砂糖の代わりに、みりんを使えば安心?
砂糖の代わりに、みりんを使えば安心?
あまり、人の投稿を見ることがないので、気が付かないことが当たり前なのですが、最近Youtubeも始めたこともあって、投稿していると、「お勧め!」として上がってくる記事などが目につくようになりましたわ。
そんな中で、同じようなテーマがあがってきて気になったので・・・ちょいっと心の声をまとめてみました。W
白砂糖を避ける方の中に、ときどき料理の甘みとして「みりん」を使う方がいます。そのこと自体はまったく気になることでもないのですが、そこにいつも書いてあったり言葉が添えられているのです・・・・
「砂糖は使っていません!!」ってね 汗
たしかに、昔ながらの本みりんは、白砂糖とは違います。よく多くの人の概念にある『砂糖』とは違いますねぇ。
本来のみりんは何でできているかっていうと、原料は、もち米、米麹、本格焼酎です。
米麹の酵素によって、もち米のでんぷんが糖へと変わり、時間をかけて甘みとうまみが引き出されます。
ですから本みりんの甘さは、もちろん砂糖を加えた甘さではありません。
米そのものが、麹の働きによってほどけて生まれた甘さですわね。
さて、ここで一つ理解しておいて欲しいなぁと思うことがあります。
みりんにも、糖は入っています。
むしろ本みりんの甘みの中心は、糖そのものです。
ブドウ糖、オリゴ糖、そのほか米由来の糖類が含まれていますよ〜!
そもそも、みなさんは 「なぜ砂糖を避けると決めているのだっけ?」と、考えてみましょうよ。砂糖の何がどんな特性が、食べてはならないという理由になっているのかな?
つまり、砂糖を避けているつもりでみりんを使っていても、体の中では「糖」として扱われる成分を摂っていることに変わりはないってことなのに、ってことです。
「砂糖ではない」けれど「糖ではある」
ここを混同している方が多いように感じます。
砂糖という言葉を、白砂糖だけの意味で使っている場合、
「みりんは砂糖ではない」という言い方は、ある意味では正しいですわ。
けれど、栄養的・代謝的に見ると、みりんは糖を含む甘味調味料です。
ですから、白砂糖ではないけれど、糖の集合体のようなものではある。
この理解を持っていて欲しいなぁと思います。まずは文部科学省「日本食品標準成分表」に出ている本みりんの標準成分表を貼っておきます。
これは特定ブランドではなく、一般的な「本みりん」の平均的な成分値です。
本みりん 成分表:可食部100gあたり
成分・含有量
エネルギー 241 kcal
水分 47.0 g
たんぱく質 0.3 g
脂質(微量)
炭水化物 43.2 g
利用可能炭水化物・単糖当量 26.8 g
利用可能炭水化物・質量計 26.6 g
アルコール 9.5 g
灰分(微量)
ナトリウム 3 mg
カリウム 7 mg
カルシウム 2 mg
マグネシウム 2 mg
リン 7 mg
鉄 0 mg
亜鉛 0 mg
銅 0.05 mg
マンガン 0.04 mg
食塩相当量 0 g
ここでみてとれる利用可能炭水化物・単糖当量は、26.8g/100gです。
ほぼ4分の1が糖ですね。そしてその配分は以下になります。
糖の種類と含有量
ぶどう糖 24.0 g
果糖 (微量)
しょ糖 (砂糖) 0 g
麦芽糖 2.6 g
乳糖 0 g
利用可能炭水化物 計 26.6 g
単糖当量 26.8 g
白砂糖を避けるあまり、みりんや甘酒、メープルシロップ、はちみつなどを「糖ではないもの」のように扱ってしまうと、かなり話がずれてしまいます。
砂糖を悪者にして、みりんを安全な逃げ道のように扱うのではなく、
どれも糖を含むものとして、冷静に見ればよいのです。
「自然な甘み」という言葉は、とても聞こえがよいものです。
はちみつも、メープルシロップも、甘酒も、本みりんも、たしかに自然由来の甘みですが自然由来であっても、糖は糖です。
本みりんの糖は、米が麹によって分解された糖の集合体。
はちみつの糖は、花蜜由来の果糖やブドウ糖。
メープルシロップの糖は、樹液由来のショ糖。
白砂糖の糖は、精製されたショ糖。
それぞれ成り立ちは違い、含まれる微量成分も違います。
体への入り方や料理での働きも違います。
でも、「自然だから糖ではない」ということにはなりません。
“砂糖抜き”と言い切るのには矛盾があるのです。
つまり「糖がないから安心」という表現はとても違和感があるということです。
誤解してほしくないのは、本みりんを使うことは、悪いことではありません。
むしろ、きちんと造られた本みりんは、料理に深みを与える素晴らしい調味料ですし、私もよく利用しています。
ようは、砂糖を怖がっている人が、みりんを“糖ではないもの”のようにして使うのは、少し違うなぁと思うわけです。
