VNL2025セルビア大会観戦旅7~ノビサドからベオグラード
駅の掲示板、ベオグラード行きの列車はことごとくキャンセル……

キャンセル続きの表示を見ると、この後の列車もすべてキャンセルのように思えてしまいます。小さな駅舎の中には払い戻しをしようとする乗客の列。その後ろに大きなスーツケースを手にしたアジア人カップルが座り込んでおり、案の定、この後の列車もすべてキャンセルだと教えてくれました。
アジア人カップルはこれからベオグラードに戻るのにノビサドのバスターミナルまでタクシーで移動し、バスで向かうとのこと。なるほど、バスは通っているということならば、それで移動するしかないな…。とりあえず、戻る方法はあるので、焦りも最小限に留められます。
そんな中SOSを聞きつけ、駅まで送ってくれた友人がもう一度戻ってきてくれることになり、私たちはノビサド駅まで再度送ってもらえることになりました。
熱いお別れをした後なのに、次に会うときは出産後家族3人になった時だと思っていたのに、まさこんな再会になるとは(笑)。妊婦さんを振り回すことになって、本当に申し訳ない気持ちです。親切な友人夫婦のおかげでトラブルから脱却でき、さらには思いがけず、途中でペトロヴァラディン要塞も観られ、不謹慎ながらこの状況でちょっと観光気分も味わえました。

友人曰く、月曜までは列車はすべて運休で動かないそう。なぜなら、明日の土曜日にはベオグラードで大きなデモが行われるからだと。
そう、列車がノビサドに行けなくなった原因でもある、ノビサド駅修復工事事件。この杜撰な中国企業の工事体制に対して、政府への反発がデモの原因であるというのです。列車がノビサド駅に行かなかったことを掘り下げていくと、すべてが繋がるのです。
そういえば…以前、セルビアの選手や家族、現地の友人たちがこぞってSNSで「大規模デモ」の様子をUPしていたことを思い出します。もしや、あの異常な光景が再び!?!?

遠い国の事件が、今まさに自分の近くで起ころうとしていることに驚きを隠せません。日本のデモとはわけが違う…場合によっては死者や重傷者も出る未知の世界。今、自分たちが置かれている状況を理解するのに必死でした。
ノビサド駅に到着し、バスのチケット購入まで見届けてくれた友人。今度こそ、本当のお別れを伝えます。あまりにも迷惑をかけたので、タクシー代替わりにと封筒に包んだチップを渡しますが、逆に怒って受け取ってくれません。それでもこの事態には本当に助けられたことを伝え、無理に受け取ってもらいました。
セルビアの選手もそうだけど、もらって当たり前の精神じゃないから、何かをプレゼントするということの意味を伝えることが本当に大切…。セルビア人は人を助けることにおいて見返りなんて期待せず、労力も惜しまず、だからこそ、そんな彼らに恩を返すのは何より「気持ち」なのだと教えられます。そんな「心」を大切にするセルビア人だから、私は大好きなのだと改めて思いました。
一番早いバスでも2時間待ちだったので、駅周辺をぶらぶらしたのち、カフェで一息。

こうやって周囲を見ても、ベオグラードから離れているからか、あんな大きなデモが明日行われるような緊張感はゼロ。こんな事態になって緊張気味でしたが、現地の友人が言うには、絶対にデモの場所や人込みには近づかないで、そうすれば大丈夫だから…と教えてくれました。
離れて情報だけを見ていると不安に思いますが、国全体がデモに関わり危険にさらされているわけではなく、その中で、日常を過ごしている人も沢山いて、すべてが危険なわけではないことを感じます。だからといって無関心でいられませんが…。
アメリカによるイランの攻撃に気を取られていましたが、セルビア国内も大きな問題を抱えていたことを知り、これまでこんな政治的な問題に出くわしてこなかった観戦旅が、いかに平和で幸運だったのかと実感するのでした。
程よい時間になり、早めにバスターミナルへ。

指定された乗り場前でバスを待ち、到着すると一斉に乗り込みます。もちろん列はなし…。一応、定員があるようですが、列車のキャンセルにより乗客の数があまりにも多かったようで、途中のバスターミナルまでは立ち乗りで、そこから別便に乗り換える乗客もいました。
不測の事態、紆余曲折ありながら無事にベオグラードへと到着。

日が傾きかけた夕刻時、トラブルを乗り越えた安心感もあり、まだ時間があるので、ここからちょっと郊外へ…。
目的はというと、セルビア代表のユニフォームを扱っているスポーツブランドPEAKの店舗へお買い物。
ネット販売のページを見てみたら、今シーズンのユニフォームや練習着、ジャージだけでなく、五輪のときのジャージもあるのを見つけてしまい、欲しくなってしまったのです。
バスで向かった中心部からちょっと離れたショッピングセンター内の店舗。お店のお姉さんがとっても気さくで、親切に対応してくれました。

しかし、残念ながら五輪仕様ジャージは、バスケのはあってもバレーのは置いていない…とのこと。遥々やってきましたが、お目当てのものはなく退散しました…。
8へつづく…
