなって。自由に行動できるようになったからこそ、いろんな農家さんのところにも行けたし、スリランカにも勢いでノリで行けたのかなって思ったりします。それまでずっと抑えつけられてたから、解放された時の伸びが私的にはすごく伸びてたのかなって思います。
qbc:
ご両親からこういうふうに育てられたんだよねみたいなものってあります?
野菜の人:
全然厳しくなかったので、やりたいことをやらせてもらえていたのかなって思います。たぶん、父親と母親的には頭のいい大学に行って、給料のいい会社に入って幸せな家庭を築くっていう道筋があって。だから、高校もそこそこの進学校に入った方がいいんじゃないって導かれ、大学も偏差値の高い国立大学に行った方がいいみたいな感じでずっと来たんですけど。
実際に進学した大学も偏差値はそんなに低くはないと思いますが、たぶん両親の思ってたほどのところには行かなくて、大学卒業しても結局、無職じゃないけど、仕事してないので、親の思った通りには育ってないのかなって思うことはあります。
qbc:
そういうことっていつ考えるんですか。生活してる中でいつ考えるもんなんだろうと思って。
野菜の人:
大学3年生の就活の時期にめちゃめちゃ言い合ってて。それこそ協力隊に行こうって思う前までは、もう就職せずに自分で農業を始めようって思ってた時期もあって。それは違うみたいなのをめっちゃ言われて。大学出たんだから就職した方がいいんじゃないっていうのをずっと半年ぐらい言われ。でも私は就職したくないから嫌だっていうのをずっと繰り返してて。そこで気づきました、たぶん。
qbc:
農業って、親から見てどう思われてたんですか。仮に例えばアイドルになりたいって言って止められるのは不安定だからみたいな感じがありますよね。明らかにブラック企業でもないし、農業に行くっいうのはどういう風な職場に行くと思われたんですか?
野菜の人:
私は独立して自分で農業を始めたいって言ってたので。そもそもお金ないじゃんみたいな、始めるお金もないし。うまく収入を得られるかどうかもわかんないしっていう不安。経験もないしっていう不安があったのかなって思いつつ、でもずっと農業やりたいって言ってたから、両親は自分たちも手伝ってあげようかみたいな雰囲気はあります、今は。
qbc:
あー、なるほど。これ一般論的な話になっちゃいますけど、農業をやるぞってなったとき、若い人ってどうしたらいいですか?大学で農業を勉強しただけの人ってどこに行けばいいですか?
野菜の人:
よく言われるのは、勉強するために農業をやっている会社に入って勉強してお金貯めて、農業を始めるのもあるし、師匠みたいな人を見つけて、その人のところで勉強させてもらうのもあります。あるあるなんですけど、師匠ってすごい顔が広いから、知り合いの土地をうまいこと借りれてスムーズに農業が始められるっていうパターンもあったりします。
qbc:
なるほど。師匠の場合って給料は出るの?
野菜の人:
人によりますね。
qbc:
人による。まあそうだよね。
野菜の人:
安いところは本当に安いし、衣食住つけてあげる代わりにお金払わないとかは、あるあるだと思います。
qbc:
あー、なるほど。農業をやっている会社ってあるんですか?
野菜の人:
あります、結構。北海道とか。
qbc:
自営業の一人会社みたいなわけじゃなくて、ちゃんと会社員がいてっていう?
野菜の人:
はい。従業員がいてみたいな。規模はさまざまですね。
qbc:
それも選択肢にあったってことですよね。
野菜の人:
はい、それもありました。
qbc:
なぜそれは選ばなかったんですかね?
野菜の人:
一箇所にとどまるのも違うなって思ったのと、マジで自分のやり方に適してるんだよなって思うところがなかったからです。魅力的な人はいても、ずっとここにいたいわけじゃないみたいな。もっといろんなところを見てみたいって思ってしまったので、選ばなかったです。
qbc:
そういうのを決定する流れっていうのはどんな感じです?誰と相談してとか、どういうふうに決めていったんですかね?
