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★第0話┃女性起業家の多くは、本当はマーケティングが苦手なのではない。「売り込むこと」「お金をいただくこと」への罪悪感があるだけだ。



「マーケティングが苦手」は、本当の悩みじゃない

千年前の女性歌人が、私たちに問いかけていること


『百人一首で学ぶ女性起業家のための知恵と実践のマーケティング』
導入編|無料記事


① ある日のコンサルティングルームで

「私、マーケティングが本当に苦手で……」

向かいに座る女性は、伏し目がちに、申し訳なさそうに、そう切り出した。

由美子さん(仮名)は、自宅の一室で小さな教室を営んでいる。教えているのは、布を使った繊細な手仕事。技術は確かで、生徒からの評価も高い。3年続けていて、リピーターも少なくない。

「マーケティングを学ぼうと思って、本も何冊か読んだんです。SNSも頑張って投稿しています。でも、なんていうか……うまくいかなくて」

「うまくいかない、というのは?」

「集客がうまくいかないんです。新しい生徒さんが、なかなか来てくれない」

私はうなずきながら、彼女が広げた資料に目を通した。Instagramの投稿頻度、内容、フォロワー数、過去の体験会の集客数。ぱっと見て、彼女が「マーケティングについて何も知らない人」ではないことは明らかだった。むしろ、知識量で言えば平均より上だ。

なのに、なぜ伸び悩むのか。


② 違和感

私はしばらく、彼女の話に耳を傾けた。

「自分の作品の良さを、声を大にして伝えるのが、どうしても苦手で……」

「『うちの教室は、ここがいいんです』って言うのが、どうしても気が引けるんです。なんか、押し付けがましい気がして」

「『今月、空きがあります』って告知すると、その日一日、ずっと落ち着かなくて」

「『買ってください』って、申し訳なくて、言えないんです」

そのとき、私の中に、ある違和感が生まれた。

由美子さんは、本当にマーケティングが苦手なのだろうか。

知識はある。スキルもある。投稿も続けている。なのに、伸びない。

問題は、もっと別のところにあるのではないか。


③ 核心と、私自身の告白

由美子さんの話を聞きながら、私の中に、一つの確信が育っていった。

マーケティングが苦手だと言う女性起業家の多くは、本当はマーケティングが苦手なのではない。「売り込むこと」「お金をいただくこと」への罪悪感があるだけだ。

技術書を読んでも、SNSノウハウを学んでも解決しないのは、根っこが「技術」ではなく「心」にあるからだ。

そう思いながら、私は彼女に伝えた。「あなたの問題は、マーケティングそのものじゃないかもしれません」と。

由美子さんは、ふと顔を上げた。

実を言うと、独立して間もない頃の私自身も、同じ罠にハマっていた。

自分の経験や知識に対価をいただくことが、どこか後ろめたかった。クライアントから「ありがとうございました」と言われて代金を受け取る瞬間に、わずかな申し訳なさがよぎる。「こんなに払ってもらっていいのだろうか」と。

その後ろめたさが、自分の発信を控えめにし、提案を遠慮がちにし、結果として、必要としている人に自分の声を届けられない時期が、確かにあった。

由美子さんを見ながら、私は、過去のある時期の自分の姿を見ていた。


④ 帰り道、千年前の歌が浮かんだ

由美子さんとの面談を終え、夕暮れの街を歩きながら、私は彼女の言葉を反芻していた。

「申し訳なくて、言えないんです」

なぜ、これほど多くの女性起業家が、自分の声を世に出すことに罪悪感を抱くのだろう。なぜ「忍ぶ」ことが、これほど深く根づいているのだろう。

そう考えていたとき、ふと、一首の和歌が頭に浮かんだ。

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば
忍ぶることの弱りもぞする

百人一首89番、式子内親王の歌である。

千年前、内親王として生まれ、自由な恋を許されない立場にあった彼女が、抑え続ける気持ちの限界を詠んだ歌だ。「私の命の緒よ、絶えるなら絶えてしまえ。長らえていれば、忍ぶ気持ちを抑えきれなくなりそうで、それが恐ろしい」と。

なぜ、この歌が、由美子さんの相談の帰り道に浮かんだのか。私はしばらく、その理由を考えていた。


⑤ 「忍ぶ」を、現代に翻訳する

歩きながら、私はゆっくりと、その歌の言葉をほどいていった。

式子内親王が「忍ぶ」と詠んだのは、恋の感情だった。しかし「忍ぶ」という行為そのものを、もう少し広く捉えてみる。

「忍ぶ」とは、自分の本当の感情・力・情熱・価値を、世に出さず内に秘めること。

そう読み替えた瞬間、千年の隔たりを越えて、式子内親王の歌が、由美子さんの相談と、ぴたりと重なった。

由美子さんは、忍んでいるのだ。

自分の作品の良さを、声に出すことを忍んでいる。
「うちの教室はここがいいんです」と伝えることを忍んでいる。
「今月、空きがあります」と告げることを忍んでいる。
そして、「買ってください」と言うことを、忍び続けている。

