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いま、「タイトル未定」というアイドルを語りたい。~あなたに聴いてほしい楽曲13撰+α~

まえがき

 本稿は、こちらの記事から主にグループ・楽曲面にフォーカスし加筆修正を行い再構成した記事です。既にリンク先を読まれている方は重複する箇所が非常に多い内容となっております、ご容赦ください。
 彼女たちの魅力と楽曲を伝えるため「もうちょっと分かりやすい」「このグループの楽曲が誰かに届くような文章」を心掛けたうえで、改めて「おすすめ紹介」を書けたらな、と記事作成に至りました。何卒よろしくお願いいたします。


「タイトル未定」とは?


 早速ですが、アイドルグループ「タイトル未定」を紹介させてください。     

 タイトル未定は、2020年4月に結成された北海道札幌市発の女性アイドルグループです。「何者かになろうとしなくていい。 何者でもない今を大切に。」をコンセプトに活動しています。  

 昨年の冬、彼女たちが出演した音楽番組を視聴し「これは生のパフォーマンスが見たい」と本能的に感じ、とある関東の対バンライブにて彼女たちの生パフォーマンスを数曲ではありますが観賞しました。
 その結果、関東在住かつ遠出が苦手の筆者が「この方たちのワンマンライブが観たい」のためだけに、人生初の北海道フライトを日帰り(未遂だけど)決行したほど、魅力に溢れたグループです。


以下、在籍する5人のメンバーについて。

◯冨樫優花さん

 北海道出身、黒髪ボブがトレードマーク。別名義のユニット、otsumamiでもフィーチャリングボーカルとして精力的に活動されています。
 彼女はなんといってもパフォーマンスが衝撃的。ウィスパー風味な声質が印象に残る方ですが、ライブを観れば分かる通り、楽曲ごと自在に姿を変えてしまうボーカリストです。たったワンフレーズで可愛いにも癒しにも儚いにも鋭いにもなれる。こういう方を表現者と呼ぶのでしょうね。

 先日お誕生日を迎えられたとのことで、おめでとうございます。otsumamiライブ行きます。
けっこうファンの感想コンテンツとか気にしてくれてる方で、特典会でお話した時不意にその話されてびっくりしました。うれしいです。


◯阿部葉菜さん

 グループで唯一の埼玉県出身。グループ加入のために埼玉から北海道へ移住するバイタリティの持ち主です。
 幼稚園教員免許を取得していることもあってか、その朗らかな人柄でライブMCやラジオ番組など、先頭に立ってグループを引っ張る姿が魅力的です。ストレートで澄みやかな、かつパワフルな歌声が印象的。スーパーボーカリストかつタイプの違う冨樫・阿部の2人を擁しているのは間違いなくこのグループのストロングポイント。

 冠ラジオの開始が決まったあべはなさん。おめでとうございます。初回聴きましたがめちゃよかった。


◯谷乃愛さん

 北海道出身。2021年2月よりグループに加入しています。近々では活躍の場をグラビア界にも広げています。
 キュートなボーカルで、楽曲にアクセントをつけてくれる存在…だけではなく、実はこの方生歌のピッチが半端ないんです。「歌いながら踊ってファンサする」というマルチタスクの極みをしれっと高いレベルでこなしているすごい人。

 アイドル好きのアイドルな谷さん、弊noteフォロワー向けに言うと日向坂46では小坂菜緒さんと正源司陽子さんが推しメンらしいです。わかる。


◯多田萌加さん

 北海道出身。2024年12月に新メンバーとして加入しています。「SNOW CRYSTAL」というご当地アイドルを経験されており、その後もタレント、レポーターとして活躍されているようで道内知名度が高い方。
 もともとタイトル未定のファンであったことを公言しており、先日のライブで自分のことを「成功したオタク」と言ってました。
 過去に所属していたグループではリーダーをされていたそうで、加入後早々にMCなどで大活躍。頼りになりつつも、ゆるふわ癒しお姉さんな雰囲気がギャップですね。そしてライブを重ねるたび明らかに歌がめちゃくちゃうまくなっています。のびしろです。

 先日横浜で開催されたワンマンライブ「port」にて、『花』のイントロ煽りで「自由に楽しんでください!」という煽りがとても格好良かったです。
特典会でそれを伝えたらチェキに「じゆうに!」って書いてあった。かわいい。


