「ボコボコにされた」半年間が、僕の原点。技術と事業の狭間でビジネス戦闘力を上げ続けた、ある若手エンジニアの生存戦略 #逆境も熱狂
「UPSIDERで働いてきて、1番の苦悩は?」
そんな問いかけを通じて、逆境に立たされたメンバーが、もがきながらもUPSIDERという環境に熱狂し、成長してきたストーリーをお届けする「#逆境も熱狂」シリーズ。
第4弾となる今回登場するのは、新卒2年目の2022年4月にフロントエンドエンジニアとして入社し、現在はAI経理チームでPdM(プロダクトマネージャー)兼エンジニアとして活躍するKiyoto(柳萬 聖人)です。
「おそらく通用するだろう」──前職での経験もあり、順風満帆なキャリアを思い描いていたKiyotoを待ち受けていたのは、圧倒的な力不足を痛感する日々でした。手探りでUIのモックを作れど、四方八方から改善点を指摘される。焦りと悔しさを感じる中で、当初任されていたUPSIDERカード事業の新規機能開発から、社内ツールの機能改善へと役割が変更になりました。単なる役割変更ながら、「力不足だから異動になったのではないか」と感じたKiyotoにとって、この経験は挫折に他なりませんでした。しかしその挫折が、彼の転機になりました。地道に“基礎体力”をつけ、気づけば周囲からの期待値にも変化が。役割を越境し続け、現在は複数の新規事業を兼任し、エンジニアリングマネージャーやPdMとして活躍しています。
若手が短期間で成長できる環境とは何か。──挫折と越境の3年間について聞きました。

柳萬 聖人(Kiyoto):AI事業部 PdM兼エンジニア
新卒2年目にUPSIDERに入社。フロントエンドエンジニアからキャリアをスタートしてバックエンド・インフラ構築も担当し、現在はAI事業部のPdMとしてUPSIDER AI経理の事業課題の解決に取り組んでいる。
「圧倒的な力不足」を痛感した、入社後の半年間
── 2022年4月にエンジニアとして入社されたKiyotoさんですが、入社前からPdMとしてのキャリアを思い描いていたそうですね。
社会人になる前から、ゆくゆくは経営者になりたいという思いがあったんです。そこに向けたステップとして、まずは「ミニCEO」と言われるPdMを目指したいと考えていました。
だからUPSIDERの面接でも、当時のエンジニアリングマネージャーの方に「いずれPdMとして働きたいと考えているのですが、そのようなキャリアを築くことはできますか?」と聞いた上で入社したんです。
── そんな中で、UPSIDERではUPSIDERカードチームに配属され、フロントエンドの開発からキャリアをスタートすることになりました。
前職でもフロントエンド開発の経験はあったので、最初は「いけるだろう」と思っていました。まずは任された業務で成果を出し、ゆくゆくは業務の幅を広げながらPdMに挑戦したいと考えていたんです。でもそのぼんやりとした自信は、入社後すぐに打ち砕かれました。
当時のカードチームは、今と比べて遥かに人が少なかったんです。事業責任者のNao(現UPSIDER Capital代表の石神)さんが4つほど進行していた全プロジェクトのPdMを兼任されていて、各プロジェクトに1人ずつフロントエンドとバックエンドのエンジニアが就ているような状況でした。
その頃は専属のデザイナーが1人もいなかったこともあり、フロントエンドエンジニアの役割がとても広かったんです。Naoさんが大枠の仕様を決めた後は、フロントエンドの担当者が仕様の検討からUIのモック作成まで多岐にわたる業務を担うスタイルでした。
ところが、僕はデザインなどの経験が一切なかったので、どうすればいいのかがわからない。Figmaを使って手探りで作ってみたものの、案の定、ボコボコにされました。
入社から半年ほどは特に自身の力不足から周囲の期待に応えられない場面が多く、辛いことだらけでした。
── 具体的にはどのような状況だったのでしょう?
「ここの仕様は〇〇を想定できていないよね」とか「UIとしてもユーザーにとって使い勝手が悪くない?」といった具合に、「仕様を決める力」と「実装を考える力」と「デザインを考える力」の全てが足りておらず、全方向から指摘されていました。
デザイナーであればデザインの観点だけだったかもしれませんが、僕はエンジニアだったので、エンジニアの目線から細かい仕様についても質問やフィードバックをたくさんいただいたことを覚えています。
── そこで最初の逆境に直面したわけですね。
特に当時在籍していたフロントエンドエンジニアのメンバーが僕よりも経験豊富な方ばかりだったこともあり、圧倒的な力不足を感じていました。なんとか追いつこうとデザイン関連の本を買い漁ったりもしたのですが、すぐに状況が変わるようなこともなく、手応えを得られるような場面はほとんどなかったです。
そんな状況が半年ほど続いたある日、自分の役割が変わりました。大型の新機能開発ではなく、社内ツールの比較的小規模な改善を担当することになったんです。
直接言われたわけではありませんが、おそらく社内でも「このままではKiyotoは少しまずいよね」となったのだと思います。まずは社内ツールの管理画面の改善から一個一個やってみようと。
── 当時はどんな心境でしたか?
