自分と向き合い、読者と繋がる——本を通じて広がる世界『相沢プロダクション』相沢朋美さんに聞く|文学フリマインタビュー
この記事は、文学フリマに参加する人たちのためのインタビュー。
今回参加いただいたのは 相沢朋美 さんです!
屋号:相沢プロダクション
作者名:相沢朋美
新刊本:『文学フリマ東京40で買った本』『静岡文学マルシェで買った本』『心の奥』他
参加イベント・ブース:文学フリマ東京41・つ-15
HPなど:
文学フリマカタログ:https://c.bunfree.net/p/tokyo41/52570
どんな本を出されているんでしょうか?
諧謔:屋号と作者名を教えていただけますか?
相沢朋美:屋号は相沢プロダクションです。作者名は相沢朋美です。
諧謔:今回出される本は、どのような内容でしょうか?
相沢朋美:新刊は全部で6種類あります。まず、5月の文学フリマ東京40で買った本と、6月の静岡文学マルシェで買った本を紹介するエッセイが2冊。それから小説では、パン屋でバイトを始めた大学生がこれからどういった経験を経て成長していくかを描いたお仕事小説があります。サクッと読める短めの短編です。あとは、人によって好みが分かれると思うんですけど、爆笑するような笑える日常のエッセイと、周りの人たちに支えてもらっていたというエピソードが載ったエッセイもあります。
諧謔:文学フリマで購入された本を紹介するエッセイを書こうと思った理由を教えていただけますか?
相沢朋美:今までは出店者として参加する中で、他の方の本を紹介する機会ってあまりなかったんです。でも文学フリマ東京40を通してX(旧Twitter)でたくさんの出店者の方と知り合って、皆さんがどういった本を書かれるんだろうという興味から、買った本や、Xを見て気になったものを購入しました。買って読んで終わりにするんじゃなくて、作者の人に感想を伝えたいとか、この本がどれだけいい本かということをみんなに知ってもらいたいという気持ちがあって。作者の方一人一人に許可を取った上で、許可をいただいた方の分のみエッセイに掲載させていただいています。
諧謔:どんな本を紹介しているんですか?
相沢朋美:本当に種類は色々で、エッセイ、絵本、短歌、小説も児童文学系から純文学まで、幅広く紹介させていただいています。
諧謔:お仕事小説を書こうと思った理由はどんなところにありますか?
相沢朋美:普段は恋愛ものを書くことが昔は多かったんですけど、中にはそういった恋愛系はちょっとという方もいらっしゃって。それなら、キャラクターが頑張って成長していく過程を描く話はどうかとなり、そこから生まれた物語です。前の文学フリマ東京40の時はキッチンカーの店長の話を書いたんですが、今回はパン屋さんという違った視点で、雇われているアルバイトの女子大学生がどうやって頑張って成長していったり、パン屋さんでどういった思い出が残るかということを伝えるために執筆しました。
諧謔:それを書いている時ってどんな気持ちになりますか?
相沢朋美:これ読んだら、もうみんな絶対パン屋さんに行きたくなるだろうなって思いながら書いています。表紙もものすごく可愛いので、とにかくみんなに見てもらいたいっていう気持ちが強いです。
諧謔:どんな方に読んでほしいですか?
相沢朋美:若い人はもちろん、大人の方でお仕事頑張ってる方にも読んでもらいたいです。自分の仕事どうしようかなって悩んでる方とか、この仕事自分に合ってるんかな、続けられるんかなって悩んでる方にも届いたらいいなと思っています。ちょっとモチベーションが下がってきたかもって方が、これ読んで「僕も/私も頑張ろう」ってなってくれたらいいなと。
これまではどんな活動をされていたのですか?
諧謔:これまでどんな本を書かれていましたか?
相沢朋美:本当に幅広いんですけど、小説だったら恋愛系で学生が主人公の話を書いたこともありますし、先ほど伝えたキッチンカーの店長の話——サラリーマンからキッチンカーを開業して、SNSでどんどん人気になっていく話とか。エッセイでは「恥かき旅」という海外旅行の失敗談を描いたものや、国内旅行で香川県に行った話、東京に行った話——文学フリマ東京40に出た時のことを書いたエッセイもあります。もう本当にたくさん書いてきました。
諧謔:書いているものによって気持ちって変わったりしますか?
相沢朋美:小説を書いている時は世界観にどっぷりつかって書くことが多いです。旅行のエッセイだったら過去のことを思い出し、当時の余韻に浸りながら書いています。ニューヨークのエッセイを書いている時は、高校の頃にホームステイしていた先のお家であったこととか、ニューヨークで見た景色のことを思い浮かべながら書いたりします。東京だったら、『東京ドタバタ恥かき旅』というエッセイで文学フリマ東京40に京都から遠征した時のこと、ちいかわのパン屋さんに行ったとか、相互さんとたくさん交流したとか、そういったことを書いています。
諧謔:過去のことを余韻に浸りながら書いている時って、どんな気持ちになりますか?
