おっぱいを診に来る何か
たまには怪談でも投稿しときますか。
年始のオープンマイクで喋った怪談。
私、もう辞めちゃったけど看護師なんです
新卒で入職したのが、とんでもない山奥の病院でした。車を持ってないとどこにも行けない。病院の前にちょっと大きめの薬局がひとつあるだけなんです。
だから新人看護師は、看護師寮に入っている子が多かった。平日は寮にいるんですけど、土日は家族が迎えに来て買い出しをして、それで5日間耐え凌ぐという具合なんですね。
私は、自分の部屋のある4階フロアが、最初から嫌だったんです
というのも、誰もいないのにインターホンが鳴るんです。ピンポンて鳴って扉をあける。誰もいない。そうすると隣の部屋からピンポンとなる。設備管理科に行って、点検してもらっても一向に改善しない。
山奥すぎてみんな買い物に行けないから、昭和の風景が再現されるんです。水曜日やけど味噌がないから隣同士で貸し借りするとか。隣の子が味噌を借りに来て、扉をあけて待たせていた。
「味噌ってさ、毎日いる訳ちゃうやろ?今日の分だけ?それとも3日分?」てキッチンから大声で呼びかけたら、ピンポンて鳴ったんですよね。
「正解は越後製菓ちゃうねん!ピンポンで返事するのやめなさい!」と呼びかけたらまたピンポンと鳴る。
キッチンから玄関の方へ顔を向けてみると、隣人が目を見開いて、インターフォンの方を見ている。
言うんです。「私、押してないのに勝手に2回も鳴った!」
私が「そんなことある!?」と聞くと、誰もいない隣の部屋から「ピンポン」とチャイムの音が鳴りました。
7月くらいになると、夜勤が始まったり、車を持っている人と友達になったりするから、土日に絶対に実家に帰ることが無くなるんです。
私はカリキュラム的に関係なく土日休みだったんですけど、土曜日に寮にいる子達から変な噂を聞きました。
夜中の2時。寝てたら金縛りにあって部屋の隅におじさんが立ってる。そのおじさんていうのも、みんなそれぞれが想像する任意のキモオジなんですよね。
そのおじさんが何をしに来るかというと、おっぱいを触りに来るんです。触り方が、乳がん検査の触診のようなんですよね?胸を強く押すように触ってくるんです。
そして、一通り触診が終わったら顔に指を差してきて「B」とか「C」とか、要はカップ数を当ててくるんです。
私達も一応看護師じゃないですか?だから、色んな噂がたちましてみんなで考えてみた結果。妻か娘を乳がんで亡くした乳腺外科の医者が、乳がん撲滅のために触診して回ってる。もしくは小林麻央ちゃんのファンの乳腺外科の医者ていう人物像が浮き上がってきた。
職務を全うしすぎやろ、とか、何がどうなったらあの乳腺外科医は成仏するんやろ?などと色んな噂と憶測が飛び交いました。
でも、事件が起こりました。
うちのフロアにめちゃくちゃ気の強い女がいるんです。彼女、少し胸が小さいの悩んでたんですよね。毎日サプリ飲んだりナイトブラつけたりとにかく努力を重ねてたんです。その日、下着屋に行った。サイズを測ってもらったら1カップ上がってたんです。その日の夜ですよ。おじさんが現れて触診する。「A」て言ってきた。
下着屋で測ってもらったらサイズと違うわけです。
その子とんでもなくブチギレちゃって「お前はなんなんや?触診に集中せんかい!なんならちゃんとはかられへんくせに偉そうにカップ数二度と言うな!大体お前キモイんじゃ!身なりを整えろ!」てボロクソに言った。そしたらおじさんシュンとして消えていったそうです。
翌週の土曜日。いつもとちょっと違うてみんなが言うんですね?
おじさん触診する。
「び、C」
「ううううううううんB!」
1カップから2カップサイズを上げて言ってくるようになったんですって。
幽霊も気ぃ遣うねんなーと思った話でした。