焦りと同時に、悔しい気持ちもありました。僕の中では「このぐらいの高さから始めてみよう」と期待を込めて設定してもらったハードルをなかなか乗り越えることができず、より低いものに変更されたイメージだったんです。
「やってやるぞ」と意気込んでいた分、思い描いていたものと現実とのギャップに焦っていました。

社内ツールの機能改善で掴んだ小さな手応え
── 社内管理画面を担当するようになってから、状況や心境に変化はありましたか?
それ以前と比べて、開発の規模としてはスケールダウンはしましたが、当時の環境は自分にとってすごく合っていたように感じました。
社内向けのツールとお客様用のプロダクトの大きな違いの1つが、ユーザーとの距離がものすごく近いことです。例えば機能の要望が合った際、その理由や具体的なイメージを気軽に聞きにいくことができます。しかもちょっとした機能改善でも、ものすごく喜ばれるんです。それが小さな自信にもなりましたし、モチベーションにもつながっていきました。
また、お客様向けのプロダクトと比べると、腰を据えて一つひとつの機能を開発しやすかったので、着実にスキルや経験を磨いていくこともできた。今振り返っても、この期間が自分にとっては非常に重要な「基礎体力」をつける時期になったと思います。
── 特にどういった部分で力がついたことを感じましたか?
フロントエンドに加えてバックエンドを触るようになったことで、裏側の理解が深まりました。それまではフロント都合でいろいろ組み立てていたのが、バックエンドのこともわかるようになり、様々な機能をよりスムーズに作りやすくなったんです。
また在籍期間が伸びていく中で、事業の解像度が上がったことも大きかったと思います。
── そのように基礎体力がついていったことで、少しずつ自信を持てるようになっていったのですね。
そこからまた半年ほど経過したタイミングで、再びカードの新規機能開発にフロントエンドの担当として関わるようになったんです。その頃には社内管理画面の開発経験を踏まえて、うまく立ち回れるようになっていたのではないかと思います。
当時は電子帳簿保存法の改正に伴う新機能開発のプロジェクトに携わっていたのですが、プロジェクトがふわっとした状態で進んでいた時期があったんです。その時に関係者を集めて方向性を固める会を開いたことが印象に残っていて。プロジェクトの成功のために必要なことを考え、自分の役割を超えて行動できたことは、かつての自分との大きな違いだったように思います。
── 入社から半年ほどは手応えを得られることもほとんどなかったというお話でした。そこにも変化はありましたか?
その後別の新規プロジェクトを経て、カードチームに戻った時に明確な変化を感じました。自分の提案と周囲の意見の間でズレがほとんどなくなり、円滑に仕事が進むようになったんです。
エンジニアとして2年近く働いていたため、与えられたお題に対する実装力はもちろん伸びていたと思います。ただそれ以上に、複数のプロジェクトを経験する中で業界やプロダクトに対する解像度が高まったのと同時に、いつの間にか仕様を把握する力や提案力も成長していたことを実感しました。
「強くてニューゲーム」ではないですが、カード(の新機能開発)で苦しい思いをして、一度離れて経験を積んで再びカードに戻ってみたら、「全然いけるぞ自分」と。
── お話を踏まえると、逆境に直面して何かを意識的に変えたというよりも、「目の前の敵を倒しまくっていたら自然とレベルが上がっていた」ような感覚に近いのでしょうか。
ポジティブな表現をすればおっしゃる通りです。実態としては必死でしがみついていたら、いつの間にか成長していたという感覚かもしれません。

「Kiyotoにできるのかな」から「Kiyotoならできると思うから頼む」へ
── その後はどのようにキャリアを重ねていったのでしょう?
入社からちょうど2年経った2024年の5月頃、新規事業の開発に関わるようになったんです。それ以前から「新規事業をやりたいです」と言い続けていた結果、もともとこの事業の前身となる機能の開発に少し携わっていた縁もあり、挑戦することになりました。
── その頃には自信がついていただけでなく、周囲からの評価も少しずつ変わっていたのでしょうか?
