【せりふ三題噺】藤棚フジ子はブルベで嫌な奴だが、多分イエベでゲイの俺が好き。
藤棚フジ子はブルベで嫌な奴だが、
多分イエベでゲイの俺が好き。

藤棚フジ子はブルベだからか、嫌な奴だ。
あの肌の白さは、生まれた頃からずっと日焼け止めを朝晩浴びないとならないレベルだと思う。
凛とした吊り目と、クールなその見た目にそぐわないキュートな泣きぼくろが特徴的だ。
青みがかった綺麗な長髪は、正直ケアを教えてほしい。
藤棚一家はここら辺では有名な一家で、藤棚母はその美貌でミスジャパンの優勝経験がある。
もちろんそんな母の子である藤棚フジ子は、長身ナイスバディの顔面国宝。
欠点は、圧倒的にその高飛車な性格だ。
高校入学当初は持て囃されていた藤棚フジ子は、今では学校中が怖がる一軍女子になっていた。
(怖すぎて一軍でも浮いている)
「ねぇ、なに見てんのよ」
教卓で教室を我が物のように一軍と話していた彼女が、俺に近づく。
「きもすぎるんですけど。なに、私の美貌に圧倒されてるの?身の程知らずで、きっしょ」
あぁ、ほんとに神様は人間で遊ぶのが上手だ。
あとちょっと藤棚フジ子が優しかったら、この世界は彼女のものだっただろう。
無視だ。無視に尽きる。
「なによ、私様が話しかけてやってるのにその態度。ちょっと顔がいいからって、調子乗らないほうがいいわよ?」
そうなのだ、俺は顔がいいのだ。
それもかなりの、女子ウケキュルルン犬系男子。
健康的なイエベだが、肌は白い方。
高身長。お母さんに指定された髪型。
本当にモテまくる。女子に。
違う違う。
俺は男子にモテたいのに。
女子はなんか俺で揉めるし、
カミングアウトしても、揉めたのを丸めるためにそう言ってる設定にされるし。
正直、まじでゲイだ。
「ほんとなに?なんで無視すんの??」
俺の上履きを踏む。
本当にヒールじゃなくてよかった。
うちの学校は、サンダルとスリッパの中間みたいな形の上履きなので、そこまで痛くない。
藤棚フジ子の顔が、ちょっと赤い。
「別にかまちょじゃないから!!きしょすぎるから、そのきしょさを注意しただけだから!!」
本当に残念な女だ。
さすがの俺でも、少しイラっとする。
ちょっとかましてやろう。
ふっと顔を近づける。
藤棚フジ子は、ブルベのくせにもっと赤くなる。
お父さん譲りの甘いこの声を最大限に生かして、彼女の耳元で囁く。
「ここだけの話だよ。」
彼女はビクッとする。
「諦めなよ、実は俺、、」
「もう!!!!なによ!!!別に照れてなんかないし!なにを諦めるのよ!!好きじゃないし!!!近づくなきっしょきっしょ!!!」
はぁ、ほんと。
てなことで、ラノベとタイトル風に言うと、
「藤棚フジ子はブルベで嫌な奴だが、
多分イエベでゲイの俺が好き。」
個人的にこの話めっちゃ好き
漫画あったら読みたい
