Realigi (レアリーギ)━━世界が誰もに微笑むなら━━ 0|序章
夜の海はいい。昼の海や空━━青。それを黒く隠してくれるから。
揺れる波を船尾から眺め、彼は紫の瞳を静かに伏せる。
十五年過ごした島から遠ざかり続ける船のデッキで、呟いたのは、生涯でただ一人、愛した女性の名前……
「何をしている!?」
少年は穏やかな笑みを浮かべ、やってきた青の瞳の人々を振り返る。
「奴隷《どれい》の分際で、勝手な行動は・・・・・・」
軽やかな鳥のように、彼は欄干《らんかん》を乗り越える。僅《わず》かに足を踏み出せば、海へ転落するであろうその場所で、少年はやはり奇妙に凪《な》いだ瞳をしている。
その紫色の瞳からしずくのような戻が、海風に乗り、空に散る。
母なる海は、両腕を広げ、やってくる我が子を抱きしめた━━……
第一部 第一章 第一話 「生きているのですよ」
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