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【無名人012】海外協力隊員が、教育について日本の先生に聞いてみた。

「無名人インタビュー」マガジンで過去インタビューも読めますよ!

今回ご参加いただいたのはゆかりさんです!
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と、サザエ先輩です!
(オンライン情報なし)

▷イントロ

これも3月末実施インタビューで、おおよそ2か月前。コロナの影響を受けて青年海外協力隊のゆかりさんの状況も一変。奇しくも帰国前日のインタビュー(ってか公開レッスン?)でしたが、その変化も、帰国後も「自分にできること」を積極的に探して活動しているゆかりさんの近況もピックアップしつつご紹介できたらと思ってます。
で、今回は私の個人的なお知り合い、大学の先輩のサザエさん(女性)に出ていただきました。私は本当に友達が少ないんですが、その中でも長くお付き合いいただいていますかね。よく、てかめちゃくちゃケンカしているような気もしますが。
それにしてもサザエ先輩の話めちゃくちゃ長いヨ。
ということ、で、青年海外協力隊と現役先生がお話するインタビュー回、どうぞ。


1、青年海外協力隊員 と 現役教師

qbc:もしもし。

ゆかり:こんば……あ! おはようございます。

サザエ先輩:おはようございます。

qbc:笑

ドミニカ共和国は夜、日本は朝です。

ゆかりさん:ゆかりです。

サザエ先輩:サザエです。

qbc:qbcです。集まっていただいてありがとうございます。

サザエ先輩は私の大学の先輩で、数年ぶりに1回会うとかそういうぽつんぽつんとした付きあいです。
ゆかりさんが青年海外協力隊で、教育について悩んでいるということを聞いて、サザエ先輩は小学校の先生なので、二人で話してみると面白いんじゃないかなと思って、今回のインタビューを設定させていただきました。

これがそのnoteです。

qbc:サザエ先輩、緊張されてます?
まず、お互いの簡単なプロフィール紹介からにしましょうか。

サザエ先輩:考古学で大学院を出た後、博物館などで働いて、それから小学校の方で臨時的採用教員になり、現在は特別支援学級で先生をしています。

ゆかり:青年海外協力隊で、ドミニカ共和国に来ています。私の職種が環境教育で、ドミニカ共和国の公立の専門学校に配属されつつも、小学生相手に環境について教えたりもしています。
具体的には、例えば小学生の理科の授業で地球温暖化のことを話したりとか。ゴミのポイ捨てがこっちではすごく多いので、ゴミのポイ捨てをやめさせるように、理由を説明したりとかしています。

サザエ先輩:あ、理科の中に環境問題が入ってるんですね。日本だと社会なんですよね、環境問題が入ってるのって。社会科見学で環境について勉強するとかね。

ゆかり:そういえば、私が小学生のころは社会で環境問題の授業を受けた気がします。ドミニカ共和国で環境教育をする場合は、理科の授業にお邪魔してっていう感じですね。

協力隊になる前は、大学生で理学部にいました。水質汚染や藻の研究をしていました。

サザエ先輩:じゃあその専門的なところを活かしてというような?

ゆかり:いや、そうでもないんですよ。大学で得た知識を使うというより、「教育」の部分が大きくて。専門性も大事ですが、誰かに何かを教えた経験があるとか教えるのが好きとか、そういう人のほうがうまくいくんじゃないのかなと。

2、つい考古学に脱線させつつ教育論に軌道修正

qbc:サザエ先輩の卒論は何だっけ?

サザエ先輩:日本古代の琴の研究。弥生時代とか古墳時代に儀式で使われていたんですね。古墳でのお葬式のような儀式の時に、琴でその死んだ人の魂を慰めるみたいな。

qbc:銅鐸は? 銅鐸とかは一緒に演奏されてたんですか?

サザエ先輩:銅鐸は、あれは農耕儀礼の方だからさ、違うよ。
琴の他に楽器を使ってたっていうのは、そこまで調べきれてなくて。でも歌ってたのは、ハニワでそういう歌っているハニワがあるから、推察はできるんだけれども。

qbc:サザエ先輩ありがとうございます。
そうしたら、ゆかりさんからサザエ先輩に聞きたいことを聞いていってもらいましょうか。こういうところで詰まったんですー、みたいな。

ゆかり:私、現役の先生聞きたいことがあって。子供たちに、授業に参加してもらうために工夫してることってありますかね? というのもいろんな小学生に対して授業しているんですけれども、日本よりも落ち着きがない。
授業をやっていても、つまらないと思った瞬間に教室を出ていって終わるまで帰ってこないとか。授業中うろうろしてるとか、授業に集中してないなーとか。
これは何とかして、生徒たちが授業に参加してもらえるようにしたいなと思っていて。

サザエ先輩:教育の世界で言われているのは、発達段階に合った授業を行うということですかね。
研究授業などで指導案を書くんですけれども、そこにまずこのクラスの現状を書くんですよ。それを書いた上で、その子たちにはこういう指導をしたほうがいいだろうと仮説を立てる。それに基づいて授業するという形式になっています。
だからその現状の調査ありきですね。

例えば話し合いをさせる形式がありますけど、日本でも話し合いさせるのが難しい場合もあるんですよ。話し合いの経験を積んでない状態で話し合いをしましょうってやっても、いきなりは無理だよと。

qbc:なるほど。

サザエ先輩:何年生ぐらいの子に教えてるんですか?

