シャクティマットを買ってみたはなし
※正直な、肯定しすぎない使用感レポートです
◼️語感に惹かれるシャクティマット
一ヶ月ほど前から「シャクティマット」というものが、インスタの広告にチラチラと上がるようになった。どういうアルゴリズムで上がって来るのかはわからないけれど、マシンピラティスのアカウントをフォローしているからか?と理由づけをしてみる。
くだんの商品を見てみると、スパイク状のプラスチックの突起が等間隔に縫い付けられたマットだった。その上に横たわることで、指圧と針の効果を得られ、高いリラックス状態になるとかなんとか。うううん、なんとも香ばしいというか、ほのかにスピの香りがするなと私は感じ、商品ページをそっと閉じた。
一度広告を踏んだからか、シャクティマットは定期的にインスタに上がるようになった。その度に「はいはい、シャクティマットね」と流すようにスクロールするも、私の脳には「シャクティ」という言葉がくっきりと刻まれていた。
シャクティマットが「リラックスマット」や「ニードルマット」という名称だったら、ここまで私の内側に残らなかったと思う。シャクティ、という音感がカギなのだ。シャクっとレタスを噛んだときのような心地よさを感じるこの語感、シャクティと発してみるとやはりどこか心地いい。
ちなみに「シャクティ」とはサンスクリット語で「力」「エネルギー」を意味する言葉らしい(by.AI)、やはりほのかに感じるスピ。とはいえ「シャクティマット」は、この頃すでに私の中でくっきりと居場所を作ってしまっていた。
◼️小田切ヒロという安心感
そんなある日、これまたインスタを開いているとメイクアップアーティストの「小田切ヒロ」氏が、ナイトルーティンを紹介している動画が上がってきた。
ヒロ氏がウィッグを被りヒロ子に扮し、疲れた日のルーティンとしてリフレッシュ/リラックスアイテムを紹介しているショート動画。その中に、あの「シャクティマット」がラインナップされていた。(※リンクの動画とは異なります)
ヒロ子が「ああ〜、気持ちいい〜〜〜」とマットに寄りかかる動画を見て、そうか小田切ヒロも使っているんだと、なんとなく安心感を持った。安心感というか若干のスピ臭が、小田切ヒロというインフルエンサーによって、滅菌され別のものに昇華された感じ。異なるけれど「NASA公認」という判が、ぽんっと押されたような思いがある。
「NASA公認」改め、「ヒロ公認」。現代を生きる中年女性が、否応なく信頼を置いてしまう言葉には違いない。
ではヒロ公認というかヒロ愛用品として、ヒロ以外の人の感想はどうだろう。このnoteでも検索すると、同じに「シャクティマットを購入してみた」「シャクティマットを使用してみた話」などと上がっている。
ふむふむといくつか目を通し、結果としては買ってみないとわからないよなあと着地した。この頃にはすでにシャクティマットを買ってみたい!という好奇心に私は満ちていたのだが、公式シャクティは無思考でぽんっと買う値段ではない。最近話題のリカバリーウエアと同じくらいの値段がする。だったらリカバリーウエアを買うべき?とも、やや冷静になってしまう。
◼️中年以降の健康は課金制
それにしても中年になったものだなあと、感慨深く天を仰いだ。健康というか、自分が「いい状態」であるために、アイテムを投じないとそこに辿り着けないのだと。若い頃なんてソファで突っ伏して数時間寝るだけで、得られれていた回復が、中年になると課金制なのだ。無課金で「いい状態」が得られるのは、若さというステータスがあってこそだという現実を嫌でも感じてしまう。
◼️シャクティマットへの募る憧れ
しのごのと悩んだものの、私はこの「シャクティマット」を買ってみたいのだという結論に行き着いた。シャクティマットに効果があるだ、小田切ヒロも愛用しているだなんだと、それらは二次的なものでしかなく、このトゲトゲのマットを手にし、横たわってみたいのだと。そんな強い好奇心が私を突き動かす。そしてこれはリカバリーウエアを買うだ、新しいピラティスウエアを買うだでは得られないものだった。シャクティマットでしか、私の衝動は満たされなくなっていた。こうして私は、まんまとアルゴリズムの罠にかかったわけである。

そんな経緯を経て購入した公式シャクティマット。
薫ってくるスピ臭を払いのけ早速Tシャツを脱ぎ、背中がスパイクと設置するように横たわってみる。痛い。痛い痛い痛い。同梱されていた冊子に書かれていたが、最初は強い日焼けをしたような痛みと書いてあった。まさにその通りで、ジリジリとした痛みがくる。
最初は1分2分の短時間マットに乗り、だんだんと時間を伸ばし、慣れてきたら20分ほど横たわるのがよしと書かれていた気がするが、ろくに読まず冊子は捨てた。
初回の20分はまさに修行だった、ヒロ氏のように「ああ〜、気持ちいい〜〜」とは至らない。痛くて、その痛みを紛らわせるように、深く息をついては意識を痛覚から遠のけた。いずれこれが、リラックスや癒しにつながるのだと信じながら。そうこうと時間をやりすごし20分を耐え抜いた私の背中は、公式インスタ掲載の写真と同じに赤くなり、スパイクの後がくっきりと残っていた。
◼️だんだんと心地よくなってくる?
