在外投票した人は上位2%の責任ある大人
…調べてみると、こう言い切っても良さそうです。
前回2025年7月の参院選をきっかけに、いろいろ調べたのでまとめてみます。
前回2025年7月の参院選
日本国内の投票率は上がってた
2025年7月の参院選、全国の投票率は58.51%でした。(jiji.comより 2025/07/21)
これは15年振りの高水準だそうです。
投票率が上がった理由として、以下のことが挙げられていました。
・期日前投票を利用する人が増えた(全体の約25%)
・投票日が3連休の中日だったので来場しやすかった
・政治資金の問題など、政治に対する関心が高まっていた
個人的には、YoutubeやSNSの広がりにより、政党が個人にリーチしやすくなったことも、政治への関心を高め投票率を押し上げる要因になったと思います。
一方、在外投票の投票率は…
同選挙、在外投票の投票率は約27%でした。((選挙区)26.90%/(比例)27.04%)
これは2024年衆院選の約18.2%、2022年参院選の約22.0%と比較するとかなり増加しています。
ただ、ここには数字のトリックが。
投票率の分母は、在外選挙人登録している有権者。約10万人です。
ですが、実際に海外に住んでいる日本人は約130万人。
在留届を出しているけれど在外選挙人登録していない有権者を含めると、実質的な投票率は2.59%(選挙区)にとどまります。
(在留届を出していない人は含まれていないので、実際もっと低いかも)
まず在外投票行った人は自分を褒めてもいいんじゃないでしょうか。
だって海外に住む日本人の2.6%しかできてないことをやったんだから。
ちなみにインスタでフォロワーの皆さんにアンケートをとったところ、「行く」と答えた方は何かしらの理由で「行かない」と答えた方の約半分。

しかも普段の何気ないアンケートより回答数自体も1/3以下でした。
たぶん「行った」方は回答くれていると思うので、「行ってない」方がめちゃくちゃ多いんだろうなぁ。
どうして投票率が低いのか考えてみた
シンプルに面倒
日本に住んでいても、投票するには生活のうちの小一時間くらいを投票行動に使わなければならないわけで。
選挙の争点や各政党の政策についての情報収集も、インターネットがあるとはいえ海外だとどうしても不便です。
情報に触れる機会が少ないと、なかなか関心も高まりませんよね。
そんな中で面倒な在外投票に行くのは、けっこうな胆力がいるなあとは思います。
領事館が遠い人は本当に面倒
在外投票では、海外での投票場所は日本大使館、領事館等に限られています。
わたしは領事館のあるデトロイトから30〜40分のところに住んでいるので、半日もあれば済んでしまいます。
ですが遠くにお住まいの方は、「投票なんて不可能」と思わざるを得ないのではないでしょうか。
わたしはインスタを中心にSNS徘徊をするのですが、
「飛行機で片道2時間かけて領事館へ行って投票してきた」
というポストを見かけ、そこそこ反応を集めていました。
とってもえらいと思う。すごい。
でも、「飛行機で片道2時間かけ」ないと投票できないなんて、不便すぎる。国民の権利が侵害されているとも言えるのではないか、とも思いました。(このときは郵便投票できると知らなかったから。)
ていうかもっと周知しても良いのでは
領事館に投票へ。平日の午前中、投票に来ていたのはわたしたちだけ。
職員やスタッフの方が4〜5人いました。この方達の人件費や投票用紙を日本へ送る運賃などを考えると…
「この一票にどんだけの税金が使われるんだ?」
と、ちょっと恐ろしくなります。
もちろん、これは投票する権利を保障するものなので、「無駄な税金」とは思いません。むしろ在外邦人としてはありがたい。
ただ、もっと在外投票率が上がれば、もっと有効な税金の使い方になるんじゃないかなぁと思わずにはいられない光景でした。
ちなみに本当は投票受付期間の日曜に行く予定でした。
領事館は普段土日休みなので、念のため開いているか電話をかけると休館案内になりました。
やっぱり土日はやってないのか、と諦めましたが、投票ついでにスタッフの方に確認すると、土日でも投票は受け付けているそうです。
