気づけば、家族の中心にいた猫のこと
12歳になった愛猫バニラは、相変わらず階段の窓辺が好きです。
日差しの入るその場所で、毎日ひなたぼっこをしています。
ただ、見ている側としては、少しだけ気になることがあります。
飛び上がったり、降りたりするたびに、
どこかで足を踏み外さないかと、つい目で追ってしまいます。1
2歳です。人間で言えば、もうベテランの年齢です。
でも、こちらの心配は止まりません。
それで、キャットタワーを置いた方がいいのではないか、
という話になりました。
家族それぞれが、スマートフォンで調べ始めます。
高さはどうか、安定感はあるか、置き場所に無理はないか。
これならいいと思えば、
今度は場所が気になり、場所がよさそうだと思えば、形が気になり。
ゴールデンウィーク中に買う予定だったものが、
最終日になっても、まだ決まっていません。
当のバニラは、そんな家族の動向をまったく知らない様子で、
いつも通り、同じ場所で静かに日差しを浴びています。
人間の方だけが、少し大騒ぎです。
バニラのことになると、家族は妙に真剣になります。
ご飯はこれがいい、おやつはこれで、と栄養を考える娘。
トイレ掃除も、気がつけばこまめに、
誰が先にやるかという静かな競争になっています。
誰も「競争しよう」とは言っていないのに、なぜかそうなっています。
特別に何かを決めたわけでもないのに、
気づけばバニラは家族の中心にいました。
本人は何も知りません。
今日も階段の窓辺で、この家でいちばん落ち着いた顔をして、
日差しを浴びています。
この家でいちばん冷静なのは、猫かもしれません。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!