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無名人インタビュー:20年間働いた小学校の先生を辞めようと思っている人

40歳って「不惑」って言ったりするんですけど、心に迷いがなくなるっていうんですけど、まあそんなことはぜんぜんなくって、めちゃくちゃ迷いますよ。
今回はそういう迷みが沼みの回です。働かなくたって生きていけるようになりたいね!
あーお金の湧く泉をお庭に作りたい! 庭もってないけど。蛇口からでればいいか。公共料金の範囲で出してほしいし。
日曜日の夕方に疲れています。
それではありのまま9さん回、どうぞお楽しみください!!

今回ご参加いただいたのは ありのまま9 さんです!

1、野球少年

qbc:どんなインタビューにしていきましょうか。

ありのまま:ここ最近、仕事してて、気づくと心がすごい疲れてるんですよ。自分ってどんなのが好きだったっけなとか。そういった感覚が失われてる感じがあるんです。
自分の感性とか感覚をグッと押さえこみながら、背伸びして走ってる状態で。急にボーンと疲れがきて。あれっ? 自分ってどんなだったっけ? みたいな。そういうのでわかんなくなったっていう感覚が確かにあるんですよ。

qbc:なるほど。今、何をされてる方でしょうか?

ありのまま:小学校の先生をしています。ただ、もしかしたら学校で働くっていうことが、今ちょっと違うのかなって思ってもいます。
正直に言うと、朝の7時半ぐらいから夕方の6時まで、拘束されてることに息苦しさを感じてきています。もちろん子どもたちと会うことって嫌いじゃないんですけど、もう少し自分らしく身を置けるところにシフトチェンジしたいなっていうのもあって。
そのために、どんなことが興味があって、どんなことにワクワクしていたのかを再確認したくて。

qbc:教えるって行為自体は変わらないですもんね。

ありのまま:教えるってことは変わらないんですけど、内容はガラガラ変わっている感じですね。
自分自身が「学校の先生とは、こうあらなきゃいけない」っていう理想を高く持ちすぎてるかもしれないですが、自分ではない自分を演じながら仕事してきたという思いが強くて。
「これはやってはいけない」「あらねばならない」が強すぎて、息苦しさを感じていたかなって、今振り返ると思うんですよ。

qbc:なぜ、今、このタイミングでそれを感じたんでしょうか?

ありのまま:ちょっと、余裕が出てきたからですかね。20代、30代っていうのは、とにかく走ってたっていう感じ。それが今40代になって、ちょっと周りを見られるようになったときに、これだっけな? って思って。
よくよく考えてみれば、この仕事を選んだときもすごく迷ってたんですよ。絶対に学校の先生になりたいっていう感覚ではなくて。

qbc:なるほど。

ありのまま:もちろん教育学部に入ってましたけど、同級生の半分ぐらいが一般企業に就職してたんで。あと、自分の進学の理由が、東京の大学で野球をしようっていうのが優先順位で一番上だったんですよ。とにかく地元から飛び出したいって思っていて。
高校のときって、学年でいえば下から数えて何番目って成績だったので、親からも東京のその大学へ入れるんだったらどうぞ、て感じでしたね。
普通にセンター試験で受験したんですが、高校のときは全然勉強してなかったので、1年間浪人しました。

qbc:はいはい。

ありのまま:日本って、卒業と同時にすぐ働くっていうのが一般的じゃないですか。なので、自分は免許も取ってたし、自動的に学校って就職先だったんですよ。小学校か中学校にするかって選択肢はありましたが。
だから、こんな気持ちで子どもの前に立って良いのかなみたいなのは、すんごい不安はありましたよね。
でも、入ってからは、先生として認められたいなっていうのは強かったので、教え方とか子どもたちとの接し方っていうのは、すごく勉強しました。

qbc:野球がしたいってたまたま入ったのが教育学部だったので教育免許取れちゃった。だからそれ使って就職も決めたって感じなんだ。

ありのまま:そうですね。東京学芸大学だったんですが、そこは国立の教育大学の中で唯一上位リーグだったんですよ。神宮球場で行われる全国大会に行きやすくて、それで決めたんです。

qbc:それで20年間突っ走ってしまったと。

ありのまま:悪く言うとプライドの高いところがあったと思うんです。できないヤツだと思われたくないっていうのが強くて。すごく勉強してた感じです。
自分では負けず嫌いじゃなくてズボラだと思っているんですが、たいていのことはまあ自分が負けてもいいんじゃないって思ってるんですが、ある一定領域に入るとガンとしてこだわっちゃうところがあるんです。そこ、こだわるの? ってよく言われるんですけど。

qbc:子どもの頃はどうだったんですか。野球ばっかり?

