✨安全担当がAIでメール管理ソフトを作った話⑪〜法令を“読む”から“運用する”へ。AI要約の限界にぶつかった日〜

安全さん 2026年5月5日
※安全担当の仕事でAIを使いこなしていく実録シリーズです。
■ メールソフト開発の裏で、もうひとつの課題があった
改行記号の泥沼はまだ続いています。 直ったと思えばまた出てくる。 でも、そこで止まっていても仕方がない。
実はその裏で、ずっと気になっていたことがありました。
「安全に関する法令を、もっと効率よく把握できないか?」
安全担当なら誰もが経験する、あの悩みです。
■ 法令は更新される。しかも“気づきにくい”
安全の法令は、
いつの間にか改正されている
PDFが増えていく
省庁ごとに形式が違う
どこが変わったのか分かりにくい
という“情報の迷路”になっています。
忙しい現場で、 毎回すべてを読み込むのは現実的ではありません。
■ 思い切って「スクレイピング × AI要約」を導入
そこで今回、思い切ってこう考えました。
「法令を自動で集めて、AIに“自社に必要な部分だけ”抽出させればいいのでは?」
やったことはシンプルです。
省庁サイトの法令ページをスクレイピング
新しい法令・改正情報を自動取得
Claudeに全文を読み込ませる
「自社の業務に関係する部分だけ要約して」と指示
さらに「現場で必要な対策」に落とし込む
すると—— 毎回PDFを全部読む必要がなくなりました。
■ AIは“全文を読むのが得意”。人間は“必要な部分だけ知りたい”
AIに法令全文を渡すと、 人間が読むより圧倒的に早く、正確に整理してくれます。
そしてこちらは、 「自社に関係する部分だけ」 を受け取ればいい。
たとえば、
うちの設備に関係あるか
現場の作業に影響するか
書類の更新が必要か
教育内容を変える必要があるか
こうした“実務に直結する部分”だけを抽出してくれる。
安全担当にとって、これは革命です。
■ ……と思ったら、AIが“途中で止まった”
しかし、ここでひとつ問題が出てきました。
法令全文をAIに読み込ませて要約させようとすると——
途中で文章が切れてしまい、要約が失敗する。
全文を送っているのに、
「文章が途中で切れています。全文を送ってください」
と返される。
いや、全部送ってるんですけど……。
章ごとに分けても破綻する。 何度やっても同じ。
「AIは長文が苦手」という現実にぶつかった瞬間でした。
スクレイピングで法令を集めるところまでは順調。 でも、 “要約をどう現場に届けるか” という次の壁が見えてきた。
■ 法令を“読む”から“運用する”へ
それでも、AIを使うことで 安全業務の本質が変わり始めているのは確かです。
必要な部分だけ抽出
現場向けに要約
必要な対策をリスト化
社内資料に転用
これまでの安全業務は「法令を読むこと」に時間を取られがちでした。 でもAIを使うと、「法令をどう運用するか」に集中できる。
■ AIは“代わりに考えてくれる”のではなく、“考える材料を整えてくれる”
今回の仕組みを作ってみて、改めて感じたことがあります。
AIは魔法ではありません。 でも、
「考えるための材料を整える」
「読むべき部分を絞る」
「判断の前処理をしてくれる」
この役割がとてつもなく大きい。
安全担当の仕事は、判断と運用がすべて。 その前段階をAIが支えてくれるだけで、仕事の質が一気に変わります。
🔜 次回予告(⑫へ続く)
法令の自動収集とAI要約の仕組みはできた。 しかし、次に待っていたのは——
「AIが要約した内容を、どう社内に展開するか?」
そしてもうひとつ。
「そもそもAIが長文要約に失敗する問題をどう突破するか?」
現場に伝わらなければ意味がない。 資料に落とし込むにも工夫が必要。
次回は、 AI要約を“現場で使える資料”に変換する仕組み に挑戦します。
安全担当のAI活用は、まだまだ進化します。
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