AIもレシピをつくる時代に、理想の味を作れるようになる方法

どうも!キャロットケーキに狂わされたものです!
このnoteを読み終える頃には、あなたも「自分の理想の味」を言葉にして、AIと一緒にレシピとして形にできるようになっているはずです。内容はキャロケに特化して進みますが、キャロケに限らず、パンでもクッキーでも、「なんとなく手作りだから美味しいもの」を「再現できる理想の味」に変える方法として使えます。
正直に言うと、わたしが試作を始めた頃は、AIが出してくるレシピや提案の精度はそこまで高くありませんでした。何度も的外れな提案しかしないので、計算機程度にしか使っていませんでした。
でも今は違います。AIの精度は驚くほど上がっていて、同じ方法を使えば、忙しくて試作に何十回も時間をかけられない人でも、かなり早い段階で満足度の高い味にたどり着けるはずです。
実際わたしは、産後まもない、寝る時間すらままならない時期にキャロケを作り、気づけばカフェをするまでになりました。時間がなくても、経験がなくても、自分の理想を言葉にしてちゃんと改善していけば形になる。それがこのnoteで一番伝えたいことです。
キャロケって何?
キャロットケーキ?キャロケ?聞いたことはあるけど、本当ににんじんのケーキなの?と思った方のために、ちょっとだけ説明させてください。
キャロットケーキとは、すりおろしたニンジンを生地に練り込んで焼き上げたスイーツです。シナモンなどのスパイスが効いたしっとりとした生地と、上にトッピングされる甘酸っぱいクリームチーズのフロスティング(アイシング)の組み合わせが特徴です。キャロットケーキの主な特徴材料と食感:小麦粉、植物油、卵、砂糖などに、たっぷりのニンジンを混ぜ込みます。バターではなく植物油を使うことが多く、ニンジン特有の自然な甘みとしっとりとした食感が生まれます。
こういうものです。ハンター試験に出てきても、まあ100人中99人に確実に美味しくつくってもらえる、とっても丁寧な説明です。
そう、キャロケはとってもシンプル。
にんじんを削る、粉を混ぜる、焼く。その中に、なんのスパイスをいれる?にんじんはどんなものを?あまさはどれくらい?上にのるフロスティングは酸っぱい?
まあ、差はあれども、それくらいの違いなんです。
それくらい…なんですが食べ歩いたら味が全然違う…不思議。
食べ歩いて、わたしもキャロケをつくって売りたい!と思ったので、わたしは理想の味を追い求めることになりました。
では、つくっていきましょう!!
1. 市場調査〜理想の味を軸をもとに考える〜
やること
◯市場調査
◯食べて感じたことをメモる
◯理想の味を言語化する
◯食べて感じたことをAIにまとめて投げる
◯軸をつくってもらう
えっ?いきなり市場調査??在宅で、AIとできないの?!
そう思ったあなた!一次情報はめちゃ大事!マーケティングは差別化から!!ということで、どこを尖らせるかを考えましょう。食べる経験を増やすのみ!!
まずはお店で、すでに販売されているものを口にして、気づいたあなたオリジナルのキャロケの情報をインプット。そこから、「じぶんはこんな理想の味にしたいな」を導き出します。
食べ比べて感じた、わたしの理想の条件は以下です。
ここだけは譲れない点を3つだけ決めて婚活する感じなので厳しくジャッジしてください。できれば短期間で多く味比べするほうが記憶にも新しく正確に評価できるので良いです。わたしは5日で10個食べました。
わたしの理想のキャロケ像
・米粉100%
・しっとりタイプである(べちゃっとはしない)
・こっくりとした甘みがしっかりある
・スパイスはシナモンがすき
・香ばしさのためにくるみは必須、レーズンはいらない
・もういらないと思わない量でおいしく食べ切れる
上記は例ですが、これをもとにすると判断ができます。
あれ、やっぱり小麦粉にしたいな、、と思ったら途中で変えてもいいですが、基本はこれを作る!実現する!と決めて、ここを目指して試作していきます。
いきなり言語化するのが難しい!こんなぼんやりとした指標があってもイメージが沸かないという場合は、食べ歩いたの情報をAIに投げてマップを作ってもらいましょう。
「5日で10種のキャロットケーキを食べた。」
この内容から、各店のキャロットケーキの縦軸、甘い・あっさりさっぱり、横軸、もちもち、ざっくりほろほろの食味マップを作れますか。
一度この軸で評価してください
これでできるのが下図
これが、食べ歩いた中でできたポジショニングマップです。わたしの目指す味はここじゃなくて、こっちかな?と考えやすくなるはずです。この時、インプットする情報が多ければ多いほど、自分の理想の味の場所が明確になります。

わたしは左寄り真ん中、下寄り?