ありのまま:野球はじめたのって、別に好きだったわけじゃないんですよ。長男が2つ上にいたんですけど、そのときって両親が共働きだったので、学校終わったら学童保育に行ってたんですよ。
学童保育が嫌いってわけじゃなかったんですけど、自由に遊びたかったんでしょうね。なんとしてもここから出たかったっていうのがあって。そしたら、兄ちゃんが野球に入るから学童やめたんです。お、野球に入ると学童やめられんのかと。だから小学校2年生のとき、野球するって言って、はじめたんです。

qbc:なるほどね。

ありのまま:だから、今の仕事と一緒で、野球も好きで選んだわけじゃないんですけど、学童から逃げたくて野球やったら、ある程度できるようになりたいって思って。楽しい部分もいっぱいありましたけど。
野球は、僕よりも兄ちゃんのほうが好きなんですよね。

qbc:ありのままさんご自身にとって、すごい好きなものは?

ありのまま:みんなそうだと思うんですけど。何も考えないで楽しいことしてるときが好きです。

qbc:楽しいこととは?

ありのまま:なんだろうな。「こと」っていうのはたぶんないんですけど、雰囲気とか空間なんでしょうね。
どのサラリーマンでもそうだと思うんですが、必ずこの時間にここに居なきゃいけないっていう、時間っていう対価を払ってるって意識が強くなってしまって。だから、行きたいときに行きたいところに行けるっていうのが、すごく幸せなときなのかもしれないですね。
生活やお金のために働きたくないなっていうのがあって。もちろんお金っていうのは重要なんだけど、生きていることの延長線上にあるようなところで、時間を使いたいっていうのがありますね。
喋ってて、自分でもよくわかってないんですけど。

2、不惑なのか?

qbc:まあ、40ぐらいになるとこのままサラリーマンでよいのかって考えますよね。今みたいな話は、同僚の方と話されるんですか?

ありのまま:正直、職場ではしづらい。本当に辞めちゃおうかなって思ったときもあって。
同業者に話すと、いやそんな無茶はやめろと、そういうふうに返ってくることが多かったですね。
非常勤になるという選択肢もあるんです。授業のときだけ来て授業して、会議に出なくても良いし、行事のときに土日取られることもないし。
でも、だからといって何がしたいのって言われたらないんですよ。自分の中で一番何が好きかわかんなくなってるんです。

qbc:運動は好きですよね。

ありのまま:運動は好きですね。入りが野球だっただけで、違うスポーツでも良いかもしれないです。
集団スポーツが好きだと思います。キャッチャーをやっていて、本当はショートとかやりたかったんですけど、たぶんここのポジションのほうが良いと、監督から言われて。
中3ぐらいから移行したんです。ピッチャーをリードしたりとか、ある時期から面白くなってきたんですけど。

qbc:なるほど。

ありのまま:後々プロに行ったピッチャーとか、全日本の代表に入ったピッチャーとかと一緒にやったりもしてました。すごく面白くて、野球人生として充実してたんだなって思いましたね。

qbc:けっこう充実した野球人生ですよね。

ありのまま:これもさっきの話と重複すると思うんですけど、基本的にはなんでも良いっていうスタンスなんですよ。ただここは譲れないっていうのはギュッとあって。そこのゾーンに入っちゃうと、もうそこしか見ないんですよ。
例えば、ラーメンを買うってなったら、スーパーに入ってもラーメンのところしか見ないんですよ。たぶん。1回ゾーンに入ってしまえばそこしか見えなくなる。

qbc:きれいな人生すぎるんですかね。一浪以外は、すっとそのままというか。

ありのまま:学級担任に対してのストレスっていうのはメチャクチャありますね。

qbc:インタビュー受けていただいた方で教員をしていた方がいるんですけど、産休入って、産休後復職する予定が、そのまま辞職されましたね。走り続けてたけど、いざ休んでみたらなんかおかしいなって思って辞めたって感じでした。

