VNL2025セルビア大会観戦旅9~セルビア対アルゼンチン
6月28日(土)セルビア対アルゼンチン
デモ当日ということもあってか、ただでさえ少ない観客がさらに今日は減っていました。元代表のOBたちも勢揃いしていた2日間と違って今日は欠席者が多く、来場しているのはわずか数名。
家族で会場へやってくるOBたちも多かったので、さすがに巻き込まれては大変と大事を取って自宅待機したのでしょうか。国旗柄のハリセンボードも今日は座席に置いてありません。確かに…セルビア国旗を手にしていて、政府に対抗していると思われトラブルに巻き込まれては大問題です。こんな状況は想定していなかったのでしょうが、これは国際試合を開催する都市としては、責任を問われるはず…。過去15年に渡り、海外で300試合近くを観戦してきた私自身、このような状況での観戦は初めて体験したし、前代未聞でした。
2時間歩いたとはいえ、試合には十分に間に合う時間。会場の売店でお水を購入したら一気飲みして、座席へと移動します。
今日の相手、アルゼンチンは手強いチーム。そしてミドルブロッカー好きの私にとって、ネデリコビッチのライバル、ロセルがいるのが気になります。昨シーズンのイタリアリーグ、レギュラーラウンドのブロック本数ランキングでは、ロセルを抑えネデリコビッチが堂々の一位!今回も負けられません。

とはいえ…セルビアは相変わらず変化のないスタメン起用。何か変化が欲しいと願いますが、今日もその思いは届きません…。
しかし、その中でついにセルビアにもスターが誕生したのです!
これまで全く出番のなかった13番MB、ガヨビッチ…。きっと名前は知らなくても、髭の選手…といえばピンとくる人もいるのではないかと思います。アガサクリスティのミステリー小説に出てくるポアロ風の、毛先がくるんと巻かれような髭。失礼ながら私も友人も彼の技術を全く知らなかったので、ふざけた風貌のムードメーカー…くらいにしか思っていなかったのですが…その彼が見事に魅せてくれました。
第一セット16-16で迎えた中盤、ピンチサーバーにそのガヨビッチが登場。そこからなんと、彼のサーブで16-21まで5連続得点を記録しました。このチームになって5連続得点なんて快挙あったでしょうか…!?
確かにアルゼンチンのミスもあったのですが、それでも彼のサーブでレセプションを崩したのも事実…。エースとしては1本の記録ですが、明らかに流れを変えるという立派に仕事を果たしていました。
エンドには彼の髭をモチーフにした応援のイラストも掲げられていて、一瞬にして、彼のショータイムとなったのです。
なになに、こんな選手がいたの!?
ちょっとー!!それらなもっと早く出すべきでしょー!!
クレーム半分、喜び半分いや…喜び100パーセントだな(笑)。
おかげで珍しいことに、セルビアが第一セットを悠々と獲得したのでした。

これはもしやストレート勝利!?早く決着付いちゃう!?
なんて思っていても、簡単には行かないのがバレーボールです。
苦しみながらセットを奪われ続け、後のない第4セットはミドルを完全に控えと入れ替えてスタート。

が…思うように新しいスターは活躍できず、結局3連続失セット…。
この日も1-3で敗北を喫したのでした。

でも、新しいスターが見つかり、ちょっと突破口が見え隠れ…。13番のガヨビッチもですが、7番のリベロ、ネギッチが良い仕事をするのです。
この日はリベロであるネギッチがレシーバーとして、6番のリスティッチとともにコートインする場面も。正リベロである若いリスティッチを長きに渡って育てていこうという気持ちもあるのでしょうが、ネギッチはディグに強いことを再確認。ここも使いようによっては、面白い化学反応が見られるのではないか…と想像するのです。
試合後…思い切ってガヨビッチの応援ポスターを持っている女の子を直撃!許可を得て写真を撮らせていただきました。

キリル文字が読めなくても誰の応援か一目瞭然!素晴らしいセンスです!!
この日は怪我で離脱中のクユンジッチが観戦に来ており、話しかけてみました。まだ療養中で、次の大会には間に合わせたい…とのこのと。次といえば公式的には世界選手権か…。それまでにはぜひぜひ、戻ってきてほしい!絶対必要!!と心底願うのでした。
関係者やお友達、ファンを順番に相手している選手を遠目にアリーナの端っこから見ていると、スタッフの方が、ファンゾーンに行くといいよ!と教えてくれました。
ファンゾーン!?それって19万円出さないといけないところでは!?(笑)
日本のファンゾーンがどんなものかは知りませんが、ここセルビアの会場にもファンゾーンというものがあったのです。
会場から控室に戻る際、絶対に通らなければならない通路脇にファンが待てるようになっており、選手に自由に声を掛けられるのです。金額は…もちろん無料!どの席種でも行きたい人は行けます。

大半がコートを去ったあとに到着したため、残念ながら選手数名しか通りませんでした。が、セルビアだけでなくアルゼンチンの選手も、サインや写真などファンの要望に丁寧に答えており、まさにバレーファンのパラダイス。なのに、デモの影響か全然人がいなくて、最前列も空いている…。
ここに日本チームがいたらどうなっていたことか…。19万円出すなら、日本からセルビアに来れるし、泊まっておいしいものも食べられる(笑)。ここに来た方が絶対おいしい気がするのでした。
10へつづく…
