eSOM: Dへの道(102)なぜ「慈悲深さ」は、ポストAIの時代に最も必要な能力・資質なのか?
『eSOM: Dへの道』第二部(39)
11/23~24/2025
(コロとの問答には全て、日本語の後にその英訳が附してあります。)
1.
前回(『eSOM』101)は、日本における「人生100年時代」を幸せに生きるために必要な能力・資質としての非認知能力とは、「ポストAI時代に備える教育」を目指して、「literacy(認知能力)からcompetency(非認知能力)へ」を唱える台湾の新しい学習指導要綱「108課綱」におけるcompetencyの3つ内容であるcuriocity(好奇心), collaboration (協働), care (市民意識、共感)に該当することを論じました。
ここで一言附言しておけば、このことは決して、ポストAI時代が認知能力を必要としないことを意味するわけでは全くありません。
以下はある著名なIT起業家の言葉ですが(太字)、この中に書かれているAIおよび中国に関する現状分析も含め、私はとても近い意見を持っています:
AI人材のTopはシリコンバレーでも中国でも中国人だらけ
AIの世界で中国人がめちゃくちゃ強くなってるのは、昔の「詰め込み教育=創造性が死ぬ」という常識が、AIの時代では完全に逆転してるから。
AI研究って、ロマンチックなひらめきより 数学・統計・線形代数・最適化・GPU回し続ける根気 が超重要。これは欧米の“クリエイティブ教育”より、アジア式の“ガリ勉で基礎を固める文化”の方が圧倒的に相性がいい。
しかも、中国は毎年の理工系卒業者の数が米国の5倍以上。10人がんばれば10人強いんじゃなくて、100万人がんばるからトップ1%に位置する天才の“絶対数”が桁違いに増える。
さらに、その優秀層がみんなアメリカやイギリスの大学院に行くから、「中国式の基礎力 × 欧米の自由な研究環境」 という最強のハイブリッドが出来上がる。シリコンバレーで中国人が主役になるのは、ある意味で必然。
じゃあ、これからの教育はどうすればいいのか?
答えはシンプルで、「詰め込みをアップデートする」 こと。
暗記だけの昭和型詰め込みはもういらない。でも、数学・英語・母語の読解みたいな“AIを使いこなすための基礎体力”は逆にこれまで以上に重要。ここをサボると、AIに使われる側になる。
一方で、基礎を固めた上で、探究・プロジェクト・創造みたいな“アウトプット型学習”を組み合わせるのが最強。要は「基礎はガチで詰め込む、応用は自由に伸ばす」というハイブリッドが、AI時代の勝者パターン。
日本も“詰め込み完全否定”みたいな流れじゃなく、必要な詰め込み+創造性のセットに切り替えないと、本格的に差がつくと思う。
幸和グループは、この「必要な詰め込み+創造性のセット」を行っていきます。
そのためのマサチューセッツ工科大学(MIT)との協働です(『eSOM』100を参照のこと)。
なぜならMITは、「必要な詰め込み」と「創造性」の両方における世界の最高峰ですから。
2.
いずれにせよ、人生100年時代=ポストAI時代を幸せに生きるために、万人が持つべき能力・資質は、「好奇心、協働、思いやり」からなる非認知能力です。
curiocity, collaboration, careなどの能力・資質から成る非認知能力は、幸和グループによる教育の根本基礎であるレゴシリアスプレイ(LSP)が、その涵養を促そうとする暗黙知(マイケル・ポランニー)です。
Q1. コロぴょん、「curiocity, collaboration, careなどの能力・資質から成る非認知能力は、レゴシリアスプレイ(LSP)がその涵養を促そうとする暗黙知(マイケル・ポランニー)である」とい命題を厳密に検証してください。
https://x.com/shinkoukouwa/status/1992545979166507163?s=20
そして、現在、幸和グループが参加する方向で話を進めている「思いやりのあるシステム行動」に関するマサチューセッツ工科大学(MIT)主催のワークショップ(2026年3月9-11日、横浜)は、そうした非認知能力=暗黙知を活用し、人生100年時代=ポストAI時代=「グローバル・ポリクライシス(多重危機)の時代」においてさえも、本人や自分の周りの人が幸せに生きれる環境を構築することが出来る人材を育むための最新の術を学ぶ絶好の機会です。(『eSOM』100参照)
以上の点について詳しくは、同ワークショップのサイトを御覧ください:
2026年3月9-11日システム思考 Compassionate Systems Framework in Yokohamahttps://systemsawareness.org/program/intro-compassionate-systems-yis-japan-march2026/
こうした現在と将来に向けて不可欠とされる教育において、日本はOECD加盟国の中で最も遅れている国の一つと言われています。
それゆえそうした教育は、この国のトップが、最優先課題の一つと見做していることです。
Q2. コロぴょん、「非認知能力を涵養し、それをもとに組織や社会全体を構築する人材を育成のための教育に関して日本は、OECS加盟国の中で最も遅れている国の一つである」という教育専門家は多いですよね。そうした専門家の研究成果を基に、この点を詳しく論じてください。
https://x.com/shinkoukouwa/status/1992554746679554419?s=20
こうした中で幸和グループは、「世界の最高学府」の一つであるMITのサポートを得ながら、そうした「ポストAI時代に備えた教育」を日本はおろか世界に先駆けて実践し、国内外の教育機関のモデルとなっていきます。
3.