野菜の人:
ああ、それこそさっき言った農家さんのところに相談に行って聞いてもらって。そうこうしているうちにスリランカに行ったので。でもスリランカから帰ってきたら協力隊になりたいって思ってたので、100パーセント考え抜いた結果というより、60%ぐらい考えてて答え見つからなかったから違う道を選んだみたいな感じです。
qbc:
ふーん、自分の中で突拍子もないことをやるというか、そういう要素ってあったりする人だったんですかね。
野菜の人:
結構ある気がします。
qbc:
元々。他にエピソードあるんですか?そういう突拍子もないことをした。
野菜の人:
突拍子もないこと。それこそトレランも急に思い立って走りたいと思って始めたので。めっちゃしっかり考えて行動を起こす時と、勢いでやっちゃう時があります。
qbc:
そういう時、怖いとかそういうのはないんですかね?
野菜の人:
トレランで言うと、申し込んだ後に怖さが来ました。何も考えずに申し込んじゃったから。走ったことない距離走るのはやばいなみたいなとかはあるし。協力隊も申し込んで、受かると思ってなかったけど受かっちゃって。協力隊っていうものが背負ってることの大きさ、気づいた時は、やばいかもって思いました。でも、引き返せないから、行くしかないかっていう感じです。
qbc:
任命式とかはあったんですか?
野菜の人:
ああ、そういうのはないんですけど、各都道府県、市町村の知事のところに訪問するというのはあります。
qbc:
これで本当に自分行くの良かったのかなみたいな、そういうピークっていつだったんですか?
野菜の人:
大丈夫かな、みたいなのですか。
qbc:
そうそうそうそう。
野菜の人:
訓練中が結構来てましたね。周りの人は志高く来てる人も結構いたので、こんなペーペーがいて大丈夫かなみたいなのは思ってました。
qbc:
ちなみにその情報ってどっから手に入れてるんですか?そのトレイルランニングとか、今回の海外協力隊もそうですけど。
野菜の人:
そうですね。どこからだろう?
qbc:
知らない人は知らないと思いますよ。
野菜の人:
確かに。協力隊は一緒にスリランカに行った大学生が協力隊に行きたいんですって言ってて。で、へーと思って帰って調べてみたらおもしろそうだったっていうのと。
トレランはマラソンの大会に出たいと思ってマラソンのこと調べてたら、夏でマラソンの大会がなくて。あったのが、たまたまその山の中を走るっていう大会でっていう感じです。たまたまが連鎖してます。
qbc:
自分の人生の転換点ってどこにあると思います?
野菜の人:
人生の転換点はサッカー選手にならないって決めた時が第1回の挫折で、第2回の挫折が高3の大学受験うまくいかなかった時。行きたかった大学に行けなかった時に、その大学に行った人たちよりかも、いい大学生活を送ろうって思ったんですね。
qbc:
はいはい。
野菜の人:
で、そっから気が楽になったというか、すごい動けるようになりました。
qbc:
動けるってどういう意味ですか。
野菜の人:
ずっと後悔してて、浪人してもよかったのかなってずっと考えてた時期もあって。だけど、うじうじ考えても何も変わらないしなぁとかって思って。じゃあその大学に合格した人たちよりかも、いい大学生活を送ろうって思うと浪人しなかったことに対する後悔がなくなって。自分がもっとおもしろいことをやろうと思えるようになったと思います。
未来:農業をしている未来を描きたいとは思ってるんですけど、農業を通じていろんな人が出会えるとか、っていうような未来を作りたいと思いつつ、もっと日本の農業が魅力的なものになればいいなと思ってます。
qbc:
未来について聞いていきます。5年、10年、30年、40年と、そして最後は自分が死ぬというところまでイメージしていただいて、今思い描いている未来というのはどんな未来でしょうかね。
野菜の人:
農業をしている未来を描きたいとは思ってるんですけど、農業を通じていろんな人が出会えるとか。っていうような未来を作りたいと思いつつ、もっと日本の農業が魅力的なものになればいいなと思ってます。死ぬ時にあれやっとけばよかったなって思うことがないように死にたいって思います。
qbc:
農業はどこでやってると思いますかね?未来。
野菜の人:
農業は私の今の想像では今の実家がある広島でやってるかなって思いつつ。でも、正直何があるかわかんないんで、海外でやってるような気もしなくもないです。
qbc:
海外?
野菜の人:
はい。日本に農地を持ちつつ、海外の野菜の栽培と関わりながら、日本で農業をやっているような気もします。
qbc:
もしもの未来についての質問というのをしているんですけど、もしも農業じゃなかったら何やってるんですか?
