飲みニケーションを科学する!心理的安全性と組織内ソーシャルキャピタルの観点から解き明かすメリットとリスク
皆さんこんばんわ、てせごんです!
2025年もいつのまにか12月末ですね!
既に仕事納めを終えた方も多くいることでしょう!
そこで、今回は12月、1月と爆増する飲み会について触れてみたいと思います!
現代のビジネスシーンにおいて、「飲み会」ほど評価が分かれる慣習はありません。
かつての日本企業では「飲みニケーション」として推奨されてきましたが、現在では働き方の多様化やハラスメントへの懸念から、その存在意義が厳しく問われています。
しかし、組織論や心理学の視点から紐解くと、飲み会という「非公式な交流の場」が持つ機能には、単なる親睦を超えた高度な価値と、同時に深刻なリスクが潜んでいることがわかります。
本記事では、エイミー・エドモンドソン教授が提唱した「心理的安全性」と、社会学における「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」の概念を軸に、飲み会の功罪を考えていきたいと思います。
1. 心理的安全性を高める「オフ・ザ・レコード」の力
ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が提唱した「心理的安全性(Psychological Safety)」は、チームの生産性を高める最重要因子として注目されています。
これは、「チームの中でミスを認めたり、懸念を表明したりしても、対人関係を損なうことはない」と確信できる状態を指します。
「役割」からの解放と自己開示
業務時間中の私たちは、部長、課長、担当者といった「役割の仮面」を被っています。
この状態では、評価への不安から「わからない」と言えない、あるいは「反対意見」を飲み込むといったバイアスが働きやすくなります。
飲み会という場は、アルコールや食事を介することで、この仮面を一時的に外す「自己開示(Self-Disclosure)」を促進します。
仕事以外の趣味や失敗談を共有し、お互いの「人間的な側面」に触れることで、職場に戻った際にも「この人なら本音を言っても大丈夫だ」という安心感が醸成されます。
これが、心理的安全性の土台となるのです。
とはいえ、飲み会でのノリを翌週職場に持ち込むのもどうかと思いますよね・・・笑
ただ、一つの側面として「この人実は多趣味なんだあ!」とか「会社ではあんな感じだけど家では奥さんに頭が上がらないんだ!」などと会社だけでは知ることができなかった側面を発見することがあることも事実ですね!
飲み会ではあえて「聴く」ことを意識する
飲み会の場で嫌われる人No.1といえば「自分の武勇伝を永遠と語りつくし、人の意見に上乗せしてくる人」ではないでしょうか?
お酒が入ると前頭葉が委縮し、抑制が効きにくくなります。
そんな状態で自分の武勇伝を少し出すと、周囲の人は「すごいっすね!!!」と持ち上げてくれるので気持ちよくなっちゃいますよね!
ですが、そこがブレーキのかけ時です。
最初はあえて自分から小さな武勇伝を語って、皆が話しやすい環境を作ることは良いと思います。
ですが、それ以降は「〇〇さんはこの前こういうことやってましたよね!?」といったように周囲の人に話を振って聴くに徹しましょう。
そうすることで、「てせごんさんは話しを聞いてくれて受け入れてくる」と心理的安全性を高めることに繋がります。
ここで、一点注意点です!
最初のアイスブレイク的に使う武勇伝ですが、本当にすごい実績を話すのはやめましょう!
周囲の人がビビッてしゃべりにくくなってしまいます。笑
最初のアイスブレイクには、ちょっとアホな武勇伝を使うことが良いと思います!