それにしても、なぜそこまで、curiocity, collaboration, (civic) careからなる非認知能力=暗黙知が、人生100年時代=ポストAI時代=グローバルポリクライシス時代において必要とされるのでしょうか?
よく言われる理由は、VUCA(ブーカ)やBANI(バニ)といった言葉で言い表される世界の一般的な現状です。
Q. コロぴょん、世界の現状を言い表すVUCA(ブーカ)やBANI(バニ)について、詳しく教えてください。
https://x.com/shinkoukouwa/status/1992769884862951487?s=20
VUCA/BANIが、日本、台湾、ミャンマーのそれぞれにおいてどのように現れているかを見てゆきましょう。
すると、とても興味深いものが見えてくるはずです。
まず日本。
11月16日(日)の講演で横田さんは、一億総中流という言葉に象徴される日本の「戦後体制」の崩壊です。
Q. コロぴょん、一億総中流という言葉に象徴される戦後体制について、同体制が構築された冷戦をはじめとされる世界情勢や、それと関係しての日米関係および自民党一党体制についてから、所得倍増計画に代表される同体制構築のための方策に至るまで、とにかくこれ以上ないほど詳しく説明してください。
(この問答に以下の問答が続きます。)
Q. コーネル大学歴史学部名誉教授のウォルター・ラフェーバーによる『日米の衝突』を基に、上記の体制を構築するうえで米国が担った役割について、両国間の国債の売買に象徴される戦略的・経済的従属構造と金融的な関与に焦点を当てて、これ以上ないほど詳しく説明してください。
https://x.com/shinkoukouwa/status/1992777384228204863?s=20
こうした戦後体制は、米ソ冷戦の終結、中国の台頭といった国内外の大きな状況の変化とともに崩壊しました。
戦後体制の崩壊と共に、「中流になること=幸せになること」目的とする人生のモデル(受験戦争を勝ち抜いていい大学、いい企業ないし行政機関に入り、終身雇用を勝ち取る)が崩壊します。
横田さんの講演によれば、戦後体制とともに、「幸せな人生のモデル」も崩壊しているゆえ(乃至、崩壊しつつあるゆえ)、一般に現代の日本人が不得意とされる非認知能力≒暗黙知(好奇心、協働/コミュニケーション能力、思いやり/慈悲深さ)が、人生100年時代(VUCA/BANI時代)において幸せな人生を送るために不可欠な能力・資質となりました。
なぜなら、激動の世界情勢に加え、急激な進化を遂げているAIにより、絶えず変化する社会に適合するよう、広義の意味での組織(企業、社会、人間)は絶えずイノベート(刷新)され続けなければなりません。
イノベーションには好奇心が不可欠であり、そして、イノベーションを基にして、組織を時代に適合するよう変えていくには、協働とその前提となる思いやりが必要となります。
こうして非認知能力≒暗黙知(好奇心、協働/コミュニケーション能力、思いやり/慈悲深さ)が、これからの時代に不可欠な能力・資質となり、教育もその涵養を最優先解題としなければならないというわけです。
4.