ゆかり:私が担当しているのは、小学1年生から6年生までですね。日本と同じように、ドミニカ共和国の小学校は6年間です。

全学年で教えているんですけれども、年齢に合わせて教える度合いを変えています。
高学年だったら、地球温暖化についても二酸化炭素という物質があって、それを減らすことが大事だよとかそういうところまで教えています。
低学年だったら、今地球が暖かくなって大変なんだというところまでしか教えないとか。

3、ドミニカ共和国と日本の違い

ゆかり:ドミニカ共和国の小学校と、日本の小学校とでは教育の仕方に違いがあると思います。
例えば、日本の小学校では人として大事なこと、例えば先生には感謝しましょうとか、授業は集中して聞きましょうとか、そういうところまで道徳の授業などを通して教えているように思います。
一方ドミニカ共和国では、6年生になっても授業中に教室を出て行ったり、窓からゴミを捨てたりしていました。道徳的なことはあまり教えられないのだろうかと疑問に思いました。

サザエ先輩:日本の場合はあれなんですよね、規律や態度をたたきこむでしょ。日本の方が特殊なんじゃないかなと思ったりします。

私は、大学を卒業した後に他の場所で働いて、ひさしぶりに義務教育の現場に戻ってきたんですよね。だから、初めて教壇に立った時に、本当にこれが教育なのかな? って思ったんですよ。カルチャーショックを受けて。

こんなこと現役の教師が言っちゃいけないんですけどね。四角四面と言うか、枠にはめ込むと言うか。もう慣れちゃいましたけどね。
騒いでる子がいて、先生が「何やってるんだ」って叱ってその場に立たせる。それで他の子がそれを見て、しーんとなる。あ、やばいああいう風にならないようにしよう、って。
その時はそのクラスの担任の先生の補助で教室にいたんですけれども、そういう先生が「教員として力のある凄い先生」みたいに評価されていて。確かに凄いのかもしれないけど、それってどうなのかな? と。
でも、そうした方が結局のところ、クラスは落ち着いた、みたいな。そのままにしちゃうと学級崩壊しちゃうし。
どっちが良いのかはよく分からないけれど、むしろドミニカ共和国のほうが人としてスタンダードかなと思いますね。飛び出しちゃったよ、という教育のほうがスタンダードなんじゃないかなと。

ゆかり:笑

qbc:笑

ゆかり:ドミニカ共和国の場合は、みんなの前で誰かを怒るって言うほうが NG らしくて。怒るときは「ちょっとこっち来て」とその人を呼んで、誰も見てないところで注意をする。
それが文化と言うか、人との付き合いで大事なことだとオリエンテーションで言われました。

サザエ先輩:そちらの方が、個人を大事にすることになると思います。

ゆかり:そうですね。あんまり集団行動とか聞かないし。
注意をしないわけではないんですけどね。騒いでる子がいたら注意します。でも、日本みたいに廊下に立たせるのは見たことないです。怒鳴ったりも。

サザエ先輩:日本もこの10年で変わってきました。さっきの話も10年くらい前の話なので。
最近は、みんなの前で怒ることよりも、なるべく本人の様子を見て、別の場所で怒るようになりましたね。
本人の自尊心を壊しちゃうような、そういうのは止めましょうと。それが虐待になるって話になってきたんですよね。
まあでもやっぱり集団の和を乱しちゃいけないっていうのはいまだに続いてることなんで、そこはやっぱり違いますかね。


4、結局子供は変わらないみたい

サザエ先輩:でも、日本でも子ども達は一応授業の規律を守って、授業中座ってはいるんですけれども・・・つまんない授業の時は、子どももあっち向いたりこっち向いたり、全然集中はしてないです。座っているだけでね。聞いたふりしてるだけ。

子供たちが今一番興味を持ちそうなことを持ってきて食いつかせるのが、大事ですよね。
まずは環境問題について、どれぐらいの知識があるのか。それに合わせて話をするのがいいのかなと。
アンケートとか取るのはどうなんですかね?

