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吉沢亮主演『ぼくが生きてる、ふたつの世界』|上映会から一夜明けて

映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』の劇場公開日は2024年9月20日だったそう。それから1年が過ぎて開催された上映会に行きました。

すごくよい映画でした。それだけははじめにお伝えしておきたい。

でもね、noterの皆さんならば心当たりはあるかと思うのですが、見ながら無意識に考えてるわけですわ、「この感情をどう書こう」なんて目線で。

上映会があったのは12月21日(日)だけど、頭の中が整理できなくて即日アップとはいきませんでした。一晩寝たらあら不思議。ゴチャゴチャしていた情報が「本当に大事なこと」「一応触れといた方がよいであろうこと」「捨てるにはもったいないから紹介しておくこと」などに区分けされているではありませんか(個人の感想です)。

さらに22日(月)朝の思いつきをプラスしたらこんなんなりました。


上映会のチラシ

概要

五十嵐大さんの自伝的エッセイをもとに実写映画化した作品。主人公・五十嵐大の青年時代を吉沢亮。母・五十嵐明子役を忍足亜希子。父・五十嵐陽介役を今井彰人が演じています。

耳がきこえない両親をもつ、きこえる子ども「コーダ」である大の葛藤と成長を中心に描かれたものです。

生まれ育った宮城の自然と、青年になって「自分のやりたいことを見つける」ためひとり暮らしをはじめた東京との対比が見事。

「ろう者」の感覚を共有するかのようにときおり無音状態になるので、その瞬間は情景から自分なりに解釈せねばなりません。

前半は子ども時代を子役たちが演じるのですが、博打好きな祖父(でんでん)やいつも念仏を唱えている祖母(烏丸せつこ)など周囲との絡みもあって見応えは十分。子ども時代だけで映画になりそうなほどです。
中学生あたりから吉沢亮が演じるのですが、反抗期がはじまって事態は急展開。100分超の時間を感じさせない内容でした。

息子目線か。母親目線か

息子の大は手話ができるから、ろう者の両親とは手話で会話します。きこえるし話せるので、両親に誰かが話したことを手話で通訳することもあります。

父・陽介は仕事に出かけて、母・明子は内職をしています。大が家に帰ると電灯を点けて合図し、台所で料理を作る母が気づいて迎えてくれるのです。「コーダ」としての生活を描くなか、母と息子の姿が根底にありました。

夫婦で上映会を見たのですが、わたしは自然と「息子」の立場になっていました。一方で妻は二人の娘を産み育てた経験から「母親」の立場になっていたのではないでしょうか。
※まだ、そこまで感想を語り合っていないのであくまで想像です。

本作は大前提として「母子の物語」なのだと感じました。

ろう者の世界、コーダの世界、手話の世界。

強く印象に残ったのは、大が東京に出てから知り合ったろう者たちとのエピソード。

ファミレスでろう者の男女数人が集まっているところに、大が途中から参加。メニューを見ながら、他のメンバーにも「何か頼みます?」と気を利かせて手話で問いかける。
希望の品を確認すると、大が店員を呼び「すみません。これとこれをお願いします」とオーダーする。
あとで仲の良いろう者の女性から「ありがたいけど、私たちから奪わないで。書いたりしてオーダーぐらいできるんだから」と指摘されて気づく。

都内・ファミレスでの一幕

わたしも大と同じく「そうなんだ。しまった。ごめんなさい」って反省しました。このシーンは忘れないでしょう。

ちなみにろう者の役は皆さんろう者の俳優さんだそう。ファミレスでろう者たちが手話で会話するところは本当に楽しそうで「ろう者の世界」を垣間見た思いです。


また、大が子どもの頃に喫茶店で母と手話で会話していると、カウンターに座っていた男女がコソコソ話しているので「聞こえてますよ」と教える場面がありました。

映画やドラマ、本などで描かれることによって「ろう者」が溶け込める社会に近づくといいですね。


忍足亜希子(おしだり あきこ)について

失礼を承知でぶっちゃけます。わたしは「忍足亜希子」の名前はなんとなく知っていたのですが、出演作を見たのはたぶんこれが初めてなんですよ。しかも『筆談ホステス』が話題になった当時、記事を書いた記憶から著者の斉藤里恵さんと脳内で情報が混乱しちゃいました。

