意外に近くにある「となりのトトロ」の世界
私は茨城県南部の片田舎の生まれです。私の生家は築百年の古民家で広い庭がありました。一昨年九十六歳で他界した母は、九十四歳までそこで一人暮らしをしていました。
母を訪ねる時、私は子どもや孫、姪たちにも声をかけて来られる人には集まってもらっていました。
三歳の孫娘は、庭に出てさっそく探検を始めました。
どこか懐かしく、既視感のある光景。
「あっ、トトロに出てくるメイちゃんだ」と思いました。
東京でマンション暮らしの孫にとっては、古い家は建物も庭も珍しく、魅力的だったのでしょう。
アニメ「となりのトトロ」の中で、メイちゃんは引越してきた家を「お化けやしき!」と言いながらも、楽しそうに探検していました。そして、まっくろくろすけやトトロにも出会います。
写真の孫の母親である私の娘は、幼い頃おばけが見えていたようです。よく絵に、家族以外の人らしきものを描いていました。
「これはだあれ?」
「おばけ!」
嬉しそうに話してくれました。
そして、いつのまにかおばけの話をしなくなっていました。
もしかしたら、現実の世界と少し不思議な世界の境界線は案外曖昧なものなのかもしれません。
