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2025 JFL第23節 Honda FC戦マッチレポート

今年の3月末、悲願達成に向けてスタートした2025シーズンの第4節、2勝1分でアウェイ都田でのHonda FC戦に臨んだ。JFLの門番・Honda FCに勝ってさらに勢いを増したいヴィアティン三重は12分に饗庭の先制点で勢いを掴んだ。そこからはリードしたまま五分五分の闘いが続く。惜しい場面は何度か作れたものの追加点は奪えず、なんとしてもそのまま逃げ切りたかった。しかし終盤に入り明らかにギアを上げてきたHonda FCは88分に同点ゴール、90+2分に勝ち越しゴールを上げ、アディショナルタイムを含むラスト5分で試合をひっくり返した。振り返ればこれが今シーズン最初の大きな躓きであり、序盤戦でのヴィアティン三重の勢いを失速させるキッカケだったのかもしれない。それぐらいガツンと強い衝撃を与えられた負け方だった。

とは言え相手も毎年新しいメンバーを加えて新シーズンに臨んでいるわけで(チームとしての強固な積み上げは当然あるが…)、毎シーズン開幕ダッシュを決めてそのまま上位フィニッシュをしているわけではない。新チームになっても徐々に調子を上げ、順位を上げ、(昨シーズンは7位フィニッシュだったが)気づけばいつも上位争いをしている、それがHonda FCだ。今季も5節で3位(ヴィアティン三重は9位)、10節で6位(7位)、15節で4位(10位)、20節で2位(11位)と終盤に差し掛かるにつれて着実に順位を上げてきていた。

ヴィアティン三重は22節を終えて9位、優勝・昇格の可能性は極めて深い霧の向こうになってしまったが、ホーム・ラピスタで(5/18以来)勝つこと、前回対戦の雪辱を果たすこと、3rdユニフォームを纏った特別な試合で勝つことなど、勝ちたい理由はいくらでも挙げられる。いや、シンプルにHonda に勝ちたい。相手がどこであろうと勝ちたいことに変わりはないが、この一戦に勝つことは大きな意味がある。そんな想いを胸に今季二度目のHonda FC戦に臨んだ。


第23節 スターティングメンバー

  • GK:1 森

  • DF:5 饗庭・6 上田・22 伊東・24 池田・松浦

  • MF:13 安西・20 金

  • FW:77 井口・11 加倉・25 山田

  • SUB:17 稲葉・3 伊従・7 森主・28 野口・47 荒川・9 大竹・41 梁

スコア

ヴィアティン三重 1-1 Honda FC
(前半:1-0 / 後半:0-1)

  • 30分:オウンゴール

ハイライト




22節 FCマルヤス岡崎戦レビュー

アウェイで迎えた第22節・FCマルヤス岡崎戦。マルヤスはシーズンの半分を終えた15節終了時点で14位と下位に沈んでいたが18節から3連勝、21節ではいわてに0-0と引き分け直近の4試合で3勝1分で負けなしで9位まで順位を上げてきている。一方ヴィアティン三重は20節で浦安・市川に勝利し11試合ぶりの勝点3を手にした。ホームで滋賀に敗れたものの、徐々に調子を上げ手応えを掴みながらこの試合を迎えた。ここ数年マルヤスに対しては相性が良かったが前回対戦(第5節)では0-2で完敗。試合内容も悪く、4節のHonda FC戦に続いてシーズン序盤で早くも連敗を喫してしまった。調子を上げてきたマルヤスはFW陣の推進力・攻撃力を武器にしている。それをどのように攻略するのか。

試合は序盤から球際で激しいぶつかり合いを繰り広げる。勢いを持ってボールを運ぶマルヤス、高い位置からプレッシャーをかけて潰しにかかるヴィアティン三重。互いに決定機は少なくスコアレスで前半を終える。後半はマルヤス陣内でプレーする場面が増えジリジリとゴールに迫る。そして75分、相手のパスをカットした松浦から左サイドの山田に展開、山田からゴール前にグラウンダーのクロスを入れ飛び込んだ金が僅かに触ってゴールに流し込んだ。

ゴール前に飛び込んだ金と加倉

前節の滋賀戦では退場と累積警告でベンチ外だった山田と松浦の二人が繋いだボールから執念の先制ゴール。最後は虎の子の1点を全員で守りきり勝利を掴んだ。

アウェイ勝利恒例の集合写真!

