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発酵も、子どもも、ゆっくり育つ

最近、息子の背がぐんぐん伸びています。

気づけば私の目線とあまり変わらなくなり、
洋服も靴も、すぐに小さくなってしまいます。

「いつの間に、こんなに大きくなったんだろう。」

そんなことを思う日が増えました。

けれど、不思議なことがあります。

背は伸びても、家での食事は相変わらずなのです。

息子は小さい頃から少食で偏食でした。

野菜は苦手。
初めて見る料理にはなかなか手をつけません。

食べてくれるものを考えながら献立を作る毎日でした。

だから、小学校に入った頃は給食が心配でした。

「ちゃんと食べられているかな。」

毎日のように気になっていたのを覚えています。

ところが、ある日。

何気なく息子が言いました。

「給食、全部食べたよ。」

それから少しずつ、
「今日はおかわりした。」
「このおかず、おいしかった。」
そんな話を聞くようになりました。

気づけば、中学生になった今では、給食はほとんど残さず食べているそうです。

家では相変わらず好き嫌いがあります。

でも、それでいいのかもしれないと思うようになりました。

家は安心して「好き」が言える場所。

外では少しずつ挑戦して、
家では好きなものを思いきり食べる。

それも息子なりのバランスなのだと思います。

息子が特に好きなのは、ご飯と味噌汁。

そして、塩麹で下味をつけた唐揚げです。

「今日の唐揚げ、おかわりある?」

その一言を聞くと、私は少しうれしくなります。

塩麹を混ぜる手も、
味噌を溶く時間も、
特別なことではありません。

忙しい日の、いつもの台所です。

でも、その「いつもの」が、
少しずつ息子の体をつくってきたのかもしれません。

発酵食品は、すぐに何かを変えてくれるものではありません。

毎日少しずつ。

目には見えないけれど、
ゆっくり時間をかけて育っていく。

それは、子どもの成長にもどこか似ています。

「昨日より大きくなった。」

そんな日はありません。

けれど、ある日ふと見上げると、
いつの間にか背が伸びていて、
食べられるものも増えていて、
頼もしい横顔になっている。

発酵も、子育ても、
“待つ時間”があるからこそ育つのかもしれません。

今日も夕飯には、ご飯と味噌汁。

そして、塩麹の唐揚げ。

「おかわり!」

その声を聞くたびに、
私は静かに微笑みます。

発酵がゆっくりと味を深めるように、
息子も気づかないうちに成長していました。

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