散歩するように読め
スマホをフリックすると、目まぐるしく、しかしゆるやかな速度で、景色が変わっていく。
あのvol.1に比べても「労作だ」と(ニートをテーマにしたマガジンにもかかわらず)思った。
まず目に入るのはコソウさんによる表紙のイラスト。
素人がパッと見ても、信じられないくらい上手い。
夏の気だるさをたった一枚の絵で表現しているだけでなく、個性豊かすぎて、ともすればその激しい回転力によって自壊しかねない本マガジンのカラーを力強く決定するような、ニーマガの人差し指のような作品だ。働かない女の子には、気だるそうにケツを向けていてほしい。
ニートが一流のカルチャーになった暁には、ルーヴル美術館にこのイラストが収蔵されることだろう。

たった一瞬で追体験させてくれる
誰かが歩いてきた道が、たしかに文字や絵として遺されている。
その道のどれもが、ニーマガがなければ出会えなかった路地裏や廃墟や、海岸線や山奥や、河川敷やお寺の風光を見せてくれる。
誰も競い合わず、かつ無目的な文章。
専門書のように速くもなく、かといって小説のように止まっていない。この本は散歩に似ていると思う。
誰かが歩いた道が、あなたの中にある「無」にもきっと続いている。あなたが自身の存在に疲れたとき、きっとこのマガジンがオルタナティヴな景色を見せてくれることだろう。寄稿者の一人として、切実にそうあってほしいと思う。
よろしければ夜更かしして、俺と、あるいは〈あなた〉と一緒に、散歩するように読め。