上田駿斗選手 JFL通算100試合出場達成

JFL第22節 FCマルヤス岡崎戦で、上田駿斗選手がJFL通算100試合出場を達成しました。




積極的な守備から先制点を奪う

秋の爽やかな風が吹く中「木曽岬町サンクスマッチ/森川建設DAY」、そして「ヴィアティン☆ワンダーランド」と題されたホームゲーム&イベントでラピスタ周辺は試合開始前から多くの人で賑わっていた。

前節で首位の滋賀に勝利し首位に立ったHonda FC。ここまで4連勝、かつ4試合で11得点と驚異的な強さを見せている。また、上位争いは例年以上の混戦になっているため、後半戦に入ってからヴィアティン三重が首位チームと対戦するのは今季三度目(18節・大分、21節・滋賀)となる。またこの試合はマッチデーパートナー・森川建設のロゴを胸に配した真っ青な3rdユニフォームを纏って行う特別なホームゲーム、何としても勝って華を添えたいところ。

夕闇の中、照明に照らされて青く輝くピッチ上に鮮やかなブルーの3rdユニフォーム(GKはオレンジ)を纏ったヴィアティン三重の選手たちが登場。18時ちょうどにヴィアティン三重ボールでキックオフ。ボールを受けたCBの饗庭が大きく前方に蹴り出して試合が始まる。同時に猛然と走り出す2トップの加倉と山田。

前節では65分に山田が交代でピッチに入ってから、加倉とのコンビで前から猛烈にボールを追いかけ回し相手守備陣を苦しめた。Hondaを相手にマルヤス戦と同様、加倉と山田が前からプレッシャーをかける。そしてそれに井口・金・松浦が連動して追いかける。しかし相手はHonda FC、プレス回避のテクニックが一枚上手、ボールを奪えたとしてもその後のカバーやサポートが速く、簡単にはマイボールにできない。それでも前からプレッシャーを掛け続ける、やり続ける。

常にHondaが前を向いてボールを保持し、何本もパスを繋いでヴィアティン三重陣内に攻め入るが、前線・中盤・最終ラインがうまく連携してシュートまでは持ち込ませない。自陣で奪い切ったあとは裏を狙った長いボールを入れる。簡単には収まらないが、相手の選手を後ろへ下げるという点では効果的な方法だろう。

28分、ピッチ中央でボールを奪ったヴィアティン三重、最終ラインの伊東が加倉を狙って裏へのロングボールを入れる。しかし相手DFが回収、そこからビルドアップを始めるがそれに対して加倉がプレッシャーをかける。金が行く、山田も行く、プレスをかいくぐって中盤に対して縦パスを入れるHonda、それを奪いに行く伊東。こぼれたところで井口が拾いドリブル開始、たまらずファールで止めるHonda、フリーキック獲得。

安西が蹴ったボールは跳ね返されたが二次攻撃、これも防がれて三次攻撃。これもまた奪われてHondaがカウンターに入ろうとしたところで池田が潰す。こぼれ球を回収した饗庭、右サイドをフリーで走る山田を狙ってポケット付近へスルーパスを入れる。受けた山田、迷わず低く鋭いクロスをゴール前のスペースへ送る。

ワンタッチで鋭いクロスを入れる山田晋平

しかし次の瞬間、ウォー!と歓声が上がる。身を投げ出して脚を伸ばした相手DFに当たってコースが変わりゴールのニアサイドにそのまま突き刺さった。相手GKは全く反応できず。畳み掛ける守備、前への意識、ワンタッチでの鋭いクロスが相手のオウンゴールを誘い先制!

前節も後半途中からピッチに立った山田のクロスから先制点が生まれ決勝ゴールになった。今回も山田の積極的なプレーが功を奏し、また全員のハードワークと前への意識が大きな先制ゴールを生んだ。Honda相手の先制ゴールにスタジアムが沸く。

37分には右サイドから持ち込んだ山田がカットインしてそのままゴール左隅を狙った左脚のシュートを放つ。コースを狙って巻いたボールはゴール左上ギリギリで枠を捉えていたが相手GK・青木が目一杯腕を伸ばして掻き出した。ここはナイスセーブに阻まれてしまう。しかし少ないチャンスから積極的にゴールを狙う山田、調子の良さが伺える。

枠を捉えていたが惜しくもゴールならず

その後もHondaが優位に進めるも決定的な場面は作らせることなく1点リードで前半を終えた。

後半早々の失点、最後まで走り抜いたが

直近の4試合で得点11得点、22節までに38得点。1試合平均1.73得点のHondaがこのままで終わるはずがない、前回対戦の苦い記憶も蘇る。ハーフタイムが終わり再びピッチに現れた選手たちの表情に緩みは一切ない。もう一度ここからハードワーク、どこまで走り続けられるかが勝敗を分ける。

しかし後半開始からわずか8分(53分)にその時は訪れる。自陣からビルドアップを始めるHonda、前半同様に前からプレッシャーをかけに行くヴィアティン三重の攻撃陣。その距離が近づく前にパスでかわすHonda、テンポ良く繋いでHondaの左サイドに展開する。距離を取って飛び込まないヴィアティン三重の守備陣、Hondaの#14・斉藤が細かなタッチでドリブル、少しずつ中央に運びそれにつられて伊東が追いかける。少し下がりながら中央へドリブルで運び伊東がズレたところで顔を上げた斉藤、迷わず右脚を振る。

あと一歩速く反応できていれば…!