知ってる?在外投票のやり方
先述したインスタでのアンケート結果で、わずかですが「在外投票のやり方を知らない」方もいらっしゃいました。
せっかく調べたので、在外投票のやり方をざっくりまとめてみようと思います。
まずは在外選挙人登録を
前提として、「在外選挙人登録」を済ませておく必要があります。
在外選挙人登録は、海外に3ヶ月以上継続して住む方は無料でいつでもできます。
やり方としては2つあって、
① 国外への転出届を出す際に、在外選挙人登録を申請する
② 最寄りの在外公館(領事館など)で、在外選挙人登録を申請する
つまり、「①日本で海外への引っ越し手続きする時に一緒に申請する」 or「 ②海外へ渡った後、領事館に行ったついでに申請する」ことができます。
どちらの場合も必要な「在留届」は、日本からでもwebで申請できるので便利。日本で申請しておくと、手間が少ないかも。
これから日本から海外へ出られる方は、以下のステップでやると一番スムーズだと思います。ご参考までに。
①<日本で>在留届を申請する(web可、渡航90日前から可)
②<日本で>転出届(渡航14日前から可)を出すときに、一緒に在外選挙人登録を申請する
③<海外で>在外選挙人証を自宅等へ郵送してもらう
④<海外で>在外公館or郵便で投票する
即日交付は不可。申請してから1〜2ヶ月かかることもあるので、タイミングがあれば早めに済ましておいた方が良さそうです。
詳しい申請方法は、外務省のページをご参照ください。https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/flow.html
実は、在留届を出している在留邦人のうち成人している(選挙権がある)1,044,816人(2024年)のうち、在外選挙人登録をしている人は100,431人(2025年7月)。(参考資料より)
なんと9.6%、1割未満の海外在住の日本人しか、在外選挙人登録をしていないことになります。
登録している時点で、選挙や投票についての意識が向いている方なのではないでしょうか。
やり方が3つあるらしい
外務省の在外公館等投票のページを見てみると、投票方法として3つあるそうです。
① 在外公館での投票
② 郵便投票
③ 日本国内での投票
一番メジャーなのは「①在外公館での投票」、領事館などに出向いて投票する方法ではないでしょうか。
投票の方法もスタッフの方に親切に教えていただけました。
「②郵便投票」は、正直今回調べるまで知りませんでした。
かなり、かなり不便ではありますが、領事館が遠い方にとっては良い方法かもしれません。
郵便方法のやり方は、
STEP① 投票用紙を申請する(1〜2週間、地域による)
STEP② 送られてきた投票用紙で投票する
STEP③ 投票用紙を送付する(1〜2週間、地域による)
お気づきかと思いますが、2025年7月の参院選の選挙期間が17日間であったことを考えると、かなりスケジュールがタイト。
「選挙の公示日にすぐ投票用紙を申請する」でもギリギリ間に合うかどうか、というところです。(ちなみに投開票日に間に合わなかった郵便投票は無効)
ですが、投票用紙の申請は、いつでも、選挙期間でなくてもできます。
郵便投票をお考えの方は、こちらも気づいたときに、早めに申請してみてくださいね。チラシのPDFリンク貼っときます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/pdfs/yuubintouhyou.pdf
「③日本国内での投票」は、「在外選挙人証」に書いてある自治体(日本で最後に住んでいたところ)での投票ができます。
前回2025年7月の選挙期間中は、夏休みで一時帰国されていた方も多かったのではないでしょうか。
そんな方は、「③日本国内での投票」が一番投票しやすかったかもしれませんね。
もし在外邦人がみんな投票したら
比例議員数人は動かせるはず
先述したとおり、海外に住んでいる日本人のうち、在留届を出している有権者は2024年時点で1,044,816人。
104万人というと、青森県全体の有権者数とほぼ同じ。
実は無視できない人数だと思いませんか?