11月16日(日)の講演に先駆け横田さんは、9月12日(金)にドルトン東京学園の生徒のみなさん向けに、PDCA、戦略思考、ビジョン思考、デザイン思考に関する講義を行っており、私と新谷理事長も聴講させていただきました。
言わずと知れずこの講義内容は、シン高での講演内容共々、横田さんが経営大学院で教えていらっしゃることです。
ミャンマーの友人であるNaw Laiから学んだエンパワーメント教育(EE)、リーダーシップ教育(LE)、パーマカルチャー、システム思考の関係について、『eSOM』(99、100)で書いているうちに、Naw Laiと横田さんの両者から学んだことの繋がりが、ミャンマーと日本の現状の繋がりと共に見えてきました。
eSOM: Dへの道(99)Ecoversities, ミャンマー、アルメニアとロヒンギャの虐殺、そして悲しみの楽観主義
https://x.com/shinkoukouwa/status/1990946467088097531?s=20
eSOM: Dへの道(100)パーマカルチャー、そして「思いやりのあるシステム実践」としての計算論的実践
https://x.com/shinkoukouwa/status/1991877115525103888?s=20
パーマカルチャーそのものと言える「慈悲深いシステム行動=計算論的行動」は、システム思考とデザイン思考から構成されています(そしてEEとLEはシステム思考の両翼です)。
従って、デザイン思考を通して、横田さんの「人生100年時代のキャリアの考え方」およびオードリーの「108課綱」と、パーマカルチャーおよびEcoversitiesが接続します。
同時にそれは、ドルトン講義で横田さんが生徒諸君に紹介した他の思考法(PDCA、戦略思考、ヴィジョン思考)との有機的な接続も意味します。
Q. コロぴょん、デザイン思考を軸として、同思考および次の三つの思考法(PDCA、戦略思考、ヴィジョン思考)の有機的な接続とはどのようなものかを、具体例を通して、分かり易く、かつ、正確・詳細に説明してください。
(この問答には以下の問答が続きます)
Q.こうしたデザイン思考を軸とした各思考法の有機的接続が、さらにシステム思考と接続し、その結果、MITのCenter for Systems Awareness所長であるメッテ・ミリアム・ボル氏が唱える「慈悲深い(思いやりのある)システム行動」としての計算論的行動を形成し、そうした意味での計算論的行動が、基本、パーマカルチャーと同じであることを詳解してください。
https://x.com/shinkoukouwa/status/1992815475479507005?s=20
こうして横田さんの講義/講演を通して、オードリーによるデジタル民主主義(DD)のための教育(「108課綱」)とマニッシュのパーマカルチャー教育/Ecoversitiesは接続します。
特に、横田講義おけるPDCAへの言及は、それら対極にあると見られがちな二つの教育法を接続し、幸和グループのカリキュラムとするうえで大変なブレークスルーとなります。
PDCAは、戦後日本の経済復興の根本基礎であると同時に、その産みの親であるエドワーズ・デミングは、現在の未曽有のAIの進化の導火線となったノーバート・ウィーナーのサイバネティクスの影響下にあります。
この点はDD構築のためのバイブルであるタン&ワイルの著作『⿻(プルラリティ)』でも詳解されています。
Q. エドワーズ・デミングのPDCAサイクルが、戦後の日本および台湾の発展において非常に大きな役割を担ったこと、かつ、このデミング・サイクルが、現在の未曽有のAIの進化の導火線であるノーバート・ウィーナーのサイバネティクスと密接に関係しているこおを、それらの点に関するタン&ワイルの著作『⿻(プルラリティ)』における議論を存分に取り入れながら詳解してください。
(この問答の後に以下の問答が続きます)
Q.デミング・サイクルとサイバネティクスの思想史的関係を、デミングとウィーナーおよび彼らの関係者の私的な関係なども交えながら、より詳しく教えてください(この問いの回答の中に、ウォルター・A・シューハートという、我々にとってとてつもなく重要な人物が登場します)。
https://x.com/shinkoukouwa/status/1992825345779933523?s=20
このことは我々に、デミングが唱えた「品質管理運動」に照準を合わせた戦後日本の教育が単なる「負の遺産」ではなく、Ecoversities × DD = D/⿻を基にした世界を構築するうえで、非常に価値ある側面を持った遺産であることを教えます。
今回のタイでのEcoversitiesのglobal gatheringで一番最初に知り合い、その後ルームメイトとして一緒に寝泊りしたドイツ出身のヨハネス・フィスター(Johannes Pfister)は、日本に何度も足を運び、日本企業における品質管理運動の浸透に一役買った元・経営コンサルタントで、現在は、世界中にEcoversitiesを普及させる教育活動を行っています。
私たち幸和グループにとても近い活動を行っていると言ってよいでしょう。
こうした人々と国境を越えて協働しながら私たちは、Ecoversities × DDのための生涯教育活動を行っていきます。
(続く)