◯山下彩耶さん

 北海道出身、多田さんと同じく2024年12月に加入されています。
アイドルグループ「夢みるアドレセンス」の元メンバーで、『メロンソーダ』という楽曲ではセンターを務めていました。
 全体のグループイメージと比べちょっとやんちゃな雰囲気も感じ、それが5人で集まったときのいいアクセントになっています。「この素材をグループでどう活かすか」という伸びしろを見据えた意図なのかもしれません。
 そしてやはりパフォーマンスは存在感バリバリ。ボーカルも試行錯誤しつつ楽曲を意識して歌われているのが伝わります。グループのラジオ等を聴くと、キャリアの長さからも伺える、礼儀正しくしっかりした一面も見受けられ「オタクに優しいギャル」としての立ち位置が今後確立されるかも。

 ライブ中の幕間など、冨樫ちゃんときゃいきゃいやってる二人の姿が個人的にツボです。それで助かるオタクの命があります。



楽曲紹介(13曲)


 そして、筆者がこのグループに現在熱量を注いでいる理由は、間違いなく「楽曲と、それを披露する彼女たちのパフォーマンスが素晴らしいから」につきます。この楽曲たちが、皆さまにも届いてほしいと思うばかりです。

 以下、現時点で彼女たちが発表している31曲(うちリリースなし4曲)の中から、近々の対バンやフェス、ワンマンライブでよく披露されている楽曲をセレクトして紹介します。気になった曲がありましたら、ぜひお耳に留めていただければ。そしてライブに足を運んでくださったらうれしいです。


①『鼓動』

作詞:松井広大 作曲・編曲:江畑兵衛(TRIPLANE)
(2020.12 配信 / 2021.05 会場限定販売アルバム『青春群像』収録)
※2023.09 全国流通版『青春群像(2023 ver)』に再録ver.が収録

全曲ではないのですが、公式でおしゃれな歌詞カード画像が上がっています。
https://x.com/MiteiTitle/status/1335583892305137665)より

 彼女達の名を押し上げた、昨年のFNS歌謡祭で披露された楽曲です。上述しましたが、筆者はこの楽曲パフォーマンスを観て「この人たちの歌と曲を生で浴びたい」と感じた結果、いまに至ります。
 いい楽曲を懸命に、笑顔で、堂々と歌うその姿がそのまま彼女たちの確かな魅力になっている。心からそう思いました。

 視聴時点で名前は分かりませんでしたが、黒髪ボブの子はフレーズ一つで持って行く存在感がある。ポニーテールの子は溢れ出る感情がストレートに歌として乗ってる。ロングの子はこの強い楽曲を背にアイドルとしての自分を誇り高く魅せている。

 "届けたい歌があるから 心を言葉に"
 ”話したい未来を作ろう"
 ”好きには 嘘つくなよ もっと 鼓動”

 そんな彼女たちが歌うこの詞が、心の底から楽曲として出力されており、筆者はこのグループに運命的なものを感じたのです。

 そして、シンガロングやC&Rに苦手意識を持っている筆者も彼女たちのパフォーマンスに応えたいと素直に思えた、そういった意味でも「わたしという人間が動かされた」楽曲です。

 あなたと、あなた達の歌が届いた結果、こうしてキーボードを叩いたり急遽北上したりだいぶ想定外のイベントが筆者に起きてしまいました。
「いい曲」と「いい歌」は、誰かを動かします。


②『踏切』

作詞:リリィ、さよなら。 作曲・編曲:青葉紘季・大山聖福
(2020.05 配信 / 2021.05 アルバム『青春群像』収録)
※2023.09 全国流通版『青春群像(2023 ver)』に再録ver.が収録

https://x.com/MiteiTitle/status/1258752232679342088/photo/1)より

 その名の通り踏切のSEから始まるグループのデビュー曲。流麗なピアノと爽やかなアコースティックギター、内省的でもあり着地は確かな希望である歌詞、シンプルに良いメロディ。デビューから現在まで一貫しているこのグループの作風がとても好きです。
 マウンドに立つ第一球目が「だけど そんな強くはなれないよ。」というワードなのが、根拠のないポジティブではなく少しずつ、寄り添いながら歩を進めていくこのグループのスタンスなのかなと感じます。

 作曲では「坂道シリーズ」の楽曲を多く手掛けている青葉紘季(別名義:aokado,A-NOTE)さんがデビュー初期から現在まで参加しており、その点も筆者がこのグループの楽曲に溶け込めた理由の一つです。

 いやでも、デビューからこんな素晴らしい曲があって、しかもこれが基準になっちゃうんですよ。そしてその後の楽曲がこれに平気で並び立つんですよ。そんなのズルくないですか。