「忍ぶ」ことを、私たちは美徳として教えられてきた。控えめなこと、出しゃばらないこと、自己主張しないこと。それは確かに、ある場面では美しい。

しかし式子内親王は、忍ぶことが命の緒を弱らせると歌った。抑え続けることの先に、自分自身を損なう瞬間が来ると、千年前の女性歌人は、すでに知っていた。

忍ぶことを美徳と考えがちな私たちに、千年前の女性歌人がそっと問いかけてくる。「あなたの声を、本当に内に秘めたままでいいのですか」と。

マーケティングという、一見、無機質な響きを持つこの行為は、本当は「自分の声を、必要としてくれる誰かに届ける」という、極めて人間的な営みだ。それを「売り込み」と呼ぶから、後ろめたく感じる。「自分を押し付けている」と感じてしまう。

しかし、本当はそうではない。マーケティングとは、忍ぶことをやめて、自分の本当の価値を、必要としている人のもとへ届ける技術なのだ。


⑥ このシリーズを書く決意、そして次の物語へ

その夜、私は決めた。

これまで多くの女性起業家を支援してきて、見えてきたものがある。マーケティングフレームワークの解説書は、もう世の中にたくさんある。SNSノウハウの本も、いくらでもある。

それでも、女性起業家たちが救われないのは、心の根っこにある「忍ぶ」という美徳が、ビジネスの場面で、自分自身を縛ってしまうからだ。

その縛りを、ほどく言葉が必要だ。

そして、その言葉は、千年前の歌人たちが、すでに私たちに残してくれている。百人一首には、自分の心と向き合った女性たちの声が、いくつも刻まれている。彼女たちの言葉を、現代のマーケティングの実務と編み直すことができれば、技術書では届かない場所に、何かを届けられるかもしれない。

そう思って、このシリーズを始めることにした。

百人一首の和歌と、マーケティングフレームワーク。一見、何の関わりもなさそうな二つを、織り合わせていく物語。読み終えたとき、あなたの中で「忍ぶ」と「届ける」のバランスが、少しだけ動いていますように。

そして、その翌週。

私のもとに、もう一人の女性が訪れた。彼女の名前は、咲。32歳。会社員として働きながら、副業でハンドメイドアクセサリーを作っていた。

「いつか、自分のブランドで生きていきたいんです。でも、まだ自信がなくて」

そう打ち明けた咲との出会いから、第1話の物語が始まる。



⑦ このシリーズから最大限の学びを得るために

本編に入る前に、このシリーズから最大限の学びを得るためのお願いを、4つだけ。

① 繰り返し読む ―― 2回以上読むと、新しい発見があります。1回目は物語として、2回目は学びとして、3回目は自分自身の物語として読んでみてください。

② 活かし方を考えながら読む ―― 「自分ならどうする?」と問いかけてみてください。和歌も、フレームワークも、自分の事業に当てはめたとき、初めて生きた言葉になります。

③ 実践ワークに取り組む ―― ノートとペンを用意してください。各話に小さな問いがあります。考えるだけでなく、書き出すと、思考が形を持ち始めます。

④ 記録をつける ―― やってみたこと、気づいたこと、変わったことを書き留めてください。半年後、一年後、振り返ったときに、あなたの旅路が見えてきます。


このシリーズが、あなたが「忍ぶ」をほどき、自分の声を必要な誰かに届けるための、小さな道しるべになりますように。

それでは、第1話「咲との出会い ―― 起業の最初の一歩を踏み出せない、すべての女性へ」でお会いしましょう。

千年前の歌人と、現代のあなた。その間に、私が橋を架けます。



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- 女性起業家の皆様へ -


「マーケティング」という言葉を聞いて、ワクワクする人はどれくらいいるでしょうか。

正直に言うと、私がコンサルタントとして支援してきたクライアントの多くは、この言葉にどこか苦手意識を持っていました。

「フレームワークとか言われても、ピンとこない」 「ビジネス書を買っても、途中で挫折してしまう」 「マーケティングが大事なのはわかる。でも、何から始めればいいかわからない」

特に、起業前や起業したばかりの方からは、こんな声を本当によく聞きます。

情熱もスキルもある。お客様に届けたい想いも、ちゃんとある。 なのに、「届け方」がわからなくて、立ち止まってしまう。

その姿を何度も見てきて、ずっと考えていたことがありました。

マーケティングの本質って、実はとてもシンプルで、とても人間的なものなのに、なぜこんなに「難しそう」に感じさせてしまうんだろう。もっと自然に、もっと心に残る形で届ける方法はないだろうか、と。