野菜の人:
そうですよね。最近それめっちゃ考えてて、農業をやらない未来。でも、意外と普通に会社員やってるのかなって。家庭を築いている未来もあるような気もしてます。
qbc:
農業やっていても別に家庭を築けますよね。
野菜の人:
あ、そうです。私は家庭を築きたいって思ってるんですけど。でもすごい忙しい家庭になりそうだなと思います。
qbc:
もう農業って普通の会社員に比べてすごい特殊っていうような感じになるんですかね。
野菜の人:
そうですね。特殊なんですけど、私は週休二日制で一日8時間労働を取り入れたいと思っているので、できるだけ会社員に近い状態の働き方にしたいです。
qbc:
なるほどね。コスタリカってどんな国なんですか?
野菜の人:
コスタリカはざっくり言うと、自然が多い国。協力隊って開発途上国に派遣されることが多いんですけど、コスタリカはそんなめちゃめちゃ途上国なわけでもなくて結構発展してるんですね。じゃあ、なぜそこに派遣されるのかってなると、教育格差とか貧富の差が、まだ結構あるらしくて。発展してるように見えるけど、でもやっぱ裏にはまだ問題がたくさん残っている国なのかなって思います。そんな国ですかね。
qbc:
もうそのプログラムみたいなの始まってる状態なんですか?現地とコミュニケーションして、とか。
野菜の人:
まだ始まってないです。
qbc:
前任者はいる状態?
野菜の人:
私は前任者はいなくて、ゼロからの関係性構築になります。
qbc:
もちろん農業のこともあるんですけど、プロジェクトを回すということもあるじゃないですか。今、どういう感じなんですか?
野菜の人:
えー、どうなんでしょう……
qbc:
おーやるぞ、とかそのどんな気持ちなのか。
野菜の人:
ああーイメージとかですよね。
qbc:
できるのかできないのか、とか。どういう気持ちでいるのかなっていう。
野菜の人:
めっちゃ訓練所で聞いたのは、行ってみないとわかんないよねっていう。一応、要請っていうのがあって、こういうところに配属されてこういう活動を行ってくださいっていう説明書きがあるんですけど。行ってみたら全然違うことを求められるっていうのもあるらしくて。
私の中では野菜の栽培の楽しさとか、野菜をいっぱい育てて、そこにいる人たちの健康改善、栄養改善ができたり、日本の農業で言うと高付加価値の野菜を高く売るみたいなのもあったりするので、その考え方を取り入れてみて、野菜を育てた人たちの収入向上に貢献できたらなとは思ってはいます。ただ、行ってみないとそもそも畑があるかどうかがわかんない状態なので。でも逆にそれが楽しみではあります。
qbc:
一応そのインタビューのリクエストが、この今の状態を保存しておきたい、記録しておきたいっていうリクエストだったと思いますけどもできてますかね?
野菜の人:
できてると思います。これで書けるのであれば。
qbc:
あ全然書く分には大丈夫なんですけど、このトピック言ってないみたいなのあります?
野菜の人:
ああー、いやないと思います。
qbc:
私、そのJICAを経験した人は何人か知ってますけど。日本に戻ってくる予定だという中で、何が変わっていると思います?最初の1ヶ月で何が変わってると思います?
野菜の人:
日本に対する思い。日本ってすごい国なんだなって思うと思います。でもそれこそ2ヶ月共同生活送っただけで。自分は農業やりたいのかな?っていう疑問が今生まれてきてて。2ヶ月だけでそんだけ心揺さぶられたんだったら、2年経つと、農業にとどまらないかも、農業をやらない可能性もあり得る気がしていて、農業に対する見方が変わるのかなって思ってます。
qbc:
へーえ、半年経ったらどうなってんだろうね。
野菜の人:
半年ぐらいで帰りたくなるですかね?私の予想的には半年ぐらいでしんどくなって心が折れる。一年ぐらい経ったらやっと折り返しだってなって、今後のことを考え、残りの一年で農業のことをもっと考えるようになるのかなと思ってます。
qbc:
2年経ったら?