③『花』

作詞:karasu 作曲・編曲:青葉紘季・大山聖福
(2023.03 配信 / 2023.04 全国流通シングルリリース)

 筆者が彼女たちを知ったきっかけの楽曲です。当時、リアルタイムで聴いてはいたのですが2年後こんなハマり方をするとは。
 全国流通としては初めてのリリースとなるシングル表題ということもあり、メンバーも「第2のデビュー曲」と評していたようです。

 フェードインから爽やかに鳴る華やかなイントロ。新しい季節を告げる詞が心地いいリズムに乗り、Bメロではお洒落にピアノがフィルイン。リズムパターンを変えた二段構えのサビ。そして曲を通じて変わらないのが「最初からラストまでずっと良いメロディ」。

 MVはストーリー仕立てで、彼女たちが出会い、夢の舞台である札幌ドームを目指すという内容です。札幌ドームのキャパは約5万人。途方もない数字ではありますが、彼女たちの素敵な楽曲はこの人数を全国から北海道に集めるにふさわしいと本気で思っています。
 その1/50000でもこの記事が何かしら貢献できていたら光栄です。


④『栞』

作詞・作曲:山崎あおい 編曲:鶴崎輝一
(2023.04 配信 / 2023.04 全国流通シングルリリース)

 『花』と同時に全国流通シングルとしてリリースされたシングル表題です。作詞曲に北海道出身のシンガーソングライター、山崎あおいさんを迎えています。このグループは地元繋がりで縁のある作家をツモれるのが凄い。いい曲の積み重ねがいい作り手を呼ぶ好循環。

 長調のミディアムな曲調ですが、この儚さを演出してるのは絶妙なキー設定と随所のセブンスでしょうか。聴きやすくかつ「湿っぽくなりすぎない、でも切ない」雰囲気が匠のワザとしか言いようがない。

 そして歌詞。口の気持ちよさと言葉選び、その上でストーリーテリングがスムースに進んでいく大傑作。青春の機微をポラロイドで切り取り、栞にして"Stay Blue"…ポップソングとしての大衆性を担保しつつ、普遍的かつ美しいこのワードチョイスは参りましたというほかありません。
 個人的「タイトル未定で一番の歌詞」を選ぶのであればこの曲です。


⑤『群青』

作詞:青葉紘季 作曲・編曲:青葉紘季・大山聖福
(2024.03 配信・全国流通シングルリリース)

 真っ直ぐに、誠実に、「いいメロディといい歌」なミディアムバラード。
 サブスク全盛時代に適した表現ではないかもしれませんが、フィジカルのリリースとしては最新シングルです。この愚直すぎるとも言える楽曲をシングルカットするのがこのグループの精神、なのかなと。「日本のアーティストがポップスで勝負する矜持」であると思います。
 MVも「寄り添ってあなたの側に居る」内容でこのグループがファンに向けたスタンスをこれ以上ないほど表現しており、どこまでも誠実。

 この曲は、ライブで観てその真価が問われる楽曲だと思います。「いい曲」を「いい歌い手」が唄うことで、それを聴き手が直接受け取ることで、音源の比にならないエモーショナルが産まれる楽曲だと思います。
 逆に言えば、歌唱スキルが直接楽曲の説得力に接続してしまう、言い訳ができないとんでもない曲でもあり。転調後の大サビまではひたすらソロの応酬でありつつも、声質やフレーズを踏まえたパート分けが完璧。
 だからこそ阿部葉菜さんの力強いボーカルがサビで主役になれるのだと思います。グループとしての確かなチームプレイ。 

 いい曲といい歌を生で観たら、それはもう「良い」音楽体験。


⑥『壊せ』

作詞・作曲・編曲:江畑兵衛(TRIPLANE)
(2024.05 配信リリース)

 力強い、アップテンポかつキャッチーなメロが印象的な楽曲。ライブではいわゆる"タオル曲"として披露されています。間奏やアウトロではシンガロングパートがあり、会場に盛り上がりを呼んでくれる楽曲です。
 アニメの主題歌やスポーツの応援ソングなどのタイアップがついてもおかしくないこの楽曲、「まず最初にこの一曲」という入口としても胸を張ってオススメできる、非常に聴きやすい楽曲です。