本みりんは、米麹の力で生まれたブドウ糖を中心に、うまみと香りを含んだ甘味調味料。だから、砂糖の代わりに使うなら、「糖を避けている」という理由ではなく、
「糖の種類と食品としての背景が違うもの」として活用するのが良いのではないかな。
違う点は、糖の種類、ミネラル、香り、酵素的な背景、熟成の過程、食品としての複雑さです。
むしろ、昔ながらの本みりんは、料理に深みをあたえて旨みで美味しくする非常にクリーンな調味料ですし、私もとてもよく利用しますよ。
本みりんとは、もち米と米麹と焼酎だけで造られ、時間をかけて糖化熟成されるもの。
砂糖だけでは絶対に出せない、米の甘み、麹のうまみ、焼酎の香りが重なった、料理になんともいえない甘〜い照りと深みというか奥行きというのかを与えてくれますよね。
煮物に少量入れるだけで、角が取れて、味がまとまりやすくなります。
肉の臭みをやわらげ、照りを出し、味を内側に保つ働きもあります。
おやつ作りでも、砂糖の代わりに使うと、なんとも言えない芳醇な甘味っていうのかな、単に甘い!というのではなくて、コクと旨みの甘さがなんともいえないのです。
つまり、糖も含むけれど、白砂糖とは違う形で、料理に甘い深みを与える調味料である、とでもいいましょうか。
砂糖を嫌いすぎると、糖の本質が見えなくなる
近年は、「糖=悪いもの」という考え方がとても強く広がっています。
そのため、白砂糖はもちろんのこと、天然の果物に含有される果糖、はちみつ、みりん、甘酒、メープルシロップなどさえもが、すべて一緒に悪者にされたり、逆に「自然なものなら大丈夫」と極端に安心されたりしています。
本来、糖は体にとって非常に大切なエネルギー源です。
脳、血液、肝臓、筋肉、甲状腺、皮膚の修復、体温維持。
これらはすべて、糖代謝と深く関係しています。
問題は、糖そのものではなく、
どんな糖を、どんな体の状態で、どんな量、どんな組み合わせで摂るかです。足りなければ、体は壊れていくのです・・・・。
糖を極端に怖がりすぎると、甲状腺が元気じゃなくなって、体はエネルギー不足になり、ストレスホルモンに頼る方向へ傾きます。結果としてコラーゲンが細って、骨がスカスカにもなりますわ。自分の肉体に潜んでいる脂肪酸(脂)の種類によっては組織の酸化ダメージも糖不足で進行します。
ですから、「砂糖は怖いけれど、みりんなら糖ではないから大丈夫」という考え方そのものを、そもそも考え直す必要がありますね。
みりんは、砂糖の完全な代用品ではないし、米由来の糖とうまみを含んだ、伝統的な甘味調味料です。それに、摂取して大いに結構ということでしょう?
甘みだけを足したいなら、砂糖やはちみつで十分な場合もあります。
照り、香り、うまみ、味のまとまりを出したいなら、本みりんが合います。
つまり、みりんは「砂糖を避けるための逃げ道」ではなく、
料理の質感を整えるための調味料です。そして糖万歳の調味料❤️
特に本みりんは、加熱することでアルコールが飛び、甘みとうまみが残ります。
煮物、照り焼き、魚料理、だしとの組み合わせでは、砂糖だけでは出せない丸みが出ます。
しつこく言いますが、
甘味として使っている以上、ぶどう糖の摂取にはなりますからね!
そこを理解した上で使うなら、とてもお勧めの調味料です。私としては、糖の摂取でよかったね、ということろでしょうか。
もちろん ブドウ糖を使いこなせないという糖尿病のケースの場合は
みりんたっぷりというのは 血糖数値を気にする方にはお勧めしません。
(血糖値が高いこと自体は悪いことではないのだけど・・ね。これはまた記事にします。)血糖値を気にする人が多すぎるー。。。そういう方には、やはり蜂蜜がお勧めです。果糖の分量の方が多いジャラやブラックバット、または糖そのものの量もブドウ糖自体の配分も少ないハニーデューを選べば、血糖値にはあまり影響がありません。
さて それでは みりんの選び方です。
本みりんと「みりん風調味料」は別物
ここも大切な点です。
伝統的な本みりんは、もち米、米麹、焼酎から造られます。
一方で、みりん風調味料は、水あめ、糖類、酸味料、うま味調味料、香料などで調整されたものが多く、アルコールもほとんど含みません。
つまり、同じ「みりん」と書かれていても、中身はまったく違う場合があります。
どうせ選ぶなら、原材料を見て、もち米、米麹、焼酎を基本にした本みりんを選ぶ方が、食品としての成り立ちは自然で代謝の邪魔にもなりません。
私が個人的にお勧めしている みりんのブランドと商品の情報をシェアしておきますね。あくまでも、私のチョイス基準バリバリで選んでいますことは、どうかご了承くださいませ。参考までに!
