【せりふ三題噺】レモンスカッシュな後輩と雑草の俺
うちの部署には、レモンスカッシュな後輩がいる。
――と言うのも、うちの部署は古い。
新卒の新人が、初日の朝にコンビニで買ったレモンスカッシュ。
それは、うちの理不尽な上司に目をつけられる理由になってしまった。
「社会人は水か、コーヒーだろ!!」
ほんとうに、寝言は家のベッドで言ってほしい。
この花びらの舞う季節は、上司が意味のわからない理由で新人を怒る季節だ。
レモンスカッシュの後輩は、もう名前ではなく「レモスカ」と、キレ気味で呼ばれている。
いわゆる、パワハラだ。
たぶんレモスカも、すぐ辞めるだろう。
俺の名前は草柳。
もちろん、あだ名は「雑草」だ。
「雑草! 新幹線手配しろ! はぁ? 執行役員以上しかグリーン乗らせねぇって規定にある? 知るか! お前より偉いんだから、格分けしろよ! 出来ねぇ奴だな」
――はあ、懐かしい。論理破綻した上司の言葉たち。
「雑草! レモスカのやつ、教育しろよ」
「鈴木部長。お言葉ですが、草柳は去年亡くなりましたよ」
「あぁ、そうだったか。最近の若いのは、ポンポン死ぬな」
会社なんて、もう長らく行ってませんね。
生きた、生身では。