 タイトルでもある「壊せ」というフレーズが非常に印象的なサビから始まり、力強い阿部葉菜さんのボーカルがマッチしています。特にアウトロでのシンガロングを背に、雲を切り裂いていくような阿部さんのロングトーンは間違いなく生で観るべき価値のあるパフォーマンスです。
 『鼓動』に続きロックバンド「TRIPLANE」の江畑兵衛さん提供曲であり、要所でずっしりと響くバンドサウンドが耳に残ります。『花』でも感じましたが、このグループの楽曲はドラムフレーズでエモーショナルを演出していると感じました。


⑦『溺れる』

作詞:青葉祐五・青葉紘季 作曲・編曲:青葉紘季・大山聖福
(2021.05 アルバム『青春群像』収録)
※2023.09 全国流通版『青春群像(2023 ver)』に再録ver.が収録

 帰着では明るめになるのが多いこのグループの楽曲群の中ではかなりシリアス寄りに振り切った一曲。ゆえにライブでは勝負手で出されるカードでもあり、場の雰囲気を一気に変えてしまう力がある楽曲です。

 この曲について筆者が言いたいのは「とりあえずサビまで、ワンコーラス聴いてくれ!」です。冒頭1分間、マイナー進行で水中に沈んでいくようなAメロ~Bメロの溜めがあり、サビ入り「パッと消えてった フワッと逃げてった」で一気にそれまでのフラストレーションを爆発させるかのようにポップになるメロディ。サビ終わり、その勢いを受けダンストラックに乗るのは水のように流麗なピアノの旋律。このカタルシスを初見で味わえる方が羨ましい、記憶消してもう一度観たい。

 また、この開放感溢れるサビへのブリッジであるBメロのラストフレーズを担当する谷乃愛さんの歌唱が明らかに上達しまくってるんですよね。公式にあるライブ動画よりも断然いまの彼女のほうが表現豊かにこのサビとの接続を力強く決めています。あべとがの二人がどうしても歌唱面においては目立ちますが谷さんも相当スキルフルかつ努力のメンバーですよね。


⑧『夏のオレンジ』

作詞・作曲・編曲:Keigo Nozaka
(2021.09 配信リリース)

https://x.com/MiteiTitle/status/1435543882960293888/photo/1)より

 タイトル未定、「アイドル楽曲大賞」の常連だったり、純文学風な曲名に敷居を感じる…みたいな方いませんか?(過去のわたしです、すみません)
 そんなあなたにおすすめなのがこの曲。ひと夏の暑さを笑い飛ばすかのような可愛気のあるサマーチューンです。陽気なブラスが印象的なサウンドで、特にフェスなどの場では定番曲となっています。

 ライブではメンバーの煽りでクラップできる箇所があったり、サビではこの曲独自の振付があったりする曲です(もちろん、振りに参加するかしないかはあなたの自由)。
 また、歌詞面ではDメロの"青とオレンジは夜になる"といった、具体的な情景が浮かぶ表現がひと夏の儚さを描写しており、ハッピーで溢れる祝祭感と同時にこのグループが得意とする切ないアプローチも演出されています。


⑨『蜃気楼』

作詞・作曲:リリィ、さよなら。 編曲:大山聖福
(2022.07 配信リリース)

https://x.com/lily_sayonara/status/1554100843427016705/video/1)より

 こちらも夏ソング。ボサノバ風のイントロからファンキーなカッティングを見せてくれる弦楽器のアプローチが気持ちいい楽曲です。
 サビのシンコペーション入りや要所のコーラスワーク、切れ味のいいフレーズがおしゃれ。「ゆらゆら~」のところでは振付でお客さんもいっしょに手を振る光景が印象的です。そこに参加するもしないも自由。
 無垢ゆえの危うさと儚さを表現しているアイドルソングの大傑作です。

 筆者的おすすめポイントは、とにかく「歌詞とメロの食い合わせ、語感がいい」です。初手Aメロ冨樫さんのフレーズで一気に楽曲の世界観に引き込まれます。

 3:48~冨樫優花さん、「共犯だね☆」のいたずらなボーカルアレンジと次曲に紹介する『灯火』のラップを生でくらった結果、筆者は冨樫さん推しになりました。


⑩『灯火』

作詞:上鈴木タカヒロ・上鈴木伯周 作曲・編曲:青葉紘季・大山聖福
(2022.02 配信リリース / 2023.04 全国流通シングルリリース)

https://x.com/MiteiTitle/status/1488868617953239043/photo/1)より

 横ノリのリズムが心地いいヒップホップアプローチな楽曲です。気づいたらこのグループで一、二を争うほど大好きな楽曲になってしまいました。
 なんと本作、歌詞提供に迎えたのは上鈴木兄弟(a.k.a P.O.P)。(タマフルからの流れで僕モテリスナーだった時期があり、個人的思い入れがあります)