相沢朋美:一言で言ったら旅行気分でワクワクしてるって感じですね。楽しかった、また行きたい、次はここ行こうかなとか、そういったことも考えながら書いています。
諧謔:書き始めたきっかけは何かありますか?
相沢朋美:創作活動自体はだいぶ昔からやっていて、一番の原点は小学校高学年の頃です。読み聞かせのボランティアの人が毎週金曜日に学校に来てくれて、読み聞かせを聞きながら、「次は私も書く側に回りたい」という気持ちになりました。創作活動自体は中学から細々とノートに書いたり、ネットに載せたりして。今のペンネームもなんだかんだ中学時代から使っています。高校の時も小説家になろうというウェブサイトに載せたりしていました。
大学は佐賀から京都に来たことや、留学、就職活動もあって、あまり書く時間がまともに取れなくて。大学から社会人四年目ぐらいまでそんな感じでした。社会人四年目になって時間に余裕ができたので、創作活動をちょっと再開してみようかなとなり、そこで文学フリマの存在を知って、去年大阪の文学フリマで初めて出店しました。お客さんと話して、文学フリマってこんなに楽しいんだなと。最初は関西中心に出ていましたが、今年はちょっと遠征とかもしながら出店して今に至ります。
諧謔:相沢さんにとって書くことって、どういうことですか?
相沢朋美:書くことで、自分が今どう思ってるかっていう気持ちと向き合うこともできます。小説だったら、このキャラクターがこうするなら私だったらこうするかなって考えたり。これを読んでお客様がどう思われるかとか、そういったことも考えながら書いています。読書が苦手な方とか初めてうちのブースに来る方にも「楽しい、続き気になる」って思ってもらえるような本を作りたいと思っていますし、エッセイでは小説で伝えられない等身大の自分の気持ちとか、過去にはこんな経験したけど今はこんな感じだよっていうのを伝えたいですね。
イベントへの意気込みをお願いします!
諧謔:文学フリマのどんなところに魅力を感じていますか?
相沢朋美:文学フリマでは、書店に売ってないような本に出会えるっていうのもありますし、お客さんとか出店者の方との交流が楽しめます。本を出してる人って、それぞれ作者さんの個性が出ているというか。Xやネットだけじゃ分からない、作者の生の声が分かるのがいいですね。Xのリプライって声も分からない、顔も分からない、どんな人かも分からないので、なんとなくふわっとした印象でしか掴めないんですけど、会って喋ると「この人ってこんなしっかりした考えをする人なんだな」とか、「ちょっとふざけた感じの人だと思ったけど、ちゃんと真面目に話せる人なんだな」とか。そういったことが分かるのが魅力です。
諧謔:最後に読者へのメッセージをお願いします。
相沢朋美:相沢プロダクションでは、エッセイや小説など幅広く販売しています。初めての方や読書が苦手な方にも楽しんでいただけるように、サクッと読めるものをたくさんご用意しておりますので、ぜひ11月23日、南3-4ホールの【つ-15】にお気軽にお立ち寄りいただければと思います。関西中心に活動しておりますが、これからどんどん全国へと幅を広げていこうと思うので、これから多くの方とお会いできることを楽しみにしています。
新刊で出している『文学フリマ東京40で買った本』と『静岡文学マルシェで買った本』は、ブースが広すぎてどこを見たらいいか分からないという方とか、作者の方で自分の作品の感想を記念に持っておきたいという方にもオススメです。自分にどういった本が合うかなって悩んでる方にも、このエッセイが誰かの本選びの参考になったらいいなという気持ちで書きました。
お仕事小説『心の奥』は、頑張ってるキャラクターを応援したい人、自分の仕事で悩んでる人、誰かが頑張ってる様子を見て「じゃあ私も頑張ろう」ってなってくれたらいいなという思いで書かせていただいております。ぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。
インタビューを終えて
伝えたいこと、共有したいことがたくさんあるのって、それ自体すごくうらやましいことで、心がきれいだなって思うんです。いいと思ったものを、他者にも知ってもらって、自分と同じ気持ちになったり、何かで救われたりしたらいいなってことですよね、きっと。繰り返しになりますが、心が美しい。
相沢さんが今回執筆された「買った本を紹介するエッセイ」で紹介された作品が、他者にどんな風に映って、受け取られたのかを知る機会というのは、それらを読んだ人が能動的に作者に届けることがないと、感想が生まれてもそこで終わってしまうのかなと。それを紹介する本にすること(これ自体がすごいエネルギーだと思う)で、新たな読者が生まれるのも、他の読者はこう思ったんだ、と自分が思ったことと併せて読めるのも、想像しただけで単純におもしろいですね。
一方で私はというと、いいと思ったものの中でも、他者に紹介せずに自身の心の中にとどめておきたいものがたくさんあります。(独り占めなのかもしれないね)
ということで、相沢さんに触発されて、私も積極的に紹介するための文章を書いていこうかなと、新たな刺激を受けました。
インタビュー担当:諧謔
制作:栗林康弘・qbc(無名人インタビュー主催・作家)
過去の文学フリマインタビューはこちらから!
https://note.com/unknowninterview/m/m3e2a331797e5
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