「最恐のカリスマ」を見る
「回路」と「カリスマ」と役所広司
過日、黒沢清監督の映画「回路」(二〇〇一年)がBS松竹東急で放送されていたので、録画して視聴した。最近は、テレビ番組をそれが放送されている時間帯にそのまま見るということはとても少なくなった。今春で、いつも土曜日の夜に見ていた「ブラタモリ」が終わってしまうらしい。これによって、さらにまたリアルタイムの視聴の回数は減ることになるだろう。基本的に見たくなるような番組が少なくなったせいもあるのだが、だいたい見たいと思うものは事前に録画予約をしておいて、自分の好きなタイミングでゆっくりと視聴するということが多い。
テレビ放送される映画などは特にそうで、一気に全編を見ると(歳をとったせいか)疲れてしまったりもするので、録画したものをぶつ切りで何回かに分けて見ることにしている。今回の「回路」も三回に分けて三日がかりでじっくりと見た。この作品は、かなりぶっ飛んでいた問題作「カリスマ」(二〇〇〇年)の後につづく黒沢監督の映画であり、その序盤ではまた植物がいっぱいの温室(「カリスマ」の神保教授の研究室を思わせる)がある観葉植物の会社が物語の主な舞台となっている。そういった、それぞれの点と点がなんとなくつながりそうなにおいが冒頭から漂っている設定だけでもう、ものすごくぞくぞくしてくるものがある。
ここから先は
12,579字
この記事が参加している募集
「働き人がその報いを得るのは当然である」キリスト(ルカによる福音書 10:7)