 特にこの楽曲は、筆者が彼女たちの生パフォーマンスを観て度肝を抜かれた楽曲。1番で「可愛いガールズラップだ~☺」とほっこりしてたら2番でMC YUUKA(冨樫さん)が全盛期kjかと思うライミングしててぶったまげました。それまで冨樫さんに「清純ウィスパーボブ」くらいの印象しか抱けていなかった筆者はもう口あんぐりで。

 そしてグループを深追いしていくに辺りこの公式動画に行き着いてしまったんですがなんですかこれは冨樫さん。アイドルとしての品を保ちつつ、ラップ単体としても気持ちいいフロウ回し。かつ冨樫独演会ではなく「タイトル未定」がこの灯火ラップでちゃんと輪に入っている。そして”みんなでこの道進む日々 つまり灯火”フレーズから『灯火』のイントロピアノリフへ綺麗に着地。「共犯だね」に続きこんなことされたらもうですよ、もう。


⑪『黎明』

作詞・作曲・編曲:江畑兵衛(TRIPLANE)
(2022.03 配信リリース / 2023.04 全国流通シングルリリース)

(https://x.com/Kh_AM13/status/1554086717371863041/photo/1)より

 不穏なキックから始まり、そこに切なく響くピアノのイントロ。内省的な心情を唄いつつBメロのハモリ、サビ前半のビルドアップへと進み「何かが起こりそう」を演出。そこからマーチ調のリズムに変わり、伸びやかなボーカルで高らかに希望を示す夜明けの唄。

 『鼓動』『壊せ』と同じくロックバンド「TRIPLANE」の江畑兵衛さん提供曲。やはりと言うと後出し感が出てしまいますが、上記2曲に続きリズム隊の力強さがこの曲でも顕著に見られている気がします。
 また、この楽曲はロックサウンドでありつつ全体的にEDMの文脈にも乗っているリズムなので低音域が鳴る会場だと気持ちよく踊れる曲ですね。

 個人的に、サビメロの雰囲気と歌唱がどこかBiSHみ(概念)を感じるのは筆者だけでしょうか。バンドマン作曲つながりな作風とかもあるのかな。


⑫『風花』

作詞:山崎あおい 作曲:山崎あおい 編曲:鶴﨑輝一
(2024.11 配信リリース)

 配信リリース的にはこのグループの最新曲。『栞』『桜味』に続き山崎あおいさんが楽曲提供されています(『桜味』も良曲なのでいつか記事で取り上げたい…!)。
 王道ポップなウィンターソングでありつつ、アイドルである彼女たちがこれを歌うことでこのメロディの可愛さ、お茶目さが引き立っていますね。
 冬という季節を描写するうえで、この曲のタイトルが花びらのように舞う雪をあらわす「風花(かざはな)」というのもまた粋といいますか、とてもお洒落なラインですよね。

 また先日、ラジオでシンガーソングライターの眉村ちあきさんがこの楽曲を解説していたのが記憶に新しいですね。純粋にこの曲のトラックメイキングや、彼女たちの声と歌について絶賛しており筆者的にも頷くところが多々ありました。


⑬『青春群像』

作詞・作曲:リリィ、さよなら。 編曲:大山聖福
(2021.05 配信リリース / 2021.05 会場限定アルバムリリース)
※2023.09 全国流通版『青春群像(2023 ver)』に再録ver.が収録

 一聴してそれと分かるライブ・アンセムです。彼女たちのフルアルバムのタイトルにもなっており、ここぞという所で披露されることが多い楽曲。

 導入ボレロ調からのカノン進行なサビ始まり、Aメロから徐々に4つ打ち~エイトビートで加速していく構成、サビ冨樫(阿部)ソロ~後半ユニゾン歌唱(手を横に動かす王道振付)、2サビ終わりで泣きのギターソロ兄貴、Dメロでこれまでの過去曲を引用したフレーズ、落ちサビ冨樫・阿部からの大サビでキー上転調。
 満漢全席です。「嘘だろ」ってくらい全部やってます。少年ジャンプですこの曲。

 正直に言うとこのベタベタな感じ、楽曲単体だとパッションが強すぎてちょっと引いちゃってた曲でもあるんです。ただ、これまた彼女たちのライブを観たときに、『鼓動』同様に「彼女たち自身から表出されている」この歌詞とパフォーマンスを浴びてしまったらそれはもう、間違いなくこの楽曲は筆者のなかで確かに煌めきだしてしまったのです。


