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全国を巡る文学フリマ遠征──『守屋SHIGE美』さんに再び聞く|遠征!文学フリマインタビュー

この記事は、文学フリマに参加する人たちのためのインタビュー。

今回参加いただいたのは 守屋SHIGE美 さんです!

屋号:守屋SHIGE美
作者名:守屋SHIGE美
近刊本:『探偵は甘すぎる』シリーズ
参加イベント:未定
HPなど:


全国を巡る文学フリマ遠征

自己紹介

まりはな:では、まずはじめにお名前といつも出店されているブース名を教えてください。

守屋SHIGE美:はい、名前は守屋SHIGE美(もりやしげみ)です。いつも出してるブース名は自分でも忘れちゃうんで、名前と一緒の守屋SHIGE美で出してます。

まりはな:今日は、守屋さんでお呼びする形で大丈夫ですか?

守屋SHIGE美:ありがとうございます、大丈夫です。普通に本名でやってますね。本名でやってる人って少ないなと思って。

まりはな:ありがとうございます。お住まいの都道府県をお聞きしてもいいですか?

守屋SHIGE美:はい、福岡に住んでます。

今まで出店した文学フリマについて

まりはな:ありがとうございます。次に、今まで出展した文学フリマについてお聞きしたいんですけれども。今まで何回くらい出店されましたか?

守屋SHIGE美:こないだ改めて数えてみたんですけど、11回です。

まりはな:11回。すごいですね。場所は今までどこに行ってきましたか?

守屋SHIGE美:最初は福岡で、大阪に何回か出て、あと京都、東京、札幌。去年は香川に行きました。画像は2025年1月の文学フリマ京都です。

まりはな:たくさん行かれてますね。大阪には何回も行かれたんですね。なぜ大阪に何回も出店したんですか?

守屋SHIGE美:大阪はお友達が多いので、イベントと絡めて会いに行けるっていうのがあって。

まりはな:それは文学フリマのお友達ってことですか?

守屋SHIGE美:全然関係ない、いろんなお友達ですね。たまにスタイリストさんに洋服を選んでもらったりしてるんですけど、その方が同行ショッピングやってるからって予定を合わせてもらったりとか。

まりはな:なるほど。何回も文学フリマの遠征をしてみようと思ったきっかけは何ですか?

守屋SHIGE美:最初はやっぱり知名度がないと、どこに行っても売れないので。お友達を増やして、関心を持ってもらいたかったんです。自分の身近な人だけだと、本を読まない人も多いので。最初はお付き合いで買ってくれても続かないし、本当に自分の作品を読みたいなと思ってくれる人に届けたいなと思いました。

まりはな:ネットの手段がある中で、どうして実際に遠くへ行こうという原動力が生まれたんですか?

守屋SHIGE美:確かにネットで色々見てくれる人もいて、気に入って買ってくれる人もいるんですけど、ネットって知名度が一番みたいなところがあるじゃないですか。例えば、SNSでフォロワーさんが多い人がすごく注目されるとか。私は別に賞を取ったわけでもなくて、フォロワーさんも――いらっしゃるんですけど、すごく多い人には敵わない。だからといって自分の周りを大事にしてるので、手を広げられるわけでもなくて。

一番最初に出た文学フリマは地元だったんですけど、そこで生で対面していると、私は対面で喋るのが得意だなって気づいたんです。色々訴えかけるのは得意なんじゃないかと。そういうことで良さを広めた方が私には向いてるのかなと思って。リアルイベントの方が売れるんですよね、私みたいだと。


地域ごとの違いと発見

実際に各地を回ってみて

まりはな:リアルイベントが得意というところで、実際いろんなところに行ってみてどうでしたか?

守屋SHIGE美:地域性があるなと思いました。行くとどこもテーブルの規格は一緒なはずなのに、違うんですよ。「あれ、ここ(奥行きが)狭い」みたいなのがあったり、「広い」みたいなのがあったり。テーブルの幅だけじゃなくて、テーブル同士の脇のスペースの幅とか。あと、試し読みのスペースが各地の文学フリマにあるのですが、それも広いところと狭いところがあって、狭いと本が重なって下になってしまった本が目に触れない。広いと目立つので見やすいとか。そういうのが売り行きに差が出るんだなとか、余計なことですが勝手に分析してました。で、そういう一つ一つが面白いなあと思って違いを感じたので、全部参加してみたくなったんです。

まりはな:人も違いますよね。

守屋SHIGE美:そうですね。出店者の人も各地で違うので新鮮で面白いですよ。

まりはな:一番違いを感じた部分ってどこですか?

