不憫で愛すべき無駄について #UPSIDERアドベントカレンダー2025
AI経理事業部Yamoです。これは、UPSIDER Biz アドベントカレンダー 2025 12月16日公開の記事です。
#UPSIDERのアドベントカレンダー2025 では、Tech・Biz・Corporate の3つに分かれて、それぞれのチームメンバーが日替わりでさまざまな内容をお届けします。
Techはこちら:https://adventar.org/calendars/12202
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ヴィンテージのように深く
あと4年もすれば30歳になる。正確に言うと3年と4ヶ月。
ガキの頃は遥か彼方のおじさんだと思っていた年齢だが、いざその背中が見えてくると、自分は赤ワインのように芳醇で渋い男になれているのか、正直かなり怪しい。
なんで赤ワインかって?
「赤ワインみたいに、歳を取れば取るほど魅力的な男になってよね」と、彼女に釘を刺されたのを思い出したからだ。
「モノが生まれて30年経って、ようやくヴィンテージと呼べるんだぞ。」
少し前に三軒茶屋の古着屋で言われた言葉を思い出す。確か、『お好み焼き 緒駕多』の近くだったかな。
その定義で言えば、俺自身もあと少しでようやくヴィンテージの入り口に立つことになる。若者が憧れるヴィンテージという響き。俺もその魅力に魅せられた一人だ。
ヴィンテージの服はもちろんのこと、家具やLP。その時代から存在して、自分の手元にある。それだけで心の高揚が止められなくなる。
結局のところ、ミッドセンチュリーから70年代の空気が好きな懐古趣味なだけなのかもしれないけど。
遺伝子と「モノ」
古いものを好きになったルーツを辿れば、間違いなく実家の風景に行き着く。家に帰ればいつも、Earth, Wind&FireやABBA、沢田研二やツイストのレコードが回っていた。それは完全に母親の趣味だったが、針を落として音楽を聴くという『モノがある生活』の原点はそこにある。
一方、親父は気の利いたプレゼントなんてくれるタイプじゃなかった。
けれど唯一、ポイっとくれたのが『Levi's 501 XX』の大戦モデル。あれは6年前くらいだったか。
最初は「なんか汚いデニムくれたな」くらいに思っていたけど、今思えばとんでもないお宝だ。
面と向かって感謝を伝えるのは少し小っ恥ずかしいけれど、俺がデニムを好きになり、こうして古いモノに囲まれて暮らせているのは、間違いなくこの両親の遺伝子なんだと思う。
今度実家に帰ったら、照れ隠しに「いいセンスしてるやん」と上から目線で伝えてみようかと思ってる。
今考えると、自分が一番最初に着たいと思って袖を通した服は何だったかな。多分、「ファッション!」という文脈の服じゃなかったと思う。
ディッキーズのワークパンツ874だったり、リーバイスのデニムだったり。
着飾るための衣装というよりは、生活のための、『モノ』だった気がする。
そのせいか、流行り廃りよりも、時間の蓄積が宿るものに惹かれ続けているのかもしれない。モノはあまり買わない方だ。だからこそ、自分の『好き』に対する頑固さは大切にしたい。
Sweet Defeat
休日は基本的に外に出ることが多いが、初めて足を踏み入れるヴィンテージショップには、好きなあの子に会いに行く時のような、独特の緊張感と期待感が入り混じる。お腹が痛くなる手前の、あの感じ。
大体いつもイケてるチョッパーが駐車場に並ぶ、三軒茶屋の『US』で買ったUSAF(アメリカ空軍)のジャージセットアップは、まさにそんな出会いだった。
春秋の船上で風を受ける俺の身体を守ってくれる相棒。いつか子供ができたら「これ、パパの戦闘服」と言って譲りたいと思ってる。
一方で、何度も店に通っては諦めたものもたくさんある。
例えば、ブルース・ウェーバーのフォトT。あのエモーショナルでセクシュアリティを兼ね備えたプリントに出会うたびに、首元を抱き寄せては「まだお前には早いよ」と突き放されているような気がした。値段を見て財布が悲鳴を上げただけかもしれないが、あれは失恋に近い感覚だった。
だけど、欲しいものがすぐに手に入らないもどかしさや、小さな敗北。そういう「おあずけ」を食らう時間を経て、人は成熟していくのかもしれない。
もっと言うなら、そう言った苦い場面すらも、いつかノスタルジックな情景として思い出せるようになること。そういう記憶のレイヤーを積み重ねていくことが、大人になるってことなんじゃないか、と26歳と8ヶ月の未熟者は勝手に定義づけている。
『無駄』を愛すること
以前、藤原ヒロシが「ユニクロは最高のライフスタイルブランドだが、ファッションブランドではない。無駄なものを好きに身につけるのがファッションだ」というのをどこかの雑誌で話していた。
その言葉は、俺の言い訳として非常に優秀だ。
スマホをタップすれば数秒で音楽が聴ける時代に、わざわざ場所をとるLPを取り出して針を落とす手間。自動運転やEVが進化する中で、ガソリン車の振動と自分でハンドルを握るアナログ感。もっと言えばバックモニターなんかも要らない。
寝てれば目的地に着く未来が近い、などちっとも唆られない。それならタクシーでいいじゃんと思ってしまう。『体験』という質量が足りないからだと思う。
デジタルだAIだと言われる世の中だけど、俺はやっぱり『手のかかるモノ』が好きだ。かといって、仕事ではめちゃくちゃGeminiを使っているが、、
あくまでプライベートの話。
便利さよりも、手に入れるまでの物語や、不憫さの中にある豊かさを選びたい。
そうやって選び抜いた『モノ』たちと共に歳を重ねていけば、4年後、少しは味のあるヴィンテージな男になれているだろうか。
それとも、ただの『古い物好きな頑固オヤジ』になっているだろうか。
まぁ、どっちでも悪くないかな。
#UPSIDERアドベントカレンダー2025
株式会社UPSIDERのメンバーがお届けする、 #UPSIDERアドベントカレンダー2025 。Biz・Tech・Corporate の3つに分かれて、それぞれのチームメンバーが日替わりでさまざまな内容をお届けします。
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