かなり厳しめに見ていますので、まず前提として 「本みりん」と書いてあっても全部OKではないです。
最低条件。
・原材料が、もち米・米麹・本格焼酎だけ。
糖類、水あめ、醸造アルコール、酸味料、調味料、香料などが入るものは外す。
・米由来の本格焼酎を使っている。
醸造アルコールではなく、米焼酎・本格焼酎で仕込むものを優先。
・できれば国産米、さらにできれば自然・有機・減農薬。
米は農薬・カビ毒・重金属などの汚染リスクを完全にゼロにはできないので、原料の素性が明記されているものを優先。
・瓶入りを優先。
大容量PETは業務用として便利ですが、フタル酸の流出が考えられますから擬似ホルモンの問題を無視できません。長期保存する甘いアルコール液体としては瓶の方が絶対的に安心感があります。
この辺は押さえた上で、かなり安心寄りに選べるブランドは、以下です。
1. 角谷文治郎商店「有機三州味醂」
角谷文治郎商店の三州三河みりんは、原材料がもち米・米麹・米焼酎の3つだけと明記されています。蒸したもち米を麹と焼酎で仕込み、長期熟成させる伝統製法です。さらに、国内指定産地の米を自社精米し、焼酎も自社醸造している点が強いです。
特に通常品でも、国内指定産地の減農薬・減化学肥料の特別栽培もち米、愛知県産米の米麹、自社製造の原料焼酎を使うと説明されています。
ここのブランドの中で私が使っているのは『有機三州味醂』。原材料のもち米・米麹・焼酎がすべて有機無農薬栽培とされ、原材料も有機もち米・有機米麹・有機米焼酎ですね。入手しにくいなら、通常の 三州三河みりん でも十分に優秀だと思います。

2. 白扇酒造「福来純 伝統製法 熟成本みりん」
ここもかなり良いと思います。普段は角谷文治郎商店さんですが、次点はここ。
白扇酒造の福来純は、国産のもち米・米麹・米焼酎の3つの原料のみで造られ、90日仕込み、さらに3年程度熟成させると説明されています。化学調味料や食品添加物は不使用と明記されています。
原材料も、もち米、米こうじ、本格米焼酎という構成で、糖類や醸造アルコールが見当たりませんよね。角谷文治郎商店ほど「減農薬・有機」が前面に出ているわけではありませんが、添加物なし・米焼酎仕込み・長期熟成という点では、とてもお勧めです。
ここで選ぶなら、福来純 伝統製法 熟成本みりん。かなり万能。
3. 九重味淋「九重櫻」
九重味淋の中では、選ぶなら必ず 九重櫻 です。
九重櫻は、国内産もち米、国内産米の米こうじ、しょうちゅうのみを原材料とする本みりんです。厳選された国内産もち米、米こうじ、本格米焼酎のみを使用し、昔ながらの製法で造る看板商品のようです。ここのは、使ったことないんだけど候補のひとつ。
注意点があります。九重味淋の商品でも、定番の「九重本みりん」には、もち米・米こうじに加えて醸造アルコールや糖類が含まれるタイプがあります。ですので、私の基準的には・・・九重味淋なら何でもOKではなく、九重櫻を選ぶということを明記しておきます。
このブランドで選ぶなら、九重味淋 本みりん 九重櫻。
4. 杉井酒造「飛鳥山」
杉井酒造の飛鳥山も、かなり良い候補ですね。ここも購入したことはないのですが、今回あらためて調べてみたらここんブランドも悪くありません!
