【備忘・スペース感想】【創作大賞2026関連イベント】物語のつかみかた

 創作大賞2026も募集開始間近! ということで、Talesさんが萩原社長と丸戸史明先生が対談する「物語のつかみかた」イベントをX(twitter)のスペースでも配信してくれました。録音を残してくださるようなので誰でも聞くことができるのですが、個人的備忘としてメモも残しておきます。
 以下、具体的なトークの内容・印象に残ったフレーズを列記しつつ、適宜感想や考察を残していきます。


・書き出しは大事
 知ってた。
 書き出しについては、小説家になろうで定期的に開催されるユーザー主催イベント「書き出し祭り」で鍛えられています。タイトルやあらすじで興味や期待を持たせること、本文でそれを裏切らず、物語に引き込むこと。作者視点で仕掛けたつもりの仕掛けは意外と通じなかったり、(作者が考える)物語の魅力を的確に伝えるのはとても難しかったり。大切なことを実施で教えてもらったイベントです。
 GW開催予定の第27回にも参加予定なので、そろそろネタを考え始めないといけないですね……。

・物語には普遍的な枠を使うものと、唯一無二の作者性を押し出したものがある
→普遍的なものは意外性で、唯一的なものは意外性もありつつ納得感のある筋書で読者をひきつけるべし。
 楽しみ方が分からない作品は読者の食いつきが悪い、ということですね。あるていど分かりやすいジャンル・枠組みを示したうえでちょっと捻りを加えるのが比較やりやすい手法とのこと。完全な「トンチキ」で勝負する作品は、ぱっと見で読者を驚かせつつ、「これはこういう話!」というコンセンサスを取り付けたうえで進めて行かないと離脱されてしまいかねない、と。

 萩原社長と丸山先生いわく、「唯一無二」タイプは作者がどうしても書きたいから書く! 系統のお話になるので、一般読者に通じるように見せ方を考える必要があるとのこと。「一発ネタ」というか、冒頭のインパクトで終わって続きがダラダラしてしまうきらいもあるので、常に読者を驚かせる→呑み込ませるを繰り返さないといけないので大変だそうです。

 普遍的な枠を使ったものは、あるていどテクニックで対応できる余地があるけれど、それでも読者の期待を正しく認識し、ガッカリさせないようにワクワクさせ続けなければならないのは同じなので、やはりどちらも大変ですね。

・後から面白いのは普通なので最初も面白くしてください
はい。(はい)

・第一印象が良いと加点式、悪いと減点式で読まれがち・その印象を挽回するのは難しい
だからこそ書き出しに気を遣わなければならないのですね。

・序盤こそ意味のある苦しみ方を
 
書き始める前にというか、書き出しの段階で考え抜いておけ、ということと理解しました。物語の設定や世界観等のセットアップに気を遣うと、後から自然と整合性がついてくる、とのこと。
 荒業(?)として、各キャラの前日譚を書くことをお勧めされていました。物語が始まる前のエピソードを小説形式で・何なら一冊分くらい(設定としてではなく、しっかり書き出さないと意味がないとのこと)書いてからいったん捨てて、本来の「第1話」を書き始めると色々固まってて書きやすいよ✨ とのことでした。毎回できるかどうかは分からないけど説得力はある……!
第3話を第1話にすべし、という手法(?)もお話されていてました。作者が思う「大事な冒頭説明」は読者にとっては意外と要らない・つまらないのは確かにあると思うんですよね……。それならキャラや話が動き始めるところから書き始めたほうが良いのはそれはそう)

・見かける会話、7割くらいは悪い例
 「つまらない会話文」を例示していただいた上で「いくら何でもこれはないと思うでしょう? でも、編集者として見る会話文の7割くらいあてはまります」とのお言葉にめちゃくちゃ背筋を正しました。できてるつもりでも、客観的な目線で見直し・遂行すること大事ですよね……。

・台詞に複数の意味を持たせる
 物語を進めたり、キャラの性格や関係性を説明したりなど。特にライトノベル的作品でありがちなのかな? と思うのですが、書こうと思えばオチのない会話はいつまでも続けられるもので、でも物語は進んでいなかったりはしそう……。
 たぶん、私もあるていど意識はしている……つもりのですが。いかに自然な流れで情報を織り込むか、などには苦労しますし、台詞だけでなく構成も絡む話ではありますが、「この流れでそれ言う!?」な台詞はキャラ立てに良いんですよね。(分かりやすく既存作品で言うと、岸辺露伴の「だが断る」ですね)
 推敲段階で「こいつ、唐突に何を言い出しているんだ……」となって書き直すこともしばしばではあるのですが。作者の都合で台詞を言わせると、不自然な流れになりがちなことも自覚しておく必要がありそうでした。

・創作は読者とのドッヂボール
 コール&レスポンスや、よく言われるキャッチボールの喩えもあったのですが。「これを投げたらどう思われるか」「弱いボールばかりだとつまらない」「避けるか外すかの選択が発生する」などのスリリング要素も包含させるにはドッヂボールの喩えのほうがしっくりくるかも! と思いました。相手の動きを読みつつ、意表を突きつつ、良い感じにゲームを進める必要がある、という点でも良い喩えではないかと。
 私はドッヂボール大嫌いでしたが!

・質疑応答より
 「商業で成功を目指す作品についての話をしています」という前提を強く感じました。ひとりで黙々と書いたり、少数の読者を刺すことを目指したりする創作のあり方も認めつつ、「エンタメを志向し、理解されたい読まれたいと思った時点で掴みや読者の目は意識すべし」とのお言葉に襟を正しました。
 「私は面白いと思うんだけどなあ」で止まっているのは(商業エンタメでは)ダメで、その面白さを読者に伝えるにはどうすれば良いのか、そこで試行錯誤すべしとの叱咤激励だと受け止めましたので。
 「純文学とは『お寺で黙々と書いたものを置いておいたら、たまたま見つけた読者や編集者が世に出すもの』」というお話も印象的でした。お寺に置き去りにできない作品であるならば、どうすれば世に出るか、より多くの人に読まれるかを考えていかなければいけないのですね……。


 創作大賞2026に向けて、大いに刺激をいただいたイベントでした。執筆や改稿の糧にさせていただきたいと思います!


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