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GT-Rって何がそんなにいいの?|速さではなく「執念」に惚れた理由 GTR.1

「GT-Rって何がそんなにいいの?」


これまで何度も聞かれてきました。

速いから。
四輪駆動だから。
コストパフォーマンスが高いから。

もちろん、どれも間違いではありません。 

でも、私がGT-Rに惹かれた理由はそこではありません。

私が惹かれたのは、GT-Rという車ではありません。
その一台に込められた、日本の技術者たちの執念でした。


私が乗り継いできた日産スポーツカー


私はこれまで、
R32 GT-R。
R34 GTターボ。
Z32。
Z33。
Z34。
そしてR35 GT-R。
日産のスポーツカーを何台も乗り継いできました。

どの車にも、それぞれの魅力があります。

でも、R35 GT-Rだけは別格でした。

オーナーになって初めて分かったことがあります。

GT-Rは、性能だけで語る車ではありません。
そこには、日本の技術者たちの「世界へ挑む」という強い意志が込められていました。


「世界一速い日本車」を本気で目指した人たち

R35 GT-Rの開発責任者、水野和敏さんは有名な言葉を残しています。

「ポルシェを超え、世界基準のスーパーカーを作る。」

当時、それを無謀だと言う人も少なくありませんでした。

「国産車では無理だ。」
「ポルシェには勝てない。」


そんな声もあったはずです。
それでも開発は止まりませんでした。

GT-Rは、本気で世界へ挑みました。
ニュルブルクリンクで、世界の名だたるスーパーカーと真正面から勝負したのです。

私は、その姿勢に惹かれました。

勝てるかどうかではありません。
挑み続けること。
諦めないこと。

「世界と戦う」という意志を貫くこと。
GT-Rは、日本人技術者たちの執念を形にした車だったのです。


チューニングは、開発者との共同作業

だから私も、GT-Rを買って終わりではありませんでした。

吸排気。
ECU。
サスペンション。
ホイール。
タイヤ。
ブレーキ。
オーディオ。
フルバケットシート。

気が付けば、いつも何かを触っていました。

完成させたかったわけではありません。

もっと良くしたかった。
もっと自分らしいGT-Rにしたかった。


車好きなら共感していただけると思います。
チューニングとは、単に性能を上げることではありません。

私は、開発者との共同作業だと思っています。

もし自分が、この車の続きを作るなら。
もし自分が、この車をさらに進化させるなら。

そんな気持ちで愛車と向き合う時間が、たまらなく好きでした。


「1000馬力より、700馬力」

ある日、1000馬力仕様のR35 GT-Rを作った先輩が、こんなことを言いました。

「1000馬力は速い。
でも踏めない。
結局、600〜700馬力くらいが一番速い。」

当時は車好き同士の会話だと思って聞いていました。

でも38歳になった今、その言葉の意味が変わりました。

人生も同じなのだと思います。
一番大きな数字を持つことではありません。

自分が扱い切れること。
力を使い切れること。
それが、本当の強さなのだと気付きました。




今はマクラーレンに乗っている

今、私はマクラーレン570Sに乗っています。

GT-Rとは、まったく違う哲学の車です。
GT-Rは、重さを技術でねじ伏せる車。
570Sは、軽さを極限まで磨き上げた車。


考え方は正反対です。
でも共通しているものがあります。

技術者たちの狂気です。

「どうすれば、もっと速くできるのか。」
「どうすれば、もっと良くできるのか。」

その問いを何年も追い続けた人たちが作った車だからこそ、人の心を動かすのだと思います。


GT-Rが教えてくれたこと

GT-Rを手放した日は、本当に寂しい気持ちになりました。
16歳で憧れ、
20代で夢を叶え、
30代を一緒に走ってきた車でした。

仕事で苦しかった日。
東海環状を何周も走った夜。
仲間とチューニング談義で笑った時間。
夜明け前のパーキングエリアへ集まり、Rs meetingに走った日。


どれも、私にとって大切な思い出です。

最近になって、ようやく分かったことがあります。

私が好きだったのは、GT-Rという車ではありませんでした。

GT-Rという物語だったのです。

「世界へ挑む。」
その一つの目標のために、何十人もの技術者が知恵を絞り、失敗を重ね、それでも諦めなかった。
その執念が、一台の車になった。


だから私は今でもGT-Rを見ると、思わず振り返ってしまいます。

速いからではありません。
有名だからでもありません。

人は、完成された結果に心を動かされるのではない。

GT-Rは、私に「人を動かすのは才能ではなく執念だ」と教えてくれた一台でした。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
営業、落語、車、そして人生で出会った出来事から、「誰かの役に立つ気づき」を綴っています。
また読んでいただけたら嬉しいです。

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