守屋SHIGE美:やっぱり収容人数ですよね。全部で120ブースのイベントと、4000ブースのイベントじゃ雰囲気が全然違います。小さいイベントだとお客さんが十回ぐらい回ってくるんですよ。チラシを配ろうとしたら「もう貰いました、すみません」って(笑)。

まりはな:何往復もするんですね。

守屋SHIGE美:なんてこともあれば、東京なんて一期一会ですもん。なのでたまに、試し読みで読んで戻ってきてくれる方がいると、すごく嬉しいです。

まりはな:逆に共通点とか感じたところはありますか?

守屋SHIGE美:隣り同士の人達がすごく優しいっていうのが共通点ですかね。どこでもホームにしちゃうからかもしれないんですけど。

まりはな:どういうときに人の優しさを感じますか?

守屋SHIGE美:誰しも失敗とかするじゃないですか。ちょっとはみ出したり倒れてきたり、人がいっぱいいたりとか。そういう時に、最初にお隣さんとかにお菓子配りながら挨拶しておくと、すごくフォローしてくれたりとか。逆に自分もフォローしたり。隣で見てる人が勝手に内容を説明してくれたりとか。そういうのができたりするのが楽しいです。

印象に残った遠征地

まりはな:今までいろんな地域に遠征された中で、一番印象に残っている文学フリマはいつ、どこですか?

守屋SHIGE美:どれも印象に残るんですけど、初めて訪問した札幌は(街は賑やかなんですが)イベント自体はすごく静かな感じでした。人がワーワー言ってる感じもなく。その時はお隣がプロ作家さんのブースだったんですけど、静かで、いっぱい行列ができるというブースもなく。慎ましく始まって、終わっていったなあと。

まりはな:それはなぜなんでしょうね。

守屋SHIGE美:時の流れがゆったりしてましたね。広かったからでしょうね。広いとこうなるんだなあと思って。

まりはな:会場の広さが影響してるんですね。

守屋SHIGE美:圧迫感が違うんですよ。札幌は広かったですね。ブースの距離もすごくしっかりあって。背中合わせのスペースが一番圧迫感を生み出してると思うんですけど、それが広かった。自分の対応スペースも広かった。

まりはな:やりやすかったですか?

守屋SHIGE美:すごくやりやすかったです。おそらく会場の広さに対して、収容の割合が少ないんじゃないかなと。すると参加する方もゆったり参加できるから、いいんじゃないかと思いました。他は試し読みのスペースがすごく広く取られてて、椅子とかあるところもあるんですよ。あれは良いなと思いました。
まあ一人の人がずっと本読んでると困るんでしょうけど。いろんな人に読んで欲しいために置いてるから(笑)でも試し読みのブースで見て買ってくれた人も何人かいたので。ゆっくり出来るのはありがたいんじゃ無いかなと。

地方に遠征すると、私のことを全く知らない人がポスターとか試し読みを見て立ち寄ってくれるっていうのがすごくいいなあと思います。一期一会ですね。

まりはな:静かな雰囲気は、他の地域とは大きく違ったんですね。

守屋SHIGE美:他の所はもっと賑やかでしたね。和気藹々としてるイメージで。まあそれはそれで楽しいんですよ。お祭りだから全然悪いことじゃないんですけど。札幌は落ち着いてたなと。

まりはな:それはやりやすかったですか、やりにくかったですか?

守屋SHIGE美:特にどちらでもなく、ああ、これが札幌の雰囲気だなと思って。郷に入れば郷に従うタイプなので。お友達と一緒に参加してたんですけど、楽しかったです。遠征に行くと、ご当地のお友達に会えるっていうのも楽しみの一つですね。

遠征先での出会い

まりはな:他にも遠征の魅力ってありますか?

守屋SHIGE美:うちの会社が全国規模なので、広島にも支店があるんですけど。一昨年(2024年)の広島フリマに行った時に会社の先輩が来てくれて。そしたら、noteで知り合った人もいて、全く知らないと思っていた人達がその時初めて「フラダンス」で繋がっていたことが分かって。

まりはな:えっ、先輩とnoteの人が?

守屋SHIGE美:はい、私のブースの前でめっちゃ盛り上がってて、「こんなことあるんだ」みたいな。そんなことがあるから面白いなと思います。お客さんも色んな人が来るし、いろいろ言ってきて。たまに鬱陶しい人もいるけど(笑)。でも色々教えてくださる方がいて、お客様も同士も含めて楽しいです。

まりはな:お客さんと話している中で、地域性を感じることってありますか?

守屋SHIGE美:話しかけに来る人は、やっぱり大阪が多いですね。京都はさほどでもなく、プロ作家さんに集中してるイメージです。お隣がプロ作家さんだった時に、体調が良くなかったみたいで遅れて来られて、行列ができてて。プロ作家さんのお客様対応とか見ながら、やっぱりあれはプロだなと、すごいなあって勉強させてもらいました。

まりはな:どういうところにプロフェッショナルさを感じたんですか?

