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夏の夕

「夏の夕」

灼けおちて 風に雫の 夏の夕

暑気のゆるむ夏の夕刻、人心もほぐれるというものです。

陽射しが続く夕暮れの景を想います。

熱気に押し黙っていた街並みは、日暮れとともに軽やかに浮かびあがるようです。
名も知らぬ木々の緑も、涼風の中で細やかな音色を奏でるようになります。
人家の軒先には、簾が勤めを終えて休みます。
鳴らない風鈴を微かに夕陽が照らしています。

行き交う人々にもまた、未知既知を問わず誰の顔にも優しさが灯ります。

夕星、夕月を仰ぐ。
古より、人は暮れ残る夏の夕に心を鎮めてきたのでしょう。そこに古今の別はないのです。

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