2日、3日と続けてみると、ジリジリとした痛みの間隔がだんだんと短くなってくる(ような気がする)最初はできるだけ微動だにせず、じっと耐えるだけだった時間に余裕が生まれ、シャクティマットの上で伸びをしたり、足を組み替えて負荷をかける場所を調整したりと、そういう余裕も持てるようになった。
公式ではシャクティマットに横たわる時間を瞑想に当てたり、じっくりと自分に向かう時間にと謳っているが、私は二十分の中でSNSを見たり、ネットショッピングをしたり、YouTubeを流したりと俗っぽく過ごす時間に当てている。なんとなくぼーっとSNSを見てしまう時間から、シャクティマットに横たわりながらSNSを見る時間になった。自分としては20分という区切りを持てて、案外いいのでは?という結論に至った。
◼️結局のところ
さて、シャクティマット効果についてだが、ぶっちゃっけ私は未だ「すごい!」とはなっていない。他のブログなんかでは「シャクティマットを使い始めて、熟睡できるようになりました」などと見るけれど、私個人としては、まあない。
もっとも「不眠がちだった私が、シャクティマットを使い始めた途端にぐっすり眠れるようになりました!」と、ラノベタイトルのような感想を、私も口にしたかったけれど、実際は「まあ、なんとなくはいいかもしれない」程度。とはいえ、一万ちょっとの課金で、人生が激変するような効果を求めてしまっては、それこそドラッグに手を出すしかなく、まあこんな感じでしょうといった感じ。
なので買ってみてもいいのでは?程度で、絶対的におすすめします!というものでもない。本当に「痛気持ちいいマット」でしかない。
◼️自分を知るバロメーターツール
他方で、自分の状態を知れるツールであると感じている。シャクティマットに横たわる中で「ああ〜気持ちいい〜〜〜」となる日は、自分がより疲れている状態。対してそこまで今日は心地よさを感じていないなという日は、さほど疲労を感じていない日であることがわかった。それらの「自分をより知れるバロメーター的アイテム」にはなったと感じている。
なのでシャクティマットが「ああ〜気持ちい〜〜〜」の状態が続いていると、ちょっと頑張りすぎている自分なのかもしれないと。小田切ヒロ氏の多忙さを、やや案じてしまう。
中年になると、自分にアンテナを張ることがより重要な気がしている。
疲れているとか、読んでいる本がいつもより入ってこないとか、楽しく聞いていたはずのジェーン・スーの声が今日はややきついななどと。ちょうど読み切った朝井リョウさんの「イン・ザ・メガチャーチ」でも、風呂に入れないのは鬱の始まりという自己点検の描写がなされていた。自分の度合いを知るツール、ケアのためのリトマス試験紙として、私はシャクティマットに横たわる。もう無課金で、健康や「いい状態」や健康を得られる年齢ではないのだからと。
昨晩も風呂を終え、私のルーティンにもなりつつあるシャクティマットタイムを終えた。ちょうど風呂を済ませた夫に「で、どうなのシャクティマット」と聞かれた。正直に「ぶっちゃけ、わからん。まあ気持ち良くはある」と返すと夫は笑った。
他のことにも言えるけれど、結局自分の行いを肯定したいのだ。だから、シャクティマットを買った自分を肯定したい気持ちで使っている。このマットに横たわると深いリラックス効果が得られるのだと、ぐっすりと熟睡できるのだと。今日もこうして、私はシャクティマットに横たわる。
それにしても「小田切ヒロ」が指針になりすぎていることを、noteをつけてみて思った。でも素敵ですよねヒロさん。

◼️ゆる〜くお知らせ
11/23に東京ビッグサイトで開催される「文学フリマ東京41」に出店側として参加します。よろしくお願いします。
シャクティマットのその後の使用感を聞きにでもなんでも、ふらっと立ち寄ってもらえると嬉しいです。
朝井リョウ氏の「イン・ザ・メガチャーチ」についても、後日書きたいです。
いいなと思ったら応援しよう!
なにかいいなと思ったら、ぜひお願いします。いただいたチップはZINEの制作に使わせていただきます。