<2025.06.21 追記>

『空』

作詞:青葉紘季 作曲・編曲:青葉紘季/大山聖福
(2025.06.21 配信リリース / 2025.06.30 CDリリース予定)

 新体制になってからはじめてリリースされた楽曲。率直に、素晴らしい曲です。それを前提に「このラインが欲しいよね」という、手持ちのカード(楽曲)を振り返った時、まさにドンピシャと言える曲調と熱量。地に足をつけたうえで冷静に現況を俯瞰できているプロデュースあってこそ行き着いた楽曲と存じます。誠実にクリエイティブを実現している大人が求めるものを彼女たちが表現できるからこそ、相互作用が起きた上で着実に階段を登っていける。そしたらもう空まで来ちゃいました、次は宇宙ですね。

 曲について。名曲かつ第二のデビュー曲といえる『花』を手掛けたクリエイター陣ということもあり、同曲を想起するサウンドメイク。かつ重厚感を保ったうえでBPM高めの設定というのもあり『花』より全体的なスケールアップがされていると言い切っていいでしょう。
 そしておそらく『花』と『空』キー設定F♯でいっしょですよね?ここら辺もニクい。ラストでキーがGに半音転調しますが属調がCになるのでサビ明けのC&Rで王道進行ぽい和音使うと一気に親しみやすい、普遍性のある響きで終わるのが凄いなあと…

 曲としてもシンプルにいいですよね、実力を重ねた彼女たちへのエールとも取れるような、非常に前向きで外に向いている詞。そのうえでラスト「馴れるなよ 僕を塗り替えていけ」は常に内省を忘れないこのグループの作風でもあり、このフレーズで締めるというあたり頭が下がります。
 個人的にはこの楽曲テーマで多田ちゃんが「羽根なんていらない」と言い切るのが好きです。その気持ちが翼ですよね。
 
 更に、この曲に乗るのは締めのwowwow以外はソロパートの応酬。そこに新メンバーである2人が存在感を放っており「5人で披露すべき曲」「いま、やるべき曲」としての説得力。特に多田ちゃんのボーカルが本当によくなってるんですよ…2A丸々任されてますからね。山下ちゃんも復帰してくれてありがとう。間違いなくパフォーマンスの華です。
 冨樫優花さん(かわいい)が満を持して落ちサビ(そこ以外のパートもあるけど)で来るのもいいですね…パワプロやってて満塁場面代打で来たやつストライクゾーン全部ミートカーソルで埋まってるじゃんみたいな。絶対点取られるじゃんみたいな。
 谷ちゃんの2サビキャンセルロングトーンも皆様の前評通りそれはもう。あべとがに隠れがち(隠れてもないけど)ですがこの方もボーカリストとしてピッチの安定感凄いと思うんですよね。『溺れる』サビ前のように、そんな彼女が力強く見せ場を作る2Bラストが最高です。
 そんなチームプレーを経て、シングル表題として流石の主人公オーラを放つあべはなさん。シンプルかつやってることとんでもないラストの半音転調からのボーカル、あなたがヒーローです。『空〜あべはながヒーロー〜』が曲名でもいいと思います。半分冗談ですけど気持ちとしては本当にそうです、これ。

 長くなりましたが、私というアカウントが自信を持っておすすめする楽曲です。そして、生歌の方が間違いなく素晴らしいです。原曲の比にならないパワーをもらえます。

 この追記は「SORAON」という有名なアーティストが名を連ねるフェス開催にあたって書いたものですが、その方たちにも全く引けを取らない楽曲とそれに応えるメンバーだと信じています。

 この『空』があればきっと大丈夫。
 ぶちかましていけ。


あとがき

 いかがだったでしょうか?
 未定の未来へ向けて「いい曲」を「いい歌」とともに届けている彼女たちの楽曲が、あなたの鼓動を打ち鳴らしてくれたなら、あなたの大事な主題歌になってくれたなら、ひとりの音楽好きとしてとても嬉しいばかりです。

 最後に、筆者の好き曲順に楽曲を並べたプレイリストリンクを貼ってこの記事を締めさせていただきます(Spotifyユーザーじゃなかったらごめんなさい)。今回取り上げた楽曲以外も素晴らしい作品がたくさんあるので、またいつか紹介できたらと思います。


それでは、また次の記事で。

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