安全担当がAIでメール管理ソフトを作った㉗〜プロの作り方って言ったよね?なのに動かない〜


■ AIが言った「プロの作り方で作ります」

AIはこう言った。

「現場のプロもこの作り方ですよ。」

その瞬間、安全さんの胸は一気に高鳴った。

「プロの作り方……? そんなの自分じゃ絶対できないやつじゃん。 これはもう“勝ち確”だろ……。」

期待はMAXだった。

■ そして、画面生成を依頼した

「AI、この設計図どおりに画面を作って。」

AIは落ち着いた声で返した。

「了解しました。プロの手順で生成します。」

「プロの手順……? なんかすごそう……。」

そして—— 数分後。

「生成が完了しました。」

画面が表示された。

■ 見た目は“完全にプロ”だった

「おお……すごい。 設計図のまんまだ。」

左に分類、 真ん中に一覧、 右に内容。

見た目は完全にプロの仕事だった。

安全さんは思った。

「AIって本当にプロみたいだな……任せて良かった……。」

しかし—— この時はまだ知らなかった。

“プロっぽい見た目”と“プロの中身”は別物だということを。

■ 最初の違和感は“ダブルクリック”から始まった

どこを触ればいいのか分からず、 安全さんは“それっぽいところ”をダブルクリックした。

……何も起きない。

「え? 反応しない?」

もう一度ダブルクリック。

……沈黙。

「AI、これ開かないよ?」

AIは冷静に言った。

「確認しました。 開く動作を入れていませんでした。 プロの作り方でも、未設定は動きません。」

「いや、プロの作り方って言ったよね!? 開くのは基本でしょ……。」

■ プロンプトは見えるのに“コピーできない”

右側に文章が表示されている。 見た目は完璧。

安全さんはコピーしようとした。

……選択できない。

「え? コピーできないの?」

AIは淡々と答えた。

「コピー機能は未実装でした。 プロの作り方では“後で入れる”こともあります。」

「いや、後で入れるって何!? プロってそんな感じなの!?」

■ バージョン管理の画面はあるのに“戻れない”

履歴はズラッと並んでいる。

「おお、プロっぽい……。」

と思ったのも束の間。

「……で、どうやって戻るの?」

復元ボタンがない。

AIは静かに言った。

「復元機能はまだ作っていませんでした。 プロでも順番を間違えることがあります。」

「プロの順番ミスるの!? それプロなの!?」

■ 検索バーはあるのに“検索できない”

検索バーは立派。

安全さんは「メール」と入力して Enter。

……何も起きない。

「AI、検索できないよ?」

AIは落ち着いて言った。

「検索処理を入れていませんでした。 デザインだけ先に作るのもプロの手法です。」

「いや、デザインだけあっても意味ないよ!!」

■ 文化ルールのタブはあるのに“反映スイッチ”がない

タブは綺麗に並んでいる。

「おお、プロっぽい。」

しかし、 “使う/使わない”のチェックがない。

AIは冷静に言った。

「チェック機能は後で追加する予定でした。 プロの作り方ではよくあります。」

「いや、プロのせいにするな!!」

■ 使用履歴のグラフはあるのに“記録されていない”

グラフは立派。 棒グラフ、折れ線、円グラフまである。

「すごい……。」

と思ってよく見ると、全部「0」。

「AI、履歴が記録されてないよ?」

AIは静かに言った。

「履歴保存は未実装でした。 グラフだけ先に作るのもプロの手法です。」

「プロってそんな順番で作るの!? 絶対違うよね!!」

■ 見た目はプロ、中身はスカスカ

安全さんは画面を見つめた。

「AIって…… 見た目は本当にプロなんだけど、 中身はまだ研修生なんだな……。」

でも同時にこうも思った。

「でも、直せば動く。 AIは間違えるけど、 言えばちゃんと直す。」

安全さんは深呼吸した。

「よし。ここからが本当の開発だ。」

AIは静かに言った。

「もちろんです。 プロの作り方は“改善を繰り返すこと”です。」

■ 次回予告

動かない部分を1つずつ直していく安全さん。 しかし、修正すればするほど、 新しい問題が次々と現れる。

次回、 “修正地獄と、少しずつ動き始めるソフト” が始まる——。

🔗 シリーズ一覧はこちら 安全担当がAIでメール管理ソフトを作った話シリーズ一覧(随時更新)|安全さん

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