ゆかり:アンケートいいですね。協力隊として配属されてまだ2ヶ月ぐらいしか経っていないので、今は手探り状態で活動していて。

サザエ先輩:他の先生に、子供の普段の様子を教えてもらったり、どんなことに興味を持っているか聞いてみたり。

qbc:日本だと、クラスの状況を調べるために、一般的にどんなアンケート項目で環境調査するんですかね?

サザエ先輩:1学期に1回くらい、学期末に行っていますね。
授業の時はきちんと座っていますかとか。立ち歩きはしませんか、発表の時は手を上げてますか。それからゴミが床に落ちていないか。
そういった項目で判断してますね。
割れ窓理論とか気にしています。こういった項目が悪いと、授業が進まないし、やがて学級崩壊しちゃうんで。あ、あと挨拶ですね。挨拶が適当になってくると、学級崩壊の始まりですね。
あと、学力のところではレディネステストですね。2年生で勉強した三角形の角度の内容について理解できているかといったことを、3年生の三角形の授業の一番最初にテストをして、理解度を確認しておきます。

5、課題解決型授業

ゆかり:生徒たちが興味ありそうなことを把握して、それを授業に採り入れていくの、良さそうですね。

サザエ先輩:興味を持ちそうなこと、流行ってそうなことと授業のテーマを結びつけていくとかね。
課題解決学習って言うんですけど、まず課題を出して、それをみんなで解決していって、これこれこういうことが分かった、というまとめをして終わりと。

ゆかり:私も小学校の頃、そういうのをやった記憶があります。

サザエ先輩:そういう風にやらないと、何をやったかちょっと忘れちゃうんですよね。

ゆかり:そう言われると、思い当たる節がありますね。
ドミニカ共和国の小学校で授業をしたあと、生徒に「今日は何を学んだの?」と聞いてみたんです。そしたら、私が伝えたかったことが生徒の頭に全然入ってなかったことがありました。まとめとか振り返り大事ですね。

サザエ先輩:それから、こうしていきたいっていうこちらの授業の流れとは別の方向の意見が子供から出ちゃったりとか。それをどうやって元に戻すかっていう加減が難しいですね。意見を取り入れすぎちゃってもコントロールできないし。

ゆかり:課題を最初に見せるのはいいですね。

サザエ先輩:そうですね。で、クラスの現状が分かっていないと適切な課題が設定できない。

ゆかり:現状把握ってめちゃめちゃ大事ですね。私は現状把握ができていなかったなって思います。

サザエ先輩:授業参観の時とかに、A4の1枚で授業案を作りますね。
何々の授業ってタイトルをつけて、テーマを書いて、でタイムスケジュールを書く。5分目で課題を発表、40分目で課題解決の内容を発表させるとか。

qbc:あ、そろそろ残り10分ぐらいです。
でも、残念なのは帰国しなければならない、ということですよね。

ゆかり:はい、コロナウイルスの影響で急遽帰国しなければならない事になって。実は明日帰国します。
協力隊としての期間が終わったわけではないので、もう一度ドミニカ共和国に帰ってきたときのために、日本にいる間はもっと勉強したいと思います。

qbc:悩みは解消できましたか?

ゆかり:今後に活かせそうなお話を伺えて良かったです。
ただ、日本の教育をそのままもっていくのは難しいなあとも思いました。でもとにかく、現状把握ってとても大切だなと感じました。

サザエ先輩:気を付けて帰国してね!

▷インタビュー後

月日は百代の過客にしてってことでいまゆかりさんは帰国して、フェイスブックに中南米に関するグループを作ったり、そこに関連したwebサイトを作ってますよ。止まらない人は止まらないんだなと思いました。いわゆるバックパッカーだった時のゆかりさんマガジンも面白いです。
あ、コラムのお願いなども受けたりして、ほんと日本に戻ってからもアクティブ。

サザエ先輩とは、こないだオンラインで飲みましたね。学校再開しないし、うちの学区はIT化進んでないならオンライン授業もできないし、て言ってました。情報漏洩とかが怖くてできないとか。整備しないといかんことたくさんアリマスネ。いやでも、先生のツールについてお伺いできたのは貴重でしたありがとうございます。
インタビュー自体は、読み返すと、日本と日本でない国のコントラストになりましたね。個人か、集団の和か。どちらが優れているわけでもなく、正解もないわけですが。
まあ、この無名人インタビューという企画、試み、目論見、投企としてはですね、こういった意見をインターネット上に存在させられたというのでひとつの成功だと思うわけです。
国境を、性別を、文化を、国語を越えてつながっていくと。アナログに飽き、デジタルに飽き、個性偏重にも全体主義に飽きているんですよ。破壊と暗雲と創造への期待、未来への直線、あるいは永遠の円環への収斂と。また長くなりそうなのでこのへんで。わ。

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