そうですね。みんなの僕への期待値が明らかに上がった実感はありました。多分1年前であれば「Kiyotoに本当にできるのかな」と思われていたのが、「Kiyotoならできると思うから頼む」と任せてもらえることが増えたんです。やっぱり最初の半年で一度挫折していたわけなので、任せてもらえることはすごく嬉しかったです。
── そうした評価の変化が、新規事業への参画にもつながったのでしょうか?
というよりも、元々前身のプロジェクトがすごく楽しかったんです。発足した当時は少数精鋭チームみたいな形で、尊敬している先輩エンジニアと3人で開発に取り組んでいました。それこそ2日で100コミットする日があるなど、ひたすらコードを書き続ける日々で、毎日が文化祭の前日のような時間だったんです。
新規事業として改めてプロジェクトが始動してからも、それは変わりませんでした。当然ながらハードな状況ではあったのですが、それでもほぼほぼ未達がなく、毎回決めた目標を達成できていたので、自分の中でも着実にできることが広がっていっている感覚がありました。
ただ、会社の方針転換もあって、このプロジェクト自体は数ヶ月くらいで終わりを迎えてしまったんです。
── 当時は少し気持ちが落ち込んだりもしたのでしょうか?
そうですね。プロジェクトが打ち切りになったことに加え、仲が良くて慕っていた先輩の退職も重なって。正直悲しかったです。
また、自分のキャリアとしても少し足踏みしてる感覚があったんです。それまでは入社1年目こそ苦戦したものの、フロントエンド・バックエンドの両方に関わりながら、自分の領域を広げていくキャリアを描けていました。ところが次に携わったプロジェクトでは、フロントエンドだけを担当することになったんです。
もちろん、開発自体は期日通りに進められていましたし、やるべきことはやっていました。でも自分の中では「キャリアがロールバックした」という感覚があったのも事実です。それまでの前進している感覚が一旦止まってしまったことに対して、葛藤を抱えていた時期ではありました。

サウナで誘われた「新規事業のひとりEM」というチャンス
── そんなKiyotoさんですが、2025年の2月に新規事業のエンジニアリングマネージャーに就任されましたね。何がきっかけだったのでしょう?
まさに今後のキャリアについて考えていた時に、新規事業の責任者であるMakotoさんからサウナに誘われて、そこで「EMをやってほしい」と誘われたんです。願ってもないチャンスだったので、その場で「やります!」と即答しました。
そこからの2ヶ月ほどは他の業務と兼務していたので、業務としては一気にやることが増えました。ただ、自分の思い描いていたキャリア感としては、ものすごく理想に近かったんです。EMとしてインフラ周りからバックエンド、フロントエンドまで全てに責任を持って開発を進めていく形だったので、自分の影響範囲やキャパシティを広げる上で1番良い選択肢だなと。
それまでオフィスに出社していたのは週1日程度だったのですが、自分を甘やかさないためにも毎日出社するようにしました。Makotoさんも同じような状況だったので、毎日終業まで一緒に開発をして、共に歩いて帰宅する。そんな毎日を繰り返してました。
── やったことがないことに挑戦する、自分のキャパシティを一気に広げるという観点では、入社初期の頃にも似ていたのでしょうか?
感覚的には少し違うかもしれないです。もちろん状況的に近しい部分もありましたが、入社直後と比べてエンジニアとしての地力がついていたので、ある程度の自信がありました。
またAIの存在も大きかったです。その時点で「Cursor」という開発ツールを日常的に使っていたので、複数のタスクを同時にこなせるようになっていました。
一方で最初の案件をなかなか受注できない期間が続くなど、ビジネス面では思うように進まないことも多く、そちらの方が大変でした。
その過程で法務のメンバーと法的な観点を擦り合わせたり、ビジネスチームの担当者と事業の方向性をディスカッションしたり。自分の担当範囲を超えて試行錯誤をする時間が多かったです。ある意味、自分がイメージしていたPdMに近いことを体験できていたので、それが今にも活きているように感じます。

エンジニアからPdMへ、新たな挑戦と壁
── 2025年8月からは、AI事業部にPdM兼エンジニアとして参画されています。これはご自身にとっても大きな転換点になったのではありませんか?
