絶滅したと思われていた。モリセオレガメという亀
モリセオレガメという亀がいます。
フィリピンに暮らす、
とても珍しい亀です。
大きな亀ではありません。
甲羅の長さは30センチほど。
黒っぽい甲羅。
派手な模様もありません。
一見すると、普通の亀です。
でも、
この亀には驚くような物語があります。
長い間、見つからなかったんです。
研究者たちは思いました。
もう絶滅したのかもしれない。
森から消えてしまったのかもしれない。
誰も見つけられなかった。
記録もない。
目撃情報もほとんどない。

だから、絶滅したと思われていました。
ところが、そうではなかった。
森の奥で、生きていたんです。
人の目につかない場所で。
静かに。
ひっそりと。
ちゃんと生き続けていた。
見えないことと、
存在しないことは違う。
見つからないことと、
終わったことは違う。
モリセオレガメは、それを教えてくれます。

人間も似ている気がします。
しばらく会わなくなった人。
学校へ来られなくなった子。
仕事を休んでいる人。
発信が止まった人。
すると、つい思ってしまう。
もう終わったのかな。
もう戻れないのかな。
でも、本当は分からない。
外から見えなくなっただけかもしれない。
今は力をためているだけかもしれない。

森の奥で生きていた
モリセオレガメのように。
人は、見えているものだけで判断しがちです。
結果。
数字。
肩書き。
活動量。
でも、
見えない場所でも、命は続いている。
成長は続いている。
準備は続いている。
モリセオレガメは、
今日もフィリピンの森のどこかで生きています。
絶滅したと思われながら。
それでも、生きていた。
もしかすると、
人生も同じなのかもしれません。
見えなくなったからといって、
終わったわけではない。
立ち止まっているように見えても、
その人の時間は、
ちゃんと流れ続けているのだから。

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