公式情報では、原料のもち米に農薬使用量が少ない特別栽培米を使用し、通常より精米歩合を下げていると説明されています。原材料はもち米・米麹・本格焼酎で、アルコール分14%の本みりんとされています。
また、もち米・米麹・本格焼酎のみで、水飴、醸造アルコール、化学調味料を使わないという説明もあります。←ここ重要
角谷文治郎商店や白扇酒造ほど全国的に流通が多い印象ではありませんが、特別栽培米・純米本みりん・本格焼酎仕込みという点では、私のチョイス基準にはかなり合います。
ここのブランドで選ぶなら、杉井酒造 純米本みりん 飛鳥山。
ここまでが、個人的にお勧めできるみりんかな、と思います。
甘強酒造「有機本みりん」または「昔仕込本みりん」も、伝統あるみりん蔵として候補に入りますが、商品ごとの差が大きいので注意が必要ですなぁ。
公式サイトで確認できる「純醸本みりん」は、もち米・米麹・醸造アルコールを使用とされているため、私てきにはお勧め度がやや落ちます。醸造アルコールが入る時点で、伝統的な米焼酎仕込みとは分けて考えた方がよいです。
一方で、オルターの資料では、甘強酒造の有機みりんについて、もち米、米こうじ、粕取り焼酎の原料がすべて有機であり、粕取り焼酎は自家製の単式蒸留焼酎と説明されています。これは本当なら非常に良い内容ですから問い合わせしてみないとですね。
ですので甘強酒造を選ぶなら、一般的な「純醸本みりん」ではなく、有機本みりんや昔仕込本みりんの原材料を必ず個別に確認するのがよいですー。
選ぶなら、「有機本みりん」で、米・米麹・粕取り焼酎のみのものなら候補に入ります。
ということで・・・・私なら、安心度順にこう選びます。
最優先
・角谷文治郎商店 有機三州味醂
有機原料、米麹、米焼酎、長期熟成。かなり私の推奨理想です。
次点
・角谷文治郎商店 三州三河みりん
通常品でも、減農薬・減化学肥料の特別栽培もち米、自社焼酎という点が強いです。
・白扇酒造 福来純 伝統製法 熟成本みりん
3原料のみ、国産原料、米焼酎、3年熟成、添加物不使用。
良い候補
・九重味淋 九重櫻
国内産もち米、米麹、焼酎のみ。ただし九重の他商品と混同しないこと。
・杉井酒造 飛鳥山
特別栽培米、本格焼酎、3原料のみ。流通が少なめですが内容は良いかな。
条件付き候補
・甘強酒造 有機本みりん
有機原料・粕取り焼酎のものなら良い。ただし通常の純醸本みりんは醸造アルコール使用なので、私の基準では外します。
本音としては・・・農薬・重金属・カビ毒などの「汚染物質ゼロ」まで確認するには、各ロットの検査証明が必要です。公開情報だけではそこまでは断定できませぬ。私が扱っている蜂蜜同様に、もういろんな毒性について検査に出したいところですが、みりんは私は造れないしね。。。涙。ですので、現実的には、原料の素性が明確で、添加物がなく、伝統製法で、瓶入りのものを選ぶのが、もっとも堅実だと思います。
<< 私だったら選ばないもの >>
みりん風調味料
これは本みりんではなく、糖類・水あめ・酸味料・調味料などで作られることが多いです。
発酵調味料、加塩みりん
塩を加えて酒類扱いを避けたものです。目的によっては使えますが、伝統的な本みりんとは別物です。
醸造アルコール・糖類入りの本みりん
九重味淋でも、九重櫻は良い一方で、糖類・醸造アルコール入りの商品もあります。
PET大容量品
中身が良かったとしても、プラスティック容器の時点でアウトにします。絶対に瓶入りを優先した方がよいです。特にアルコールを含む液体を長期保存するなら、フタル酸の流出は止められません。。。
最後に。
砂糖を避けてみりんを使うこと自体は、悪いことではありません。本みりんは素晴らしい伝統調味料ですが、価値は「糖がないこと」ではなく、米麹による“糖化で生まれた”ブドウ糖・麦芽糖に、うまみ、香り、熟成、アルコールの働きが重なっていることにあります。
「みりんは砂糖ではない」という理解での選択はやめましょう。
もし「砂糖が血糖値を上げるから悪い」「糖化が悪い」と言うなら、
ブドウ糖を多く含む本みりんを“砂糖の代わりだから安心”とは言えませんよね。
ここで大切なのは、砂糖か、みりんか、という単純な善悪ではなく、
その甘みが何から生まれ、体や料理の中でどう働くのかを見ることです。
そもそも、多くの人があまりに糖を怖がりすぎていると、本当に感じます。
糖がなければ生命体は活性しないのになぁ・・・と、残念でなりません。
生命体は糖が好きですよ。中毒性とか言われますがそれもおかしい。糖そのものが私たち生きるものを活かします。「自然な甘みならいくらでも大丈夫」という言い訳する必要もないんじゃないかと。
生体というものを知り、生理学をちょっと理解して、食品はその組成や成り立ちを見ながら、うまく選択して使っていけるとよいですね。
Love Vani ❤️