そうですね。会社としてもUPSIDER AI経理に大きな投資をする方針が決まった中で、代表のToruさんから兼任で参加してほしいと声をかけられました。今回は所属がエンジニア部門ではなくPdM部門になり、はっきりとPdMとしての役割を任され、業務の幅も広がりました。
当時は人力で月間50社以上のオンボーディングが行われていたので、そのプロセスを自動化することが最初のミッションでした。ただプロジェクトを進めていく中で、オンボーディング面談以外のオペレーション全般も担当することになったんです。UPSIDER AI経理は経理業務を代行するサービスなので、お客様に会計ソフトを導入いただいたり、銀行口座情報を連携いただいたりといった準備が必要になります。それに伴って様々なアカウントの招待作業が発生するのですが、そうした業務も手動でこなしながら、並行して自動化・効率化を進めました。
負荷は大きかったですが、自ら業務フローを運用しながら自動化を進めるという貴重な経験になりました。
── PdMとエンジニアを兼務するというのは、初めてのチャレンジかと思います。
PdMの業務をする中でエンジニア的な思考からの切り替えが求められることが多く、そこで課題を感じる場面が多いです。これまでも仕様を考えたり、効率的に実装をしたりといったスキルが上達してきた感覚があったのですが、一つ手前の段階で「そもそも何をどの順番でやるべきなのか?」を考える機会が少なかった。PdMになって、その力を問われることが格段に増えました。
例えばタスクの優先度を決める際に「高・中・低」などと大まかに考えることがありますよね。僕もこれまでそのように考えていたのですが、上司であるDaisuke(VPoP・森)さんから「PdMの仕事の1つは高・中・低を決めるんじゃなくて、1番目、2番目、3番目、4番目、5番目」を決めることだよと言われたんです。
確かにそのような頭の使い方はできていなかったと痛感しました。
── エンジニアと兼務の場合は、その切り替えが余計に難しそうですね。
そうですね。でもその分だけ新しい学びが連続している環境で、成長の実感も得られるのでものすごく楽しいんです。
やりたいことを言い続けたら、叶っていた
── これまでの3年半を振り返って、UPSIDERで役割が広がっていった要因は何だと思いますか?
やりたいことを言い続けたことだと思います。この会社は、やりたいことを言えばチャンスをくれる。自分もことあるごとに「これがやりたい、あれがやりたい」と言ってきて、今ではそれがだいたい実現しています。
もちろん、そのチャンスにアサインされるための実績は必要です。入社直後の僕のように、全く結果を出せず、周囲の期待にも応えられていない状態であれば、まずは与えられた場所で信頼を勝ち取らなければならない。地道に信頼を積み重ねることは不可欠です。
── 結果として「やりたいと言い続けていたことがだいたい叶っている」というのは素晴らしいですね。
僕がUPSIDERに入社して感じたのは、「この会社は新しいことが好きで、常に新しいことに挑戦している」ということでした。それは現在に至るまでずっと変わらないので、きっと数年先も新しいことをやっているのだろうと思うんです。
だからこそ、「やりたい」と手を挙げれば、やらせてもらえる機会がたくさんある。新しいことではなく、既存のプロジェクトを改良したり、安定させたりするという選択肢でも良いんです。いずれにせよ、挑戦の機会がものすごく多い会社であることは間違いありません。
僕自身、今も複数の新しいプロジェクトから声をかけていただいています。流石にこれ以上兼務するのは難しいのですが、そのくらい、チャンスの数に対してまだまだ人が足りていない。だからもっといろんな人に仲間になってほしいというのが率直な想いです。
視座を上げ続ける、その先に
── 2026年の4月で入社から丸4年になりますね。今後の目標を教えてください。
最近改めて感じるのが、僕は成長していることが好きなんだろうなということです。UPSIDERでは成長するための場がどんどん与えられるので、それを有効活用していながら過ごしていると、4年近くが経過していました。その間、随所随所で自分の目標になるような人がチーム内に現れるのも大きかったです。
僕自身は「視座が上がること」が成長の重要な要素だと思っているので、今後はさらに視座を上げていきたいと思っています。
僕は以前から「自分で会社を経営したい」と言ってきたのですが、一方であまり現実味がなかったんです。でもUPSIDERで経験を積む中で、鮮明にイメージできるようになってきました。それこそPdMをやるようになって、自分が責任を持たなければならないと感じる領域がすごく広がっている感覚があるんです。
以前はエンジニアとして、何をやるかが決まった状態で「この機能をどのように開発するべきか、どうすれば効率的にできるか」といったところだけに目が向いていました。正直、「事業全体のKPIを追おう」などと考えたことはほとんどなかった。 でもPdMになって「そもそもなぜやるのか?」というところから考えるようになりました。ビジネス側のメンバーと深く議論する機会も増えて、自分の中では「視座が1段階上がった」実感があります。
ただ、これはまだ通過点です。経営者になるために必要な視座は、ここからさらに何段階も上にある。だからこそ、これからも視座を上げ続けていきたいと思っています。

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