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第2回空き家開き|宮城県気仙沼市で空き家を通じた継承型まちづくりを体験する

宮城県気仙沼市では、空き家の再生を通じて地域全体をリノベーションするプロジェクトを実施している。そのプロジェクトの対象となる地域の一つ、太田地区では、昨年11月に3棟の空き家を活用した空き家開きが開催された。

そして2025年3月8日・3月9日、空き家開きの第2回目が開催されている。

本noteでは、第2回空き家開きの2日目、3月9日の様子を伝える。なお、3月9日に訪れたため、前日行っていた男山本店での「第一回 蒼天伝 利き酒王決定戦」の様子は含まれない。


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宮城県気仙沼市太田地区|かつて遊郭が存在した赤線地帯をクリエイターの集う地域にリノベーションするPOPUP

2024年11月同様、空き家開きのメインエリアとなったのは、太田地区である。

昭和が現存する太田地区へと入っていく
パーフェクト HAMACHIDORI GALLERY

昨年の11月時点では未完成だったHAMACHIDORI GALLERYが、遂に完成した姿をお披露目していた。空き家となっていた建物が、令和の現代に現役となって復活を果たしている。

前回は準備中だったガラスの入り口が完成している
アーティスティック盆栽
個展が開かれていた

第2回空き家開きでは、カウンター側で福島県川内村に誕生したクラフトジン蒸溜所「naturadistill」のPOPUPが行われており、ギャラリー側で気仙沼市出身在住の写真家・江戸紫太郎氏の個展が開かれていた。

現存する数十年前の建物の姿を残しながら白を基調とした味わい深い美しさを称えた空間に飾られた幻想的な写真の数々は、ゆったりと歩きながら見ているだけで引き込まれるほど素敵な作品ばかりであった。

MAKUAKE BOITE(マクアケ・ボアット)には、陸前高田市の山猫堂が出店

前回、ななつ星書店のPOPUPが行われたMAKUAKE BOITEでは、今回陸前高田市で泊まれる古本屋を展開している山猫堂がPOPUPを開催していた。

味のある展示が多く、目を惹く
空き家を活用した展示がとてもマッチしておりPOPUPとは思えない自然さが感じられた
空き家と古着の組み合わせの良さが感じられる

山猫堂は、空き家に関する事業も行っている。これから空き家に関わっていきたい読者は、ぜひ一度訪れて欲しい。

理容トオシマでは、前回同様に焼き菓子などの食べ物やドライフラワー、布小物のPOPUPが行われた他、ワークショップも行っている
空き家と小物の雰囲気がマッチしている
空き家から見つかった物たちが置かれていた
温かみの感じられる食べ物たち

理容トオシマでは、前回同様に焼き菓子などの手軽に食べられる物や布小物などを販売するPOPUPが展開されていた。空き家をリノベーションする過程で発見された懐かしい品々も置かれており、空き家に対する興味を惹く内容となっている。この日は、軒先で大船渡市の山火事について話す場面もあった。

宮城県気仙沼市八日町(くるくる喫茶うつみ、つなぎ工房)|DJイベントやZINE販売イベントで気仙沼市の新たな魅力を伝える

第2回空き家開きは、エリアを太田地区から拡張した点に特徴がある。八日町のくるくる喫茶うつみ・つなぎ工房では、以下のイベントを開催していた。

  • レコード限定の DJ イベント

  • 出汁を味わうレストラン

  • ポケモンカードゲームのラウンジ

  • クラフトビールスタンド

  • 色んなひとが作ったZINE(小冊子)の展示販売

クラフトビールスタンド
ZINEから見える町
数多くのZINEが展示・販売されていた
これぞZINEという手作り感の強い作品も数多く並んでいた
色とりどりのZINEが並ぶ景色は、気仙沼市内では新鮮だった

筆者としては、ZINEというと「ぬま大学」の第10期を思い起こす。第10期生がZINEをテーマにしたマイプランを報告していたためだ。ちなみに、その第10期生とは、たまたまこの日会っている。この企画をとても楽しんでいたようで好かった。

本企画を最初に聞いたとき、これ程までのZINEが集まると想像できなかった。何となしに10作品くらいが並ぶイメージを抱いていた。しかしこの日に目にしたZINEは30作品を越えていた。

気仙沼市は、地方には珍しくデザイナーやイラストレーター、漫画家といったクリエイターの多い町である。しかもそれを本職として、専業で事業を営んでいる人も少なくない。

その点に鑑みるに、ある種これだけのZINEが集まったのは、必然だったのかもしれない。ZINEを通して、気仙沼市の新しい顔を見られた気分になり、とても良い企画だと感じた。

この日だけのパスタ

夕方頃、本企画だからこそ味わえたパスタを頂いた後、再びHAMACHIDORI GALLERYを訪れた。トークイベント「内湾エリアリノベーションの今までとこれから」を聴くためだ。

このイベントは、2022年から内湾エリアで取り組まれてきたエリアリノベーションのこれまでとこれからについて、プロジェクトに参画している4名からトークを聴けるバイブスの上がったイベントである。

30名以上の参加者が集まった

トークイベントでは、市役所庁舎移転による跡地活用を含めた官民共同プロジェクトの一部であったことの説明から始まり、以降登壇者4名それぞれのこれまでの取り組みや今後への展望などが語られた。

とりわけ印象的だったのは、従前太田地区や八日町など内湾エリアが持っていた文化などを大切にしながら、それらを活用して変化をもたらす不易流行の考え方が何度となく語られた点である。

町や文化などの一つ一つを作品として考えるのであれば、換骨奪胎とも言えるかもしれない。ただ新しさを生み出す都市開発を行うのではなく、元来在ったものを上手く利活用するために新しいものを取り込んでいく。

気仙沼市のエリアリノベーションとは、再構築ではなく継承なのだ。そんな強い意志を垣間見たトークイベントだった。昨今、空き家の活用を掲げる自治体は多い。だが、それが目的化してしまうと、恐らく町が上手く機能しなくなるのだろう。

その意味において、空き家の活用はあくまでエリアの魅力を高める手段として位置づけている印象を受ける気仙沼市のエリアリノベーションは、より本質的なまちづくりなのかもしれないと感じられた。


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