そんなとき、ふと頭に浮かんだのが「百人一首」でした。



百人一首の和歌は、千年以上前に詠まれたものです。

恋する切なさ、大切な人への想い、季節の美しさに気づく感性、逆境のなかでも折れない心。

千年経っても色褪せない、人間の感情がそこにはあります。

そして気づいたんです。

マーケティングもまた、「人の心を動かす」という点で、和歌とまったく同じことをしているのだと。

たとえば、こんな歌があります。

「君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ」

大切な「あなた」のために、雪の降る野原をひとり歩いて若菜を摘む。寒さなんて気にならない。届けたい人がいるから。

これ、マーケティングで言う「ペルソナ設計」そのものなんです。届けたいたったひとりの人を決めること。「誰にでも」ではなく「あなたに」届けると決めたとき、言葉も行動もまるで変わる。

千年前の天皇が雪の中を歩けたのは、届ける相手の顔が見えていたから。私のクライアントが集客を劇的に変えられたのも、まったく同じ理由でした。

百人一首の一首一首が、マーケティングの大切な知恵を、そっと教えてくれる。

この発見を形にしたのが、これから始まるシリーズ(有料販売)です。



「百人一首で学ぶ 女性起業家のための知恵と実践のマーケティング」

全20話のこのシリーズでは、百人一首の和歌を入り口に、私がコンサルティングの現場で出会った実際のクライアント事例を物語として紡ぎ、今日から使えるマーケティングの知恵をお届けします。

教科書のような解説ではありません。ビジネス物語です。

クライアントが悩み、迷い、壁にぶつかり、そこからどう変わっていったか。その過程を、百人一首の和歌の情景とともに描きます。

読み終えたとき、「マーケティングって、こういうことだったんだ」と感じていただけるはずです。


このシリーズで大切にしていることが3つあります。

ひとつめは、「具体的であること」。抽象的な理論ではなく、実際のクライアント事例を通じてお伝えします。よくある失敗パターンも、包み隠さず。

ふたつめは、「わかりやすいこと」。専門用語はできるだけ使いません。隣に座って話を聞いているような感覚で読んでいただけることを目指しています。

みっつめは、「行動につながること」。毎回、ノートとペンがあれば今日から始められる実践ワークを用意しています。さらに、購入者限定の特典として、学びを追体験できる短編小説「女性起業家物語」もお届けします。


シリーズは4つのPhaseで構成しています。
Phase 1(第1〜5話):

起業の土台をつくる
Phase 2(第6〜10話):
集客と発信の力をつける
Phase 3(第11〜15話):
売上と継続を安定させる
Phase 4(第16〜20話):
次のステージへ進む

各話は独立して読めますが、Phaseの順に読んでいただくと、マーケティングの基礎から実践まで体系的に身につきます。



このシリーズは、起業前・起業直後の女性起業家の方を主な読者として書いていますが、ビジネスの本質は性別を問いません。起業を志す男性の方にも、副業を始めたい方にも、転職やキャリアチェンジを考えている方にも、「自分の価値を届ける力」を身につけたいすべての方にお届けしたいと思っています。

千年前の和歌と、現代のマーケティング。

一見、何のつながりもないように思えるかもしれません。でも、どちらも「大切な相手に想いを届ける」という行為です。和歌は三十一文字に心を込めて想いを伝える。ビジネスは、あなたの価値を、届けたい人に届ける。根っこは同じなんです。

まもなく、第1話(有料販売)をお届けします。

あなたの起業の道を照らす小さな灯りになれたら、こんなにうれしいことはありません。

どうぞ、楽しみにしていてください。


【記事の構成】
◎無料記事部分
◎以下の有料記事部分
・その回でのビジネス物語/フレームワークをわかりやすく解説
・よくある失敗パターン
・9+1のアドバイス
・実践ワーク
・コンサルタント自身の失敗エピソード
・次回予告
ここまでで、10,000文字前後)
◎購入者限定特典の毎回付属する「女性起業家物語」
(2,00文字前後)

【購入者限定特典】
★学びを追体験できるサイドストーリー「女性起業家物語」
等身大の主人公「咲(さき)」の成長ストーリー(20話)
(本編 ビジネス物語 第1〜20話に1話ずつ付属)
ハンドメイド作家の咲(さき)が、壁にぶつかりながらも一歩ずつ進む姿に自分を重ねることで、難しい理論も「自分事」として体感できます。

★「行動」を促す実践ワーク&アドバイス
(本編 ビジネス物語 第1〜20話に収録)
読むだけで終わらせないための「実践ワーク」と、学びを最大化する「9つのアドバイス」を収録しています。



~ やるしかない! ~
(歌詞:御茶乃子)





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