ありのまま:そうそうそうそう。僕も1年前くらいに少し休んだんですね。そのときに、最初は持て余してしまうんですけど、だんだん時間が経っていくうちに、働いている時は時間に縛られてたんだなって。
そのときに、このまま行って良いのか、60までこんな生活したいのかなって。

qbc:じゃあ、もう辞めちゃったほうが良いですよ。今は教育ベンチャーがあるから、転職もなんとかならんですかね。

ありのまま:自分らしさってなんだろう? ってことをはっきり捉えたかったんですが、今はなんとなく体の居心地が良くて、感覚的にこんな感じかなって。あんまり完璧にやろうとせずに、7割ぐらい掴んでれば良しとしながら進んで行くほうが良いのかなと考えています。
そこを含めて、自分らしくいられるところで働きたいと思っています。今の仕事にずっといるっていうのはもう考えられないですね。

qbc:身体的なお話をされているので、マズい状態ですね。気持ちがやだなあはあるんですすよ。でもそれが体のレベルまできたら、それは病気です。

ありのまま:ふつうのサラリーマンだったら、休憩中にトイレに入ってLINEするとかも許されますよね。でも、先生は児童の子どもたちの授業に合わせないとね。
駐車場で休んでいる人とかもいますよね。そういうのが、すごいうらやましいなって思ったんですよ。

qbc:先生だから子供の目、地域の目があるんですね。

ありのまま:そうなんですよ。見てくる目も多いじゃないですか。子どもたちは先生として見てるわけですから、下手な行動はできない。すげえダラっとした感じもできないじゃないですか。それが最初に言った、背伸びをしていなきゃいけないみたいな。

qbc:24時間365日アイドルみたいな。芸能人並みの緊張感か。

ありのまま:芸能人と同じ感覚はまったく感じたことなかったんですけど、言われてみると、ちょっと近いところもあるんですかね。
休日も、今日めんどくさいから髭剃るのやめようとか、できないじゃないですか。子どもや保護者とばったり会ったら常に言われるわけですよ。もう20代のときから、先生なんだから、そんな格好やめなさいとか。言いたいことはわかるんですけど、俺も人間だぜ、みたいな。どちらかというと、抜けるタイプの人間なんで。そこで、身体がなんか居心地がいいってとこにつながってくると思うんですよ。

qbc:私なんか、スーツ着てないよ。Tシャツで出勤してるし。学校は、やっぱり世間と時代から隔離されちゃうのか。

ありのまま:だから自分にとって居心地が良くて、僕の持ってる良さが出せるところって、あるんじゃないかなってもっと思ってて。
具体的にはまだないです。ないっていうのが一番の悩みで。こういう悩みって、大きな声では言えないんですよね。
でも一番の理想は、1年の中で半分ぐらいしか働かないってことなんですよ。
そこにどうやったら行けるかなって。今、コロナで、自宅で仕事してもいいんですよね。日本にいなくてもいいって可能性もあるわけですよね。

qbc:そうですね。今、うちのチームのミーティングは、赤ちゃんの声とか、子供のただいまーって声が聞こえてきたりしますよ。
ありのままさんは、我慢強かったりするんですかね?

ありのまま:我慢してたって感覚はないんですよね。

qbc:なるほど。それでは最後に言い残してしまった言葉をお願いします。

ありのまま:本当に、自分らしくいれるところにシフトチェンジします。

qbc:悩んでいるお話をお聞かせいただいて、ありがとうございました。

ありのまま:すごい新しい視点で考えられました。

qbc:ありがとうございます。

ありのまま:ありがとうございました。



あとがき

お話しながら、甲子園症候群という言葉を思いだしていました。甲子園球児が、会社員になって、ああ甲子園に出場したときみたいにめちゃくちゃアガる体験また来ないかな、って。燃え尽き症候群の一種です。
まあ、あるよ。人生には。こういうこと。蹉跌のない人生なんてない。なかったら宗教なんていらないさ! 無名人インタビュー教に入って楽になろう?

人間の能力とかを、正五角形のグラフとかであらわしたりするじゃないですか。ある角は頭脳、ある角は性格、体力とか。で、学校教育って、この五角形のグラフを正五角形になるようにしている仕事になっているかと思うんですよね。この型にはめようとする。
でも、そんなのムリですよ。そういう人間もいるけど、偏ったり、4つの角はめちゃくちゃ底辺だけど、ひとつだけ優れている、芸術面ではすぐれているとか、あるから。
そういう可能性を見出せるような教育にしたほうが、まあ面白いよね。
てかまあ、そもそも人が人を教育するのってなんでって思ったりもします。独学って方法もあるし。てかさ、人は好きな人からしかものを学ばんからさ。教育役を人に割りあてるって、けっこうしんどいのよね。あー。

編集協力:有島緋ナさん 5周年さん

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