仕事の価値をどう伝える?AI時代に20年の秘書経験と起業3年でたどり着いた答え
「メールチェックなんて、AIでもできますよね。」
そんな言葉をかけられたことがあります。
その場では何も言いませんでした。
確かに、AIでできることはどんどん増えています。
私自身も毎日のようにAIを活用していますし、その可能性も感じています。
だから、その言葉を否定したいわけではありません。
でも、その瞬間に思ったことがありました。
「この人は、私たちが提供している価値を見ていないんだな。」
そう感じたんです。
私は上場企業で20年以上、社長秘書として働いてきました。
そして起業して3年。
今は経営者のバックオフィス支援をしています。
ありがたいことに、長くお付き合いが続いているお客様もたくさんいます。
困ったときに相談してくださる方。
「石井さんなら安心」と言ってくださる方。
一緒に会社を良くしていこうと考えてくださる方。
そんな方々に支えられて、ここまでやってくることができました。
でも、その一方で。
価値観が合わない人と仕事をすることもありました。
どれだけ先回りしても伝わらない。
どれだけ工夫しても評価されない。
もっと頑張れば分かってもらえる。
もっと成果を出せば認めてもらえる。
そう信じて走り続けた時期もありました。
でも、ある日気づいたんです。
私たちの仕事は、
メールを開くことでも、
予定を登録することでもありません。
経営者が今、何を考えているのか。
どの案件を優先すべきなのか。
社内で何が起きているのか。
トラブルの芽はないか。
必要な情報を整理し、
先回りして動き、
経営者が本来やるべき仕事に集中できる環境をつくること。
それが私たちの仕事です。
メールチェックという作業だけを見れば、AIでもできることは増えていくでしょう。
でも、
「今日は返信しないほうがいい。」
「この案件は社長が直接返したほうがいい。」
「この方には今フォローを入れておこう。」
そんな判断は、
会社のこと、
経営者の考え方、
人と人との関係を理解していなければできません。
私たちが提供しているのは、作業ではなく、信頼を支える仕事なんです。
だから、「AIでもできる」と言われたときは、少し悲しくなりました。
作業だけを見られて、
その先にある価値が伝わっていないように感じたからです。
でも今は、違う考えになりました。
価値を理解してくれない人に、価値を証明し続けなくてもいい。
これは、起業して3年間で私が学んだことです。
昔の私は、断ることが苦手でした。
頼られたら応えたい。
困っていると言われたら助けたい。
期待されたら期待以上で返したい。
それが仕事だと思っていました。
でも、がむしゃらに走り続けた3年間を振り返って思うんです。
もしかしたら、
がむしゃらに走るステージは、もう終わったのかもしれない。
これからは、
「誰のために頑張るのか。」
「誰と一緒に仕事をするのか。」
それを選ぶことも、仕事を続けるために大切な力なんだと感じています。
秘書時代も、起業してからも。
長く活躍している人には、一つの共通点がありました。
「誰と仕事をするか」をとても大切にしていることです。
仕事は、量だけではありません。
一緒に歩む相手によって、
仕事の質も、自分の人生も変わります。
もし今、
職場で。
取引先で。
お客様との関係で。
誰かの何気ない言葉に傷ついている人がいたら、伝えたいことがあります。
あなたの価値がないのではありません。
ただ、その価値が伝わる相手ではなかっただけかもしれません。
だから、
価値を理解してくれない人に、自分の時間も人生も使い続けなくていい。
離れることは、逃げることではありません。
その空いた場所には、
あなたの価値を理解し、必要としてくれる人がきっと現れます。
実は、これは自分自身にも言い聞かせている言葉です。
最近、お付き合いのあったお客様との契約が終了しました。
もちろん寂しさはありました。
「もっとできることがあったのではないか。」
そんな気持ちが全くなかったと言えば嘘になります。
でも今回は、「ご縁がここまでだった」と受け止めることができました。
すると、その翌月。
ありがたいことに、新しい継続契約が決まりました。
しかも、契約が途切れることなく。
偶然かもしれません。
でも私は、その出来事を通して改めて思いました。
空いた場所には、新しいご縁が入ってくることがある。
だから今は、以前より安心して言えます。
価値を理解してくれない人に、自分を証明し続けなくていい。
その分、あなたを必要としてくれる人のために時間を使ってほしい。
そのほうが、お互いに気持ちよく、長く仕事ができると私は信じています。
私はこれからも、価値を理解し合える人と、長く信頼関係を築ける仕事をしていきたいと思っています。