政党や優先度によって必要な票数は異なりますが、これだけの力があれば、例えば比例代表で当選する議員数は数人動くのではないかな?と個人的には思います。
(実際比例代表はちょっとややこしい決まり方をしているので、気になる方は「ドント方式」とかで調べてみてね。)
次の選挙までに、今できること
まずは、在外選挙人登録を
海外に住む日本人は、日本でも領事館での投票でも「在外選挙人証」がないと投票できません。
申請は無料ですが、1ヶ月はかかると思っておいた方が良いので、早めに申請しましょう。
ちなみに、河野太郎大臣が自身のFacebookで「申請から在外公館で選挙人証を受け取るまでに最短で1日というケースもあった」とポストしていましたので、手続きにかかる時間は短くなってきているのだと思います。
郵便投票用紙はいつでももらっておける
領事館等から遠い場所にお住まいの方は、郵便投票が比較的便利かもしれません。
その際に必要な投票用紙は、公示日より前でも請求できるので、やっておくのも良いかもしれません。
これも河野太郎大臣のFacebookからですが、2024年の衆院選では、郵便が間に合わなかったことで49票、約17%が無効になってしまったそうです。
せっかくの大切な一票を無駄にしないためにも、早めに請求しておいた方が安心ですね。
さいごに:「投票する」ということ
投票しないことで割を食うのは私たち
ちょっとえらそうなことも書いてしまいましたが、実はわたしも在米4年目にして初めての在外投票。
大学時代のイギリス留学中は、正直投票のことなんて頭をよぎったこともありませんでした。
在外選挙人登録したのは、息子が生まれたときの手続きをしに行った在米2年目。在米3年目にあった衆院選の期間中は、家族全員が順番にコロナに罹っており、恥ずかしながら選挙のことなんてすっかり忘れていました。
在外邦人の年齢のボリュームゾーンは20〜50代。
実質的な在外投票率が2.6%だったので、在外邦人有権者約104万人の「わたしたち世代」のうち、9割以上の声が国政に届けられていないことになります。
「教育政策」「少子化対策」「住宅金利政策」など、「わたしたち世代」の関心の高い政策について、議論や改善が進まないことに繋がりそうですよね。
「投票に行かないことで、割を食うのは自分たち」
高校時代の公民の授業で聞いたこの言葉は、なんとなく今も覚えています。
海外に暮らしていると、日本の政治の状況について情報が入りにくかったり、単純に興味が薄れていくこともあると思います。
それでも日本が、
「いつか帰りたい場所」
「大切な人たちが幸せに暮らせる場所」
であるために。
わたしは日本が好きです。自信を持って言える。
その日本が「誇れる祖国」であってほしいから。
「投票すること」は「どんな国であってほしいか考える」きっかけにもなると思っています。
正直、いまの制度では面倒なことも多いですが。
次回の機会には、ぜひ在外投票をしてみてはいかがでしょうか。
今日はここまで。
うしさん
【参考資料】
第27回参議院議員通常選挙に伴う在外投票(速報:投票者数)(外務省、閲覧日: 2025/08/27)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_02438.html
海外在留邦人数調査統計(外務省、閲覧日: 2025/08/27)
実質的な在外投票率を算出するのに参照しました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html
在外公館等投票(外務省、閲覧日: 2025/08/27)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/vote1.html
在外選挙 郵便等投票のご案内(外務省、閲覧日: 2025/08/27)https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/senkyo/pdfs/yuubintouhyou.pdf
海外在留邦人数調査統計(e-stat、閲覧日: 2025/08/27)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/database?page=1&layout=dataset&toukei=00300100&kikan=00300&tstat=000001055779&statdisp_id=0003293569
時事ドットコム(閲覧日: 2025/08/27)
デイリー東北(閲覧日: 2025/08/27)
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