高校球児いや…
90代男性、慢性硬膜下血腫除去術後
確かHDS-R=10点台後半だったと思う。
よくしゃべるかわいいおじいちゃんだった。
リハビリで目指すところをイメージするため、
入院初日、生活歴を聞いていく。
まずはざっくり
「入院前は誰とどんな風に生活してましたか?」
「D高校で野球部で、県大会決勝で負けました。甲子園、行きたかったです」
うん、70年前から聞いてる時間はないな?
「高校球児だったんですね。もうちょっと最近で教えて欲ほしいんですが…例えば今年の正月からお花見の時期は何をしていましたか?」
「春の高校野球をテレビで見ました。K高校に負けたんです。そのK高校はその年、準優勝でした」
そうだしまった春は高校野球のシーズンだ
「テレビは主に誰と見ていますか?」
「妻とです。妻も野球が好きですから。自分たちが甲子園に出ても、準優勝はできそうな試合展開でした」
お願い一旦野球から離れて
「奥様と散歩はしますか?そのときに杖を使ったりしますか?」
「若いときに走り込みましたから、杖がなくても歩けます。ショートを守っていました。当時は足が速くて、盗塁も得意でしたよ」
これもダメかこっちのペースに乗りきれねぇ
「そうなんですね、おうちから1番遠くで歩いていくところはどこですか?例えばコンビニとか銀行とか、そんなところに行きますか?」
「コンビニは便利ですよね、昔にもあれば、練習のあと気軽にお腹を満たせましたよね。あ、でもお小遣いがないか」
もう私の負けだった。何を切り返しても野球に戻ってくる。このあと予定を変更して、午前中いっぱい野球談義に付き合いましたよ。
ご家族はきっと何百回何千回と聞かされてきたんだろうな。たいそう感謝された。
おかげでご家族とは信頼関係しっかり築けて、情報収集できたから良しとしよう。
愛すべき高校球爺
今はファーストまで走り抜くことを目標にリハビリに取り組んでいる。
