脚立シリーズ②|正しい立て方(角度ガイド線・すべり止めゴム)

脚立の安全は、「立て方が9割」 と言っても過言ではありません。 どれだけ注意して作業していても、脚立そのものが不安定なら事故は防げません。
特に、脚立の側面にある “角度ガイド線” と、 足先の “すべり止めゴム” は、現場で見落とされがちな重要ポイントです。
🔵 1. 脚立は“線に合わせて”立てる(角度ガイド線の意味)
多くの脚立には、側面に 斜めの線(ガイドライン) が入っています。 これは「この角度で立てると最も安定する」というメーカー基準の角度です。
■ ガイド線の役割
脚立の 最適角度(約75度前後) を示す
開きすぎ・立てすぎを防ぐ
重心が最も安定する位置を示す
脚立は、角度が少しズレるだけで安定性が大きく変わります。
■ 現場でよくある間違い
急いで立てて、ガイド線を無視する
狭い場所で無理に立てて、角度が立ちすぎる
天井が低く、脚を開ききれないまま使う
角度が悪い脚立は、 後ろに倒れる・横に滑る・ガタつく という事故の三大要因になります。
「線に合わせるだけで事故が減る」 これは本当にその通りです。
🔵 2. 脚立の“すべり止めゴム”は消耗品(取れる・割れる・硬化する)
脚立の足先にあるゴムは、 実は“交換前提の消耗品” です。
見た目がキレイでも、内部が硬化していることがあります。
■ ゴムが劣化すると起きること
摩擦が落ちて 滑りやすくなる
ゴムが割れて 脚が斜めに沈む
ゴムが外れて アルミの脚がむき出しになる
鉄板・塗床・粉じん床で 一気に滑る
特に多いのが、
「気づいたら片方だけゴムが取れていた」
というパターン。
片側だけゴムがない脚立は、 角度が正しくても滑るため、非常に危険です。
🔵 3. すべり止めゴムが“取れやすい状況”
現場でよく見かけるのは次の3つ。
■ ① 脚立を引きずって移動する
→ ゴムがめくれて外れやすい。
■ ② 粉じん・塗料・溶剤が付着する
→ ゴムが硬化して割れる。
■ ③ 長期間屋外に放置
→ 紫外線で硬化し、ポロッと取れる。
ゴムは 触って柔らかさを確認する のがポイントです。
🔵 4. 現場で使える“脚立の立て方チェック”
✔ 設置前
ガイド線が見える位置まで開いているか
開き止め金具が伸びてロックされているか
床が平らで滑りがないか
すべり止めゴムが割れていないか
ゴムが片方だけ取れていないか
✔ 設置後
ガタつきがないか
脚がすべて接地しているか
通路・扉の前ではないか
天井に当たって角度が変わっていないか
🔵 5. 安全担当としての“本音”
脚立の事故は、 「脚立そのものの劣化」+「立て方のミス」 が重なった時に起きます。
特にすべり止めゴムは、 取れた瞬間に脚立の性能が半分になる と言ってもいいほど重要。
だから僕は現場でこう伝えています。
「脚立は角度と足先だけ見れば、事故の半分は防げる。」
🔜 【次回予告】脚立③|昇降と作業姿勢(片手作業・工具保持・届かない問題)
脚立の事故は、 “作業中”に最も多く発生します。
次回は、
片手作業が危険な理由
工具の持ち方
届かない時の正しい判断
「あと少し」の心理が事故を生む仕組み
これらを、現場のリアルを交えて解説します。
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