ご本人が𝕏でポストしていたのを見て、ようやく「そうなんだ」と納得した次第です。

さて、そんな忍足亜希子さんですが、本作での演技は素晴らしくて引き込まれました。

4歳のときにろうであることがわかり、ろう学校に通ったそう。子どもの頃から『8時だョ!全員集合』が大好きで、コントを真似ては家族を笑わせたといいます。

ポジティブな性格でしたが、キャビンアテンダントや漫画家に憧れながら、学校の先生に「お客さんとコミュニケーションは取れるの?」、「たくさんの知識がないと漫画家にはなれないよ」などと諭されて目標を持てないまま短大に進学。

卒業後は銀行で一般事務の仕事をしていたところ、NHKの番組『ノッポさんの手話で歌おう』に出演する機会があり、自信をもてたことから「ろう者のイメージを変えたい」と映画の世界に進んだといいます。

(※『Tokyo Foward 2025 ENTERTAINER 2025をつくる人たち「忍足 亜希子(ろう俳優)|“ろう者を伝える”という覚悟が、私を俳優にした」』より

映画『アイ・ラヴ・ユー』(1999年)では日本初のろう者による主演女優を務めました。その後も数々の作品やイベントで活躍しており、『ぼくが生きてる、ふたつの世界』はそんな彼女の集大成と言えるのではないでしょうか。


吉沢亮について

わたしは映画『国宝』を見てません。見てませんが、吉沢亮にとって『ぼくが生きてる、ふたつの世界』は間違いなく代表作の一つになるでしょう。それほどすばらしいものでした。

映画評論家の中井圭氏は「そもそも演技ができるのは誰しも分かっているのだけど、淡々と見える裏では、驚異的な努力を重ねているのは明らか」と評したほどですから。


妻は娘たちと『国宝』を見ているのですが、たぶんNHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)でハマったと思われます。翌年放送の月9ドラマ『PICU 小児集中治療室』もキッチリ見ていましたし。普段はドラマをあまり見ないのに。

でもわたしはそれに先んじて『仮面ライダーフォーゼ』(2011年9月期)で偶然知りました。仮面ライダーメテオに変身する朔田流星の役です。妻に教えても「え、出てたっけ?」と首をかしげるばかり。当時は福士蒼汰の人気が絶大でしたからね。


おまけ

ユースケ・サンタマリアにも触れておきましょう。大が東京に出て職を探しパチンコ屋など転々とするなか、採用されたのが小さな雑誌社。その編集長・河合幸彦役がユースケ・サンタマリアです。

この映画のキャストではかなり著名な役者の一人ではないでしょうか。「何をやっても存在感がある」タレントです。

編集長・河合は新米ライターの大にこう言い聞かせます。

「神は必ず自分の実力より高い仕事を与える。それはチャンスだから絶対に逃げるんじゃないぞ」

(※うろ覚えなので言い回しは少し違うかもしれません)

大もその言葉に感銘を受けるのでした。

河合はユースケ・サンタマリアにぴったりなキャラ。彼らしいオチがあるのですが、ある意味見せ場なのでネタバレはやめときましょう。


まとめ

映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』に関しては一年間でさまざまな感想や論評が書かれています。それと同じような内容では面白みがない。そう思ってわたしなりに感じたことを綴ってみました。

原作者の五十嵐大さんをはじめ呉美保監督、脚本を手がけられた港岳彦さん、制作関係者とキャストの皆さん。それぞれに思いを込めて熱量を注いだことが伝わってくる作品です。わたしのように上映会に足を運んだり、あるいはネット配信で目にする人が増えるきっかけになれば幸いです。

ここまでありがとうございました。最後に関連動画や記事を紹介させていただきます。ぜひご覧ください。

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※タイトル画像はCopilotに依頼して作成したものです。

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