ゴールまでの距離は20m以上、美しい弾道で飛んだボールはゴール右隅に吸い込まれた。反応して飛んだGKモリケン、一歩ステップが遅れたか、わずかに届かず敵ながらあっぱれと言わざるをえないゴラッソが決まり試合は振り出しに。53分、まだまだ時間はある。

同点ゴールを奪ったHondaは55分に一枚、71分に3枚替えで先に動く。ヴィアティン三重も73分に一枚、81分に3枚替え、追加点を狙う。しかしHondaがボールを保持し右に左にピッチを広く使ってヴィアティン三重ゴールに襲いかかる。失点シーンはなすすべもなかったが、前線・中盤・最終ラインの選手らがそれぞれにハードワークを続けて食い下がる。

Hondaが3回攻めてヴィアティン三重が1回ボールを奪うといったペースで試合は進む。時折ボールを奪う事はできる、しかし攻め切る、やり切るところまでは持ち込めずに時間が経過していく。マイボールでスタートできるGK・FKの場面では山田を狙ったロングボールに終始し、やや単調な印象。89分には山田に代えて大竹を投入、最後のチャンスを狙う。

終盤に決定的なピンチを二度迎えたがモリケン、饗庭を中心に守備陣が身体を張って守り切る。時間がなくなってきても慌てないHonda、最後までHondaらしいサッカーで常に前を向いて迫ってくる。わずかなチャンスを狙うヴィアティン三重は安西、松浦らが果敢にシュートを狙うも決定機には至らず。最後まで両者が闘志をぶつけ合うも追加点は奪えず、試合終了のホイッスルが鳴った。

目の前の相手に負けない、闘うのは当たり前。

やはり簡単な試合にはならなかった。先制するにはしたが、そのまま勝たせてもらえるとは誰一人思っていなかっただろう。Honda FCは強い、予想通り相手が優位に試合を進めた。先制はできたが追いつかれた。しかし前回の試合内容を思えば相手に簡単にやらせる場面は多くなかった。

一方で相手に脅威を与えられた場面はほとんどなかった。得点シーン以外で相手ゴールを脅かすことができたのは前半37分に山田が放ったシュートのみ。これでは複数ゴールは生まれないし、門番・Honda FCを倒すことはできない。

試合を終えた菅原監督は選手たちにこう伝えたという

もう闘うとか、目の前の相手に負けないってところは、当たり前のレベルに選手がなってきてくれてるので、そこに対してよくやったとは言わないし、あと引き分けというこの結果は覆らない。大事なのは勝っても負けても引き分けても、次の試合に向かうことだと常に言ってるので、次の試合に向けてしっかり準備していこうと話しました。

菅原監督試合後コメント

Honda FCを相手に最後まで走り、しっかりと守り、全力で闘い抜いたことは事実として受け止め、その中で得たこと、そして変わらず課題として上がったことは日々のトレーニングでクリアしていく。優勝・昇格という目標が深い霧の向こうだとしても、選手たちは目の前の闘いに集中し、前に進み続けるしかない。

実は、試合を終えた後、公式会見の場での菅原監督は一見スッキリとしているように見える。今季コーチとして三重に来て、シーズン中盤を過ぎてチームが低迷している「一番難しい時期」に監督を引き継ぐことになった。そんな菅原監督がやるべきことは目の前の一戦でチームを勝たせること。その一戦が終われば次の一戦で勝たせること。この繰り返しだ。引き分けて悔しくないはずがない、背負っている責任の重さを感じていないはずがない、それでも指揮官は淡々と話し、次に向かっている姿勢を見せる。それはJ1/J2/J3/JFL/地域リーグと様々なカテゴリーで選手として闘ってきた菅原監督のメンタルの強さなのかもしれない。

残り7試合、何を得て何を残すことができるのか。全力でもがきながら少しでも進化・成長しようとしている選手らが放つ輝きを見逃さないようにしたい。その先に勝利の喜びがあることを信じて。

公式記録

試合後コメント

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