野菜の人:
2年経ったら、終わってしまったっていう感じ。やっと終わったっていうよりかは終わってしまったっていう感情。やっぱ2年間何かに集中して成し遂げるって難しいと思うんですけど。それを成し遂げたことに対する満足感と、でも燃え尽き症候群みたいになりそうだなと思ってて、それがゴールみたいになっちゃって。
その状態から自分がじゃあ何するかっていうのを考えたときに農業に戻るのか、それとも、もっと世界を知りたいと思って国際系の仕事をするのか分かんないんですけど。燃え尽き症候群になると思います、2年後は。
qbc:
戻ってきた時って何歳になる?
野菜の人:
25歳です。
qbc:
どうなってると思います?その燃え尽き症候群になって。
野菜の人:
家でゴロゴロしてるんですかね?してるか、お金が貯まってるのであれば、日本のいろんな農家さんをまた巡りたい。
qbc:
戻ってきてから、誰に会いに行きます?
野菜の人:
一番最初に?
qbc:
順番的にもちろんありますけど、リストアップされると思うんですよ。都合もあるんで、一番最初かどうかわかんないですけど。どういう人たちに何を言います?
野菜の人:
まずは学生時代に行かせてもらった農家さんのところには行きたい。あと、スリランカのボランティアをやってる団体があるんですけど、そこも行きたい。でも、やっぱり一番は一緒に訓練を受けてた人たちに会いたいなって今は思ってます。スタート時点はみんな一緒で、2年間違う道を走ってきた人たちがまた同じところに戻った時にどうなってるのかなっていうのはすごい楽しみです。
qbc:
あれ?みんな戻るの?一旦日本に戻って一箇所に集まる機会があるの。
野菜の人:
いや、ないので集まる機会はないので作るしかないです。
qbc:
何人ぐらいなんでしたっけ?訓練って。
野菜の人:
訓練所が2つあって、一つの訓練所で、今回は120人ぐらいいて、多いときは200人ぐらいいるらしいんですけど、今回は少なくて120人くらい。で、生活班同じ班の人たちが15人いるので、15人の人には会いたいなって思ってます。
qbc:
今、現時点で自分はどんな人だと思っていますか。
野菜の人:
現時点で?
qbc:
チームコスタリカってチームがあったとして、その時に多分自己紹介すると思うんでね。その時になんて言うんだろう。
野菜の人:
関係性を作るのに時間がかかるので。時間をかけて仲良くなっていきたいです、って言いたいです。
qbc:
自分が何者かっていうときにはなんて説明するの。日本から来ましたみたいな話はするんだろうけど。
野菜の人:
そうですね。日本から来ました。大学で農業系、野菜のこと学んでましたみたいな。えー難しいですね。でも、私の考え、志向的に言うと、日本の農業の参考になることをコスタリカの農業に生かしたいし、コスタリカの農業の参考になるところを日本の農業にも生かしたいと思っているので。やっぱりいろんなことを吸収したい。好奇心はありますよっていうのは示したいです。
qbc:
スリランカの話になりますけど、スリランカで見た野菜の形が変だったってお話でしたが、どんな形してたの?何がどんな形してた?
野菜の人:
きゅうりがジャパニーズキューカンバーって書いてあるけど、日本だと考えられない太さのキュウリ。日本のきゅうりの3倍ぐらいの太さがあったり。あと人参で言うと、日本の人参って長さも整えられていて、基本同じ大きさじゃないですか?それがバラバラで。あと結構土もついてて、すごい興味深いなと。日本ってきれいに包装されててグラムごととかにまとめられてるんですけど、向こうだと基本測り売りなので包装されてないですね。それはめっちゃ手間省けていいなって思いました。
qbc:
葉っぱとかは?
野菜の人:
ニンジンの葉っぱはついてなかったです。
qbc:
それは取れてたんだ。
野菜の人:
はい、それ取れてます。
qbc:
ありがとうございます。それでは最後の質問はですね、最後に言い残したことはっていうので、遺言でも読者向けメッセージでも独り言でもいいんですけども、最後に言い残したことがあればお伺いしています。
野菜の人:
あー最後に言い残したこと……おもしろいことを言えないんですけど。日本ってめっちゃ暑いので、2年後の日本の暑さが心配です。これが遺言です。日本に残す遺言です。
あとがき
野菜は大事よ。
インタビュー・あとがき:qbc
【編集:komima】

マガジンで過去インタビューも読めますよ!
インタビュー参加募集!

いいなと思ったら応援しよう!
いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!