余白を愛する人へ。GRAPEVINE「望みの彼方」という名曲について
きっと、誰にでも、一つや二つ、
未完成のまま置き去りにした想いが
あるのではないだろうか。
今日はそんな心に寄り添ってくれる
バンド、「GRAPEVINE」の曲を紹介したい。
燻銀のロックバンド「GRAPEVINE」
私は、GRAPEVINEというバンドが好きだ。
すごくメジャーという訳ではないが、
デビューして30年弱、メンバーが体調不良のため脱退したことはあったものの、
割とコンスタントに楽曲を世に提供しており、
全国ツアーも行っていて、
根強い固定ファンがいる息の長いロックバンドだ。
私とGRAPEVINEとの出会い
まあかく言う私も、毎日聴いている訳でも、
ライブにあしげく通っている訳でもない。
なんなら数年前に出たアルバムも買っていない、ライトリスナーなのだが。
私の「なんかいいミュージシャンいない?」
との問いかけに、学生時代、友達が
教えてくれたのがGRAPEVINEだ。
Vo.田中和将が描く詩の世界
GRAPEVINEは、明るく元気な、ではなく、
ちょっと切なくてダークな曲調と
メロディーラインが多いが、
演奏もとても上手で聞き応えがある。
激しいロック調の曲は痺れるほどカッコいい。
だがなんといってもこのバンドの特徴は、
Vo.田中和将氏が書く歌詞だろう。
歌詞は非常に難解だ。
日常の風景を詳細に歌っているのではなく、
非常に抽象的だ。
そして言葉と言葉に繋がりが無いことも多い。
おまけに田中氏にも歌い方に癖があるため、
歌詞を読まない限り、何を歌っているのか
わからないこともあるだろう。
言い方を変えると、
歌詞にかなりの余白があるのだ。
その余白を埋める作業が好きな人が、
このバンドにハマるのかもしれない。
余談だが、この田中氏が書いたエッセイが
高校の現代国語の教科書に載った。
それくらい、言葉の紡ぎ方が
常人離れしていると私は思っている。
名曲「望みの彼方」
名曲もたくさんあるのだが、
私が最も好きな、
そしてファンの中でも1、2位を争うほどの
人気のある曲が、
「望みの彼方」だ。
1999年発売の、「LIFETIME」というアルバムに
入っている。
こちらで歌詞を詳細に載せるのは伏せるが、
登場人物は「僕」と「恋人」だろう。
導入
「独りで君は泣く 断りもしないで」
1サビラスト
「壁の前に立ち尽くした君の姿を見つけた」
2サビラスト
「頭の上に撒き散らした望みの彼方を見てた
伝えられるはずだった君の姿を見てた」
伝えられなかった想い
もうこれだけで、ウッ😫ってきませんか?
伝えられるはずだったんです。
でも、伝えられなかった。
君の姿を「見つけた」けれど、
見てることしかできなかった。
追いかける資格なんて僕にはもう無かった。
望みはもう散り散りになって、
頭の上に放り投げた。
その先には何があるのだろう。
…切な過ぎる。切な過ぎるよ。
恋人は静かに泣いている。
でも、僕はもうそれを見ていることしか
できない。
そんな自分への諦念と、
見限りのようなやるせなさが、
この歌詞から伝わってくる。
アウトロの未完成感
そして曲のアウトロで美しいコーラス、
最後のドラムが
ズン・チャン・ズンズンチャン・ズン…
いや途中で終わらせないで‼️
この不完全燃焼感がまた、
この曲の切なさを強調してる。
そして感じるカタルシス。堪らないね。
切なさに浸りたい夜に
ちょっと切なさに浸りたい夜に
ふと聴きたい曲。
それが、
「望みの彼方」だ。
曲全体を聴くと更にこの歌の世界観が
わかるので、ぜひ一度「望みの彼方」を聴いて、
その余白に自分の感情を重ねてみて
いただけると嬉しい。
ーあなたにも、
ふと切なさに浸りたい時に聴く曲は
ありますか?
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※歌詞引用部分はすべてGRAPEVINE『望みの彼方』(作詞:田中和将)より引用。