守屋SHIGE美:丁寧なファンサービスと、あとはネットで絡んでる人を覚えてるんですよね。すごいなあと思いました。私は全然覚えられない。その場で適当に話してる時が八割ぐらいです、みたいな(笑)。ごめんなさいねって。やっぱり才能が必要だなと、ちょっと羨ましく見てました。

まりはな:大阪の話しかける人が多いっていうのは、本についてとかですか?

守屋SHIGE美:コミカルな感じですね。書いてるものに対するツッコミとか、トークに対するツッコミが多いイメージ。

まりはな:もともと親しい関係性みたいな感じになるんですね。

守屋SHIGE美:全く知らないんですけどね。でもたぶん、同じ場にいるともう仲間みたいになる感じはありますよ。もちろん人によって違うんでしょうけど。一人で誰とも目を合わされない方もいらっしゃいますし、緊張されてる方もいらっしゃいます。でもそれはそれでその方のスタンスなんで。

ジャンルの繋がり

まりはな:出店者の違いとかもありますか?地域によって。

守屋SHIGE美:地域によってではなく、場によってですね。あとはどの島(ジャンル)かにもよるのかなと。すごいノリノリな隣同士の人もいれば、とりあえずお菓子配ったけどそっとしておいた方がいいよね、みたいな感じの人もいて。大阪の時は隣に初めて出店してでかい本作って持ってきた人がいて。よくよく話を聞いたら、初めて作る本だからよくわかんなかったって。A4の白黒でタイトル文字もポスターかなってくらい大きくて逆にインパクトがありました。

私は最近探偵小説を書いてるので、ミステリーのところにいるんですけど、両隣りの人から本買ったら超面白かったんで良かったなと。私は読み手としてミステリーが好きなので、ミステリーのブースにいるとすごく心が平和になります。

まりはな:ミステリーって内容はちょっと怖いイメージですが。

守屋SHIGE美:人によりますね。ちょっとおちゃらけたミステリーもあれば、すごくしっかりしたやつもあり。

まりはな:同じジャンルだから気が近いメリットがありますね。

守屋SHIGE美:気が向けばすぐ気になった本が買いに行けるメリットはありますよ。あとは、同じようなものを書いてる立場として話ができるっていうのも。

文学フリマと旅行

まりはな:普段、旅行ってされますか?

守屋SHIGE美:たまにはするんですけど、だいたい近くの温泉地で終わっちゃうんですよ。書き物するか、風呂に入るか泳ぐかが好きなので。読んでるか書いてるかって。別府の温泉とかが多いです。

まりはな:じゃあ遠くに行くってなると、やっぱり文学フリマぐらいですか?

守屋SHIGE美:きっかけがないと。あとは会社の出張ぐらいなんで。

まりはな:旅行と文学フリマの遠征の違いってありますか?

守屋SHIGE美:あんまり違わないかもしれないですね。何か目的を作るんで、だいたい。何をするか決めて行って、ご当地グルメ食べるとか。

まりはな:結構計画を立てて、やりたいことを考えていくタイプですか?

守屋SHIGE美:ええ。ただ方向音痴がひどいんで、予定はギチギチには入れられないんです。これとこれをクリアしたらオッケーぐらい、二つぐらい。

まりはな:じゃあ文学フリマの遠征の時は、出店ともう一つですね。

守屋SHIGE美:前日に関西でイベントがあったら、古本市に行くとか。

まりはな:感情の違いとかってありますか?文学フリマ遠征と旅行で。

守屋SHIGE美:やっぱりイベントの方が自分的には盛り上がります。自分で責任を持って生み出したものを届けたいっていう。現実に戦略的にXにつぶやくとか、noteの記事を書くとか、そういうのも含めてあんまり(観光地とかには)移動せずに宣伝してます。

まりはな:普通の旅行の時よりも文学フリマ遠征の方がワクワクするんですね。

守屋SHIGE美:ワクワクしつつも仕事みたいな感じでやってる気がします。プロデュースも作るのも全部自分なんで。


これからの展望

文学フリマのメリット・デメリット

まりはな:文学フリマ遠征のメリットとデメリットについてお聞きしたいんですけど、まずメリットからお聞きしてもいいですか?

守屋SHIGE美:メリットはその土地の人と話せるというか、私のことをSNSで見てもなければ知らないよ、みたいな人に直接アピールできるっていうのが、すごく大きいです。私はどちらかというと積極的に話しかけに行くし、立ってお品書きを書いたブックカバーを配ってるので(割ともらってもらいやすいツールなんです)それをとにかく差し上げて話しかけて、じわじわと知名度を広げられるところかなと。

まりはな:デメリットってありますか?

