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畑仕事とそばと温泉、今できる最高の贅沢なように思えた

そばアレルギーだけどそばが好き、というのは以前書いたことがある。

アレルギーの程度としては今のところ重篤なものではなく、食べると喉の中が少し痒くなるくらい。
大人になるにしたがってジワジワと自覚するようになった。

だけど子供の頃から無類のそば好き。
だからアレルギーを警戒しつつ、そばを楽しんでいる。

***

昨日、島で農作業の日だった。

かがんでの仕事は、慣れない者にとっては十分な重労働だった。
朝から始めて丸一日かかると事前に聞いていたから覚悟していたが、人手が予定より多かったこともあって、かなり順調に進んで昼過ぎに終了。

ならばと有名なそば屋に足を伸ばした。
前から行きたくてずっとチャンスを窺っていた店。

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孤高のそば屋〈淡路 翁〉。
あまりに分かりにくい場所にあるため、行き着けない人もいるという。
まさに、こんなところに? といったところにある。

この店の主人は、名店〈達磨〉の高橋邦弘氏に師事したという。
高橋氏といえば、NHK『プロフェッショナル』にも出演したそば打ちの第一人者で、洞爺湖サミットでも各国の要人にそのそば打ちを披露した達人。
その弟子の打つそばとあって、否が応でも期待が高まる。

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いたってふつうの住宅を改造したような店。
だが、30分ほど待って中に通され、びっくりした。

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照明が落とされ、大きく設けられた窓には田園風景とその先の神戸を望む大阪湾が見通せる絶景が広がっていたのだ。
みごとな借景だ。

危ない危ない。
山のそば屋とあって、讃岐うどんの雑然とした店内を勝手にイメージしていたから、農作業を終えた泥んこのままでもいいやと思っていたが、念のため着替えておいてよかった。

しばらく待ってようやくざるそばとご対面。

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まずは一麺だけ、何もつけず、噛まずに呑み込む。
ツルンとした喉ごしと鼻に抜けるそばの香り。
これは旨い…

その後は脇目もふらず、ズルズルすする。
しっかりめの弾力が味も香りも明確にしているような。
香る、薫る、旨い。

店外・店内とトータル1時間ほど待って、2分ほどでざるが空いた。
ほとんどの客が、1枚、もう1枚と追加しているが、僕は余韻を楽しみながら1枚のみで店を出た。

そば好きにはたまらない店だ。
また機会があったら何度でも訪れたい。

そばを堪能したあとは、海を望む温泉に浸かって一日の泥と汗を流し、すでにわずかな段差の上り下りにも支障を来たすほどプルプルしていた全身の筋肉をもみほぐした。

畑仕事とそばと温泉――
今できる最高の贅沢なように思えた。

(2021/12/13記)

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