多少めんどうでもこの市場調査が1番大事だと思ってます。自分のものを作るには、まずは今すでに市場にあるものを知ってから!
これが大元の設計図になるのでここで細かく決まっていると、後からブレなくて楽です。
2. ベースの味を作る
やること
◯ 基本のレシピをつくる
設計図ができたら、まずは基本をつくってみましょう。
世の中にレシピはいくらでも転がっています。
まずはそれを真似してみます。わたしは米粉で作りたかったのでシンプルな米粉のキャロットケーキのレシピを作成してとGeminiに依頼しました。
それを、ChatGPTに画像にしてもらったものがこちら。

いやーーーーもうこれでいいですよね。てゆうか、もう、これが全てでは??と思う完成度。このまま作ればまず、失敗はしません。それがレシピの凄さ、先人たちの知恵です。ですが、これを作って、食べてみて、自分好みにしていきます。
3. トライアンドエラーを繰り返す
やること
1回目
◯ レシピ通りつくる
◯ レシピの量をメモる
◯ 食べた感想をメモる
2回目以降
◯ 変更した分量をメモる
◯ 食べた感想をメモる
◯ 次の変更点を考える(できるだけ要点をしぼる)
2のシンプルレシピを自分の理想の味に近づくように試作あるのみ!!
おすすめの方法は、変更したいポイントを決めたらそこだけ変えることです。はじめに作った理想軸に落とし込んで軸1項目ずつ変えるのが良いでしょう。これもAIに依頼したら軸に落とし込んでくれます。
わたしの1作目の場合、きび砂糖でつくって、全然理想の甘さじゃなかったので、次からきび砂糖と、粒度のある黒糖2種類で作りました。甘さを変えると決めたら甘さだけ変えるが良いのですが、1作目から2作目は全ての項目が理想から遠い場合があるので何項目か変えて、調節しましょう。
自分の記憶を頼りに、よりよい選択ができるように、毎回のレシピと、メモを取ることを忘れずに!!!
レシピを無視すると結局遠回りになることも。
自分で言ってることを、それでもわたしは無視して、
「製菓用米粉なんて家にないやい!」とスーパーの米粉で焼いたらボソボソになりました!


第1作目 1日目 米粉のキャロットケーキ
こだわりはきび砂糖でグラニュー糖不使用、シナモン多め。オイルは米油、粉は米粉。
フロスティング、日向夏を入れたクリームチーズ。
感想:米粉ってわかって食べると舌触りが違う。くるみ入れてアクセントつけた方が良さそう。
ぱさぱさだけど、にんじんのおかげか割としっとり、一晩寝かせたから?でも粉がよくないから?なんか、脳の前がうってなるし喉の奥に細かい粒子がずっと残る気がする、気のせい?
原材料の米粉をスーパーのものから製菓用へ変える、ということもありますが、量を調整する場合は10%ずつ程度変えていくことをおすすめします。


2作目 2日目
粉を変えたら明確に変わった。もっちもち!ただの米粉からちょっといい製菓用米粉にした。米粉にする上での懸念がボソボソ感だったけどそれが消えている。
甘さもきび砂糖に黒糖を足したら、かなり理想!
ザクザク感が欲しくてくるみ乗せて焼いた。マルシェで売るには個包装したときのビジュの問題で上にフロスティング乗せれないので!食べて被りたくない逆算から、うちのキャロケの特徴はこれ!っていうのが2作目でできてしまった。うれしい。
食感が一気に改善されたので、ほぼ理想の味にするにはチューニング程度になりました。
ここから、味の深みを材料で変えたり、スパイスを足したり、食べた後の重さを考えたりしていきます。


5作目 5日目
大きくレシピは変えてないけどオーブンの温度と焼き時間を変更。
もちもち感が逆に気になったのでもうちょっとざっくりさせたかった。まあベターではあるけど、ずっとおいしいって感じで明確な違いにはなってない?おいしいから良い?次はスパイスを足しすぎない、ざくざく食感はくるみ増量でちょうど良いかも。
やっぱり甘さが大事なので黒糖の種類をこだわりたい。あとは塩?
できれば試作も味を忘れないうちに短期間で多くやったほうがいいですね。嫌にならない程度に!!
あとにんじんをチーズグラインダーで粗めに削ってみたり、にんじんを粒で入れてみたり、試行錯誤できる点はいくらでもありましたが、自分の作る大変さのコストとおいしさを天秤にかけることも忘れずに!!!
こんなに努力が必要なのに、こんな程度の+αか…と思ったら改良しないほうがいいかもです。
キャロケワンポイントアドバイス
ここでキャロケならではのアドバイス!他のレシピでも、食材によって特性があるので、これも先人の知恵に頼りましょう。例えば、にんじんは水分が多いので、量を増やす時は砂糖と油も一緒に増やさないと生地がいい感じに保てません。
なんでこうなった??と思ったら、AIに聞いてみたら意外と解決するかも!
まあ、雑に聞いてみましょう。
このレシピをより、ざっくり食感で、コクの深い味に改訂して、結果を教えて。また、画像生成して。