守屋SHIGE美:デメリットは、純粋に交通費ぐらいですね。あとは時間かも。やっぱり遠い所に行くと休みを取ったりしないといけないので。それぐらいです。

まりはな:それ(コスト)をかけても、やっぱり直接アピールできるのは大きいですか?

守屋SHIGE美:ですね。土地の雰囲気を味わいに行く楽しさもあります。美味しいものを食べたりもしますし。

これから行きたい文学フリマ遠征地

まりはな:これから行きたい文学フリマ、今後の遠征地域についてお聞きしたいんですけど。

守屋SHIGE美:あと残すところ岩手のみで、今抽選待ちなんですよ。
去年の香川までは「いついつから申し込み受け付けがあります~」っていう告知があったはずなんです。それで構えてなんとか先着の枠に入れたんですよ。でもサーバーがダウンするのが嫌だったんでしょうね――申し込みがはじまってからメールが来るようになって。それで抽選になってしまったんで、参加できるかどうか分からないっていう状況です。

まりはな:その結果を待っている状態なんですね。岩手に行けたら全国制覇ですよね。

守屋SHIGE美:なんとか全国制覇できるな、みたいな。

まりはな:まだ結果が出てない状態ではあるんですけど、どうしたいとかありますか?

守屋SHIGE美:実績を残すために、頑張って新刊を出そうと思ってます。岩手の時には、今書いてる探偵の本の三巻が出てるはずなんですけど、次の四巻が出せる準備も進めています。せっかくなら新しい本を出したいかなと。
今は食堂のまとめ日記も書いてるんですが、うちの社員食堂のことをnoteにほぼ毎日書いていて、それを取りまとめた本を去年の文学フリマ香川で出したんですよ。作ったのは30部だったんですけど。
その時に本の角っこをちょっと丸くするような加工をしたいと思って、自分でやったんです。簡単なんですけど、痛いんですよ手が。一枚ずつ全部、合計で30冊X二回の60回やったんですけど、疲れちゃって。だからそれをやらずに一年間の総集編で集めた本を作りたいなと思ってます。岩手に参加できるんだったら、その頃には出せそうだなと。

まりはな:岩手は何月でしたっけ?

守屋SHIGE美:6月だったと思います。東京が5月なので。その辺りに出せたらいいなと。

最後に

まりはな:最後、言い残したこととか伝えたいこととかありますか?

守屋SHIGE美:久しぶりに文学フリマ広島8、2月8日に開催される分にも出ますので、もしよろしければチェックしていただければ嬉しいです。
守屋SHIGE美 [文学フリマ広島8・小説|ミステリー] - 文学フリマWebカタログ+エントリー

まりはな:またフラダンスのお友達も来てくれるかもしれないですね。

守屋SHIGE美:来てくれるんじゃないかな?来てくれるといいなあと思いながら、宣伝はしておきました(笑)

まりはな:他に何かありますか?

守屋SHIGE美:そうですね。まだ探偵の方も二巻までしか出てなくて、どんどん新刊も出したいです。あとは去年香川で食べてきたうどん本でも作ろうかなと思って。(本人注:うどん本はできあがりました。手のひらサイズの本を広島にお持ちしますのでよろしくお願いします)

全文学フリマを制覇した暁には、文学フリマ出店のレポートをまとめた本を出したいなと考えています。その節はよろしくお願いします。


インタビューを終えて

文学フリマで遠征している人インタビューの初回は、以前文学フリマインタビューを受けていただいた守屋さんでした!前回のインタビューで、文学フリマ全国制覇を目指している!というお話しを聞いてから、「文学フリマ遠征」について聞いてみたいと思うようになり、このインタビューが始まりました。きっかけをくださった守屋さん、初回インタビューにご参加いただきありがとうございます!
文学フリマ遠征を多くされているからこそ、各地の地域性がある点、文学フリマで共通している点と、それぞれお聞きすることができて興味深かったです。文学フリマ東京しか参加したことがないので、試し読みスペースに椅子が設置されている会場もあることに驚きました。その会場は、イベントやお祭りというよりも、深く「文学」に入り込める空間なのかなと思い、「文学フリマ」という同じイベントでも、会場によってそれぞれ違うのだと、当たり前のことを改めて思いました。
人の地域性、会場の地域性、お雑煮のベースや具材、そんな地域の違いを聞くとワクワクします。文学フリマ遠征のインタビューに参加したい方大募集中です!よろしくお願いします!

インタビュー担当:まりはな

制作:栗林康弘・qbc(無名人インタビュー主催・作家)


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