コスパの悪い幸せ
散歩をしても、お金は増えない。
本を読んでも、資格が取れるわけではない。
子どもと公園で虫を探しても、生産性はない。
空を眺めてぼーっとしていても、誰かに褒められることはない。
今の時代は、タイパやコスパが重視される。
いかに早く。
いかに効率よく。
いかに得をするか。
そんな言葉を耳にすることが増えた。
もちろん、効率は大切だと思う。
家事が早く終われば、自分の時間が増える。
移動時間が短くなれば、身体も楽になる。
でも、人生の豊かさまで効率で測ろうとすると、どこか息苦しくなる。
散歩は遠回りだ。
読書は時間がかかる。
子どもと過ごす時間は予定通りに進まない。
けれど、その「無駄」に見える時間の中にこそ、心を満たしてくれるものがある。
季節の変化に気づいたり。
子どもの何気ない一言に笑ったり。
本の一節に励まされたり。
そういうものは、タイパやコスパでは測れない。
私は質素な暮らしが好きだ。
たくさん持つことよりも、今あるものを味わうこと。
たくさん稼ぐことよりも、穏やかに過ごすこと。
競わない。
比べない。
争わない。
その代わりに、今日という一日を大切にする。
人生は、効率だけでできているわけではない。
むしろ、遠回りの中にこそ豊かさがある。
だから私は、少し遠回りをしながら生きていきたい。