こんな完成度の改善レシピがでてくるとは…わたしが理想を追い求めて何度も試作していたあの努力は…?となるクオリティですが、焼いてみないとほんとうの理想かどうかはわかりません!でも、しっかりとにんじんの量に比例して、砂糖と油も増えてるね?
このように、1で作った味をもとに改善レシピを、AIに依頼して作ってもらっても精度は高いです。
その分、こだわりを自分でつくるのも大切。
わたしのこだわりポイントとして、風味のある蜜漬けオレンジピールを入れることでアクセントにしていました。
これは市販のものだと香りが出なかったので1から皮を剥いて作りました。
1回作ってから考える、焼いたあとで出てきた理想も掬い上げる、諦めの悪さが必要です。
…とか書いてて、どう変更をかけてくるのか気になるので、再度、AIに投げてみました。
これにこだわりの味として、柑橘風味を足したいです

しっかりと、「皮」をすりおろして入れろ!と言ってきました。わたしが試作してたどり着いたと思っていたのに…!
しかも、レモンとオレンジの2種?!すごく本格的になりそうです。この発想はなかった!しかも、スパイスを追加!柑橘にあうカルダモンも入れた方がいいと言ってきました。さすがです…!(お手上げ)
こだわりの味を作る時は、きりがないこともあるので、どこかで予算との折り合いもつけてくださいね。
4. 人間に食べてもらう
自分のこだわりの味ができたら、あとは家族、友人、忖度ない意見を聞ける人に食べてもらいましょう。
自分の理想が強くても、万人受けすることも大切です。実際に食べるのはヒトなのでその意見を聞くことが1番大事!!
そうしてこうして完成したものがこちら。



「オリジナルキャロケ」は初めはパウンドケーキ型で焼いたものを切っていたのですが、包装に手間取り改善しました。切り口から、ボロボロと崩れたりもするんですね。楽にもう少し統一感が欲しくてカップケーキ型にしました。
さくらキャロケと、キャロケスコーンは友達に食べてもらって、「季節の味がほしい。」「卵アレルギーだから、ケーキを食べられない。」という二つの意見から、新たに派生したメニューです。キャロケそのものの味に関しては多くの反対意見がなかったので別レシピになりました。
人間と向き合うとこういう、見た目と実用性とか、味と別の風情とか、そもそもアレルギーで食べられない可能性とかが出てくることもありますね。なので実践後に、食べてもらうことは必須です!
5. まとめ
キャロケじゃなくても、この作り方は使えます。理想を3つだけでも決める。先人のレシピを一度信じて真似る。1項目ずつ変えて、記録する。人に食べてもらう。それだけです。
AIはレシピを簡単に教えてくれますが、正解をくれる魔法ではありません。理想の味迷路からの脱出を助けてくれるサポーターです。
市場調査のマップも、ベースレシピも、画像化も、全部「自分の理想」を言語化する手伝いをしてくれただけ。決めるのは結局自分になります。
たとえばハンバーグでも使えます。
理想の条件を3つ決めるとしたら、「肉汁が溢れるジューシータイプ」「味は濃すぎず玉ねぎたっぷりあっさり」「ソースは和風、デミグラスじゃない」とか?
まずは基本のレシピを一つ信じて作ってみる。そこから、つなぎのパン粉を豆腐に変えてみたり、肉の配合を黒毛和牛に変えてみたり、1項目ずつ試して記録する。それを家族に食べてもらって、「もう少しトマト味が濃い方がうまみがある」なんて意見をもらう。キャロケでやったことと、何も変わりません。自由研究みたいですね。
もしあなたにも「なんとなく好きだけど言葉にできていないもの」「いつか再現したいあの味」があるなら、まずは5日間10個と言わず、1週間で3個食べ歩いて、感じたことを書き出してみてください。それが理想の味へとつながります!!ぜひ、みなさんも自分の人生に残したいようなレシピをこの機会につくってみてください。