2. 組織内ソーシャルキャピタルの構築と「弱い紐帯」
次に、組織論における「ソーシャルキャピタル(社会関係資本)」の観点から考えてみましょう。
ソーシャルキャピタルとは、人々のつながりから生み出される「信頼」や「互恵性」を資本と捉える考え方です。
部門を越えた「橋渡し型」の交流
飲み会は、組織内の異なる部署や階層を結びつける役割を果たします。
スタンフォード大学のマーク・グラノヴェッター教授が提唱した「弱い紐帯(Weak Ties)の強み」という理論によれば、イノベーションや重要な情報は、親しい友人(強い紐帯)よりも、少し離れた知人(弱い紐帯)から得られることが多いとされています。
ランチや会議では同席しない他部署のメンバーと飲み会で知り合うことは、組織における「橋渡し(Bridging)」となり、いざという時の情報共有や協力体制を劇的にスムーズにします。
この非公式なネットワークこそが、組織のレジリエンス(復元力)を高める隠れた資産となるのです。
飲みの場だけでつながりを終わらせない
せっかく普段コミュニケーションを取ることがなかった方とのつながりを、飲みの場だけで終えるのはとてももったいないです。
私もやってしまっていましたが、飲み会後に会社ですれ違ったときに下を向きながら「ちゃす・・・」みたいな感じですれ違っていませんか?
ここは勇気を振り絞って「金曜日ありがとうございました!〇〇さんの話聞けて良かったっす!!」くらい言ってみましょう!
古い!!と思われるかもしれませんが、そういったコミュニケーションをとっていくことでソーシャルキャピタルが構築されていきます。
人的資本が豊かになると本当に過ごしやすくなるので、せっかくお金を払って時間も使っているのですから、縁を切らないように活用しましょう!
3. 飲み会が抱える構造的デメリットと現代的課題
一方で、飲み会が組織に毒をもたらすケースも少なくありません。
ここでは、学術的視点から見た負の側面を整理します。
「ダークサイド・オブ・ソーシャルキャピタル」
結束力が強まりすぎることで、外部を排除する「排他性」が生まれることがあります。
飲み会に参加したメンバーだけで重要な情報が共有され、意思決定が行われる「ステルス会議」化してしまうと、参加できなかった社員(育児・介護中の社員や、健康上の理由で飲めない人)の心理的安全性を著しく損ないます。
これは情報の不均衡を生み、組織の公平性を破壊するリスクを孕んでいます。
感情労働としての負担
若手社員にとって、飲み会は「自由参加」と謳われつつも、上司への気遣いやマナーを求められる「感情労働(Emotional Labor)」の場になりがちです。
心理学的には、リラックスを目的とした場が「評価の場」に反転したとき、ストレスは最大化されます。
これでは心理的安全性どころか、逆に「失敗できない場」が増えることになり、職場へのエンゲージメントを低下させる原因となります。
4. 結論:これからの時代の「ハイブリッド交流」へ
飲み会という手段を「全否定」することも「盲信」することも、現代のマネジメントにおいては不適切と言えます。大切なのは、「交流の目的を再設計すること」です。
選択の自由の徹底: 欠席しても評価や情報共有に不利益がない環境を、当たり前の環境として保障すること。
ノンアルコール・ファースト: 「お酒を飲む場」ではなく「良質な対話をする場」として定義し、ランチ会やティータイム、ノンアルコール中心の夕食会も取り入れてみましょう。
目的の言語化: 「ただ集まる」のではなく、「新メンバーの歓迎(心理的安全性構築のため)」や「プロジェクトの労い(感情的支援のため)」など、意図を明確にしましょう。
こういったことは仕事ではしっかりやるのに、飲み会になるとおろそかにされがちです。
プライベートな時間だからこそ、参加した人・できなかった人双方に配慮した飲みにケーションを構築しましょう!
飲みにケーションのまとめ
飲み会が持つ「人間を深く知る」という機能は、デジタル化が進むほど貴重になります。
しかし、それが特定の誰かを排除したり、過度な負担を強いたりする形であれば、その組織の心理的安全性は崩壊してしまいます。
「こんばんは」と挨拶し、共に食卓を囲むその時間が、組織にとっての「資本」になるのか「負債」になるのか。
それは、主催者と参加者がお互いの境界線を尊重し、いかに高い倫理観を持ってその場をデザインできるかにかかっています。
公私の中間地点になる「会社の飲み会」だからこそ、十分な配慮を行ったうえで、価値のあるコミュニケーションの場にしていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!
