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私の「政治」観-生徒会・自治活動について-

(敬称略)

昔、少年マガジンに、安童夕馬原作、朝基まさし作画の「クニミツの政」という漫画が連載されていた。千葉県下の元市長の息子で浪人中の元県議会議員坂上竜馬と、元市長の下で書生として働いていた不破俊一との市長選挙を巡る争いを描いた漫画で、最終的には坂上が当選するという形で終わっている。その漫画では、政治と暴力団関係者との関係や新興宗教の関係なども描かれた一方、後半部になってくるとグダグダ感が出てきて、久米田康治の「さよなら絶望先生」で漫画の内容をネタにされたのが印象に残っている。

ただ、個人的にはこの漫画で高校の生徒会長の選挙に注目をした作者の視点は評価できるものと考えている。部活動における予算配分を巡る描写、具体的には部活動費で優遇をしている(具体的記述はないが、校外活動において成果を上げているであろう部活動と思われる)から組織票などを得ることで当選を目指す城戸雄介と、目立たない文化系の部活動が同好会に格下げされたり、部室を奪われることを問題視し、それらの改善を目指す御手洗大との争いが描かれている。

また、学校の移転予定地の土地を巡る利権に関する描写があり、利権に関わる市長の息子で現生徒会長が推す学校移転に賛成をする城戸と、不便な場所に移転することの問題、移転先に市と癒着のあるスーパーを設置し、現在学校の近くにある昔からの商店がつぶれることの問題点を指摘し、学校移転に反対をする御手洗との描写も描かれている。

この生徒会長選で注目すべき作者の視点は、自分の通っている学校の生徒会長すら関心がないのに、三年生が2年後に選挙権を得ることの問題点を指摘したことであろう。(※1)作者のこの視点は、普段私たちが政治に関心がないことの背景として、学校における自治活動において、自分たち自身で自治を行うという視点が欠けている状況で、自分たち自身で政治を行うという視点は養えないと考えているからだろう。現在、学生の皆さん、また社会人となった皆さんも学生時代を思い出していただきたい。校内活動において積極的に自分たちで運営をしていく、もしくはしていたという自覚はある、もしくはあっただろうか。おそらく、一部の目立ちたがり屋か、自身の評判を高めるための「模範生」の役割の一環として生徒会活動を行おうとする生徒以外は、あまり積極的に生徒会の自治活動にかかわろうとか、生徒会役員選挙に立候補しようという生徒はいないものと考える。私もその一人であった。生徒会の活動が、基本的には日常の雑務を処理するものという認識だからであろう。

ちなみに、私の小中学校時代、両方とも同じ人物が生徒会長に当選したが、その生徒会長は「模範生」のタイプであった。私の小中学校は穏健な傾向を持つ人物が生徒会長になったという意味では、私の通った学校の生徒は現状に不満がなかったと言える。

ただ、必ずしもすべての学校において生徒が現状に満足をしているとは限らない。学校の現状に生徒が不満を持っている場合、異色な人物、具体的には日常の学校のあり方に否定的な態度を持つヤンチャ的体質を持つ人物や、あるいは現状の不満の打破のために急進的な傾向による自己の信念や主張を反映させようとする人物が生徒会役員ましてや生徒会長に立候補して、当選した場合、どうなるだろうか。自治活動はもちろん状況次第では、生徒、教師の緊張関係が増すこともあり得る。その際、選ばれた生徒会長、役員が危機的状況に対応できるだけのリーダーシップを発揮できる人物であれば、うまく現状を打破するための方策を提言、実行できるが、逆に生徒への迎合しか考えなかったり、その場しのぎの対応しかできなければ学生の自治活動自体の存在意義が問われる可能性もある。その意味では決して生徒会の選挙は軽くは扱うことはできない。

話を「クニミツの政」に戻そう。最終的には紆余曲折を経て、御手洗は生徒会長に当選する。幸い、御手洗は学校の現状に不満に対し、きちんとリーダーシップを発揮できる生徒会長となった。しかし、現実には危機的状況において、必ずしもこの漫画通りに行くとは限らない。耳障りのいいことを言う候補が出て、生徒を惑わす危険性は考えられる。学校における生徒会活動はその意味では政治の縮図なのだが、普段から主体的に自治活動を行うことをしない態度の延長が政治への無関心につながり、日本の政治、とりわけ地方政治における与野党間での癒着に基づく政治か、あるいはポピュリズム的な政治家を求める姿勢になってはいないか、と私は考えるのである。

皆が集まっているイラスト1

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(※1) 「クニミツの政」3巻 P7より。なお、漫画が連載された2001年当時は選挙権は20歳からである。 


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